検索

命の危険:無顆粒球症/再生不良性貧血/劇症肝炎  [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査の長崎クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見①甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

無顆粒球症を早期発見するための定期採血

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝・糖尿病に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編   内分泌代謝(副甲状腺/副腎)・痛風/肥満/禁煙等  (下垂体・妊娠/不妊等)  糖尿病編 をクリックください

Summary

命の危険:無顆粒球症・再生不良性貧血・劇症肝炎を解説。無顆粒球症(好中球という白血球が激減し免疫不全に)と劇症肝炎、再生不良性貧血は甲状腺機能亢進症/バセドウ病の抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の危険な副作用です。服薬後2-3か月以内で起こる事が多い。

一般の人は「甲状腺の薬で死ぬ事は少ない」と考えている方が多いです。しかし、甲状腺の薬の副作用をナメテ掛かると大変なことになる可能性あります。

無顆粒球症

日本全国でメルカゾール無顆粒球症による死亡が2012年で3人、2013年で1人報告されています。

無顆粒球症とは? いつおこるの?

甲Joう君 掲示2

無顆粒球症(好中球という白血球が激減し免疫不全におちいる状態抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の副作用で最も恐ろしいものの一つが無顆粒球症です。

  1. 服薬後2-3か月以内で起こる事が多く、2か月間(できれば3か月間)は2週間に一度白血球数を調べる必要があります。
  2. また、抗甲状腺薬を飲んだり飲まなかったりの不規則な服薬を行うと、服薬開始後十年以上して無顆粒球症になる場合があります。
  3. さらに、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が一度寛解して抗甲状腺薬を中止し、その後、甲状腺機能亢進症/バセドウ病再発により抗甲状腺薬を再投与した時にも無顆粒球症おこることがあります。
  4. 抗甲状腺薬をきちんと飲んでいても、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が再発してしまい、抗甲状腺薬を増量した場合も無顆粒球症おこることがあります。
    例えば、維持量が5mg(1錠)あるいは2.5mg(0.5錠)の
    メルカゾールを、30mg(6錠)あるいは20mg(4錠)に増量して、2か月以内に無顆粒球症がおこった。(第58回 日本甲状腺学会 P1-10-2 当院で経験した抗甲状腺薬による無顆粒球症の臨床的検討)

無顆粒球症の原因

無顆粒球症がおこる原因は、いまだ不明です。有力な説は、

  1. 好中球に対する自己免疫説
  2. 骨髄毒性

があります。

無顆粒球症の症状

無顆粒球症では、血液中の好中球が著減(500以下)もしくは消失し、

  1. 高熱(熱発せず、好中球減少のみが定期採血で見つかることあり)
  2. 口腔・咽頭の壊死性潰瘍(膿が付きまくります)

と、症状自体は急性扁桃腺炎・インフルエンザとほぼ同じです。しかし、好中球がそこまで低下しない時期に抗甲状腺薬を中止すれば軽症で済みます。

無顆粒球症を早期発見するための定期採血

抗甲状腺薬の内服開始後、最初の2か月(出来れば3か月)は2週間毎に、白血球数をチェックします。

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、肝障害も同時にチェックします。

無顆粒球症を早期発見するための定期採血

もし無顆粒球症が疑われる高熱と強いのどの痛みが夜間・休日・出張先でおきたら、このカードを救急病院で提示して、まず白血球を測ってください。

それでも予測困難な無顆粒球症

伊藤病院の報告によると、無顆粒球症が発症した23例の内、発症前2週間以内の顆粒球数が1000/μl以上であった症例は21 例 (91%) (中央値1898 (818-4118)/μl)でした。

無顆粒球症を発症した症例では、2週間以内の顆粒球数はほとんどの症例で正常であり、2週間毎の採血による無顆粒球症の予測は困難であると言えます。ただし、9%は予測可能であったため、全く無駄とも言えないようです。

(第55回 日本甲状腺学会 P2-06-04 バセドウ病の抗甲状腺薬による無顆粒球症の発症は2 週間毎の顆粒球検査では予測困難である)

無顆粒球症緑膿菌感染

無顆粒球症では緑膿菌による敗血症を合併しやすく、

  1. 広域抗生物質[カルバペネム(メロペネム:MEPM)単独でも緑膿菌に効果]と緑膿菌含むグラム陰性桿菌感染を考慮したアミノグリコシドの併用[カルバペネム耐性腸内細菌が出現しておりチゲサイクリンなどが適用]
  2. CEPM(第4世代セフェム:セフェピム)
  3. TAZ/PIPC(β‐ラクタマーゼ阻害剤配合タゾバクタム・ピペラシリン)

に免疫グロブリン製剤,G-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)を経静脈的に投与し,敗血症等の重症感染症を防ぐ必要があります。陽圧換気個室での管理が好ましいです。

また時に緑膿菌による壊疽性膿皮症をおこすこともあります。

無顆粒球症時の抗生剤投与

無顆粒球症時の抗生剤は、上記の緑膿菌を前提とした抗生剤に加えて、抗真菌剤フコナゾールも同時に投与します。また、当然、下記のG-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)製剤も好中球が増えるまで投与します。

G-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)製剤と甲状腺

無顆粒球症のG-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)製剤投与は再生不良性貧血に準じて行います。顆粒球回復までの平均期間は5日ほど(5-9日)で、単球数が多いほど回復が早いとされます。血液中の好中球数が7日以降に、1000を超えます。

参考までに以下は、甲状腺の病気でG-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)製剤を使用する基準です

  1. 悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫)など造血幹細胞の末梢血中への動員⇒造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進
  2. 悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫)、小細胞肺癌:がん化学療法剤投与終了後,翌日以降から
  3. 甲状腺未分化癌の抗癌剤治療では好中球数1,000/mm3未満で発熱(38℃以上)あるいは好中球数500/mm3未満が観察された時点から
  4. 再生不良性貧血(下記)/骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症:好中球数1,000/mm3未満

再生不良性貧血

抗甲状腺薬と再生不良性貧血

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の無顆粒球症は珍しくありませんが、再生不良性貧血は稀で症例報告も少ないです。再生不良性貧血は白血球、赤血球、血小板すべてが減少しますが、赤血球は寿命が長いため、最初は白血球、血小板の減少のみです。報告では、

  1. 抗甲状腺薬(メルカゾール)投与後16週で発症しており、無顆粒球症よりも遅く、
  2. 抗甲状腺薬中止5-6週で自然軽快する症例が多いものの、シクロスポリン必要になる場合もあります。
  3. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病自体はアイソトープ治療に。
    (第54回 日本甲状腺学会 P207 チアマゾール開始後に再生不良性貧血を発症し、薬剤性としては非典型的な経過を辿ったバセドウ病の1例)

通常正球性貧血で、汎血球減少の遅い慢性型では赤血球が大小不同の大球性貧血。

典型的には骨髄低形成ですが、実際、巨核球減少とトロンボポエチン軽度高値であれば、免疫異常による骨髄形成不全と言えます。治療法は、

  1. 軽症:対症療法と蛋白同化ステロイド免疫抑制療法
  2. 中等症以上
    40歳未満は骨髄移植
    40歳以上は免疫抑制療法で、造血幹細胞を傷害しているリンパ球を抑えます。抗胸腺細胞グロブリンと免疫抑制剤シクロスポリンを使用。

元々再生不良性貧血甲状腺機能亢進症/バセドウ病に併発している場合、染色体異常が11%存在します。

血清病

破傷風などに抗血清(ヒトのタンパク質ではない)を投与すると、抗体が生成され、再度、抗血清を注射した際にⅢ型アレルギー:血清病がおこります。抗胸腺細胞グロブリンは異種蛋白(ヒトのタンパク質ではなくウマ・ウサギのタンパク質)であるため血清病おこします。

劇症肝炎

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)による劇症肝炎

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)では劇症肝炎,黄疸等の重篤肝障害をおこすことがあります。特にPTU(プロパジール、チウラジール)でおきやすく、成人の甲状腺機能亢進症/バセドウ病にPTU(プロパジール、チウラジール)が投与されると、肝不全の頻度は10,000人に1人で、死亡率が20~30%といわれます。

論文報告されている成人甲状腺機能亢進症/バセドウ病におけるPTU(プロパジール、チウラジール)開始後、肝不全出現までの期間は、

1日後(52歳女性死亡)、12日後(54歳男性死亡)、2週後(20歳女性死亡)、6週後(34歳女性肝移植後回復)、10週後(29歳女性肝移植後回復)、3か月後(20歳女性死亡, 24歳女性回復, 37歳女性回復)、5か月後(30歳女性死亡, 35歳女性回復)、9か月後(31歳女性肝移植後回復)、12か月後(42歳女性死亡)、15か月後(32歳女性妊婦死亡)

と、1日後から1年半後と幅があります。[抗甲状腺薬の副作用と対策. 新しい診断と治療のABC 25 甲状腺疾患(改訂第2版) 164-173. 2012]

劇症肝炎とは

劇症肝炎とは、「症状出現から8週以内にプロトロンビン時間が40%以下に低下、肝性昏睡Ⅱ度以上の肝炎」と定義され、この期間が10日以内の急性型/以降の亜急性型/8週以降の遅発性肝不全に分類されます。亜急性型/8週以降の遅発型は予後不良で肝移植になること多いです。

原因はB型肝炎45%、成因不明30%、薬剤性15%(抗甲状腺薬含む)、自己免疫性10%。

血液中の分岐鎖アミノ酸(BCAA)(バリン、ロイシン、イソロイシン)/芳香族アミノ酸(ACA)(チロシン、フェニルアラニン)比が低下します

PTU(プロパジール、チウラジール)亜急性劇症肝炎

抗甲状腺薬PTU(プロパジール、チウラジール)は、重篤な肝障害起こす可能性あり、小児ではそのため使用が禁忌になっています。

抗甲状腺薬PTU(プロパジール、チウラジール)投与後の亜急性劇症肝炎は、文献報告で30症例に満たないが、その半数は肝移植までされています。全症例、、3か月以降で発症しています。

PTU(プロパジール、チウラジール)肝障害は、急性発症が大多数ですが、亜急性劇症肝炎は投与後2週間に1回の副作用チェックを終えた後に発症するので注意が必要です。PTU(プロパジール、チウラジール)を服薬中の患者さんは、亜急性劇症肝炎を疑わせる消化器症状と褐色尿に注意が必要です。(第55回 日本甲状腺学会 O-04-04 PTU投与後劇症肝炎を生じ当院で肝移植を施行された1例と早期発見のための肝機能検査についての検討)

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎クリニック(大阪)

広告

長崎クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 地下鉄 谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

診療時間電話番号や地図はこちら

ORSコード