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甲状腺癌の発癌理論(芽細胞発癌), 隠れ甲状腺癌(甲状腺ラテント癌), FDG-PET/CTと甲状腺[甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見④甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺癌の発癌理論(芽細胞発癌)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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Summary

甲状腺癌の発癌理論(芽細胞発癌), 隠れ甲状腺癌(甲状腺ラテント癌), FDG-PET/CTと甲状腺を解説します。甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)、良性の甲状腺腺腫甲状腺未分化癌が発生する原因、隠れ甲状腺癌(甲状腺ラテント癌)の頻度、FDG-PET/CTでの結節性甲状腺腫(甲状腺腫瘍)、甲状腺癌の発見率も説明します。

甲状腺癌の発癌理論(芽細胞発癌)

甲状腺癌の発癌理論(芽細胞発癌)

今まで甲状腺癌の原因は、(甲状腺ホルモンをつくる)濾胞上皮細胞の増殖過程で遺伝子変異がおこるためと考えられていました。しかし、濾胞上皮細胞は一生でたった6-8回しか細胞分裂しないため、そう簡単に癌化しません。また、甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)が若年者に多い理由を説明できません。

大阪大学の高野徹先生の芽細胞発癌理論(右)は、この矛盾を解決します(Endocr J 2004; 51: 509-515)(日本甲状腺学会雑誌 Vol4(2) 81-85)。濾胞上皮細胞が癌化するのでなく、最初から癌化すべき未熟な細胞が甲状腺内に存在しているというのです。

  1. 甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)は胎生期の、癌の性質をもつ未熟な甲状腺芽細胞に由来
  2. 良性の甲状腺腺腫は、癌の性質をもたない高分化な前甲状腺細胞に由来
  3. 最も悪性の甲状腺未分化癌は、最も原始的な(未分化な)甲状腺幹細胞に由来

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)が

  1. 女性に多いのは、甲状腺芽細胞が胎児期の高エストロゲン下で発生することから説明でき、
  2. 甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)が若年者で悪性度低く、高齢者で悪性度高いのは、高齢者の甲状腺芽細胞は原始的な甲状腺幹細胞に近いためと考えられます。

甲状腺未分化癌が、

  1. 高齢者におこるのは、甲状腺幹細胞は数十年、増殖せず潜伏できるため
  2. 甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)と共生するのは、甲状腺幹細胞は自分より分化した甲状腺芽細胞を作り出すとすれば説明可。
    [これまでは甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)が未分化変異おこすと信じられていましたが、未分化癌の転移巣でも未分化癌と分化癌が共生する理由を説明できませんでした]

隠れ甲状腺癌(甲状腺ラテント癌)

隠れ甲状腺癌(甲状腺ラテント癌)は、剖検(死後病理解剖する事)すると、日本人の3-5.2%に存在するとの報告があります(甲状腺結節取扱いガイドライン2013,p8-22)。フィンランド人、ハワイアンでも同様に高い数字です(Cancer 56:531-538,1985)。

FDG-PET/CTと甲状腺

小宇宙3

人間ドックのFDG-PET/CTで最もよく見つかる癌は甲状腺癌です。FDG-PET/CTおこなうと最大8%に結節性甲状腺腫(甲状腺腫瘍)が見つかり、その10-60%が甲状腺癌といわれます。浜松医大の報告では、18F-FDG-PET にて限局性集積を呈する甲状腺結節(FDG 陽性結節)30 例の内分けは甲状腺乳頭癌10 例、甲状腺濾胞癌1 例、FNAB-indeterminate 2 例、良性17 例との事でした。FDG 陽性結節の約30%が甲状腺癌と言う事ですので、かなり高い比率です。逆に考えれば、甲状腺良性結節(良性濾胞腺腫腺腫様結節など)は、FDGを取り込まない(FDG-PET/CT陰性)が多い事になります。(第55回 日本甲状腺学会 P1-09-05 18F-FDG-PET にて限局性集積を認める甲状腺結節に関する検討―超音波カラードプラとエラストグラフィを中心に―)

SUVmax(放射線の最大集積値)は甲状腺腫瘍の良悪性を区別できないとされます。しかし、甲状腺乳頭癌ではSUVmaxが、良性または鑑別困難に比べて高い傾向だったとする報告もあります。(第55回 日本甲状腺学会 P1-09-02 FDG-PET により指摘された甲状腺偶発腫瘍に対する検討)

放射線で標識したブドウ糖を使うため、糖尿病では、がんのFDG取り込みが低下する可能性があります。

※長崎クリニック(大阪)でFDG-PET/CTはおこなっておりません。

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