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不妊・生理不順・無月経-中枢性性低ゴナドトロピン性腺機能低下症(男性不妊も)[橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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内分泌代謝(下垂体・副腎・妊娠/不妊等)専門の検査/治療/知見  長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺専門内分泌代謝長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外(Pub Med)・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 代謝内分泌内科(内分泌骨リ科:第2内科)で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。尚、本ページは長崎甲状腺クリニック(大阪)の経費で非営利的に運営されており、広告収入は一切得ておりません。

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。中枢性性低ゴナドトロピン性腺機能低下症の診療を行っておりません。

Summary

中枢性低ゴナドトロピン性性腺機能不全症は下垂体の黄体刺激ホルモン(LH)/卵胞刺激ホルモン(FSH)の分泌低下。女性は妊活・挙児希望ないなら排卵誘発必要なし。第1度無月経は黄体ホルモン剤のみ(ホルムストローム療法)。第2度無月経はエストロゲン剤/黄体ホルモン剤を併用(カウフマン療法)。妊活・挙児希望あると排卵誘発。第1度無月経はクロミフェン療法。第2度無月経はゴナドトロピン療法[hCG-hMG(FSH)療法、LHRH間欠投与法)]。男性はテストステロンデポ剤、GnRH(LHRH)療法、精子形成にはhCG-hMG (FSH)療法。カルマン(Kallmann)症候群は二次性徴障害と嗅覚障害。

Keywords

低ゴナドトロピン性性腺機能不全症,下垂体,黄体刺激ホルモン,LH,卵胞刺激ホルモン,FSH,エストロゲン,黄体ホルモン,カルマン症候群,無月経

中枢性性低ゴナドトロピン性腺機能低下症とは

低ゴナドトロピン性性腺機能不全症(Hypogonadotropic hypogonadism)は、男女とも不妊・生殖障害を来す病気の一つです。

低ゴナドトロピン性性腺機能不全症は、下垂体黄体刺激ホルモン(LH)/卵胞刺激ホルモン(FSH)両方の分泌低下と、LHまたはFSH単独の分泌低下です。その原因として、

  1. 単独型LH/FSH分泌不全(他のホルモン異常なし)
    GNRHR遺伝子変異;常染色体劣性遺伝による下垂体のGnRH(LHRH)受容体(=GNRHR)遺伝子変異(Nat Genet. 1998 Jan;18(1):14-5.)
    GPR54(G-protein coupled receptor 54)遺伝子変異(N Engl J Med. 2003 Oct 23;349(17):1614-27.)
  2. CHARGE症候群;カルマン(Kallmann)症候群と同じく嗅覚障害(Nat Genet. 2004 Sep;36(9):955-7.)

低ゴナドトロピン性性腺機能不全症は、

  1. 男子では生下時から外性器・睾丸が小さいなどの症状。女子は思春期まで無症状。
  2. 男女とも思春期における二次性徴の障害(女児で14歳、男児で15歳まで二次性徴が発来しないか、発来しても不完全)を起こします。
    男子の二次性徴は、精巣発育→恥毛発生→声変わり・ひげ・腋毛発生
    女子の二次性徴は、乳房発育→子宮発育→恥毛発生→初経→全身の骨端線閉鎖の順番で起こります。
  3. 男女とも骨粗鬆症[Nurs Clin North Am. 2007 Mar;42(1):87-99,]

低ゴナドトロピン性性腺機能不全症の治療は性ホルモン剤内服あるいは注射による補充を行います。妊活・挙児希望の有無により、男女とも性ホルモン補充の方法が異なります。

女性の低ゴナドトロピン性性腺機能不全症の治療

女性の低ゴナドトロピン性性腺機能不全症の治療は、

  1. 妊活・挙児希望がない時。排卵誘発必要なし。
    第1度月経[黄体ホルモン(プロゲステロン)のみの分泌低下]、無排卵周期症、希発月経など軽度では、黄体ホルモン剤のみ(ホルムストローム療法)
    第2度無月経[卵胞ホルモン(エストロゲン)黄体ホルモン(プロゲステロン)両方の分泌低下]はエストロゲン剤および黄体ホルモンを併用(カウフマン療法)。
     
  2. 妊活・挙児希望がある時。排卵誘発。
    第1度無月経、無排卵周期症、希発月経など軽度ではクロミフェン療法
    第2度無月経ではゴナドトロピン療法[hCG-hMG(FSH)療法、LHRH間欠投与法)]

男性:GnRH(LHRH)間欠皮下注療法またはhCG-hMG (FSH)療法

男性の低ゴナドトロピン性性腺機能不全症の治療は、

  1. エナント酸テストステロンデポ剤の注射による補充(2-4週に1回)
  2. GnRH(LHRH)療法は視床下部性性ゴナドトロピン分泌低下症に有効ですが、下垂体が廃用性萎縮していると無効。
  3. 精子形成には、hCG-hMG (FSH)療法です。テストステロン投与で二次性徴を発現させ、挙児希望の時にhCG-hMG (FSH)療法に切り替えます。

カルマン(Kallmann)症候群

カルマン(Kallmann)症候群とは

カルマン(Kallmann)症候群は、10万人に1.2〜10名程の稀な病気です。

カルマン(Kallmann)症候群は、胎生期の嗅脳原基より発生するゴナドトロピン放出ホルモン(LHRH)神経が、本来行くべき視床下部へ遊走せず、LHRH分泌が低下し、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症をきたす病気です。

嗅球障害も合併し、無嗅症や低嗅症、腎形成異常や難聴、口唇口蓋裂なども合併します。

カルマン(Kallmann)症候群

カルマン(Kallmann)症候群の症状

カルマン(Kallmann)症候群の症状は、

  1. 思春期における二次性徴の障害(女児で14歳、男児で15歳まで二次性徴が発来しないか、発来しても不完全)
  2. 思春期は一時的に低身長、しかし骨年齢が遅延するため最終的には高身長
  3. 骨密度は同年齢に比し低いが、性ホルモン補充により増加
  4. 無嗅症や低嗅症、腎形成異常や難聴、口唇口蓋裂なども合併する事がある(重症度に差がある)。

カルマン(Kallmann)症候群の治療

低ゴナドトロピン性性腺機能低下症を参照。

カルマン(Kallmann)症候群の予後

カルマン(Kallmann)症候群の予後は、

  1. 適切な性ホルモン補充療法により、二次性徴の進行・身長増加・骨密度増加が認められます。
  2. 生殖補助医療により挙児の例も報告されています。
  3. 一部症例で自然軽快も報告されています。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,浪速区,浪速区,東大阪市,天王寺区,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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