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甲状腺と肝障害(自己免疫性肝炎,原発性胆汁性肝硬変)・胆石・薬剤性肝障害・肝血管腫 [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコーの長崎クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見①甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

原発性胆汁性肝硬変(PBC) 超音波(エコー)画像

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Summary

甲状腺,橋本病/甲状腺機能低下症,バセドウ病/甲状腺機能亢進症と肝障害(自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、抗ミトコンドリアM2抗体シェーグレン症候群合併)・胆石・薬剤性肝障害(チラーヂンS錠、抗甲状腺薬)・肝血管腫について解説。

甲状腺と肝障害(自己免疫性肝炎,原発性胆汁性肝硬変)・胆石・薬剤性肝障害・肝血管腫

甲状腺ホルモン異常と肝障害

甲状腺機能亢進症/バセドウ病と肝障害

甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、甲状腺ホルモンの肝細胞毒性(肝細胞の異常な代謝亢進)により、肝酵素の上昇が見られます。肝臓内科・消化器内科で肝生検までして、原因の判らない肝障害は、甲状腺機能亢進症/バセドウ病(あるいは、甲状腺機能低下症のことも)の可能性があります。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病を、抗甲状腺薬[MMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)]で治療開始すれば、GPT(ALT)は上昇し、約1カ月後にピークになります(ALTピーク)。ALTピーク値と、1か月間の上昇度(ΔALT)は、治療前のFT3値に有意な相関を認めます。つまり、治療に伴う代謝変動が約1カ月後のALTピークの原因と考えられます。(第58回 日本甲状腺学会 O-3-5 バセドウ病のメチマゾール治療後の一過性肝酵素上昇と治療前の甲状腺機能との関係)

一方で、抗甲状腺薬[MMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)]の副作用による肝障害(メルカゾール6錠で5%・3錠で3.5%、プロパジール6錠で15%)の可能性もあります。代謝変動によるALTピークとの鑑別は、リンパ幼若化試験などが参考になりますが、数日かかるため間に合わず、陽性に出ても断定できないと言う不確かなものです。隈病院の網野先生は、ALT≧150、田尻先生は、ALT≧100で薬剤性肝障害と考え、抗甲状腺薬を変更すべきとされ、長崎クリニック(大阪)ではALT≧100を採用しています。

また、抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)肝障害は、時に劇症肝炎になる場合もあります。

リンパ球刺激試験(DLST):Ⅳ型アレルギーを診断。薬剤アレルギー症状が見られても、発症直後は陰性が多く、陽性になるのは1~2 ヵ月後で役立たずのこと多い。(午後・休日前はできません)

甲状腺機能低下症と肝障害

甲状腺機能低下症では、代謝の低下による胆汁うっ滞などが肝障害の原因と考えられます。肝臓内科・消化器内科で肝生検までして、原因不明の肝障害は、甲状腺機能低下症の可能性があります。

非常に稀な、甲状腺ホルモン剤、チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)の副作用として、添加物として含まれる部分アルファー化デンプン,トウモロコシデンプン,D-マンニトール,三二酸化鉄などによる薬剤性肝障害(アレルギー性肝障害)があります。チラーヂンS錠が原因か調べるにはリンパ球刺激試験(DLST)を」行います。リンパ球刺激試験(DLST)が陽性になれば診断できますが、実際、陽性はめったにありません。

院長の執筆

  • ワンポイントアドバイス:見逃されやすい甲状腺疾患1 原因不明の肝障害 (文光堂 メディカルプラクティス)

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原発性胆汁性肝硬変(PBC)

抗ミトコンドリアM2抗体

原発性胆汁性肝硬変(PBC) 超音波(エコー)画像
  1. 橋本病/甲状腺機能低下症の肝障害の約20%(特に甲状腺機能低下症で陽性率高い)
  2. バセドウ病/甲状腺機能亢進症の肝障害の約8%

原発性胆汁性肝硬変(PBC)が存在します。原発性胆汁性肝硬変(PBC)では血液中の抗ミトコンドリアM2抗体が陽性になり、橋本病/バセドウ病で肝臓の数値が高い方は調べる必要があります。

抗ミトコンドリアM2抗体陽性の橋本病/バセドウ病では他の自己抗体も陽性になり、

  1. 抗CCP 抗体と抗SS-A 抗体がそれぞれ約13%
  2. 抗平滑筋抗体と抗セントロメア抗体がそれぞれ約11%

(第55回 日本甲状腺学会 P2-10-11 甲状腺疾患における抗ミトコンドリアM2 抗体陽性例の検討)

逆に、原発性胆汁性肝硬変(PBC) の側から見ると橋本病(慢性甲状腺炎)の合併は数% とされます。

IgMも陽性、抗核抗体gp210は予後予測因子といわれます。15%にシェ-グレン症候群を併発。

PBCは中高年女性に多く、

  1. 無症状で見つかるものが2/3です。
  2. 1/3は皮膚掻痒感・黄疸・高コレステロール血症と甲状腺機能低下症に重なる症状です。
  3. 胆汁うっ滞で腸に胆汁が流れにくいために、ビタミンD吸収障害・骨粗鬆症が進行します。
  4. 抗ミトコンドリアM2抗体は心筋障害・心房性不整脈(心房頻脈・心房細動)との関連が報告されています。(第113回日本内科学会 P238 抗ミトコンドリアM2抗体と心房性不整脈の関連について)

治療は胆石・慢性C型肝炎と同じウルソ(熊の胆汁)で、疎水性胆汁酸から肝細胞を保護します。高トリグリセリド(中性脂肪)血症治療薬、フィブレート系薬はリン脂質を排泄し肝細胞保護。予後は様々で肝移植行うこともあります。

抗平滑筋抗体は原発性胆汁性肝硬変(PBC)の40%で陽性。

自己免疫性肝炎

自己免疫性肝炎とは

ウイルス感染(A型肝炎、EBウイルス、サイトメガロウイルス、麻疹ウイルス)や薬剤が自己免疫性肝炎発症の誘因として報告され、我が国ではC型肝炎ウイルス血症を伴う自己免疫性肝炎があります。組織適合抗原であるHLA-DR4が関与するとされます。慢性甲状腺炎(橋本病)(10%)、シェーグレン症候群(7%)、関節リウマチ(3%)合併。抗核抗体(ANA)陽性(74%)、抗平滑筋抗体(ASMA)陽性(40%)の1型がほとんどで、それらが陰性なら抗肝腎ミクロゾーム抗体(抗LKM抗体)が陽性の2型です。

抗平滑筋抗体 保険適応外

抗平滑筋抗体 (ASMA) は自己免疫性肝炎,ルポイド肝炎で80~85%,  原発性胆汁性肝硬変(PBC)で40%程度に高力価で検出

抗肝細胞膜抗体(LMAb) 保険適応外

原発性胆汁性肝硬変(PBC)、自己免疫性活動性慢性肝炎、特発性肝硬変で陽性。

院長の執筆

  • ワンポイントアドバイス:見逃されやすい甲状腺疾患1 原因不明の肝障害 (文光堂 メディカルプラクティス)

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出産後自己免疫性肝炎

出産後自己免疫性症候群として、出産後(無痛性)甲状腺炎は高頻度におこります。稀に、出産後自己免疫性肝炎も合併する事があり、甲状腺中毒症による肝障害と区別しなければなりません。また、出産後自己免疫性症候群は、出産回数が増えるたびに重篤化する傾向があるため、1回目より2回目の出産に注意が必要です。

橋本病が基盤にあり、出産後(無痛性)甲状腺炎出産後自己免疫性肝炎を合併した症例では、出産後3 か月目に倦怠感などの症状あり、AST997、ALT1233の肝機能障害を認め、副腎皮質ステロイド剤使用し軽快したそうです。再度妊娠後は、初回よりも重篤化する可能性が予見できたため、ステロイドを早期より開始し、出産後(無痛性)甲状腺炎は軽度で、出産後自己免疫性肝炎はAST/ALT共に最大100 前後で済んだそうです。(第56回日本甲状腺学会 P2-062 出産後に重篤な自己免疫性肝炎を発症した橋本病の1 例―2 度の出産経過について―)

胆石と甲状腺

胆のう結石と甲状腺

胆石 超音波(エコー)画像

甲状腺機能低下症で胆石ができやすく、男性の甲状腺機能低下症で多いとの報告があります。甲状腺ホルモン不足により①血清コレステロール値が高くなり、②胆汁うっ滞が生じるのが原因と考えます。

1cm未満の純コレステロール結石であれば、胆石溶解剤[原発性胆汁性肝硬変(PBC)/慢性C型肝炎と同じウルソ(熊の胆汁)]で30%が溶け、溶けなくても体外衝撃波の砕石治療適応です。特に胆嚢機能が保たれている浮遊結石が溶けやすい条件。石灰化結石になるといずれも適応外です。

 総胆管結石

胆のう結石の移動が原因として多く、閉塞性黄疸・急性胆管炎(発熱・黄疸・右上腹部疝痛)⇒敗血症・DICの危険あり。総胆管結石が発見されると無症状でも内視鏡的乳頭切開術/内視鏡的乳頭拡張術おこないます。

胆石と原発性副甲状腺機能亢進症

尿管結石は原発性副甲状腺機能亢進症の60~80%に合併するとされます(J Am Med Associ 178: 547-555, 1961)。しかし、胆石との因果関係は明らかでありません。原発性副甲状腺機能亢進症の胆石の頻度は25%と報告され(Arch Surg 105: 369-374, 1972)、胆汁中のカルシウム濃度の上昇が結石形成において重要と考えられています。[複数臓器に結石を合併した原発性副甲状腺機能亢進症の1例:日本臨床外科学会雑誌Vol. 66 (2005)  No. 2  P 327-331]

 肝血管腫で甲状腺機能低下症

肝血管腫では、甲状腺ホルモンを不活化する3型脱ヨード酵素[T4→rT3, T3→T2]を発現します。甲状腺ホルモンが過剰に分解され、甲状腺機能低下症になります。

肝血管腫による、消費型甲状腺機能低下症(comsanptive hypothyroidism)です。

(右)巨大肝血管腫により、腎臓がかなり下に押し下げられています。

肝血管腫(超音波検査)

rT3(リバースT3)[保険適応外]

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で心臓性肝硬変

甲状腺機能亢進症/バセドウ病による心臓障害・肺高血圧症で、うっ血肝から心臓性肝硬変起こす事あります。甲状腺機能亢進症/バセドウ病から、心不全心房細動(Af)僧房弁逸脱症肺高血圧症に至り、うっ血肝から心臓性肝硬変に進展。(P1-08-01 僧帽弁逸脱症を合併し肝硬変にまで至ったバセドウ病の1 例)

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と橋本病(慢性甲状腺炎)

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と橋本病(慢性甲状腺炎)は、 糖尿病と肝癌 を御覧下さい。

 

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎クリニック(大阪)


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