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甲状腺と悪性リンパ腫,成人T細胞白血病,白血病治療薬,造血幹細胞移植   [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺エコーの長崎クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見③甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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甲状腺原発悪性リンパ腫 細胞診

Summary

橋本病バセドウ病など甲状腺と悪性リンパ腫,成人T細胞白血病,白血病治療薬,造血幹細胞移植を解説します。sIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体),チロシンキナーゼ阻害薬の内分泌障害,甲状腺機能亢進症,甲状腺機能低下症も説明します。

甲状腺と悪性リンパ腫

甲状腺原発悪性リンパ腫は、

  1. 全悪性リンパ腫の約3%
  2. (リンパ)節外悪性リンパ腫の5%

を占めます

橋本病/バセドウ病に発生する悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫)

橋本病(バセドウ病の報告もあり)の甲状腺に発生する悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫:甲状腺内のリンパ球が癌化したもの)は甲状腺癌の2~3%ですが、橋本病女性では同年代の健常女性より67-80倍の高頻度で発生すると報告されています。甲状腺原発悪性リンパ腫の3割はMALTリンパ腫と言う比較的悪性度の低いものです。橋本病の0.5~1.5%が甲状腺MALTリンパ腫を発症すると言われます[甲状腺エコー上は、↑写真のような網目状の低エコー領域(reticular form)です。下部閉塞によるリンパ管拡張でこのように見えます(偽のう胞とも言います)。石灰化しないのが特徴]。

甲状腺原発悪性リンパ腫 超音波(エコー)画像:通常モード

甲状腺原発悪性リンパ腫 超音波(エコー)画像:通常モード

甲状腺原発悪性リンパ腫 超音波(エコー)画像:血流

甲状腺原発悪性リンパ腫 超音波(エコー)画像:血流は、ほどほどにあります。

甲状腺原発悪性リンパ腫 超音波(エコー)画像:エラストグラフィー

甲状腺原発悪性リンパ腫 超音波(エコー)画像:エラストグラフィー、意外と軟らかい事が多いです。

甲状腺原発悪性リンパ腫は甲状腺癌の2%程度

甲状腺原発悪性リンパ腫甲状腺癌の2%程度です。

甲状腺原発悪性リンパ腫はMALTリンパ腫びまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL), 両者混合型が3割ずつです。甲状腺原発悪性リンパ腫甲状腺外悪性リンパ腫に比べて生存率が高いです。

バセドウ病に発生する悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫)

バセドウ病に発生する悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫)は見つけにくいですが、123-Iシンチグラフィーの取り込み不良な領域(cold spot)で見つかる事あります。また、131-I 内用療法後、甲状腺全体は縮小するのに、甲状腺原発悪性リンパ腫の部位のみ縮小しないため見つかる事あります。(第55回 日本甲状腺学会 P2-05-01 バセドウ病の131-I 内用療法後に診断された甲状腺MALT リンパ腫の1 例)

甲状腺原発悪性リンパ腫の症状

甲状腺原発悪性リンパ腫90%は3か月程で急速に、10%はゆっくり甲状腺が大きくなります。橋本病で甲状腺が大きくなってきた時は甲状腺原発悪性リンパ腫の合併を疑い甲状腺超音波(エコー)検査、甲状腺の穿刺細胞診、甲状腺生検、ガリウムシンチグラフィーが必要。

甲状腺原発悪性リンパ腫が急速に大きくなると、気道閉塞をおこす可能性があり、注意が必要です。

  1. 気道閉塞症状が現れたら、速やかに気管内挿管し、ステロイドパルス療法が必要。(第58回 日本甲状腺学会 P1-13-6 急速に気道閉塞症状を来たした悪性リンパ腫を合併した橋本病の一例)
  2. 甲状腺未分化癌との速やかな鑑別必要。甲状腺原発悪性リンパ腫ならCHOP療法などの化学療法行えば、速やかな腫瘍縮小と気道閉塞解除が期待できます。しかし、甲状腺未分化癌との鑑別が、意外と難しい事あります。微細~破片状石灰化などを伴う典型的な甲状腺乳頭癌成分が存在していれば、超音波(エコー)所見だけでも甲状腺未分化癌と判ります。そうでない場合、甲状腺の穿刺細胞診しても、
    甲状腺原発悪性リンパ腫細胞は異型性が少なく病理診断が難しい
    甲状腺未分化癌は壊死組織が多く、その部分を採取しても細胞が採れない。
    次に、針生検(組織診)か、血液内科の力を借りて穿刺細胞診材料でフローサイトメトリー(リンパ球の細胞表面抗原を特定)行うかですが、
    ①針生検(組織診)は侵襲大きいため、気道閉塞し掛けた状態では行い難い。
    ②フローサイトメトリーは頼めば迅速に動いてくれる血液内科が必要

(第54回 日本甲状腺学会 P245 甲状腺未分化癌との鑑別に苦慮した甲状腺悪性リンパ腫の一例)
(第54回 日本甲状腺学会 P248 細胞診による迅速診断と化学療法で窒息を回避できた甲状腺悪性リンパ腫の一例)

甲状腺原発悪性リンパ腫の血液検査

sIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体)

悪性リンパ腫ではsIL2-R(可溶性インターロイキン2受容体)が産生され高値になります。

  1. sIL2-R甲状腺機能亢進症/バセドウ病無痛性甲状腺炎でも、甲状腺ホルモンがリンパ球を刺激する事により高値になります。(第55回 日本甲状腺学会 P1-03-11 可溶性インターロイキン2受容体(IL2-R)異常高値を示した肝不全、DIC合併の甲状腺クリーゼ(TS)の1例)
  2. 実際の所、甲状腺原発悪性リンパ腫(MALT)は、病勢の弱いものが多く、sIL2-Rはリンパ腫の大きさの割に低い(と言うより正常の)症例が多いです。,
    甲状腺原発悪性リンパ腫(DLBCL)でリンパ節転移までしたものは著明に上昇します
  3. sIL2-R成人T細胞白血病/リンパ腫、リンパ性白血病、サルコイドーシス/膠原病、結核・肝炎/伝染性単核球症などのウイルス感染症、血球貪食症候群、肺癌など悪性腫瘍でも上昇します。

LDH(乳酸脱水素酵素)

また、LDH(乳酸脱水素酵素)は、悪性リンパ腫の国際予後因子です。

β2-マイクログロブリン

β2-マイクログロブリンはHLA抗原クラスⅠのL鎖で悪性リンパ腫の他、多発性骨髄腫・慢性リンパ性白血病、慢性腎不全、自己免疫性疾患でも上昇し、ほとんど診断価値はありません。

BCL2遺伝子

B細胞系リンパ腫の瀘胞性リンパ腫(FL)やびまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL)はBCL2遺伝子[アポトーシス抑制遺伝子, t(14;18)(q32;q21) 転座]が特徴的に認められます。

甲状腺原発悪性リンパ腫の診断

甲状腺原発悪性リンパ腫は、腫瘍マーカーであるsIL2-Rも正常な事多く、穿刺細胞診のみならず、甲状腺組織生検でも診断不可能なことあります。このような場合でもsIL2-R・ガリウムシンチグラフィーが有用なことあります。確定診断は、甲状腺切除標本の病理組織検査でしかできません。

MALTリンパ腫, びまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL)の穿刺細胞診の詳細は、 甲状腺原発悪性リンパ腫 を御覧ください。

小宇宙 3

PET-FDG

PET-FDGは甲状腺原発悪性リンパ腫

  1. 診断には有用でありません。背景にある橋本病(慢性甲状腺)の約30%は結節状(nodular)に取り込み甲状腺原発悪性リンパ腫と区別できません。同時に、アイソトープ(FDG)の最大集積値も甲状腺原発悪性リンパ腫と有意差ありません。
  2. 病期(進行度)分類[Ann Arbor分類]に必要です。

診断つかない甲状腺MALTリンパ腫

異型性の少ない(癌細胞らしくない)MALTリンパ腫は、橋本病(慢性甲状腺炎)の慢性炎症細胞(リンパ球、形質細胞)と区別が難しく、穿刺細胞診では診断できない事がほとんどです(ほとんどがグレ-ゾーンのクラス3になり、明らかに癌と診断できるクラス4,5になる事は稀です)。

悪性リンパ腫の腫瘍マーカーであるsIL2-Rも正常な事が多いですが、ガリウムシンチグラフィーでは陽性に出ることあります。ガリウムシンチグラフィーで確信が得られれば、生検による組織診を外科に依頼します。それでも確定診断できず、甲状腺を手術で摘出し、手術標本の病理診断で確定する事がよくあります。(第55回 日本甲状腺学会 P2-05-02 バセドウ病に甲状腺原発悪性リンパ腫を合併した1 例)

(右)MALTリンパ腫の組織像。紫の点が悪性リンパ腫細胞の核です。甲状腺濾胞に浸潤しているのが解ります。

頚部リンパ節に悪性リンパ腫

頚部リンパ節に悪性リンパ腫が発生し、橋本病バセドウ病を持っている場合甲状腺原発甲状腺外か区別しにくいことが多々あります。

EBウイルス(ヘルペスウイルスの一種で伝染性単核球症の原因)はB細胞由来の悪性リンパ腫、バーキットリンパ腫・ホジキンリンパ腫に深く関連しています。新しく診断されたホジキンリンパ腫の75%は治癒可能です。

非常に珍しいですが、甲状腺原発のバーキット様リンパ腫の症例も報告されています。(第55回 日本甲状腺学会 P2-05-03 甲状腺悪性リンパ腫(Burkitt-like lymphoma)の稀な一例)

頚部リンパ節原発のホジキンリンパ腫が、甲状腺に浸潤した症例が報告されています。(第54回 日本甲状腺学会 P246 急速なびまん性甲状腺腫大の1例-Hodgkinリンパ腫の甲状腺病変)

瀘胞性リンパ腫(FL)

甲状腺外頚部悪性リンパ腫:びまん性大細胞型Bリンパ腫(DLBCL)

甲状腺原発悪性リンパ腫の鑑別診断

  1. 橋本急性増悪
  2. 甲状腺未分化癌
  3. リーデル甲状腺炎
  4. 反応性リンパ球浸潤

反応性リンパ球浸潤

反応性リンパ球浸潤の甲状腺超音波検査の所見は、甲状腺原発悪性リンパ腫と全く同じです。sIL2-R (可溶性インターロイキン2受容体)高値で、穿刺細胞診でも幼若リンパ球を認めます。しかし、病理組織検査の免疫染色で甲状腺原発悪性リンパ腫と断定できず、縮小増大を繰り返し自然消退もあり得る点が異なります。(第58回 日本甲状腺学会 P1-12-6 当初甲状腺原発悪性リンパ腫が疑われたが、縮小増大を繰り返し自然消退した反応性リンパ球浸潤の一例)

悪性リンパ腫の治療

非ホジキンリンパ腫の化学療法はR-CHOP(リツキシマブ-シクロフォスファミド,ドキソルビシン,ビンクリスチン,プレドニゾン)が一般的、ホジキンリンパ腫はABVD療法。

リツキシマブは抗CD20ヒト・マウスキメラ抗体で、発熱・発疹・喘息おこすため抗ヒスタミン剤・解熱鎮痛剤の予防投与が必要です。

悪性リンパ腫などの免疫抑制・化学療法によりB型肝炎ウイルスが再活性化されます。de novoB型肝炎といわれ劇症化の危険性あります。

  1. HBs 抗原(+)
  2. HBc 抗体(+)and/orHBs 抗体(+)で、HBV-DNA定量(+)

なら核酸アナログ投与します。

甲状腺原発悪性リンパ腫の治療効果判定

甲状腺原発悪性リンパ腫の治療効果判定にFDG-PETを用います。甲状腺原発悪性リンパ腫に合併する橋本病(慢性甲状腺炎)もFDG-PETで集積を認める事が多く、約30%は結節状(nodular)、約70%はびまん性(diffuse)集積のため、正確な効果判定が難しくなります。

治療前の甲状腺原発悪性リンパ腫のFDG集積が

  1. 結節状(nodular)なら、FDG集積の消失は放射線ないし化学療法の効果の指標となります
  2. びまん性(diffuse)なら、実際の治療効果とは関係なく、FDG集積は治療後も持続します(橋本病による集積が重なるためと考えられます)

(第56回 日本甲状腺学会 O2-5 甲状腺原発悪性リンパ腫の治療効果判定にFDG-PET は有用か?)

シェーグレン症候群の唾液腺MALTリンパ腫

唾液腺腫瘍のなかで悪性リンパ腫は1.7 %とまれです。自己免疫性甲状腺疾患(橋本病/バセドウ病)への合併が話題のシェーグレン症候群唾液腺MALTリンパ腫発生リスクは44倍です。慢性唾液腺炎が唾液腺MALTリンパ腫の危険因子.

血管内リンパ腫

血管内リンパ腫

血管内リンパ腫は小血管内で増殖するリンパ腫(リンパ節腫大しない)で、IVBCL(血管内B細胞リンパ腫)が多いです。

  1. 古典型は進行性多発性脳梗塞・脊髄梗塞、不明熱(周期性発熱)おこします。皮膚浸潤も多く、ランダム皮膚生検で診断。甲状腺/橋本病/バセドウ病との関連は不明ですが、甲状腺内の小血管内でも増殖するので、何か影響あるかもしれません。下垂体へのリンパ腫浸潤による中枢性甲状腺機能低下症の報告はあります。
  2. アジア亜型血管内リンパ腫:血管内リンパ腫には血球貪食症候群を伴うアジア亜型血管内リンパ腫があり,汎血球減少症,肝脾腫をおこします。

単クローン性ガンマグロブリン血症を伴うMALT甲状腺リンパ腫

MALT甲状腺悪性リンパ腫で本態性M蛋白血症[単クローン性ガンマグロブリン(M蛋白)血症]をおこすことがあります(髄外性甲状腺単クローン性ガンマグロブリン血症)。血液中M蛋白<3.0g/dl, 骨髄中の形質細胞3%以下の状態で、一部が多発性骨髄腫・マクログロブリン血症などに進展します。

成人T細胞白血病と甲状腺

成人T細胞白血病(ATL)と自己免疫疾患[橋本病(慢性甲状腺炎),バセドウ病]

成人T細胞白血病

HTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)関連ぶどう膜炎,HTLV-Iキャリアー,HTLV-I関連脊髄症(HAM)患老で、橋本病(慢性甲状腺炎),バセドウ病の合併が報告されています[J. Int. Med., 230, 89 (1991)]。

橋本病ではHTLV-Iキャリアーの占める率が高く,ウイルスの関与が疑われます[医学のあゆみ,160,203(1992)]。

バセドウ病と成人T細胞白血病(ATL)

バセドウ病経過中に成人T細胞白血病(ATL)HTLV-1関連ぶどう膜炎を合併した症例では、B細胞主体の通常のバセドウ病と異なり、浸潤リンパ球は集簇部ではT・B細胞が相半ば、濾胞間や上皮間ではCD4陽性T細胞が混在するも、B細胞はほとんどみられなかったとされる(5回日本臨床電顕学会抄録集,1993,p.Sl53)。

特に、バセドウ病HTLV-1関連ぶどう膜炎を合併した症例では、高熱・癌痛・視力低下あり、

  1. バセドウ病眼症・原田病・サルコイドーシス・ベーチェット病との鑑別必要
  2. 抗甲状腺薬(メルカゾール)との関連が示唆されていて、プロパジール・チウラジールに変更必要

(第55回 日本甲状腺学会 P1-01-12 チアマゾール使用中にぶどう膜炎を来したHTLV-1陽性バセドウ病の一例)

成人T細胞白血病(ATL)にも分子標的薬

再発・難治性のCCR4陽性の成人T細胞白血病にモガムリズマブの適応があります

甲状腺原発悪性リンパ腫に見えても、好酸球増加を伴う硬化性粘表皮癌

超音波(エコー)画像上、甲状腺原発悪性リンパ腫に見えますが、細胞診すると好酸球増加と扁平上皮が認められます。好酸球増加を伴う硬化性粘表皮癌です。

白血病治療薬と甲状腺・造血幹細胞移植と甲状腺

白血病治療薬と甲状腺

生物学的製剤

最新のバイオ技術で開発された分子標的薬(生物学的製剤)イマチニブ:チロシンキナーゼ阻害薬で慢性骨髄性白血病 (CML)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病 (Ph+ALL) 、KIT陽性消化管間質腫瘍 (GIST) に適応。甲状腺全摘を受け甲状腺ホルモン補充を行っている方で、軽度のFT4,FT3低下と著しいTSH上昇が認められた報告があります。甲状腺ホルモン吸収阻害か、下垂体への甲状腺ホルモンのフィードバック作用阻害の可能性が考えられます。

第二世代のチロシンキナーゼ阻害薬:ニロチニブは内分泌障害(0.5%未満)として 甲状腺機能亢進症甲状腺機能低下症2次性副甲状腺機能亢進症をおこします。ダサチニブ(スプリセル®)も10%未満で甲状腺機能低下症をおこします。

アザシチジン(ビダーザ®)

アザシチジン(ビダーザ®)は、骨髄異形成症候群(MDS)治療剤です。アザシチジンが原因と考えられる橋本病の急性増悪が報告されています。

骨髄異形成症候群に対するレナリドマイド投与後に破壊性甲状腺炎

サリドマイド誘導体レブラミド®(レナリドミド)は血管新生抑制・抗TNF作用を有し多発性骨髄腫・骨髄異形性症候群(MDS)に有効です。レブラミド®(レナリドミド)は副作用として5-10%に甲状腺機能低下症おこします。その機序は解明されていません。散発的に破壊性甲状腺中毒症が惹起されることもあります。(第55回 日本甲状腺学会 P2-10-06 骨髄異形成症候群に対するレナリドマイド投与後に破壊性甲状腺中毒症を来した1 例)

ビタミンB12と甲状腺癌

  1. 慢性骨髄性白血病や骨髄線維症など骨髄増殖性疾患では、ビタミンB12結合蛋白が血中に増加し、ビタミンB12が高値になります。甲状腺癌でも血中ビタミンB12が高値になることがあると報告されています。
  2. 進行した甲状腺癌の手術で、反回神経を部分切除した後、声のかすれや誤飲があればビタミンB12剤服用が必要です。

造血幹細胞移植と甲状腺

造血幹細胞移植(Hematopoietic stem cell transplantation)は、正常な血液を作れない白血病、再生不良性貧血などに、提供者(ドナー)の造血幹細胞を移植し、正常な血液を作れるようにする治療です。

  • 潜在性甲状腺機能低下症(TSH値上昇、遊離T4値正常)は、移植後1年以内15%に発症。
  • 顕在性甲状腺機能低下症は、全身放射線療法を単回で行った場合の発生率は50%、ブスルファン・シクロホスファミド投与後では10%と報告されています。

最近では自己免疫性甲状腺疾患, 橋本病/バセドウ病に合併した多発性硬化症・全身性強皮症に造血幹細胞移植が行われています。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎クリニック(大阪)

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