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甲状腺と筋肉痛・筋けいれん・筋力低下    [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査の長崎クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見②甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

甲状腺の病気と似ている合併している皮膚筋炎

甲状腺編 では収録しきれない最新・専門の検査/治療です。

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Summary

甲状腺機能亢進症/バセドウ病,甲状腺機能低下症・橋本病と筋肉痛・筋けいれん・筋力低下について解説します。甲状腺中毒性ミオパシー,甲状腺中毒性周期性四肢麻痺,皮膚筋炎,線維筋痛症,リウマチ性多発筋痛症,慢性疲労症候群についても説明します。

甲状腺と筋肉痛・筋けいれん

甲状腺機能亢進症/バセドウ病と筋肉痛・筋けいれん

甲状腺中毒性ミオパシー

甲状腺中毒性ミオパチーは、女性に多く、近位筋(大腿部、腕、背中の筋)の筋力低下・筋痛です。呼吸筋障害もあります。筋肉組織内の粘液物質の蓄積が原因と考えられています。甲状腺中毒性ミオパチーの中でも筋肥大がめだつものを Hoffmann症候群と呼びます。筋障害を表すCPK(血清クレアチンキナーゼ)正常。甲状腺中毒性ミオパチーは、甲状腺ホルモンが正常化すると消失します。

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺は、日本人甲状腺中毒症の8%、東洋人若年男性の甲状腺機能亢進症/バセドウ病に多いとされます。アルコール飲み過ぎ・食べ過ぎた翌日などに、ひどい場合起き上がれないこともあります。ストレスが引き金になる事もあります。

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺は、甲状腺ホルモンの作用で、血液中などの細胞外から、細胞内にカリウムが移動するためと考えられています。甲状腺ホルモンの数値と甲状腺中毒性周期性四肢麻痺の発症は関係ないとされます。甲状腺ホルモンにより影響されるカリウムチャネルの変異が原因との説もあります。

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺は、低カリウム血症を半数に伴い、重症化すると横紋筋融解症にいたります[重篤で命にかかわるる副作用。筋障害を表すCPKが異常高値(1000以上にも)になります。

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺は、低カリウム血症を認めない例・糖負荷を行なっても発作が誘発されない例も多く報告されています(European Journal of Endocrinology 2013 169:529-36)。高カルシウム尿と低リン尿を伴う低リン血症も病態に関与します。

甲状腺中毒性周期性四肢麻痺は、甲状腺ホルモンが正常化すると治癒します。しかし、甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、甲状腺ホルモンの正常化に数か月かかる事が多いため、長崎クリニック(大阪)では経口カリウム剤やプロプラノロール(非選択性β遮断剤)を投薬します。

抗甲状腺薬の副作用

  1. 筋肉痛:体位変換で増強し、側腹部・側胸部におこりやすく、抗甲状腺薬減量で軽快。
  2. 横紋筋融解症:重篤で命にかかわるる副作用。筋障害を表すCPKが異常高値(1000以上にも)になります。MMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)いずれかでもおこる可能性あります。

低カルシウム血症

  1. 自己免疫性副甲状腺機能低下症バセドウ病/橋本病の自己免疫性甲状腺炎に合併し、自己免疫による副甲状腺の破壊
  2. バセドウ病手術後副甲状腺機能低下症バセドウ病で甲状腺切除と同時に副甲状腺も取ってしまった場合、取らずに温存した場合でも副甲状腺への血管を傷つけた場合
  3. ハングリーボーン症候群:甲状腺機能亢進症/バセドウ病では骨分解が亢進しています。甲状腺切除・アイソトープ(131-I)治療、[あるいは抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)の報告もあり(日本救急医学会雑誌, 12(7): 372-376)]により、急激に甲状腺ホルモンが低下し、骨形成が亢進すると骨に大量のカルシウムが流入し、血液中のカルシウム濃度が低下します。

甲状腺機能低下症・橋本病と筋肉痛・筋けいれん(甲状腺機能低下性ミオパチー)

甲状腺機能低下症/橋本病でも近位筋(大腿部、腕、背中の筋)の筋肉痛や筋けいれんがおきます(甲状腺機能低下性ミオパチー)。筋肥大を伴うと甲状腺中毒性ミオパチー同様、Hoffman症候群とよばれます。特に高齢者で甲状腺機能低下症が長い間見つからなかった人では、甲状腺ホルモン剤、チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)による治療開始時に、大腿部、腕、背中の筋肉痛がおこることがあります。決して薬を中止せず、甲状腺専門医の指示に従ってください。

亜急性甲状腺炎の治療中にステロイドミオパチー

亜急性甲状腺炎の治療で副腎皮質ステロイドホルモン剤を使用中にステロイドミオパチーを起こす事があります。ステロイドミオパチーは、ステロイド投与量、投与期間と症状は必ずしも一致しません。

ステロイドミオパチーで、血清クレアチンキナーゼ(CK or CPK)値は正常か、軽度上昇します。

ステロイド投与を中止すれば治癒しますが、亜急性甲状腺炎の経過中は安易にステロイド減量すると、亜急性甲状腺炎が中途再発し、ステロイド投与を初期量で最初からやり直しになります。

長崎クリニック(大阪)では、ステロイドミオパチーに対し、

  1. 低カリウム血症をおこしている場合、経口カリウム剤を補給
  2. 筋肉の緊張を緩めるミオナール錠を処方します

甲状腺の病気と似ている合併している皮膚筋炎

  • 皮膚筋炎は、全身倦怠感や筋力低下、筋肉痛、筋酵素上昇から甲状腺機能低下症と間違われることがあります。
  • 皮膚筋炎の皮膚症状:眼瞼部の紫紅色皮疹(ヘリオトロープ疹)はバセドウ病眼症(甲状腺眼症)のようです、手指関節背面の紫紅色の皮疹(ゴットロン徴候)]、点状出血をともなう爪周囲紅斑、Vネック皮疹。
  • 全身倦怠感、間質性肺炎、関節炎は橋本病併発シェーグレン症候群のようです。
  • 皮膚筋炎は30%に悪性腫瘍を合併します。胃がん・肺癌・乳癌が多く、甲状腺癌はまれですが、非遺伝性(散発性)甲状腺髄様癌を合併した症例が報告されています。
皮膚筋炎(Vネック皮疹)

皮膚筋炎に悪性腫瘍を合併した場合、ステロイド抵抗性のことが多いですが、報告例では、ステロイド反応性がよく、甲状腺髄様癌も手術で切除できたとされます。(第58回 日本甲状腺学会 P2-6-4 clinically amyopathic dermatomyositis に甲状腺髄様癌を合併し手術療法で良好な経過を得た1例)

アミノアシルtRNA合成酵素に対する自己抗体(抗ARS抗体)

  • 抗Jo-1抗体陽性(検出率25%)例では間質性肺炎を高率に合併
  • 抗CADM-140抗体:ヘリオトロープ疹、ゴットロン徴候、爪周囲紅斑があるも筋炎所見なし。間質性肺炎合併すると予後不良.
  • 抗OJ抗体:間質性肺炎が高率、筋炎より著明。関節炎は他の抗ARS抗体より少ない

これらの抗体が検出される場合、抗ARS抗体症候群[ステロイド反応性の良い非特異的間質性肺炎(NSIP)(90%)、多関節炎(64-83%)レイノー現象(62%)、機械工の手(17-71%)が特徴]と言います(Curr Rheumatol Res. 2011;13(3) 175-181)

しかし、これらの抗体より筋肉のMRI(STIR画像)の方が筋炎所見を正確に評価できます。

混合性結合組織病(MCTD)

混合性結合組織病(MCTD)は、抗U1-RNP抗体が必ず陽性で、SLE、強皮症、多発性筋炎/皮膚筋炎の症状/検査所見が混在、独自にMCTD肺高血圧(最大の死因)・三叉神経痛あり。シェーグレン症候群(25%)、慢性甲状腺炎[橋本病](10%)合併。

リウマチ性多発筋痛症

リウマチという名前ですが関節リウマチとは無関係。しかし症状は似ていて関節リウマチ甲状腺機能低下症・橋本病併発シェーグレン症候群など膠原病と鑑別を要します。高齢者におこり、原因は不明、症状は2週間で早々に完成。

炎症反応を示す血清CRPが高値(線維筋痛症では増加しない)、発熱、(朝にこわばる)頚肩腕痛・臀部筋痛があるのに、筋力低下なく筋障害を表すCPK正常、膠原病の抗核抗体は陰性です。関節リウマチのような手指関節炎なし。強烈な頭痛と最悪失明の視力障害をおこす側頭動脈炎と密接に関連します。ステロイドが著効し診断的治療になります。 

線維筋痛症

検査異常ないのに、全身に激しい痛みが生じる線維筋痛症。微熱、睡眠障害・抑うつ、慢性疲労症候群併発も多いです。過度のストレスのため、痛みを緩和する神経機能が低下するのが原因と考えられています。最近、甲状腺ホルモンのアンバランス(甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症)が原因との説も増えています。また、線維筋痛症甲状腺異常→膠原病の順に併発し重症化すると言われます。

抗てんかん薬、ガバペンチンと同系の神経因性疼痛治療薬プレガバリン(リリカ)は線維筋痛症に保険適応。

慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は、原因不明の強度の疲労が長期間(6ヶ月以上)続き、微熱、関節痛、筋痛、咽頭痛・頭痛・頸部リンパ節腫脹などをともないます。甲状腺機能低下症/橋本病副腎皮質機能低下症(アジソン病)成人成長ホルモン分泌性不全症亜鉛欠乏症・皮膚筋炎と鑑別を要します。

慢性疲労症候群は神経質・几帳面な人に多く、抗甲状腺薬メルカゾールなどで薬剤性過敏症症候群をおこすヘルペスウイルス6(HHV6)、脳内セロトニン合成増加が原因と考えられます。

慢性疲労症候群には漢方薬・ビタミンB12・大量ビタミンC、抗うつ剤や精神安定剤が効く場合もあります。

糖尿病性筋萎縮症

1型、2型糖尿病問わず甲状腺疾患の合併が多いとされます。

糖尿病性筋萎縮症は、高齢者に多く、おしり・太ももの筋肉の疼痛、筋力低下、筋萎縮をおこす糖尿病性末梢神経障害の一つです。遠位筋優位の筋萎縮性側索硬化症(ALS)に似ていますが、糖尿病性筋萎縮症は近位型で痛みがあり、血糖コントロールで改善します。甲状腺中毒性ミオパチー(甲状腺機能亢進症/バセドウ病のとき甲状腺機能低下性ミオパチー(甲状腺機能低下症のときとの鑑別が必要。

筋ジストロフィー

筋強直性ジストロフィー(筋緊張性ジストロフィー)

筋強直性ジストロフィー

筋強直性ジストロフィーの症状

把握ミオトニア

把握ミオトニア

成人で最も多い筋ジストロフィー症で、筋強直と筋萎縮が特徴です。常染色体優性遺伝で、子の世代のほうが症状が重くなる表現促進現象を認めます(ハンチントン舞踏病と同じ)。

  1. 筋強直(把握ミオトニア:強く握った手をスムーズに開けない:低カルシウム性テタニーの様)
  2. 西洋斧様の顔貌、前頭部脱毛
  3. 眼症状(白内障、網膜変性症);糖尿病の様
  4. 難聴:先天性甲状腺機能低下症の様
  5. 睡眠時無呼吸症:甲状腺機能低下症先端巨大症の様
  6. 中枢神経症状(認知症状、性格変化、日中過眠)
  7. 内分泌異常(甲状腺機能低下症、副甲状腺機能低下、睾丸萎縮、月経困難、不妊、成長ホルモン分泌障害
  8. 代謝異常(耐糖能障害、糖尿病、高脂血症、脂肪肝、胆石症)
  9. 心病変(不整脈、心筋障害)
  10. 子宮筋腫、卵巣瘍腫瘍、甲状腺腫瘍など良性・悪性腫瘍

デュシェンヌ型筋ジストロフィー

デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、X連鎖劣性遺伝で血友病や色盲同様、男のみに発症。ジストロフィン欠損が原因。甲状腺中毒性ミオパチ-のような筋力低下・ガワーズ徴候、甲状腺機能低下症のような筋の仮性肥大を認めます。

呼吸筋の筋力低下で呼吸困難になります。

肢帯型筋ジストロフィー

肢帯型筋ジストロフィーは、遺伝性も多様で、数十年かけて下肢近位部の筋力低下おこします。まるで甲状腺機能低下症/橋本病のような進行の仕方です。

シャルコー・マリー・トゥース病

シャルコー・マリー・トゥース病はゆっくりと進行性に数十年かけて四肢、特に下肢遠位部の筋力低下と感覚障害を示す末梢神経障害です。まるで甲状腺機能低下症/橋本病のような進行の仕方です。糖尿病、脂質代謝異常症の合併あります。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎クリニック(大阪)


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