長崎俊樹 院長ブログ[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2014.02.08
大阪市大リウマチグループと共同研究:甲状腺と関節リウマチの関連について
こんにちは。甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 長崎俊樹です。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
関節リウマチに併発する甲状腺の病気、特に橋本病についての研究を行っています[関節リウマチ(RA)と橋本病]。
尚、関節リウマチと甲状腺については、関節リウマチ(RA)と甲状腺で詳しく解説しております。
※現在、長崎甲状腺クリニック(大阪)では、関節リウマチの治療を行っておりません。あくまで、関節リウマチに併発する甲状腺の病気に対する診療のみです。
関節リウマチの診断は、血液検査で抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体;ACPA)が陽性なら簡単に済みますが、必ずしも陽性になりません(陽性率74%、他の膠原病・悪性腫瘍・健常人でも陽性の場合がある)。抗CCP抗体陰性なら、増殖した関節滑膜をエコー検査で見つけます。
関節リウマチの診断は、血液検査で抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体;ACPA)が陽性(陽性率74%、他の膠原病・悪性腫瘍・健常人でも陽性の場合あり)なだけでは付きません。
抗CCP抗体陰性なら、増殖した関節滑膜を関節超音波(エコー)検査で見つけます。これには長崎甲状腺クリニック(大阪)と同じレベルの高性能超音波(エコー)診断装置が必要です。(抗CCP抗体、MMP-3、関節エコー検査)
関節リウマチ(RA)と橋本病
関節リウマチ(RA)は甲状腺の病気と同じく女性に多く、同じ自己免疫性疾患である橋本病(慢性甲状腺炎)との合併率が高いのです。
関節リウマチ(RA)と橋本病の併発率はハンガリー(Hungary)で6%、ブルガリア(Bulgaria)では30%以上と言われています。日本でも、関節リウマチ患者の30%以上が橋本病です。[関節リウマチ(RA)と橋本病]
血清アミロイドA蛋白(SAA):甲状腺アミロイドーシス
関節リウマチ(RA)では炎症の活動性に比例して炎症反応物質が血液中に作られます。CRPがもっとも代表的ですが、SAA(血清アミロイドA蛋白)という炎症反応物質も同時に作られます。 このSAAがアミロイドーシスの原因となります。SAAは正常状態なら分解されますが、長期間、高濃度で血中に存在すると、分解途中のAA(アミロイドA蛋白)という溶けにくいタンパク質が臓器に沈着してアミロイドーシスを発症します。 つまり、関節リウマチ(RA)のコントロールの悪い患者さんに発症するのです。
甲状腺にアミロイドが沈着すると、甲状腺は硬くなり、甲状腺機能低下症状態になります(甲状腺アミロイドーシス)。
血清アミロイドA蛋白(SAA)とC反応性蛋白(CRP)の同時測定はできません。(血清アミロイドA蛋白(SAA):甲状腺アミロイドーシス)
詳しくは、「関節リウマチ(RA)と甲状腺」をご覧ください。
本日は「リウマチに併発する甲状腺の病気」の話でした。
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市も近く。