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ヨード造影剤と甲状腺      [日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外(Pub Med)・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、毎年1回開催される日本甲状腺学会 学術集会で入手した知見です。

非イオン性造影剤

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編   内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等  をクリックください

甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。

非イオン性造影剤で、イオン性造影剤に比べ高浸透圧に起因する各種障害が低減された第3世代の造影剤。

ヨード造影剤と甲状腺

Summary

1回の造影CTで13.5mgのヨードを含む水溶性ヨード造影剤。甲状腺機能が正常化していない、未治療・治療途中の甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、ヨード造影剤は甲状腺クリーゼ起こす危険性のため禁忌。甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)で、甲状腺機能がある程度改善していない甲状腺機能低下症に使用しない。ヨード造影剤使用後2カ月間は放射性ヨード検査、治療は不可。副甲状腺機能低下症による低カルシウム血症も悪化、低カルシウム性テタニーの危険性。副腎褐色細胞腫に、ヨード造影剤を使用すると危険な褐色細胞腫クリーゼ(血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作)をおこす可能性あり、原則禁忌。

Keywords

造影CT,ヨード,ヨード造影剤,甲状腺,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,甲状腺クリーゼ,甲状腺機能低下症,低カルシウム性テタニー,褐色細胞腫

造影CTの検査などでは、大量のヨードを含む水溶性ヨード造影剤が使用されます(13.5mg/1回)。

甲状腺機能亢進症の場合

甲状腺機能が正常化していない、未治療あるいは治療途中の甲状腺機能亢進症/バセドウ病[無痛性甲状腺炎機能性結節(甲状腺ホルモン産生腫瘍)の事もあり]で、ヨード造影剤は甲状腺クリーゼを引き起こす可能性があるので、禁忌とされます。確かに、造影剤投与後に甲状腺機能亢進症甲状腺クリーゼをきたした報告があります(de Bruin TWA, et al:Iodide-induced hyperthyroidism with computed tomography contrast fluids. Lancet,343:1160-1161, 1994.)[樽谷康弘ほか:造影剤が誘因と考えられた甲状腺クリーゼの一例. Jpn Circ J, 62(Suppl.3):973, 1998.]。

しかし、実際の医療の現場では、甲状腺クリーゼの治療時、患者が昏睡状態でヨウ化カリウムを内服できない時、ヨード造影剤で代用します。もちろん、ヨードが甲状腺に抑制を掛け、甲状腺ホルモン値は低下し、命にかかわる危険な状態から脱出します。

成程、ヨード欠乏地域に住む人に、ヨード造影剤のみならず、大量のヨードを与えると、一気に甲状腺ホルモン合成が活発化し、甲状腺中毒症起こすのは良く知られます。しかし、ヨード過剰摂取地域の日本で生きている限り、大量のヨードが甲状腺ホルモン合成を抑制する事はあっても、甲状腺ホルモン合成が活発化するとは考えにくいのです。よく引用されるESUR Guidelines on Contrast Mediaは、ヨード欠乏地域であるヨーロッパで作成されたガイドラインです(Eur Radiol, 14:902-907, 2004.)。

ただ、

  1. [樽谷康弘ほか:造影剤が誘因と考えられた甲状腺クリーゼの一例. Jpn Circ J, 62(Suppl.3):973, 1998.]が存在し、
  2. 添付文書に
    「【禁忌】(次の患者には投与しないこと)重篤な甲状腺疾患のある患者[ヨード過剰に対する自己調節メカニズムが機能できず,症状が悪化するおそれがある]」
    と書かれている

限り、ヨード造影剤を甲状腺ホルモンが正常化していないの甲状腺機能亢進症の患者に使用できません。

甲状腺機能低下症の場合

ヨードが甲状腺に抑制を掛け、甲状腺ホルモン値はさらに低下し、甲状腺機能低下症は悪化します。命にかかわる危険な粘液水腫性昏睡をおこす可能性もゼロではありません。甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)で、甲状腺機能がある程度改善された状態で使用するのであれば問題ないと思います。

甲状腺とヨード造影剤腎症・ヨード造影剤アレルギー 

ヨード造影剤と甲状腺のRI(ラジオアイソトープ)検査・放射性ヨード治療

ヨード造影剤使用後2カ月間は、甲状腺のRI(ラジオアイソトープ:放射性同位元素)検査、放射性ヨード(131-I)治療は行えません。

低カルシウム性テタニー

副甲状腺機能低下症(自己免疫性、甲状腺摘出後)による低カルシウム血症がひどいと、テタニーと呼ばれる筋肉のぴくつき,けいれんがおこります。ヨード造影剤により、血中カルシウムがさらに低下し、テタニーを悪化させるおそれがあります。

ヨード造影剤は副腎褐色細胞腫に絶対禁忌

副腎褐色細胞腫に、ヨード造影剤を使用してはいけません(原則禁忌)。命にかかわる危険な褐色細胞腫クリーゼ(血圧上昇、頻脈、不整脈等の発作)をおこす可能性があります。ヨード造影剤にアレルギーがある場合、多量のヒスタミンが分泌され、副腎髄質、副腎髄質腫瘍である褐色細胞腫を刺激するためと考えられます。

やむを得ずヨード造影剤査を実施する場合、

  1. 静脈確保の上
  2. フェントラミンメシル酸塩等のα遮断薬およびプロプラノロール塩酸塩等のβ遮断薬の十分な量を用意する

など、褐色細胞腫クリーゼに対処できるよう十分な準備を行い、慎重に投与せねばなりません。]

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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