長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]

2016.09.01

甲状腺の病気にCT、MRIは有用でない

甲状腺の病気にCT、MRIは有用でない

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化内分泌代謝 専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。

甲状腺専門医でなくとも、甲状腺の診療行う医師・看護師・臨床検査技師、あるいは放射線科専門医の常識として、CT、MRIは甲状腺の画像診断に有用ではありません。特に、甲状腺内部の状態・腫瘍の有無の評価、質的診断(良悪性の鑑別)にCT、MRIを用いてはなりません。

甲状腺超音波(エコー)検査は、甲状腺の画像診断の第一選択かつ最終診断です。しかし、甲状腺超音波診断は熟練した技術を用するため、できない医師がほとんどです。そこで総合病院では、臨床検査技師に甲状腺超音波検査を委ねますが、最終診断を医師でない者に任せると言う、ある意味、危険な事です。

CT、MRIは、

  1. 精密でも5mm、通常10mmスライスで撮影するため、解像度が悪く、5-10mm以内の病変が写らない確率が高い。[甲状腺超音波(エコー)検査は、2mm大の甲状腺癌でも見つかります。また、甲状腺乳頭癌の特徴である微細な砂粒状石灰化(psammoma body)は5mm未満ですので、CT、MRIでは写りません。]
     
  2. 甲状腺腫瘍でも、周囲の甲状腺組織と同じCT値・MRI信号強度の場合、腫瘍の境界線はCT、MRIに写りません。甲状腺超音波(エコー)検査でも、同一のエコー輝度になりますが、わずか1mmの境界線でもあれば検出可能。
     
  3. 甲状腺組織の不均一さと甲状腺腫瘍を区別できません。
     
  4. 甲状腺のう胞は粘稠な液体なので、腫瘍組織とCT値・MRI信号強度がほぼ同じで、甲状腺腫瘍鑑別不可能です。
     
  5. 甲状腺超音波(エコー)検査ではドプラーモードで、甲状腺内血流・甲状腺腫瘍内血流が、簡単に、反復して判ります。しかし、CT、MRIでは造影剤使用し1回だけ、甲状腺腫瘍が、あるいは甲状腺の特定の部分が造影されるかのみ診断できます。当然、甲状腺内の血管径は5mm未満ですので、CT、MRIでは写りませんが、甲状腺超音波(エコー)検査では1本1本、個別の血管まで見えます。
     
    さらに、CT、MRIで使用する水溶性ヨード造影剤は、一時的に甲状腺ホルモン合成・分泌を抑制し、その影響は1か月程続きます。甲状腺機能が正常化していない、未治療あるいは治療途中の甲状腺機能亢進症/バセドウ病[無痛性甲状腺炎機能性結節(甲状腺ホルモン産生腫瘍)の事もあり]で、ヨード造影剤は甲状腺クリーゼを引き起こす可能性があるので、禁忌とされます。
    ヨード造影剤は、腎不全の方、気管支喘息発作を2年以内に起こしている方、ヨードアレルギーのある方、褐色細胞腫を持っている方には、おこなえません。
     
  6. CTでは1回の撮影につき1mCiの放射線被曝するため、短期間に何回もできません。MRIはペースメーカーの方には原則おこなえません(厳格な条件と煩雑な手続でやっと行えます。)

詳しくは、 甲状腺の病気にCT、MRIは有用でない を御覧ください。

今日は「甲状腺の病気にCT、MRIは有用でない」の話でした。

文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。

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長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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