長崎甲状腺クリニック(大阪)新着情報[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック 大阪]
2017.08.01
甲状腺機能亢進症/バセドウ病と熱中症
甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)・動脈硬化・内分泌代謝 専門の長崎甲状腺クリニック(大阪)からのお知らせです。日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医として甲状腺機能低下症,橋本病,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,内分泌などのホットな話題をお届けします。
梅雨明けからお盆までの間は、熱中症が最も好発する時期とされます。
甲状腺機能亢進症/バセドウ病で甲状腺ホルモンが正常になっていない方は、熱中症になる危険性が高いです。甲状腺ホルモンが過剰な状態では、体の糖や脂肪(筋肉までも)がドンドン燃焼され熱を発生します。
人間の体は、汗をかく事により体内の過剰な熱を捨て、体温の異常上昇を防ぐ機能があります。しかし、汗をかいた分、水分を補充しなければ、汗が出なくなり(脱水)、熱が体にこもり体温が異常上昇します(熱中症)。
甲状腺ホルモンが正常化せず高いままの方は、普通の人より多くの水分を摂取しなければ、たちまち熱中症になってしまいます。
メルカゾール、プロパジール/チウラジールなどの薬で、甲状腺機能を正常にコントロールできている方は、普通の人と同じ条件です(甲状腺が関係ない人でも熱中症でバタバタ倒れていますし・・)。
甲状腺機能亢進症/バセドウ病で甲状腺ホルモンが正常になっていない方は、熱中症や脱水の予防のため、
- 身体を冷やす(炎天下に長時間いない、冷房下にいる)
- ミネラルを含んだ水分を補給する(ミネラルウォーター、茶など)
必要が、普通の人より多くあります。
同時に甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、血中カリウムが下がって低カリウム血症になりやすく、筋の脱力や低カリウム性不整脈を起こします。汗にカリウムが失われれば、さらに低カリウム血症が進み、横紋筋融解症や致死性不整脈などの重篤(重症)な状態に陥る危険があります。
故に補給する水分はカリウムなどのミネラルを含んだミネラルウォーター、茶などでなければなりません。
40℃以上・意識を失う程(Ⅲ度)の熱中症では、一次救急病院で微温湯噴霧・冷たい生食大量輸液し39~38℃まで冷却します。
更に詳しくは、 甲状腺機能亢進症/バセドウ病と熱中症 を御覧ください。
甲状腺機能亢進症/バセドウ病患者の正しい水分の補給方法
- こまめな水分補給は大切な事ですが、それだけでは不十分です。少ない量10-50mL 程を10回飲んでも、1,000mL (1L)にも満たない。一日合計で2-3L 以上の飲水が必要です。
- 汗に出たミネラルの補給も兼ねて、ミネラルを含む茶(茶葉からミネラルが出てくる)、ミネラルウォーター(ただし、日本のものは軟水なのでミネラルは少ない)、イオン飲料、スポーツ飲料、OS-1を飲む。大阪・関西地区の水道水、白湯(さゆ)は、琵琶湖の水を濾過しただけで、ミネラルを含まないからダメ(浸透圧が低く、血管内に留まらない、それどころか血中のミネラル濃度を薄めて低下させ、低ナトリウム血症、低カリウム血症を悪化させる)
※イオン飲料、スポーツ飲料、OS-1は糖分が多く、糖尿病を悪化させる危険があるので要注意
- 脱水では血液が粘稠になり、血栓形成の危険があるので、ビタミンC含有の茶、スポーツ飲料が良い。
- 頭がボーとして、ふらふらする、だるいなど熱中症と思しき症状が出たら、直ちにスポーツ飲料を自販機で買う。(自販機があるとは限らないので、予め1本、携帯しておくのが一番です)
今日は「甲状腺機能亢進症/バセドウ病と熱中症」の話でした。
文責:長崎甲状腺クリニック(大阪)院長 日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 長崎俊樹
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,浪速区,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。