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掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)・SAPHO(サフォー)症候群と甲状腺[橋本病 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。皮膚疾患の診療を行っておりません。

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 附属病院 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

Summary

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は手のひらや足底に無菌性の膿疱を繰り返す病気。痛みのため物を握れず歩けない。自己免疫性甲状腺炎[橋本病(慢性甲状腺炎)バセドウ病の合併頻度は53%]、糖尿病、高脂血症、クローン病、IgA腎症に合併。原因不明が多いものの、30%は慢性扁桃腺炎、歯槽膿漏(歯周病、歯肉炎)、蓄膿(慢性副鼻腔炎)、金属アレルギー、喫煙が原因。ステロイド剤外用のみで改善しない。SAPHO(サフォー)症候群は掌距膿疱症の10-30%に合併し、前胸壁に痛み・腫脹が起こるため甲状腺の病気と勘違い。

Keywords

掌蹠膿疱症,しょうせきのうほうしょう,痛み,甲状腺,橋本病,慢性甲状腺炎,バセドウ病,合併,SAPHO症候群,サフォー症候群

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)と甲状腺

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は手のひらや足底に、無菌性の膿疱(黄色の液体の水袋)を繰り返す病気です。痛みのため歩行に障害が出たり、物を握れなかったりします。

掌蹠膿疱症は自己免疫性甲状腺炎[橋本病(慢性甲状腺炎)バセドウ病]、糖尿病、高脂血症、クローン病IgA腎症に合併する事があります。逆に、掌蹠膿疱症をきっかけに、自己免疫性甲状腺疾患が判明する事もあります。

掌蹠膿疱症は原因不明の場合が多いですが、30%は慢性扁桃腺炎、歯槽膿漏(歯周病、歯肉炎)、蓄膿(慢性副鼻腔炎)、金属アレルギー、喫煙が原因だろうといわれます。

特に、歯科治療で詰め物(パラジウムなど)を保険診療内で済ませた人は要注意!少々高くついても金属アレルギーの出ない保険診療外の材質、セラミック、レジン、ジルコニアにした方が良い(無機水銀、ニッケルなどの金属アレルギー銀歯で歯科金属アレルギー)。掌蹠膿疱症の治療を延々と続ければ、余計高くつきます。掌蹠膿疱症患者のほとんどは喫煙者で、禁煙指導により軽快する場合があります。

掌蹠膿疱症

バセドウ病を合併した掌蹠膿疱症性骨関節炎の報告例では、掌蹠膿疱と診断された後に突発性難聴になり、ステロイド投与開始直後より蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)とバセドウ病を発症したそうです。(Jpn Clin Immun. 1993;16(1): 58-63.)

金属ア レルギー検索のためのパッチテストで蹠膿疱症性骨関節炎(PAO)とバセドウ病は共に増悪。パッチテストで強陽性を示 したアンチモンを除去するために歯科治療を行い、蹠膿疱症自体は軽快したそうです。

一般的に、突発性難聴に対するステロイド投与は、プレドニゾロン20mg/日以上の大量使用するにも係わらず減量するのが早過ぎます。報告例も2週間後には中止され、リバウンドによる自己免疫疾患の誘発・増悪を引き起こしたと考えられます。

掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症

掌蹠膿疱症における自己免疫性甲状腺炎[橋本病(慢性甲状腺炎)バセドウ病]の合併頻度は53%と報告されています(J Am Acad Dermatol. 1988 Dec;19(6):1009-16.)。

(写真 掌蹠膿疱症)

掌蹠膿疱症はステロイド剤外用のみで改善しません。

SAPHO(サフォー)症候群

SAPHO(サフォー)症候群[Synovitis(滑膜炎)、Acne(ざ瘡)、Pustulosis(膿疱症)、Hyperostosis(骨化過剰症)、Osteitis(骨炎)の頭文字]は、掌距膿疱症、膿疱性乾癬、化膿性汗腺炎などの皮膚疾患に合併する事が多い骨・関節異常です。

SAPHO(サフォー)症候群は、掌距膿疱症の10-30%に合併します。

前胸壁(胸肋鎖関節・上部胸肋関節・胸骨柄体結合部)に痛み・腫脹が起こり、甲状腺の病気と勘違いされる方がいます。(J Child Orthop. 2015 Feb;9(1):19-27.)

SAPHO(サフォー)症候群

SAPHO(サフォー)症候群の胸部レントゲン写真では、

  1. 鎖骨の肥厚
  2. 第一肋骨の肥厚
  3. 胸鎖関節の骨化による強直

を認めます。

SAPHO(サフォー)症候群[Synovitis(滑膜炎)、Acne(ざ瘡)、Pustulosis(膿疱症)、Hyperostosis(骨化過剰症)、Osteitis(骨炎)の頭文字]

SAPHO(サフォー)症候群の診断は、

  1. CTで骨硬化、骨皮質肥厚像(写真)
  2. MRIで、骨・関節、周囲軟部組織の炎症像
  3. 99mTc骨シンチグラフィは、早期に集積し、牛の頭の様に見えます(bull’s head pattern)(Curr Rheumatol Rep. 2016 Jun;18(6):35.)
SAPHO(サフォー)症候群  CT画像
SAPHO(サフォー)症候群 99mTc骨シンチグラフィ

です。橋本病(慢性甲状腺炎)バセドウ病で、上前胸部に痛みがおこり、圧痛もあれば、SAPHO(サフォー)症候群の可能性があります。ただし、SAPHO(サフォー)症候群の15%は皮膚疾患を合併せず、30%は皮膚疾患に先行して現れるため、掌距膿疱症が無くても否定できません。

SAPHO(サフォー)症候群の治療には抗IL-23p19抗体のグセルクマブ(トレムフィア®)が保険適用。

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長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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