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甲状腺と皮膚の異常・脱毛   [日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。皮膚疾患・脱毛の治療は行っておりません。

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会 学術集会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

Summary

甲状腺機能低下症は皮膚の新陳代謝が悪く乾燥肌、脱毛、さじ状爪、カロチン沈着し黄色く、尋常性白斑、甲状腺機能亢進症/バセドウ病は新陳代謝が活発過ぎて皮脂が増えニキビ、汗疹(あせも)、脱毛、肌黒、尋常性白斑、前脛骨粘液水腫(酸性ムコ多糖類蓄積、バセドウ病眼症を同時発症、TS-Abと相関)。円形脱毛症は自己免疫疾患であり橋本病(慢性甲状腺炎)バセドウ病に合併、フロジン液外用。亜鉛欠乏症シェーグレン症候群合併で、さらに皮膚乾燥・脱毛。、髪の毛をはやすため、こんぶ・ひじき・もずく等、ヨード過剰摂取すれば甲状腺機能低下症が増悪、さらに脱毛。

Keywords

甲状腺機能低下症,乾燥肌,脱毛,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,前脛骨粘液水腫,円形脱毛症,橋本病,慢性甲状腺炎,白斑

甲状腺ホルモン異常と皮膚・脱毛

甲状腺ホルモン異常と皮膚
  1. 甲状腺機能低下症では皮膚の新陳代謝が悪く、乾燥肌になります。特に空気が乾燥する秋以降に悪化します。
    また、髪の毛も硬く抜けやすくなる他、爪の発育も悪く匙(さじ)状爪(スプーンの様な爪;写真)になります。
     
  2. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、新陳代謝が活発過ぎて皮脂が増え、ニキビができたり、汗のため汗疹(あせも)ができやすくなります。特に汗をかく夏場に悪化します。
    甲状腺ホルモンは皮膚色素メラニンと構造が似ているため、肌黒になることもあります。
    毛髪の新陳代謝も活発過ぎて脱毛がおこり、短く軟らかい毛が抜けます。

3. 亜鉛欠乏自体で、皮膚の乾燥・脱毛がおこりますが、亜鉛欠乏性甲状腺機能低下症もおこると、さらに皮膚の乾燥・脱毛が悪化します。甲状腺機能亢進症では、甲状腺ホルモン過剰により、亜鉛の消費が亢進、尿中への亜鉛排泄が増加します。

匙状爪(さじじょうつめ)
以上のホルモン異常を正常化すれば脱毛は改善するはずですが、自己免疫的な脱毛はそれだけでは改善しません。以下のような治療も必要です。

円形脱毛症と甲状腺疾患

円形脱毛症と甲状腺疾患

円形脱毛症

円形脱毛症と甲状腺疾患は関連することがあり、円形脱毛症の8%に甲状腺機能異常が見られます。円形脱毛症は、最も頻度の高い自己免疫疾患で、同じ自己免疫疾患であるバセドウ病橋本病の合併は当然と言えます。よって、甲状腺ホルモンが正常であっても、円形脱毛症の合併はあります。

甲状腺機能低下症/橋本病甲状腺機能が安定しているバセドウ病の方で、円形脱毛症のある方には、保険治療薬フロジン液が皮膚科などで処方されます。(長崎甲状腺クリニック(大阪)では処方出来ません。)

※甲状腺機能が正常化せず、高値の甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、フロジン液の副作用(顔面~全身の発汗・顔面紅潮・心悸亢進・嘔気/嘔吐)が出やすくなる危険性があります。

保険治療薬フロジン液

フロジン外用液

フロジン外用液(一般名:カルプロニウム)は、副交感神経から出る神経伝達物質「アセチルコリン」に似た作用で、血管を拡げ毛根の血流を改善し育毛を助けます。

1日2~3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージします。

フロジン外用液の難点は、非常に臭い事です。(特に女性は)とても、人前に出られない臭いです。

副作用は約4%で

  1. 塗った場所の掻痒感(かゆみ)
  2. あまりに多量に使った場合、顔面~全身の発汗・顔面紅潮・心悸亢進・嘔気/嘔吐

入浴後、既に血管が拡がった時に使用するとい副作用が出やすく、入浴直後の使用は避けてください。

こんぶ・ひじき・もずくを過剰摂取すれば、脱毛が増悪!?

甲状腺機能低下症/橋本病の場合

甲状腺機能低下症/橋本病の方が、髪の毛をはやすためと、こんぶ・ひじき・もずくを過剰摂取を続ければ、脱毛が増悪する事が多々あります。これは、ヨードにより

  1. 甲状腺内の酸化・抗酸化のバランスが狂い、有毒な活性酸素(フリーラジカル)が発生。甲状腺組織の障害が起こります。
  2. 甲状腺ホルモンの合成が抑制され続けます(持続性ウォルフチャイコフ効果)。

その結果、甲状腺機能低下症が増悪し、脱毛が増えます。

甲状腺機能正常の橋本病の場合

甲状腺機能正常の橋本病の場合、甲状腺ホルモンは正常なので、甲状腺機能低下症による脱毛はありません。しかし、長崎甲状腺クリニック(大阪)では、ヨード過剰摂取を制限した甲状腺機能正常の橋本病の方で、甲状腺の慢性炎症の改善と同時に、脱毛も改善した方がおられます。

理由は不明ですが、私見として、甲状腺の慢性炎症の改善に伴い、甲状腺組織の破壊により血中へ放出される抗原(サイログロブリン、甲状腺ペルオキシダーゼなど)が減り、それらに対する自己抗体[抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)]も減少すると考えられます。これは、橋本病の自己免疫を担うヘルパーT細胞の活性化が低下することを意味し、サイトカインの作用により連鎖的に毛根などに自己免疫を担うT細胞の活性化も抑制されるのではないか?との仮説(自説)に辿り着きました。

小児の円形脱毛症は、特に甲状腺の病気に関係

小児の円形脱毛症は、特に甲状腺の病気に関係します。円形脱毛症の小児の20%が甲状腺の病気で、

  1. 甲状腺機能低下症(49%)最多[原因は橋本病(慢性甲状腺炎)によるものが多い]
  2. 橋本病(慢性甲状腺炎[甲状腺機能正常橋本病潜在性甲状腺機能低下症性橋本病甲状腺機能低下症性橋本病](41%)
  3. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病(20%)
  4. 潜在性甲状腺機能障害(亢進症低下症)(12%)

(JAMA Dermatol .2017 Dec 1;153(12):1307-1310.)

フィナステリド(プロペシア錠®)、ミノキシジル(リアップ®)、バリシチニブ(オルミエント®)

フィナステリド(プロペシア錠®)やミノキシジル(リアップ®)は男性型脱毛症に有効です。ミノキシジル1%外用液は女性にも効果が報告されていますが、女性の男性型脱毛症に限定され、自己免疫性の円形脱毛症には効きません(Eur J Dermatol. Jan-Feb 2007;17(1):37-44.)。

ミノキシジル(リアップ®)5%外用液、フィナステリド(プロペシア錠®)も、もちろん効果ありません(Cochrane Database Syst Rev. 2016 May 26;2016(5):CD007628.)(J Am Acad Dermatol. 2000 Nov;43(5 Pt 1):768-76.)。

関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、新型コロナウイルス肺炎に使用されるJAK阻害薬[ヤヌスキナーゼ阻害剤]のバリシチニブ(オルミエント®)が、円形脱毛症にも保険適応になりました。ただし、頭皮の50%以上が脱毛し、過去6カ月間で毛髪の自然再生がない場合に限定されます。[N Engl J Med. 2022 May 5;386(18):1687-1699.]

バセドウ病、橋本病に合併するシェーグレン症候群・全身性エリテマトーデス(SLE)でも脱毛

バセドウ病橋本病に合併するシェーグレン症候群・全身性エリテマトーデス(SLE)でも脱毛がおこります。しかも、これらの膠原病は、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺機能低下症/橋本病と症状が似ている所が多く、甲状腺の病気に重複して隠れている可能性があります。

橋本病(慢性甲状腺炎)合併シェーグレン症候群(ドライアイ,口内乾燥)     甲状腺と膠原病 

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、脱毛があれば、甲状腺の病気と同時に抗核抗体(ANA)、抗SS-A抗体も調べます。

前脛骨粘液水腫

前脛骨粘液水腫

前脛骨粘液水腫

バセドウ病では、すねの前部(前脛骨部)や足背の皮膚が「瘤(こぶ)」の様に発赤して厚くなります(前脛骨粘液水腫)。バセドウ病に特異的な皮膚病変です。

これは粘稠な(ネバネバした)ヒアルロン酸(酸性ムコ多糖類、グルコサミノグリカン)が真皮に溜まるためで、オレンジの皮のようになります(境界明瞭な淡紅色~茶褐色の扁平隆起、毛孔の開大や多毛)。弾力性があるため、指で押しても跳ね返ってきて跡が残らない非圧痕性浮腫(nonpitting edema)です。通常痛みはありません。

前脛骨粘液水腫は、真皮の線維芽細胞がTSH受容体を介する刺激で酸性ムコ多糖類を産生するために起こるとされます(An Bras Dermatol. 2015 May-Jun; 90(3 Suppl 1):143-6.)。

バセドウ病眼症バセドウ病バチ指/バセドウ病関節症と同じ機序で、全てそろうとEMO症候群と呼ばれます。しかし、バセドウ病眼症ほど、甲状腺機能亢進症同時に症状がでません。(J Am Acad Dermatol. 2003 Jun; 48(6):970-2.)(Am J Clin Dermatol. 2005;6(5):295-309.)

前脛骨粘液水腫は、

  1. 喫煙者、男性の比率が多い(バセドウ病自体は女性が多い)
  2. 症状の重症度は甲状腺ホルモンのレベルとは関連せず、TR-Ab(TSHレセプター抗体)< TS-Ab(TSHレセプター刺激抗体)抗体価に相関

粘液水腫 アルシアンブルー(Alcian Blue)染色

前脛骨粘液水腫の検査所見・診断は、

  1. 病変部はMRI STIR画像(脂肪抑制T2強調)で高信号
  2. 確定診断は、皮膚生検。真皮は浮腫状で膠原繊維の離開がみられ、アルシアンブルー(Alcian Blue)染色で淡青く染まる酸性ムコ多糖類の沈着が認められます。(Dermatol Online J. 2008 Oct 15;14(10):8.)

前脛骨粘液水腫の治療は

  1. (上の写真のように軽いものであれば)ステロイド軟こう局所塗布が一般的で、改善に一年以上かかります。
  2. (以下の写真の様に、特に女性で整容上、問題になる場合)
    ①ステロイド注射薬のトリアシノロンアセトニド水濁注の局所注射(J Clin Med Res. 2015 Nov; 7(11):862-72.)
    ②ステロイド軟膏密封療法
    ③ムチン沈着症で有効とされる308nmエキシマライトによるターゲット型紫外線治療(VTRACTM)
    ④ステロイド内服による全身投与も教科書に書いてあります。しかし、命に影響ない前脛骨粘液水腫のために、全身に副作用の出るステロイドを長期間飲むのもどうかと思います。

象皮症様前脛骨粘液水腫

オレンジ皮様、象皮症様前脛骨粘液水腫

象皮症様前脛骨粘液水腫は、重症の前脛骨粘液水腫で、両下肢の前脛骨部から足背にかけ、境界明瞭だが発赤、表面は隆起し瘤状・硬い腫瘤で圧痕無し(オレンジ皮様、象皮症様)、足全体が腫脹します。

ステロイド軟膏で改善なければ、ステロイド内服が有効な事があります(さすがに、この状態ではステロイド内服、ステロイドパルスも止む無し)。

成田赤十字病院の報告では、プレドニゾロン(PSL)20mg/日x 4 週間投与、以後2週間で5mgずつ漸減、全行程10週間を1 クールとし

  1. 1 クール終了後、靴を履けるようになるも、1ヶ月で浮腫増悪
  2. 2 クール終了後、歩行も可能となるも、皮膚発赤や浮腫が消失せず
  3. 3 クール終了後、改善

に至ったそうです(第57回 日本甲状腺学会 P2-017 低容量ステロイド内服療法が奏功した象皮症様前脛骨粘液水腫の1 例)。かなり長期間ステロイド内服を続けねばならない様です。

EMO症候群・バセドウ病眼症の同時発症

前脛骨粘液水腫

EMO症候群やバセドウ病眼症を同時に発症し、しかも難治性バセドウ病眼症あるいは甲状腺機能亢進症/バセドウ病自体も再発を繰り返すコントロール不良の場合、甲状腺全摘術行えば、バセドウ病抗体(TR-Ab、TS-Ab)も低下し、前脛骨粘液水腫も改善しやすなる可能性があります。(前脛骨粘液水腫だけで甲状腺全摘術は、なかなか難しいですが・・)(第55回 日本甲状腺学会 P1-04-08 EMO症候群を合併したバセドウの一例)

また、群馬大学の報告では、バセドウ病眼症にステロイドパルス療法2クールとプレドニゾロン後療法を実施、1クール後から前脛骨粘液水腫が軟化、2 クール後より前脛骨粘液水腫の部分的縮小を認めたそうです(第60回 日本甲状腺学会P2-2-3 バセドウ病眼症に対するステロイドパルス療法後に部分的縮小を 認めた脛骨前粘液水腫の1例)。

バセドウ病眼症と同様に、(131-I)アイソトープ治療後に発症・増悪する事があります。(第56回 日本甲状腺学会 P2-118 バセドウ病治療後に悪化した脛骨前粘液水腫の一例)

限局性でなく、びまん性粘液水腫

明らかに皮膚の色が変わり美容上問題となる限局性前脛骨粘液水腫でなく、皮膚の色は変わらないが、下腿全体がびまん性に腫れる粘液水腫が、かなりの頻度で存在します。神経質なバセドウ病女性の方は、「足がむくむ」と言われますが、大抵は、たいしたことなく、「立ち仕事、座り仕事のせいか?」で終わっている事が多いです。

やはり、溜まっているのは粘稠なヒアルロン酸(酸性ムコ多糖類、グルコサミノグリカン)なので、弾力性があり、押したらすぐに元に戻ってしまいます。へこんだままなら、ヒアルロン酸ではなく、水分なので、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の心不全、低蛋白血症などによる浮腫(むくみ)です。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病が治療で改善すれば、びまん性粘液水腫に関連するTS-Ab(TSHレセプター刺激抗体)抗体も低下し、びまん性粘液水腫も改善します。

リポイド類壊死症

リポイド類壊死症

バセドウ病では、まれに前脛骨粘液水腫でなく、リポイド類壊死症の学会報告もあります。リポイド類壊死は、糖尿病で良く見られる下腿部に生じます。微小血栓により真皮の膠原線維が変性、非感染性肉芽腫を形成します。

  1. 類円形・不整形の紅褐色(橙色)局面、萎縮、色素沈着、光沢、毛細血管拡張を伴う
  2. その中に胡桃大程度の灰褐色斑も散在、軽度陥凹、潰瘍化することもあります
  3. 熱感、圧痛、硬結なし
  4. 非圧痕性浮腫(non pitting edema) なし
    (第57回 日本甲状腺学会 P1-039 両下腿に脂肪類壊死様の皮疹を併発したバセドウ病の1 例)

リポイド類壊死症の治療は、外用ステロイド剤、抗血小板薬。治療に反応せず慢性に経過する事が多い。

甲状腺機能低下症と爪の変形・甲状腺機能亢進症で爪がはがれる

甲状腺機能低下症と爪の変形

匙状爪(さじじょうつめ)

甲状腺機能低下症では、爪が正常の場合に比べて弱くなり、変形を認める事があります。匙状爪(さじじょうつめ、スプーンネイル)とよばれ、

  1. 爪の中央部分がスプーンのようにへこんで先が反りかえる
  2. 健康な爪よりも厚く、茶色や灰色などに変色
  3. 縦に亀裂が入る

などの特徴があります。

匙状爪は鉄欠乏性貧血でも見られ、甲状腺機能低下症では鉄欠乏性貧血を起こします(甲状腺に合併する鉄欠乏性貧血)。また、神経性食思不振症などによる極度の栄養失調でも起こります。

甲状腺機能亢進症で爪がはがれる

爪甲剥離症は、爪甲が末梢側(先の方)から剥離して(はがれて)きますが、完全に脱落しません(要するに爪がはがれるが、完全に取れない)。

爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)の原因は、

  1. 外傷、拷問
  2. マニキュア、洗剤(爪甲部皮膚の炎症)、薬剤(抗がん剤パクリタキセルなど)(Drug Des Devel Ther. 2017; 11():2373-2376.)
  3. 爪カンジダ症[APS(多腺性自己免疫症候群)1型]、緑膿菌感染(Dermatol Clin. 2015 Apr; 33(2):175-83.)
  4. 甲状腺機能亢進症(プランマーズ・ネイル:Plummer's nail)(Endocr Pract. 2008 Jan-Feb; 14(1):132.)
  5. 萎縮性甲状腺炎による甲状腺機能低下症でも報告がある(Intern Med. 2018 Oct 15;57(20):3055-3056.)
  6. 全身性強皮症(SSc)乾癬(J Am Acad Dermatol. 2017 Nov; 77(5):863-867.)
  7. 末梢循環障害(手先の血流障害)・貧血

です。

甲状腺機能亢進症によるプランマーズ・ネイルは、

  1. 第4指(薬指)爪甲に初発し、次第に他の指にも拡大する事が多い。
  2. 甲状腺機能の改善とともに改善します。
甲状腺機能亢進症によるプランマーズ・ネイル2

萎縮性甲状腺炎による甲状腺機能低下症でも爪甲剥離症(Intern Med. 2018 Oct 15;57(20):3055-3056.)。

萎縮性甲状腺炎による甲状腺機能低下症で爪甲剥離症

甲状腺機能低下症は、過剰カロチン沈着で黄色く

甲Joう君 過剰カロチン沈着

カロチンニンジンなど緑黄色野菜に豊富に含まれる赤橙色色素。健康食品として有名で、体内の活性酸素の発生を抑え、発がん予防作用があります。甲状腺ホルモンはカロチンをビタミンAへ変換します。甲状腺機能低下症では、カロチンをビタミンAに変換出来なくなります。過剰になったカロチンは手掌や足底に沈着し黄色くなります。そのため黄疸と勘違いして、肝臓を調べても異常なく、原因不明・ミカンの食べ過ぎと誤診されていることもあります(実は甲状腺機能低下症)。

Jo黄色くない?

カロチンは海藻類にも多く含まれています。海藻を過剰に摂取すると、ヨードにより甲状腺ホルモン産生が抑制され、甲状腺機能低下が進むと、さらにカロチンが沈着し黄色くなります。

甲状腺と白斑

後天性に生じる境界明瞭な脱色素性の白斑(皮膚のメラニン色素がなくなり、色が抜けた病変)を尋常性白斑と言います。自己免疫疾患、特に自己免疫性甲状腺疾患(バセドウ病橋本病)の合併率が高い事が知られています。また、1型糖尿病アジソン病(自己免疫性副腎皮質機能低下症)悪性貧血・自己免疫性萎縮性胃炎などの合併も報告されています。

尋常性白斑の原因は不明な点が多いですが、抗メラノサイト抗体やメラノサイト傷害性T細胞などの自己免疫説が有力です。

美容上の問題以外に、白斑は重度の日焼けを起こすリスクのため、衣服や日焼け止めで遮光する必要あり。

尋常性白斑の治療は、ステロイド軟こう、タクロリムス軟膏、紫外線療法などです。

白斑症と甲状腺

白斑症

白斑症と甲状腺

白斑症

白斑症

APS(多腺性自己免疫症候群)に合併した白斑症[BMJ Case Rep. 2010 Aug 19;2010:bcr1120092426.]

橋本病、バセドウ病ではPRP(自己多血小板血漿)育毛療法、アンチエイジングは受けられない!

最近、保険診療外(自由診療)の育毛治療でPRP(Platelet-Rich Plasma;自己多血小板血漿)療法が用いられています。ある意味、再生医療の一つです。

自分の血液から分離濃縮した自己多血小板血漿(PRP)を、病変の皮下に注射すると、血小板由来の高濃度の増殖因子(成長因子)により皮膚・毛根の組織が活性化される治療です(本当に毛が生えるかどうかは知りませんが)。

しかし、この治療は、健康な成人に限定され、甲状腺機能低下症/橋本病甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺がん等、甲状腺の病気を持っている人はほとんどが対象外になります。

筆者はPRP(自己多血小板血漿)育毛療法、アンチエイジングに詳しくはありませんが、成程、行っている医療機関のHPを見ると、以下の病気を持っている方は治療を受けれないようです(理にかなっています)。

  1. 自己免疫疾患(当然、自己免疫性甲状腺疾患の橋本病バセドウ病含む)
  2. 甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症甲状腺機能亢進症
  3. 膠原病 (橋本病バセドウ病に合併する関節リウマチ、 SLE、シェーグレン症候群、皮膚筋炎など)
  4. 悪性腫瘍(当然、甲状腺がん含む)

PRP(自己多血小板血漿)治療の性質からして、当然でしょう。血小板由来のサイトカイン、成長因子が放出されれば、

  1. サイトカインのバランスが崩れ、橋本病バセドウ病、その他、膠原病を含む自己免疫疾患は悪化する恐れがあります。
  2. 甲状腺機能異常(甲状腺機能低下症甲状腺機能亢進症)では血液の凝固系に異常が生じ、あるいは狭心症・心筋梗塞が起こり易い状況であるため、凝固因子である血小板が活性化された状態は危険。
  3. 甲状腺がんに至っては、成長因子が癌細胞を増殖させる危険性があります。

男性型脱毛症(AGA)

男性型脱毛症(AGA)は、頭頂部(頭のてっぺん)や前頭部(額の生え際)から髪の毛が後退します。毛が薄くなり、弱い毛が残ります。男性型脱毛症(AGA)の原因は、5α-リダクターゼ酵素により男性ホルモン(テストステロン)から生成されるDHT(ジヒドロ・テストステロン)です。DHT(ジヒドロ・テストステロン)が毛乳頭細胞の男性ホルモン受容体に結合、脱毛を誘発します。

男性型脱毛症(AGA)は前立腺がん・前立腺肥大症(BPH)との関連が報告されています(Urol Oncol 2018 Feb;36(2):80.e7-80.e15.)。(男性型脱毛症(AGA)と前立腺

男性型脱毛症(AGA)と甲状腺の病気との関連は報告されていません。

男性型脱毛症(AGA)

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ(地下鉄)谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

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