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小児バセドウ病・乳幼児バセドウ病[甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪) ゆるキャラ 甲Joう君

長崎甲状腺クリニック(大阪)ゆるキャラ Jo君 動脈硬化した血管に甲状腺が!バセドウ病の甲状腺がモデル)

長崎甲状腺クリニック(大阪)は小児科ではありません。小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病診療は中学生以上、治療は20歳以上とさせて頂きます。

Summary

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病は疾患活動性高く、成人と異なる特有の症状、成長・発達の問題(落ち着き・集中力がなく学業成績・運動能力が低下、夜尿、過成長)、服薬のアドヒアランス・コンプライアンス悪い。抗甲状腺薬MMI(メルカゾール、メチマゾール)が第一選択。小児バセドウ病は活動性が高く常に再発注意。PTU(プロパジール、チウラジール)は重症肝障害、抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連腎炎・血管炎のため原則禁忌。アイソトープ(放射性ヨウ素)治療は原則禁忌でなく、慎重投与。手術療法:合併症の頻度は成人より多い。乳幼児バセドウ病, 小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症)も記載。

Keywords

小児,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,症状,治療,再発,メルカゾール,プロパジール,アイソトープ,乳幼児,小児バセドウ病眼症,副作用

小児甲状腺ホルモン基準値

小児甲状腺ホルモン基準値  を御覧ください

小児の甲状腺中毒症

小児の甲状腺中毒症の約80%はバセドウ病で、その他、甲状腺機能性結節剤性甲状腺中毒症(破壊性甲状腺炎)[アミオダロンなど]小児橋本病が基盤の無痛性甲状腺炎などがあります。

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病疫学

小児期(原則18 歳未満)に発症する甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、

  1. バセドウ病の5%を占め
  2. 最年少は4歳、平均年齢は12歳
  3. 男女比=1:6で成人と同じ

(Nelson textbook of pediatrics. 20th ed. Philadelphia:Elsevier, Inc. Elsevier, Inc. 2016 ; 2681-2684.)

表;小児甲状腺機能亢進症バセドウ病の発症年齢(J Pediatr Endocrinol Metab 27:677-683,2014)

小児甲状腺機能亢進症バセドウ病の発症年齢

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病の問題点

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病の問題点は、

  1. 疾患活動性の高い(病勢が強い)症例が多い
  2. 成人とは異なる特有の症状がある(下記)
  3. 成長・発達の問題が絡む
  4. 不登校の原因にもなる
  5. 服薬のアドヒアランス・コンプライアンス悪い(特に親がしっかりと服薬を管理できていない場合、子供に自己管理しろと言う方が無理)

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病症状

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病症状は、

  1. 落ち着きがない(47.4%)
  2. 集中力がなく学業成績が低下する(24.1%)
  3. 運動能力が低下する(15.0%)
  4. 夜尿が続く(頻度不明)
  5. 過成長(甲状腺ホルモンが骨などの新陳代謝を活発にすると同時に、成長ホルモン分泌をうながすため)(頻度不明)
  6. 平均9%程度のやせの傾向(甲状腺ホルモンによる異常代謝亢進)(36.1%)(J Pediatr Endocrinol Metab 27:677-683,2014)
    瘦せていかなくても、体重が増加しないだけで有意な所見

など特徴的です。それ以外は、成人の甲状腺機能亢進症/バセドウ病とほぼ同じです。(甲状腺中毒症.小児内分泌学.日本小児内分泌学会編、診断と治療社. pp.407-412,2009)

  1. 頻脈(94.8%)
  2. 収縮期高血圧(47.9%)
    (J Pediatr Endocrinol Metab 27:677-683,2014)

おまけ;甲状腺ホルモンと過成長

甲状腺ホルモンと過成長

--「甲状腺ホルモンのバランスが崩れて、異常な発育を示すことが、我々人間の場合にもあります。 そうです。ここは全てのバランスが崩れた恐るべき世界なのです。これから30分、貴方の目は貴方の体を離れて、この不思議な時間の中に入って行くのです。」

昭和40年代、日本が高度経済成長期だった頃、白黒で放送されたウルトラQ第2話「五郎とゴロー」のオープニング。

戦時中、衰弱した兵士を回復させるため開発された「青葉クルミ」を食べたサルが甲状腺ホルモンに異常をきたし巨大化するストーリーです(現実にはありえません)。

甲状腺ホルモンも、成長ホルモン同様に子どもの成長に大きな影響を及ぼします。これは、甲状腺ホルモンが骨などの臓器の新陳代謝を活発にすると同時に、成長ホルモンの分泌をうながすためです。

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病治療

薬物治療(抗甲状腺薬)

抗甲状腺薬MMI(メルカゾール、メチマゾール)が第一選択薬。初期治療量は1日体重1kgあたり0.2mgから0.5mgを一日1回または2回に分けて投与(Thyroid 21:593-646,2011)。
体重換算で成人の投与量を超える場合、原則として成人量(MMI 15mg/日)、重症例ではこの倍量。
 

PTU(プロパジール、チウラジール)は重症肝障害、および抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連腎炎やANCA陽性血管炎の発生率が高いため、原則禁忌(以下の様に例外あり)です。米国ではPTU(プロパジール、チウラジール)の重症肝障害による肝移植例が多いことが報告されています。
成人の重篤な肝障害1/10000に対し、小児1/2000-4000と非常に頻度が高いです。(N Engl J Med 360:1574-1575, 2009)

しかし、副作用などでメルカゾールが使えない場合、小児バセドウ病ガイドライン2016では、PTU(プロパジール、チウラジール)を「副作用として重篤な肝機能障害をきたす可能性を十分に説明し、同意を得たうえで慎重に投与」して良い事になっています。
初期治療量は1日体重1kgあたり2mgから7.5mgを一日3回に分けて投与。体重換算で成人の投与量を超える場合は原則として成人量(PTU 300mg/日)、重症例ではこの倍量。

アイソトープ(放射性ヨウ素)治療

アイソトープ(放射性ヨウ素)治療:18歳以下のアイソトープ治療は原則禁忌でしたが、バセドウ病診療ガイドライン 2016では131-I内用療法が小児においても原則禁忌でなく、「慎重投与」になりました。
小児に放射性ヨウ素治療するのは抵抗ありますが、うまくいったという学会報告を毎年の日本甲状腺学会でどこかの施設がしています。また、海外でも同じような論文があります(J Clin Endocrinol Metab 92:797-800,2007)
5歳以下の幼児は「原則禁忌」です(5歳以下のバセドウ病なんて、ほぼ皆無ですが)。

若年者バセドウ病の場合、成人と異なり、甲状腺癌の発症を防ぐ目的で、131-Iを多い目に使用する事が推奨されています(甲状腺癌の芽を全て破壊するため)。若年者であっても最大13mCi使用します。(第53回 日本甲状腺学会 O-4-1 若年者バセドウ病においてRI治療後の甲状腺重量変化は甲状腺機能低下を早期に予測できるか?)

恐れていた事が・・・大人のバセドウ病でもアイソトープ(放射性ヨウ素)治療後、全身の発がんリスクが上昇

第62回 日本甲状腺学会 専門医セミナーⅠでとんでもない話が。バセドウ病のアイソトープ(放射性ヨウ素)治療をしても発がんの心配ないよ」の根拠となった論文(JAMA. 1998 Jul 22-29;280(4):347-55.)で、更に24年後の患者を追跡した続編が発表されました(詳細は、恐れていた事が・・・バセドウ病でもアイソトープ(放射性ヨウ素)治療後、全身の発がんリスクが上昇 を御覧ください)。

健常対照者と比べ、すべての固形癌死亡率が6%増加、女性の乳癌死亡率だけで12%増加。

大人でこれなら、小児なら言うまでも無かろう。恐れていた事が現実に・・・。

予想されていましたが、時すでに遅し。バセドウ病治療ガイドライン 2016では131-I内用療法が小児においても原則禁忌でなく、「慎重投与」の解禁状態になりました。

天下御免の免罪符が出てしまえば、「慎重投与」の名のもとにアイソトープ(放射性ヨウ素)治療に対する慎重さが薄れていきます。

17歳の患者が、(本当に慎重に考えたの?と首をかしげるような)隣接県の主治医からアイソトープ(放射性ヨウ素)治療を積極的に勧められ「イヤだ」と長崎甲状腺クリニック(大阪)に父兄同伴で来院された事もありました(今もメルカゾール投与で安定してます)。

アイソトープ(放射性ヨウ素)治療を既に受けてしまった子供さんは成人したら人間ドック、がん検診をお勧めします。

手術療法(甲状腺全摘手術)

手術療法(甲状腺全摘手術)の合併症頻度は、成人より小児のほうが多し(Thyroid 148:626-631,2004)

手術適応:

  1. 薬物治療が効かない・効き悪い(現実はちゃんと薬を飲めていない場合、患者自体に問題があること多いです。)
  2. 副作用で薬物治療ができない
  3. 早期の完全寛解を望む

など特徴的です。それ以外は、成人の甲状腺機能亢進症/バセドウ病(抗甲状腺薬,アイソトープ治療,手術療法)とほぼ同じです。

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病の生活上の注意

日本小児内分泌学会による「小児期発症バセドウ病診療のガイドライン 2016」 では、 体育の授業や運動部活動について、エビデンスは無いが、「甲状腺機能が正常化するまでは体育の授業や運動部の活動は控えるよう指導します。」 となっています。

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病再発

小児甲状腺機能亢進症/バセドウ病寛解率は15-30%程度の報告が多く、成人に比べ難治性です(J Clin Endocrinol Metab 96:580-588,2011)。

アイソトープ(放射性ヨウ素)治療と手術療法

アイソトープ(放射性ヨウ素)治療と手術療法は、完治し再発はありません。ただし甲状腺ホルモンが低下し(治療後甲状腺機能低下症)、一生、甲状腺ホルモン薬が必要になります。(錠剤を一日1回飲むだけなので簡単です。ある意味、甲状腺ホルモン薬さえ飲んでいれば、健康な人と全く同じ。某日本代表サッカー選手の様に、バセドウ病で甲状腺全摘出し、甲状腺ホルモン薬を飲んでいてもプロのスポーツ選手として健康な人以上に健康な人もいます。)

抗甲状腺薬

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)治療は、例え甲状腺機能が正常化しても再発する可能性があります。小児期に発症する甲状腺機能亢進症/バセドウ病、活動性が高い場合が多く、常に再発に注意しなければなりません。特に、

  1. 低年齢発症
  2. 甲状腺腫が大きい
  3. 血清T3/T4比が高い
  4. 治療前の甲状腺機能亢進が強い
  5. 抗TSH受容体抗体の治療後の低下が少ない
  6. 中学生や高校生で受験期間中(過度のストレスが掛かる)

などは再発の危険性が高いです。

乳幼児甲状腺機能亢進症/バセドウ病

乳幼児甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、100万人に1人未満で非常にまれです(Pediatric Endocrinology2nd ed, Springer Science, 2013,pp276-86)。

  1. 発汗・動悸などの自覚症状を訴えることができなく
  2. もともと多動であるため発見されにく
  3. 過成長・骨年齢促進で発見されることある(甲状腺ホルモンが骨などの新陳代謝を活発にすると同時に、成長ホルモン分泌をうながすため)
幼児甲状腺機能亢進症/バセドウ病 過成長・骨年齢促進

乳幼児甲状腺機能亢進症/バセドウ病症例の成長曲線:身長・体重とも平均値を超えています(過成長)。

骨年齢も平均値以上になります。

骨年齢

小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症)

小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症)は、成人のバセドウ病眼症(甲状腺眼症)と比べると、

  1. 複視(二重に見える)・視力障害を起こしにくい
  2. 眼瞼腫脹(マブタが腫れる)・眼球突出(眼が飛び出る)が主で、治療が必要な事は少ないです。

但し、甲状腺機能亢進症/バセドウ病増悪時に眼球突出も悪化するので、コントロール悪い場合、甲状腺全摘出を考慮すべきでしょう。

(第58回 日本甲状腺学会 P2-13-5 10年以上経過を追えた小児甲状腺眼症の2例)

小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症)の社会的問題

むしろ小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症)で問題なのは、思春期での顔貌の変化(特に女性)でしょう。精神的なショックは、おそらく実際の病状以上で、引きこもりや不登校になる患児がいても不思議ではありません。また、ステロイド治療による体の発育障害、ステロイド精神病で精神状態さらに悪化の危険性もあります。

バセドウ病自体のコントロール悪く、小児バセドウ病眼症も伴う場合、原因の主であるTS-Ab(甲状腺刺激抗体、バセドウ病活動性抗体)を下げるため甲状腺全摘出すべきですが、小児の手術合併症は成人より大きく迷う所です。

小児甲状腺機能性結節

甲状腺機能性結節は、甲状腺腫瘍[良性濾胞腺腫腺腫様甲状腺腫甲状腺乳頭癌]遺伝とは関係なく(後天的に)遺伝子変異し、甲状腺ホルモンを無制限に作る病態です。機能性甲状腺腫と呼ばれ、小児での報告はあります。

小児の甲状腺機能性結節は珍しいが、稀ではありません。成人の甲状腺機能性結節と比べると、

  1. 甲状腺中毒症を起こしやすく
  2. 甲状腺癌の割合が多い(11.3%)

とされます(Surgery. 1987 Dec;102(6):1101-8.)。

最近、PTEN遺伝子変異による過誤腫・癌(甲状腺癌を含む)を全身に発生するコーデン(Cowden)症候群の4歳児で、微小甲状腺濾胞癌による機能性甲状腺腫の症例が報告されました。甲状腺癌だけなら分かりますが、甲状腺機能性結節とは驚きです。

先天的な遺伝子変異による発生なら、非自己免疫性家族性甲状腺機能亢進症と同じ原理ですが、TSH受容体、または、そこからの刺激伝達経路にあるGsα(刺激性Gタンパク)の活性型変異ではなく、PTEN遺伝子変異とは・・。

(第60回 日本甲状腺学会 O3-2 PTEN胚細胞変異を同定した4歳発症の機能性甲状腺結節の1例)

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎甲状腺クリニック(大阪)

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,天王寺区,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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