検索

甲状腺と貧血   [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見②甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

巨赤球性貧血

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝・糖尿病に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編   内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等   糖尿病編 をクリックください

長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。貧血自体の治療は行っておりません。

Summary

甲状腺機能低下症/橋本病、甲状腺機能亢進症/バセドウ病共に、あらゆるパターンの貧血。甲状腺機能低下症/橋本病は①エリスロポエチン産生の低下で正球性貧血②過多月経の出血で鉄欠乏性低色素性小球性貧血③葉酸・ビタミンB12吸収・利用障害の大球性貧血。甲状腺機能亢進症/バセドウは、①鉄の消耗が増加、鉄欠乏性貧血(小球性貧血)②葉酸の需要増大で葉酸欠乏の巨赤芽球性貧血(大球性貧血)③自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の合併・消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)起こし易く、出血による正球性貧血。サラセミアなど甲状腺に鉄が沈着するヘモクロマトーシスで甲状腺機能低下症。

甲状腺,貧血,甲状腺癌,骨髄癌腫症,巨赤球性貧血,自己免疫性溶血性貧血,赤芽球癆,バセドウ病,橋本病,甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症に合併する貧血

甲状腺機能低下症/橋本病による貧血

甲状腺機能低下症患者の43%に貧血があるとされます(Endocr J. 2012;59: 213-20.)。

甲状腺機能低下症/橋本病に合併する貧血は、あらゆるパターンが考えられます。

  1. 全身の代謝が低下。組織の酸素需要量が減り、血中酸素分圧が上昇→腎でのエリスロポエチン産生が低下しる正球性貧血(診断と治療.2006;94:2057-61.)
     
  2. ①甲状腺ホルモンによる消化管での鉄吸収低下(治療.2007;89: 2499-504.)
    ②過多月経による出血量増加
    で鉄欠乏性低色素性小球性貧血:赤血球の原料の鉄が不足すると、できあがった赤血球は小さく、大小不同の粗悪品になります。
     
  3. 葉酸またはビタミンB12の吸収障害・利用障害に基づく大球性貧血(巨赤球性貧血 葉酸欠乏性貧血)
    主にビタミンB12欠乏が原因で、甲状腺機能低下症患者の約40%にビタミンB12欠乏があるとされます。
    ①経口摂取不良・腸管運動低下・腸管壁の浮腫による吸収障害 (J Pak Med Assoc. 2008;58:258-61.)
    ②全身の代謝が低下し、利用障害
    ③悪性貧血の合併(APS(多腺性自己免疫症候群)3B型);甲状腺機能低下症に伴う大球性貧血患者の3分の1で抗胃壁抗体が検出(Indian J Endocrinol Metab. 2012;6(Suppl 2):S361-3.)

    葉酸に関しては、甲状腺機能低下によるメチレン テトラヒドロ葉酸還元酵素の低下によるメチルテトラヒドロ葉酸の生成障害が報告されています (Metabolism. 1994;43:1575-8.)。

甲状腺機能低下症に合併する貧血の特徴

甲状腺機能低下症に合併する貧血の特徴は、甲状腺機能低下により循環血漿量が減少しているため、見かけ上、数値が良く出てしまいます(誤って貧血を過小評価してしまう)。甲状腺ホルモン剤補充し、循環血漿量が増えると、本来の数値に戻り、あたかも貧血が悪化したように錯覚します。 

遺伝性球状赤血球症を伴つた原発性甲状腺機能低下症の1例

遺伝性球状赤血球症

甲状腺機能低下症に合併した遺伝性球状赤血球では、甲状腺機能の正常化とともに末梢血の球状赤血球数は減少、貧血は著明な改善を示したとの報告です。赤血球膜異常を補う何らかの機序が甲状腺ホルモン欠乏により低下する可能性が考えられます。[日本内科学会雑誌Vol. 71 (1982)  No. 7  P 985-989]

遺伝性球状赤血球症は先天性溶血性貧血の70%を占め、常染色体優性遺伝。球状赤血球は10%程度で、有口赤血球も認めます。球状赤血球は変形能が乏しく、物理的に脾臓を通過できずに血管外溶血します。間接ビリルビンが増加し、黄疸や胆石を認めます。赤血球の浸透圧脆弱性試験で診断。摘脾の絶対適応。

摘脾後は髄膜炎菌/肺炎球菌感染による副腎クリーゼ(急性副腎皮質不全)、副腎出血に注意が必要です。(髄膜炎菌/肺炎球菌で副腎クリーゼ(急性副腎皮質不全)、副腎出血

甲状腺機能亢進症/バセドウ病に合併する貧血

甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、約34% に貧血を合併するとされます。

  1. 鉄の代謝(消耗)が増加し、鉄欠乏性貧血(小球性貧血)になることが多いです(ほとんどこのパターンです)。
  2. 葉酸の需要増大による葉酸欠乏で巨赤芽球性貧血(大球性貧血)
  3. 自己免疫性溶血性貧血(AIHA)の合併(正球性貧血)(自己免疫性溶血性貧血と甲状腺)
  4. 消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍)起こし易く、出血による正球性貧血

があります。

甲状腺に合併する鉄欠乏性貧血

甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、鉄の代謝(消耗)が増加し、甲状腺機能低下症/橋本病では過多月経による出血量増加で鉄欠乏性貧血(小球性貧血)になります。甲状腺機能が改善すれば、鉄の消失も止まりますが、一旦減った鉄が再貯留されるのに時間が掛かります。

鉄剤が投与される事ありますが、鉄剤は、甲状腺機能低下症/橋本病の治療薬チラーヂンの吸収を妨げるため注意が必要。また、ヘリコバクター・ピロリ(HP)感染がにより、胃酸の酸性度が低くなると鉄剤・チラーヂン両方の吸収が悪くなります。同時にヘリコバクター・ピロリ(HP)が鉄を消費します。ヘリコバクター・ピロリ(HP)除菌により吸収が良くなります。

甲状腺癌の骨髄癌腫症(骨髄転移) ・骨髄線維症

骨髄癌腫症(癌の骨髄転移)

骨髄癌腫症(癌の骨髄転移)とは、癌細胞が骨髄(赤血球、白血球、血小板を作る場所)内の広範囲に転移、骨髄組織が腫瘍細胞に置換された状態(骨髄癆)。骨髄転移をおこしやすいのは乳癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、膵癌、大腸癌、甲状腺癌です。しかし、甲状腺癌の転移先として、骨髄は極めて頻度が低いです。

正常な血球が作られず、貧血、免疫不全、出血がおこります。

癌細胞により骨髄-血管関門が破壊されたり、骨髄以外で造血が起こり(髄外造血)、本来、骨髄にしか存在しない幼若好中球(骨髄芽球,前骨髄球,骨髄球,後骨髄球)、赤芽球が末梢血に出現(白赤芽球症)すれば、白血病か骨髄癌腫症(癌の骨髄転移)、骨髄線維症が疑われます。

白赤芽球症は、骨髄線維症、がん化学療法後の骨髄回復期、稀に溶血性貧血や大量出血により反応性に見られる事ある。1%程度の骨髄球(myelocyte)や後骨髄球(metamyelocyte)は、軽度の感染症(風邪など)で一過性に認められますが、数%以上は明らかに異常で、赤芽球は出現しない。1-2週間以上(3週間)しても骨髄球(myelocyte)や後骨髄球(metamyelocyte)が消えない場合、血液内科に任せるのが良いでしょう。

同じく白赤芽球症を認める骨髄線維症との鑑別は、骨髄癌腫症(癌の骨髄転移)では髄外造血による巨大脾腫を認めないことです。

骨髄癌腫症(癌の骨髄転移)では、LDH上昇、DIC所見を認め、前立腺癌の様な造骨性の骨転移はALPも高値になりなる。

骨髄線維症

原発性骨髄線維症と、二次性骨髄線維症があります。

原発性骨髄線維症は造血幹細胞レベルのチロシンキナーゼJak2遺伝子変異など(その他CALR、c-Mpl変異)が原因。巨核球が増殖する骨髄増殖性疾患(真性多血症・本態性血小板血症・慢性骨髄性白血病の仲間)で線維芽細胞の反応性増殖をともないます。

髄外造血が亢進し、巨大脾腫と共に、末梢血に赤芽球、骨髄芽球が現れる白赤芽球症、涙滴赤血球、巨大血小板を認めます。

骨髄線維症

インターフェロンα治療前後の骨髄像の変化です。骨髄の過形成が改善し、巨核球、線維芽細胞が減少しています(Modern Pathology (2015) 28, 1315–1323)

真性赤血球増加症や本態性血小板血症から移行した続発性骨髄線維症の場合もあります。

急性巨核芽球性白血病、副甲状腺機能亢進症などに伴う二次性骨髄線維症もあります。

巨赤球性貧血と甲状腺・副腎・糖尿病

巨赤芽球性貧血とは

巨赤芽球性貧血にはビタミンB12欠乏・葉酸欠乏があります。悪性貧血は抗内因子抗体(60%)/抗壁細胞抗体(90%)により、

  1. 胃酸分泌障害から萎縮性胃炎になると同時に
  2. ビタミンB12の腸管吸収に必要な内因子の分泌障害が胃壁細胞におこります。

自己免疫疾患:甲状腺機能亢進症/バセドウ病橋本病(慢性甲状腺炎)副腎皮質機能低下症(アジソン病)1型糖尿病に合併します。甲状腺機能亢進症/バセドウ病橋本病(慢性甲状腺炎)合併するとAPS(多腺性自己免疫症候群)3B型

巨赤芽球性貧血

巨赤芽球性貧血の症状

  1. 細胞回転が速い消化管上皮細胞障害:胸やけ、食欲不振、下痢、便秘
  2. 舌は乳頭萎縮と発赤:Hunter舌炎
  3. 胃がん・胃カルチノイド発生
  4. 脊髄の亜急性連合性脊髄変性症:脊髄の後索と側索の退行性変化
  5. 末梢神経障害(治療時期が遅いと回復しない、葉酸単独補充で悪化)
  6. 脳障害/認知症,うつ
  7. 若年者で白髪、不妊
  8. 老年者で骨粗鬆症・誤嚥性肺炎

亜鉛欠乏症の症状に非常によく似ています。(甲状腺と似ている合併している亜鉛欠乏症、甲状腺でむずむず脚症候群 )

亜急性連合性脊髄変性症

亜急性連合性脊髄変性症 MRI画像
亜急性連合性脊髄変性症 MRI画像

亜急性連合性脊髄変性症は、両手足のしびれが特徴。MRIにて脊髄縦方向(C2-5)に伸びる高信号、横断面で脊髄後索に一致。2009年放射線科診断専門医試験問題11番

巨赤芽球性貧血の診断

  1. 大球性貧血(楕円赤血球・変形赤血球・赤血球大小不同・ハウエル-ジョリー小体(核の残留断片))
  2. 末梢血好中球過分葉
  3. 重症例では血小板減少症・変形血小板
  4. 汎血球減少
  5. 血清ビタミンB12低値
  6. 無効造血(LDH, Bil↑)
  7. 骨髄では未熟巨赤芽球過形(核DNA合成障害により核は未熟と細胞質は正常)・顆粒球系も後骨髄球・桿状核球の巨大化、好中球/分葉核球過分葉
  8. 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)で、胃体部胃底腺の萎縮性変化を認めます。

骨髄異形成症候群(MDS)・赤白血病による巨赤芽球性貧血は好中球ALP高値・血清ビタミンB12は正常~高値なので鑑別できます。

巨赤芽球性貧血 末梢血液像

甲状腺機能亢進症/バセドウ病,甲状腺機能低下症に合併する巨赤芽球性貧血の診断

甲状腺機能亢進症/バセドウ病,甲状腺機能低下症に合併する巨赤芽球性貧血の診断は、大・小球性貧血の混在により、どちらとも言えない血球パターンになり、見逃されることがあります。

甲状腺機能低下症に合併する貧血  甲状腺機能亢進症/バセドウ病に合併する貧血

胃切除後ビタミンB12欠乏性貧血

胃切除後ビタミンB12欠乏性貧血(大球性貧血)は、胃切除後5年以上でおこり、鉄欠乏性貧血(小球性貧血)を伴います。大・小球性貧血の混在により、どちらとも言えない血球パターンになり、見逃されることがあります。

巨赤芽球性貧血の治療

巨赤芽球性貧血の治療は、経口でのビタミンB12投与は無効なので、ビタミンB12筋肉注射を行います。

葉酸欠乏性貧血

葉酸はビタミンBの仲間で、ビタミンB12とともに、造血に不可欠です。葉酸欠乏は、巨赤芽球性貧血という大球性貧血(大きな赤血球だが数は少ない)をおこします。

ふつうの食事で、葉酸が不足することはありませんが、

  1. 吸収障害:甲状腺機能低下症、胃腸手術後、激しい慢性下痢
  2. 摂取不足:アルコール多飲
  3. 利用障害:甲状腺機能低下症、肝臓病
  4. 薬剤性:結腸がん, 直腸がんで5-FU投与時、関節リウマチでMTX(リウマトレックス)投与時
  5. 需要増大:甲状腺機能亢進症悪性リンパ腫(甲状腺原発悪性リンパ腫)、溶血性貧血、関節リウマチ

で不足します。

葉酸欠乏ではアミノ酸の一種ホモシステインの血中濃度が上昇し、血液凝固因子や血管内皮細胞が影響を受け、動脈硬化のリスクが高くなります。 

葉酸が欠乏すると新陳代謝が活発な口腔内や皮膚、粘膜などに炎症や肌荒れが現れます。 

甲状腺に鉄が沈着:ヘモクロマトーシス

輸血後鉄過剰症

鉄過剰症は血清フェリチン500ng/ml以上の状態で、輸血後鉄過剰症がほとんどですが遺伝性ヘモクロマトーシスも存在します。過剰鉄でフリーラジカルが産生され、

  1. 肝不全・肝臓がん
  2. 心不全・不整脈
  3. 内分泌異常(甲状腺副甲状腺下垂体機能低下症性機能低下症糖尿病
  4. 発育障害

を呈します。

鉄キレート剤:デスフェロキサミン連日注射・デフェラシロクス経口投与します。

遺伝性ヘモクロマトーシス

遺伝性ヘモクロマトーシスは、鉄吸収阻害因子ヘプシジンの低下により、腸からの鉄吸収が増加。もちろん甲状腺など内分泌異常も

サラセミア (無効造血を伴う小球性貧血)

サラセミア

サラセミアは常染色体優性遺伝で、ヘモグロビンを構成するアミノ酸の鎖(グロビン鎖)が合成障害。正常な赤血球が生成されず、壊れやすくなるため、無効造血(骨髄・脾臓で溶血)をきたします。本邦では稀とされましたが、軽症例β-サラセミアが多いことがわかってきました。

  1. 小球性低色素性赤血球なので鉄欠乏性貧血と誤診されている事があります。総鉄結合能上昇するも、血清鉄・フェリチン正常な点が異なります。(甲状腺機能亢進症/バセドウ病と合併すると鉄の消耗が激しくなり、鉄欠乏性貧血が重なり、さらに小球性低色素性貧血になります)
  2. 標的赤血球
  3. 破砕赤血球
  4. ハインツ小体

などを認めます。

輸血後鉄過剰症と同じく、内分泌異常(甲状腺副甲状腺下垂体機能低下症性機能低下症糖尿病)を含むヘモクロマトーシスをおこします。

鉄芽球性貧血

鉄芽球性貧血は

  1. 先天性(5-アミノレブリン酸合成酵素異常)
  2. 骨髄異形成症候群
  3. [2次性鉄芽球性貧血]抗癌薬、放射線治療、抗結核薬イソニアジド、鉛中毒、亜鉛過剰、銅欠乏など

の鉄利用障害性貧血です。赤血球分布幅の広い正球性正色素性貧血/小球性低色素性貧血の混在型で,血清鉄,フェリチンの増加、TIBC(総鉄合能)の低値を伴います。鉄がミトコンドリア中に蓄積し環状鉄芽球を形成。

輸血後鉄過剰症と同じく、内分泌異常(甲状腺副甲状腺下垂体機能低下症性機能低下症糖尿病)を含むヘモクロマトーシスをおこします。

ヘム合成時の5-アミノレブリン酸合成酵素の補酵素:ビタミンB6投与が有効

自己免疫性溶血性貧血(AIHA)と甲状腺

自己免疫性溶血性貧血(AIHA)

自己免疫性溶血性貧血(AIHA)は、赤血球膜の抗原に抗赤血球自己抗体が結合、脾臓で破壊/溶血をおこします。自己免疫性溶血性貧血(AIHA)、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)いずれか、あるいは両方(Evans 症候群)が、自己免疫性甲状腺疾患 甲状腺機能亢進症/バセドウ病橋本病合併するとAPS(多腺性自己免疫症候群)3C型

末梢血は、

  1. 未熟で大きい赤血球が骨髄から動員され大球性貧血
  2. 網状赤血球が著増
  3. 溶血所見:血清総・間接ビリルビン上昇、LDH(I,II優位)上昇、血清ハプトグロビン低下
  4. 直接クームス試験で抗赤血球抗体の存在を確かめますが、10%がクームス陰性で、
    その理由として①IgG自己抗体が少ない②IgM/IgA抗体③低親和性抗体

治療は

  1. 副腎皮質ステロイド薬
  2. 免疫抑制薬
  3. 摘脾術が三本柱。
  4. 血管外溶血なので緊急時は赤血球輸血も可。

寒冷凝集素症

寒冷凝集素価(血液型のIi型に対するIgM型自己抗体)による溶血性貧血とレイノー現象など末梢循環障害。マイコプラズマ/EBウイルス感染後、特発性慢性型は自己免疫性甲状腺疾患 橋本病/バセドウ病に合併するクリオグロブリン血症によることもあります。

発作性寒冷ヘモグロビン尿症

発作性反復性の血管内溶血とヘモグロビン尿。Donath-Landsteiner抗体が原因とされるも測定できません。

非自己免疫性溶血性貧血と甲状腺

非自己免疫性なので、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)との関連はありません。

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)機序

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)機序

ヘモグロビン尿

ヘモグロビン尿

ヘモシデリン尿

ヘモシデリン尿

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)はPIG-A遺伝子異常による補体感受性の高い赤血球が原因です。補体第3成分(C3) 活性化を抑える膜蛋白質CD55・CD59を細胞膜に繋ぎ止めるGPI膜蛋白(アンカーの役割を果たす蛋白質:グリコシルフォスファチジルイノシトール)の合成障害です。

夜間の血管内溶血、早朝のヘモグロビン尿(コーラ色)、嚥下障害、男性機能不全、原因不明の腹痛が特徴で、再生不良性貧血・骨髄異形成症候群の合併・相互移行があります。

尿沈渣はプルシアンブルーでヘモシデリン陽性。GPI酵素蛋白の好中球アルカリフォスファターゼ(NALP)も欠如するため血清ALPも低下。フローサイトメトリー(FCM)で赤血球や顆粒球のCD55、CD59陰性細胞数の割合を検査し、1%以上を基準とします。

補体第5成分に対する抗体薬(エクリズマブ)が開発されました(C3は阻害しない)。

ハプトグロビンは 肝臓で作られるタンパクで、溶血で遊離したヘモグロビンと結合し、血中濃度が低下。肝臓障害時も、アルブミン・凝固因子とともに産生が低下します。

甲状腺癌/橋本病/シェーグレン症候群で成人急性貧血:赤芽球癆(せきがきゅうろう)

赤芽球 異型巨大赤芽球

赤芽球癆(せきがきゅうろう)は、赤血球だけが減少する再生不良性貧血の一種です。赤芽球癆の原因は

  1. 伝染性紅斑の原因で無痛性甲状腺炎橋本病発症を誘発するヒトパルボウイルスB19(伝染性紅斑(リンゴ病)で無痛性甲状腺炎・橋本病発症
  2. 感染症・膠原病・自己免疫疾患など(甲状腺癌/バセドウ病/橋本病/シェーグレン症候群も含まれます)
  3. 薬剤性赤芽球癆の原因として,甲状腺機能低下症もおこす抗てんかん薬フェニトイン,糖尿病糖尿病性神経障害を悪化させる結核薬イソニアジド,エリスロポエチン(抗EPO抗体が出現するため)が有名。

成人急性貧血おこし、15%胸腺腫を合併。造血が妨げられるため、血清鉄、フェリチンは高値。骨髄では、異型巨大赤芽球が出現。

ヒトパルボウイルスB19による赤芽球癆(せきがきゅうろう)はほとんど自然軽快しますが、それ以外はシクロスポリン(寛解率95%)、副腎皮質ステロイド(有効率30-60%)使用します(Haematologica. 2008 Jan;93(1):27-33.)。

赤芽球癆(せきがきゅうろう)と胸腺腫

胸腺腫を合併した赤芽球癆に対する胸腺腫摘出術単独の貧血改善効果は0%(Blood98:483―485,2001.)。また、胸腺腫合併赤芽球癆41例中16例は胸腺腫摘出後に赤芽球癆を発症したとの報告もあります〔日内会誌 101:1937~1944,2012〕。

当然、抗胸腺細胞免疫グロブリンも無効です。

内分泌疾患と症候性貧血

甲状腺機能低下症下垂体機能低下症副腎皮質機能低下症の内分泌疾患では、基礎代謝低下にともない赤血球産生能低下し症候性貧血がおこります。

鉄欠乏性貧血の次に多い貧血で、高年齢ほど高頻度で、高齢者貧血の約20%を占めます。

症候性貧血は慢性炎症や慢性感染症、自己免疫疾患(橋本病バセドウ病に合併する膠原病など)、悪性腫瘍の症候性貧血(甲状腺癌末期)など、鉄を効率よく使えない鉄代謝障害です。

症候性貧血の検査所見は、

  1. MCV(平均赤血球容量)が80-100fLの正球性貧血が多いが、MCV<80fLの小球性貧血もあり
  2. 血清鉄(Fe)↓、総鉄結合能(TIBC)↓、フェリチン(貯蔵鉄)↑

症候性貧血治療は、

  1. 原因疾患の治療
  2. 貧血が強い場合、赤血球輸血
  3. 海外ではエリスロポエチン(日本では保険適用ない)

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)は

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ 谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

診療時間電話番号や地図はこちら