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低カリウム血症(甲状腺編)  [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見①甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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  1. 甲状腺の低カリウム血症
  2. 甲状腺低ナトリウム血症

甲状腺の低カリウム血症

Summary

甲状腺機能亢進症/バセドウ病では低カリウム血症に。低カリウム性周期性四肢麻痺、心室頻拍など致死性不整脈に移行するQT延長症、筋肉が融解し腎不全になる横紋筋融解症おこす。低カリウム性周期性四肢麻痺は若年のアジア人男性に多く、飲酒・過食・発汗後に手足の力が入らなく起き上がれず、最悪、呼吸筋麻痺し呼吸不全。治療はカリウム剤(ブドウ糖静脈内投与は低カリウム血症増悪)、プロプラノロールは発作予防。回復期は、細胞外へカリウムが戻り、逆に高カリウム血症になる事も。橋本病シェーグレン症候群合併で間質性腎炎から尿細管性アシドーシスおこし低カリウム血症に。

Keywords

甲状腺機能亢進症,バセドウ病,橋本病,低カリウム血症,カリウム,不整脈,甲状腺,周期性四肢麻痺,シェーグレン症候群,横紋筋融解症

甲状腺と低カリウム血症

甲状腺の病気に合併する低カリウム血症は、

  1. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、汗や下痢で体中のカリウムが失われ、細胞外から細胞内へのカリウム移動し、低カリウム血症になります。飲酒・過食・発汗後に手足の力が入らず、ひどい場合起き上がれなくなる低カリウム性周期性四肢麻痺や、心室頻拍など致死性不整脈に移行するQT延長症に至ります。重篤な低カリウム血症では筋肉が融解し腎不全を起こす横紋筋融解症になることがあります。 
  2. 橋本病シェーグレン症候群を併発すると、間質性腎炎から尿細管性アシドーシス起こし低カリウム血症になります。症状は低カリウム性周期性四肢麻痺と同じ。

尿中カリウム1日量が20mEq(97.5mg)以上なら腎臓よりカリウムが失われています。正常値51~64mEq/日
TTKG=(尿中カリウム÷尿浸透圧)×(血清浸透圧÷血清カリウム):3以下なら腎臓からのカリウム喪失はありません。

低カリウム性周期性四肢麻痺

低カリウム性周期性四肢麻痺の特徴

低カリウム性周期性四肢麻痺は、

  1. 若年のアジア人男性の甲状腺機能亢進症/バセドウ病に好発します。
  2. 甲状腺中毒症の5%-10%におこるとされます。
  3. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病がほとんどですが、亜急性甲状腺炎無痛性甲状腺炎にもあります。
  4. 甲状腺中毒症は軽度のことが多い
  5. 発作は運動後/食後/飲酒後の安静時・起床時におこります。
甲状腺中毒性周期性四肢麻痺の症状

甲状腺眼症/バセドウ病眼症に対するステロイドパルス療法で重篤な低カリウム性周期性四肢麻痺が誘発

甲状腺眼症/バセドウ病眼症に対するステロイドパルス療法で、呼吸筋麻痺し、呼吸不全までおこす重篤な低カリウム性周期性四肢麻痺が誘発される事があります。ステロイド性低カリウム血症が加算されたのが原因で、血清Kは1.4mEq/lまで低下したとの事です。(第54回 日本甲状腺学会 P049 ステロイドパルス治療が誘因と考えられた甲状腺中毒性周期性四肢麻痺の一例)

低カリウム周期性四肢麻痺の原因

低カリウム性周期性四肢麻痺の原因は、甲状腺ホルモンによるNa-K ATPaseの活性化による、細胞外から細胞内へのカリウム移動と考えられています。

遺伝的素因

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、低カリウム性周期性四肢麻痺おこさない人が大多数です。しかも、若年のアジア人男性に起きやすいため、何らかの遺伝的素因が関与しているのは間違いないでしょう。甲状腺機能亢進症/バセドウ病と関係ない遺伝性周期性四肢麻痺では、

  1. 骨格筋型カルシウムチャネルαサブユニット(CACNA1S)や骨格筋型ナトリウムチャネルαサブユニット(SCN4A) の遺伝子異常
  2. カリウムチャネル(KCNJ2, KCNJ5)の遺伝子異常(不整脈と骨格の奇形を伴うAndersen-Tawil症候群)

が原因の一部とされており、類似の異常が甲状腺機能亢進症性低カリウム性周期性四肢麻痺にあるのかもしれません。

低カリウム性周期性四肢麻痺の症状

低カリウム性周期性四肢麻痺の症状は、

  1. 筋肉痛、筋硬直、筋痙攣など前駆症状があることも
  2. 数分-数日続く発作性・近位筋優位の四肢筋力低下(弛緩性麻痺)と自然回復
  3. 知覚や意識は正常
  4. まれに呼吸筋麻痺し、呼吸不全の報告があります。
  5. 致死性不整脈の報告あり
  6. 回復期は、細胞外へカリウムが戻り、逆に高カリウム血症になることがあります。

血清カリウム値が2.5mEq/lを下回ると、命の危険が生じます。

  1. 致死性不整脈
  2. 横紋筋融解症
  3. 呼吸筋麻痺し、呼吸不全

致死性不整脈

2011年までに、低カリウム性周期性四肢麻痺に合併した致死性不整脈として、心室細動(Vf)5例・心室頻拍(VT)3例が報告されています。いずれもK補正により不整脈消失しており、低カリウム血症が原因と考えられます。(第54回 日本甲状腺学会 P045 脱力発作時に心室頻拍を合併した甲状腺中毒性周期性四肢麻痺の1例)

横紋筋融解症

ミオグロビン尿

カリウム欠乏により血管平滑筋が収縮、血流低下し、筋細胞が虚血状態になり、壊死、筋肉が崩壊します(Clin Interv Aging, 5: 71–73, 2010.)。 血中に放出されたミオグロビン(Mb)が、腎臓の尿細管を閉塞、急性腎機能障害・急性腎不全おこし致死的になります。

血液検査は 血清CK(CPK)値およびミオグロビン(Mb)値が高値、麦茶の様なミオグロビン(Mb)尿が特徴。

低カリウム性周期性四肢麻痺と鑑別

低カリウム性周期性四肢麻痺と鑑別するのは、

  1. 家族性周期性四肢麻痺
  2. 甲状腺中毒性ミオパチー甲状腺機能亢進症/バセドウ病に合併)
  3. 重症筋無力症甲状腺機能亢進症/バセドウ病に合併)
  4. カタプレキシー甲状腺機能亢進症/バセドウ病に合併)

などです。

低カリウム性周期性四肢麻痺の治療

低カリウム性周期性四肢麻痺

  1. カリウム剤(ブドウ糖の静脈内投与は、カリウムの細胞内移動により低カリウム血症が増悪)
  2. プロプラノロール(非選択性β遮断剤)は発作予防に有効
  3. 家族性周期性四肢麻痺と異なり、アセタゾラミドは発作予防効果なし

低カリウム性周期性四肢麻痺の予後

低カリウム性周期性四肢麻痺は甲状腺機能の正常化に伴い消失します。

低カリウム性周期性四肢麻痺と鑑別:家族性(遺伝性)周期性四肢麻痺

家族性(遺伝性)周期性四肢麻痺は、甲状腺機能亢進症/バセドウ病とは無関係です。

  1. Na、K、Caのチャネル遺伝子異常
    骨格筋型カルシウムチャネルαサブユニット(CACNA1S)や骨格筋型ナトリウムチャネルαサブユニット(SCN4A) の遺伝子異常
    カリウムチャネル(KCNJ2, KCNJ5)の遺伝子異常(不整脈と骨格の奇形を伴うAndersen-Tawil症候群)
  2. 低カリウム性、正カリウム性、高カリウム性いずれもあります

低カリウム性周期性四肢麻痺と鑑別:甲状腺中毒性ミオパチー

甲状腺中毒性ミオパチーは、近位筋の筋力低下・筋痛です。呼吸筋障害もあります。筋障害を表すCPK(CK;血清クレアチンキナーゼ)正常。甲状腺機能が正常化すれば、自然に消失します。

低カリウム性周期性四肢麻痺と鑑別:カタプレキシー

カタプレキシーは、感情の高ぶりにより発生する脱力発作です(精神科領域)。甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、そう状態・ハイな状態になること多く、カタプレキシーおこせば低カリウム性周期性四肢麻痺と鑑別要。

橋本病合併シェーグレン症候群による尿細管性アシドーシスから低カリウム血症

橋本病シェーグレン症候群を併発すると、間質性腎炎から尿細管性アシドーシス起こし低カリウム血症になります。高Cl血症(fe. 116mEq/L)、尿pH 高い(アルカリ側に傾く)(fe. 7.0)で、おおよそ予測できます。

後は、

  1. 間質性腎炎を調べる腎エコー、尿NAG測定
  2. 尿細管性アシドーシス(高Cl性代謝性アシドーシス)を証明する動脈血ガス分析(fe. pH低下 7.424,PCO2低下27.3 Torr,HCO3-低下 17.5 mmol/L,AG正常 11.5 mmol/L)
  3. シェーグレン症候群の診断;抗SS-A,B抗体他(乾燥症状が出ずに、低カリウム血症おこす事あり。)

を調べます。(第53回 日本甲状腺学会 P-27 シェーグレン症候群による尿細管性アシドーシスで低カリウム性ミオパシーを来したTRAb 陽性橋本病の1例)

間質性腎炎 超音波(エコー)画像

甲状腺以外の低カリウム血症

甲状腺以外の低カリウム血症は、 低カリウム血症(甲状腺以外) を御覧下さい。

低ナトリウム血症

甲状腺が原因の低ナトリウム血症

甲状腺以外の低ナトリウム血症

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎甲状腺クリニック(大阪)

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長崎甲状腺クリニック(大阪)

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