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甲状腺部に痛みを呈する疾患         [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見③ 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪)

Summary

甲状腺の痛みで一番多いのは亜急性甲状腺炎(約75%)、のう胞内出血(約20%)、橋本病急性増悪、甲状腺良性腫瘍、急性化膿性甲状腺炎甲状腺膿瘍甲状腺未分化癌、転移性甲状腺癌、有痛性バセドウ病甲状腺髄様癌、食道癌、内頸静脈血栓症、甲状腺動静脈瘻(ろう)の出血。のう胞内出血は甲状腺超音波(エコー)検査で簡単に診断。広範壊死を伴う高増殖型甲状腺乳頭癌(甲状腺乳頭癌 高MIB-1標識率)は高熱、前頚部痛、高度の炎症反応、穿刺細胞診で壊死組織しか採れず。内頸静脈血栓症は超音波(エコー)検査で内頸静脈内に血栓見つければ診断。

Keywords

甲状腺,亜急性甲状腺炎,のう胞内出血,本病急性増悪,急性化膿性甲状腺炎,甲状腺膿瘍,甲状腺未分化癌,転移性甲状腺癌,有痛性バセドウ病,痛み

甲状腺部に痛みを呈する疾患

患者さんが甲状腺部に痛みを訴える病気で一番多いのは、亜急性甲状腺炎です。しかし、実際、亜急性甲状腺炎以外の場合が約25%存在します。

伊藤病院の統計では、甲状腺部に痛みを呈する疾患は、来院時に甲状腺部痛を確認した2979 例の内、

  1. 亜急性甲状腺炎(SAT)2208 例(74.1%)
  2. 嚢胞634 例(21.3%)[のう胞内出血・急激な液貯留と推察されます]
  3. 橋本病急性増悪(pHD)40 例(1.3%)
  4. 甲状腺良性腫瘍28 例(0.9%)[生理前や妊娠中にサイズがやや大きくなりますが、それを痛みと感じているのでしょうか?]
  5. 甲状腺乳頭癌(PTC)25 例(0.8%)[急速な増大、被膜浸潤、腫瘍内出血・壊死で痛み]
  6. 急性化膿性甲状腺炎と甲状腺膿瘍(AST)20 例(0.7%)
  7. 甲状腺未分化癌(ATC)6 例(0.2%)[教科書通り]
  8. 甲状腺原発悪性リンパ腫(ML)4 例(0.1%)[教科書通り]
  9. 転移性甲状腺癌(他臓器の癌から甲状腺への転移)4 例(0.1%)[急速な増大、被膜浸潤、腫瘍内壊死などの痛みでしょうか?]
  10. 有痛性バセドウ病(pGD)3 例(0.1%)[やはり急激な甲状腺のサイズの増大を痛みと感じているのでしょうか?]
  11. 甲状腺髄様癌(MTC)[甲状腺乳頭癌と同じ理由でしょうか?]
  12. 食道がん2 例(0.06%)[食道憩室炎でなく、食道癌であるのに驚きました。食道癌の急激な増大や、内部壊死、甲状腺を圧排、甲状腺内浸潤、甲状腺内癌性リンパ管炎による痛み]
  13. 副甲状腺のう胞2 例(0.06%)[私自身、痛みのある副甲状腺嚢胞は診たことないのですが]
  14. リーデル甲状腺炎1例(0.03%)[教科書通り]
  1. この報告には無いが内頸静脈血栓症
  2. この報告には無いが甲状腺動静脈瘻(ろう)による出血(まれ)

(第56回 日本甲状腺学会 O7-1 甲状腺部に痛みを呈する疾患についての検討)

上記の疾患は、ほとんどが甲状腺超音波(エコー)検査と血液検査で特定できます。血液検査は誰でもできますが、甲状腺超音波(エコー)検査は練度と高度な技術を要します。技術はあるが、甲状腺の専門知識のない検査技師(医者じゃないんだから当たり前だが)でも的確な鑑別所見を取るのは難しいでしょう。

状腺超音波(エコー)検査に精通した甲状腺専門医でこそ可能なのです。

亜急性甲状腺炎と鑑別を要するのう胞内出血

のう胞性腫瘍内の、のう胞部分で出血おこすと急激な痛みが甲状腺におこります。長崎甲状腺炎クリニック(大阪)でこれまでにあった症例の原因として代表的なのは

  1. リンパマッサージなど強度の刺激を甲状腺に加わった
  2. 重い物を持ち上げた拍子
  3. 全力で2人乗り自転車をこいだ後

等ですが、原因のはっきりしない場合の方が多いです。亜急性甲状腺炎と比べ、発熱・炎症反応は軽度です。出血は自然に吸収され、痛みも軽くなりますが、完全になくならない場合、腫瘍の良悪性を診断する目的で穿刺細胞診します。血腫の部分を採ると、変形赤血球・泡沫細胞・壊死物質などになります。

甲状腺超音波(エコー)検査で簡単に診断できますので、くれぐれも亜急性甲状腺炎と思い込んでステロイドを投与しないでください。

のう胞内出血(急性期)超音波(エコー)

のう胞内出血(急性期):のう胞内に薄く白味がかった、できて間もない血腫が見えます。

のう胞内出血(慢性期)超音波(エコー)

のう胞内出血(慢性期):のう胞内の血腫は固まって、白く見えます。血腫内に線維芽細胞が増殖し、器質化すると、ドプラーで血流が認められ、腫瘍成分との鑑別が必要になります。

広範壊死を伴う高増殖型甲状腺乳頭癌(甲状腺乳頭癌 高MIB-1標識率)

広範壊死を伴う高増殖型甲状腺乳頭癌甲状腺乳頭癌 高MIB-1標識率)は、

  1. 38℃以上の高熱・前頚部痛/腫れ
  2. 高度の炎症反応(WBC, CRP上昇)
  3. エコーで低エコー領域
  4. 穿刺細胞診でも壊死組織しか採れず

急性化膿性甲状腺炎甲状腺膿瘍甲状腺未分化癌甲状腺原発悪性リンパ腫橋本病急性増悪などと鑑別を要します。

報告例ではMIB-1ラベリング(Ki-37標識率)が5-15%以上の高値で、甲状腺分化癌乳頭癌濾胞癌)ではほとんど陽性にならず、甲状腺未分化癌甲状腺低分化癌で高頻度に見られるp-53の免疫染色が陽性との事でした。p-53陽性甲状腺乳頭癌は、未分化変異の可能性が報告されており注意を要します。(第54回 日本甲状腺学会 P175 広範壊死を伴った高甲状腺乳頭癌術後早期に、腺内転移が急速増大した1例)

この報告には無いが内頸静脈血栓症

前頚部に痛みを有し、喉頭軟骨から鎖骨に掛けて圧痛のある硬い腫瘤を触れます。急性発症で、炎症強いと皮膚が赤くなる事もあります。

超音波(エコー)検査で、頚動脈の外側(甲状腺は内側)、内頸静脈内に血栓(縦長の低輝度領域)を見つければ診断できます。MRV(静脈系を見るMRI)を行うのも良いでしょう。

補助診断として、凝固系が活性化すると増加するフィブリンモノマー、トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体(TAT)の血中濃度測定が有用です

内頸静脈血栓症 超音波(エコー)画像

内頸静脈血栓症の原因として

  1. 印環細胞がん(いわゆるボルマン4型胃がん)など粘いムチンを産生する悪性腫瘍、肺がん等によるトルーソー症候群
  2. 感染症によるレミニール症候群
  3. 外傷
  4. 尿タンパクがダダ漏れになるネフローゼ症候群では血管内脱水と凝固阻害因子の低下

などがあります。

甲状腺動静脈瘻(ろう)による出血(まれ)

非常に稀ですが、甲状腺動静脈瘻(ろう)による出血による痛みもあります。動静脈瘻(ろう)は、毛細血管を介さず動脈と静脈が直接つながった状態。

症状は、

  1. 突然の頚部痛
  2. 徐々に頚部腫大し嚥下困難
  3. 皮下出血あり

診断するには、

  1. 超音波(エコー)・CTで頚部の皮下血腫を確認
  2. 造影CTで血腫と甲状腺周囲の異常血管を確認
  3. 甲状腺動脈血管造影で上下甲状腺動静脈瘻(ろう)を確認

治療は、上下甲状腺動静脈瘻(ろう)に対して動脈塞栓術(TAE)を施行します。
(第59回 日本甲状腺学会 P1-3-2 バセドウ病治療中に甲状腺動静脈瘻による出血を起こした1例)

甲状腺動静脈瘻(ろう) 超音波(エコー)画像

甲状腺超音波(エコー)検査では、渦巻(whirlpool)状の血流パターンになります。(EJVES Extra Volume 19, Issue 6, June 2010, Pages e51-e54)

甲状腺関連の上記以外の検査・治療      長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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