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甲状腺と睡眠障害:閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)・睡眠後退症候群, 甲状腺腫瘍で慢性肺胞低換気[橋本病 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見③ 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪) ゆるキャラ 甲Joう君

長崎甲状腺クリニック(大阪)ゆるキャラ Jo君 動脈硬化した血管に甲状腺が!バセドウ病の甲状腺がモデル

長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。睡眠時障害自体の治療はおこなっておりません。

Summary

甲状腺による睡眠障害甲状腺機能低下症の気道粘膜浮腫・巨大舌、先端巨大症橋本病などの巨大甲状腺腫、腺腫様甲状腺腫閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS) 。甲状腺機能亢進症/バセドウ病で睡眠後退症候群。睡眠障害甲状腺癌発生。甲状腺腫瘍・甲状腺癌・巨大甲状腺腫で慢性肺胞低換気。不眠症治療薬、脳の松果体から分泌される睡眠ホルモンのメラトニン受容体作動薬ロゼレム®(ラメルテオン)、覚醒ホルモンのオレキシン受容体拮抗薬スボレキサント(ベルソムラ®)。ナルコレプシー(眠り病)は、眠りの浅いレム睡眠の回数が増え睡眠の質が悪くなる中枢性過眠症。

Keywords

甲状腺,睡眠障害,甲状腺機能低下症,睡眠時無呼吸症候群,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,睡眠後退症候群,甲状腺癌,不眠,メラトニン,ベルソムラ

甲状腺と睡眠障害:閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS) ・睡眠後退症候群・甲状腺癌発生

閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS)

睡眠時無呼吸症の原因は

  1. 上気道閉塞(70%)肥満、アデノイド・口蓋扁桃(主に小児、若年者)
  2. 非肥満者(30%)顎が小さい骨格や甲状腺機能低下症の気道粘膜浮腫・巨大舌先端巨大症成長ホルモン産生下垂体腺腫

などです。

受診動機は家族が、いびき・無呼吸に気づくのが最も多く(子供はイビキをかかない)

睡眠時無呼吸症候群

自覚症状・他覚症状は

  1. 昼間、耐えがたい眠気が起こり、居眠りが多く、全身疲労感(甲状腺機能低下症様の症状)
  2. 無理に呼吸しようとするため、呼吸時の胸郭(胸)の陥凹、胸郭の変形
  3. 低酸素症により正常な発育が出来ない(子供の場合)

肥満者は減量により改善します。甲状腺機能低下症はホルモン補充で改善しますが、先端巨大症は骨格の変形も一因であるためn-CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)、持続的陽圧呼吸療法(CPAP)が必要なことあります。

巨大甲状腺腫(重度の甲状腺自体の腫れ)、腺腫様甲状腺腫でも閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

橋本病などの巨大甲状腺腫(重度の甲状腺自体の腫れ)、腺腫様甲状腺腫([腺腫様結節(腫瘍もどき)の集まり]でも閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)起こすとする論文が出ています。

腺腫様甲状腺腫

腺腫様甲状腺腫でも咽喉頭圧排と浮腫により、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)起こすとされ、甲状腺全摘出で改善するとされます(J Laryngol Otol. 2012 Feb;126(2):190-5.)。

腺腫様結節(気管圧排) 超音波(エコー)画像

腺腫様結節(気管圧排) 超音波(エコー)画像

腺腫様甲状腺腫 気管圧排 超音波(エコー)画像

腺腫様甲状腺腫 気管圧排 超音波(エコー)画像

橋本病などの巨大甲状腺腫

海外では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療のために、肥満者あるいは非肥満者の巨大甲状腺腫を摘出して改善したとする論文があります(Monaldi Arch Chest Dis. 2006 Mar;65(1):52-5.)(World J Surg. 2014 Aug;38(8):1990-4.)。しかし、日本では、腫瘍もない甲状腺を閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)の治療のために全摘出するのは難しいと思います。(甲状腺外科が納得しないでしょう)

橋本病巨大甲状腺腫(気管圧排)

気管圧排する橋本病の巨大甲状腺腫。閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)のみならず、嚥下障害(飲み込みにくい)も起こります。

橋本病巨大甲状腺腫(気管圧排)

気管圧排する橋本病の巨大甲状腺腫(ドプラーモード)

中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)

中枢型睡眠時無呼吸症候群は糖尿病動脈硬化による脳梗塞・甲状腺心臓病(サイロイドハート)による心不全で呼吸中枢が障害され呼吸運動が消失。閉塞型睡眠時無呼吸症候群に持続的陽圧呼吸療法(CPAP)は有用ですが、中枢型睡眠時無呼吸症候群を逆に顕著化させる報告が増えています。うっ血性心不全による中枢型睡眠時無呼吸症候群にはAdaptive servo-ventilation(ASV;適応補助換気)の有用性が報告されます。

睡眠相後退症候群と甲状腺

若い人の睡眠相後退症候群が増えています。睡眠相後退症候群は睡眠時間が段々ずれ, 最終的には昼夜逆転します。うつ状態・神経症が多く、甲状腺機能亢進症/バセドウ病でもおこります。朝もしくは午後なら、普通か普通以上によく眠るのが特徴。

睡眠障害と甲状腺がん

ウエストバージニア大学医学部のJuhua Luoらは、睡眠障害を持つ閉経後の女性は、甲状腺がんのリスクが上昇すると、米医学誌「American Journal of Epidemiology」(2013; 177: 42-49)に報告しています。

甲状腺と覚醒障害(睡眠時遊行症)

覚醒障害(睡眠時遊行症)(いわゆる夢遊病)は、疲れていたり、昼間に猛烈なストレスを受けて、興奮状態のまま眠りに就く事などで起きます。覚醒障害(睡眠時遊行症)を起こした甲状腺機能亢進症/バセドウ病の小児例が報告されています。12 歳男児で、就寝2時間後に突然リビングまで歩いて叫び出し、床に唾を吐くなど不穏状態になった後、すぐに意識清明となるも発作時の記憶は無し。同様の睡眠時異常行動を月2回程度繰り返し、終夜脳波検査(ポリグラフ)で覚醒障害(睡眠時遊行症)の診断に至ったとの事です。同時期に見つかった甲状腺機能亢進症/バセドウ病治療し、甲状腺ホルモン正常化に伴い、睡眠時遊行症は消失。(第56回日本甲状腺学会 P1-009 睡眠時遊行症が受診のきっかけとなったBasedow 病の一例)

甲状腺腫瘍・甲状腺癌・巨大甲状腺腫で慢性肺胞低換気

慢性肺胞低換気は睡眠中に呼吸が苦しくなり、着替えが必要なほど寝汗をかき、朝から頭痛がする。睡眠時無呼吸症候群と間違われることが多く、放置すると日中も人工呼吸器が必要になるほど悪化します。

  1. 甲状腺腫瘍・甲状腺癌・巨大甲状腺腫による上気道閉塞、気管狭窄
  2. 喘息
  3. 肥満低換気[死の危険のある肥満:肥満低換気症候群(ピックウイック症候群)]
  4. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病に間違えられる筋萎縮性側索硬化症(ALS)、甲状腺機能低下症に間違えられる重症筋無力症

などが原因です。REM睡眠中、脳は活動し呼吸量も増えても呼吸筋(外肋間筋)は寝ているので、換気能力が低いと肺胞低換気が生じます。

睡眠時無呼吸症と内分泌高血圧

「ウィスコンシン睡眠コホート研究」等で、

  1. 睡眠時無呼吸症と高血圧は明確に関連があり
  2. 睡眠時無呼吸症での高血圧は健常人の約1.4~2.9倍
  3. 特に治療抵抗性高血圧と高率に合併する

とされます(Hypertension 2001:19:2271-2277)。

睡眠時の慢性的低酸素血症は、交感神経系の亢進→全身血管抵抗増大とレニン-アルドステロン系の活性化おこします。

内分泌高血圧のほとんどを占める原発性アルドステロン症では、本態性含め、他の高血圧と比べ睡眠時無呼吸症の頻度が高いとされます。

不眠症は内分泌の病気:メラトニン-自然な生理的睡眠

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、メラトニン受容体作動薬のロゼレム®(ラメルテオン)の処方は行っておりません。内科、精神科、神経科、心療内科を受診してください。

メラトニン受容体作動薬―ロゼレム®(ラメルテオン)

メラトニン受容体作動薬―ロゼレム®(ラメルテオン)

脳の松果体から分泌される睡眠ホルモン、メラトニンは加齢とともに減少します。メラトニンは自然な生理的睡眠をもたらし、メラトニン受容体作動薬(刺激薬)―ロゼレム®(ラメルテオン)の治療が勧められます。

ロゼレム®(ラメルテオン)は睡眠薬ですが、ホルモン分泌刺激薬なので、向精神薬には分類されません。従来の睡眠薬で問題となる耐性・依存症の副作用がなく、認知症おこさないだろうとされます。従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬のような抗不安作用はなく、不安が強いため不眠症になっている人には効果ありません。

ロゼレム®(ラメルテオン)と抗うつ剤ルボックス®(フルボキサミン)は併用禁忌

ロゼレム®(ラメルテオン)と抗うつ剤ルボックス®(フルボキサミン)は併用禁忌です。ロゼレム®(ラメルテオン)は肝臓の薬物代謝酵素CYP1A2で分解されますが、ルボックス®(フルボキサミン)はCYP1A2を阻害するため、ロゼレム®(ラメルテオン)の血中濃度が20倍以上に上昇します。

高齢者の不眠

高齢者の不眠は

  1. 睡眠相前進
  2. 浅い睡眠で中途覚醒(メラトニン減少)
  3. 早朝j覚醒

治療は

  1. 睡眠制限(早く床に入らない)
    刺激調整療法(眠くなってから寝床に入る、寝床は寝るためだけに使う(本など読まない)、毎朝、同じ時刻に起床する、昼寝はしない。)
  2. 高照度光療法(できるだけ部屋を明るく)・夕方日光をできるだけ浴びる
  3. ロゼレム®(ラメルテオン)

正しい睡眠の知識

  1. 夕食後のカフェイン(茶・コーヒー・チョコレート)は避けましょう
  2. アルコールは一時的に寝つきが良くなりますが、効果が減弱し夜中に目が覚めやすくなります
  3. タバコのニコチンは脳を刺激し眠りにくくなります

不眠症は内分泌の病気:オレキシン

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、オレキシン受容体拮抗薬のスボレキサント(商品名:ベルソムラ)の処方は行っておりません。内科、精神科、神経科、心療内科を受診してください。

スボレキサント(商品名:ベルソムラ)は、脳の覚醒ホルモン(オレキシン)をブロックし、自然な睡眠を誘導します(オレキシン受容体拮抗薬)スボレキサント(商品名:ベルソムラ)は「入眠障害」と「中途覚醒」両方に有効です。入眠障害とは、布団に入っても中々寝付けない状態、中途覚醒は夜中に何度も起きる状態です。

スボレキサント(商品名:ベルソムラ)は睡眠薬ですが、内分泌(ホルモン)治療薬で、向精神薬ではありません。よって、通常の睡眠薬の様な

  1. 起床時のふらつき
  2. 健忘・認知症促進
  3. 耐性(効きが悪くなる事)や依存性

をほとんど認めません。

悪夢

ただし、副作用として、

  1. 効き過ぎて日中(特に午前中)もウトウトする(4.7%)、自動車運転に支障が出る;投与量が多すぎる可能性があり、減量すればよい
     
  2. リアルではっきりした悪夢を見る(1~5%未満);悪夢の頻度はマイスリー(0.1~5%未満)、デパス(0%)に比べ明らかに多いです。悪夢が起こる理由は不明ですが、以下のナルコレプシー(眠り病)はオレキシン欠乏が原因のため、極めて良く似た病態です。

動物実験では、臨床使用量の11倍の投与で甲状腺濾胞腺腫の発現頻度が増加したと報告されます。

ナルコレプシー(眠り病)

ナルコレプシー(眠り病)を甲状腺機能低下症や甲状腺の病気と思い、長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される方がおられます。

ナルコレプシー(眠り病)は、眠りの浅いレム睡眠の回数が増え、睡眠の質が悪くなる病気(中枢性過眠症)です。

日本睡眠学会の統計では、日本人の600人に1人程度(0.16%)いると推定され、決して稀な病気ではありません。男女差はなく、10代-20代前半に発症する事が多いとされます。

脳内の視床下部からのオレキシン分泌が低下し、脳の覚醒を維持できない病態です。

ナルコレプシーの症状は、

  1. 十分な睡眠時間をとっていても、眠りの質が悪いため、日中の強い眠気がおこり、食事中・会話中でも眠ってしまう。
    甲状腺機能低下症自体、甲状腺機能低下症・巨大甲状腺腫・腺腫様甲状腺腫による閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)、甲状腺機能亢進症/バセドウ病による睡眠相後退症候群と似ています)
     
    情動脱力発作(カタプレキシー);感情が高ぶった時、驚いたり、笑ったり、気分が良くなると睡眠発作が起きます
     
  2. 入眠時リアルな幻覚や悪夢、金縛り(通常ノンレム期の後で発生するレム睡眠が入眠直後に発生するため)
     
  3. 夜間はレム睡眠とノンレム睡眠の切り替わりで中途覚醒し、目は覚めても体を動かす脳の一部が眠っているため金縛りになります。
     
  4. 結局、睡眠が浅くなり、夢を見る回数が増えます。ほとんどがリアルな悪夢です。

人工的にオレキシンをブロックするベルソムラ®は、ナルコレプシーに似た病態と言う事になります。

ナルコレプシーの治療は、

  1. 規則正しい生活
  2. 昼休みなどに積極的に短時間の昼寝をする
  3. 覚醒のためカフェインを適宜摂取
  4. 睡眠発作に中枢神経刺激薬モダフィニルを朝1回服薬。副作用は、初期に頭痛、動悸(どうき)、吐き気などが起きるも徐々に軽くなる
  5. 情動脱力発作には三環系抗うつ薬クロミプラミンを1日1回服用。少量から始め1~2週間かけて徐々に増量。緑内障には禁忌で、副作用は、口渇・便秘・尿閉

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,浪速区,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

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大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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