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バセドウ病/甲状腺機能亢進症の抗甲状腺薬以外の補助薬[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 エコー検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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バタフライリボン「世界甲状腺デー」

甲状腺の基礎知識を初心者でもわかるように、長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が解説します。

高度で専門的な知見は甲状腺編 甲状腺編 part2 を御覧ください。

(左)バタフライリボン

バセドウ病で長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される方への注意

バセドウ病の治療開始(再開)後、頻回の副作用チェックが必要なため①大阪市と隣接市の方に限定②来院できず薬を自己中断する方、副作用時の対応を理解できない方は診れません。

Summary

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で抗甲状腺薬以外の補助薬。ヨウ化カリウム(KI)併用は早く甲状腺ホルモン値を正常化したい時、抗甲状腺薬で重い副作用がおこり手術までの時間稼ぎに使用するが、長期間投与でエスケープ現象おこし効かなくなる。β(ベータ)ブロッカーは甲状腺ホルモンによる不整脈・狭心症、高血圧、心不全に有効で、致死性不整脈、急性心不全、狭心症/心筋梗塞、たこつぼ型心筋症による突然死や甲状腺クリーゼを防ぐ目的で使用。気管支喘息・COPDなどでβ(ベータ)ブロッカーが使用できない時、ヘルベッサー®(ジルチアゼム)が有効。アレルギーはバセドウ病の活動性を上げるため抗アレルギー剤使用。

Keywords

甲状腺機能亢進症,バセドウ病,抗甲状腺薬,ヨウ化カリウム,KI,β(ベータ)ブロッカー,抗アレルギー剤,甲状腺,長崎甲状腺クリニック,大阪

ヨウ化カリウム(KI)併用

ヨウ化カリウム(KI)併用は、昔は甲状腺クリーゼにのみ行われていましたが、現在は早く甲状腺ホルモン値を正常化したい時にも使用します。

  1. 長崎甲状腺クリニック(大阪)でも軽症でない未治療あるいは再発した甲状腺機能亢進症/バセドウ病の方に使用します。ヨウ化カリウム(KI)併用により、抗甲状腺薬の副作用が軽減されるとの報告が多くあります(Clin Endocrinol 72:845-50,2010)。
    ただし、長期投与で効かなくなるため、長崎甲状腺クリニック(大阪)では最初の2週間に限定して投与します。この頃になると抗甲状腺薬が効き始めるのでヨウ化カリウム(KI)を中止しても問題ありません。
     
  2. 抗甲状腺薬で重い副作用がおこり、手術しなければならなくなった時、手術まで甲状腺機能亢進症/バセドウ病を抑えるために使用します。ヨウ化カリウム(KI)は甲状腺内血流を減少させ、術中出血量を抑えます(J Clin Endocrinol Metab 92 : 2182-2189, 2007)。

ヨウ化カリウム(KI)のエスケープ現象(効かなくなる事、Escape現象)

ヨウ化カリウム(KI)はエスケープ現象(Escape現象)をおこし効かなくなります。長期間投与でおこり、日本人では投与後6-14週でおこりやすいと報告されます(J Clin Endocrinol Metab 30:469-78,1970)。ヨウ化カリウム(KI)は、抗甲状腺薬で重い副作用がおこり使えなくなった時の切り札ですので、効かなくなる前に中止せねばなりません。

一端、エスケープ現象(Escape現象)をおこしたが、3週間のヨウ化カリウム(KI)休薬で エスケープ現象(Escape現象)から離脱した報告もありますが、

  1. 同じ患者で再度、エスケープ現象(Escape現象)がおきた場合、もう一度、離脱できるか
  2. 全ての甲状腺機能亢進症/バセドウ病患者で同じことが起こるか

不明です。(第62回 日本甲状腺学会 P18-1 Escape現象からの離脱を得たバセドウ病の一例)

中途半端な量のヨウ化カリウム(KI)の長期投与は害になる事も!甲状腺機能亢進症/バセドウ病が増悪?

ヨウ化カリウム(KI)の長期投与で甲状腺機能亢進症/バセドウ病が逆に悪くなることがあります。野口病院の報告では、

  1. 治療初期からKI を投与したバセドウ病133 例。女性96 例、男性37 例、年齢9~80 歳(中央値43 歳)。105 例はメルカゾール(MMI)併用、28 例はKI 単独で治療開始。KI投与量は86%の症例で50mg(1錠)。治療前TRAb≧30 IU/l の例は除外。
     
  2. 13 例(9.8%)で結局手術に。
     
  3. 手術になった13 例は残りの例に比べ、
    ①年齢が低く[9~46(25)歳 vs 10~80(45.5)歳、p<0.0001]
    ②治療前のFT3高値[17.4~32.6(31.6)pg/ml vs 4.7~32.6(20.2)pg/ml、p=0.0003]
    ③治療前のTRAb高値[3.5~28.6(19)IU/l vs 1.2~29.8(10)IU/l、p=0.041]
    ④4か月以上KIを投与した例は3か月以内の例に比べ手術になる頻度が高かった(16.2% vs 3.1%、p=0.0103)

以上より、若年例で、治療前のFT3・TRAb高値の甲状腺機能亢進症/バセドウ病に4 か月以上のKI 投与は避けた方が良いとの結論になっています。ただし、この結果では、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の活動性が高い場合、50mg程度の少量KIは最初から効かなかった可能性があり、KIで悪化したとは言えないと思います。いずれにせよ軽症以外で中途半端な量のヨウ化カリウム(KI)を長期投与しない方がよいと筆者は思います。

(第56回 日本甲状腺学会 O6-1 無機ヨード投与によって増悪するバセドウ病の臨床的特徴)

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、以上の様な状況を踏まえ、ヨウ化カリウム(KI)の使用は、

  1. 治療開始時の3週間以内(原則2週間)に限定
  2. 抗甲状腺薬に併用し、50(1錠)-100mg(2錠)(中等量使用)
  3. 特殊なケースとして、妊娠15週まで胎児に奇形をおこす可能性のあるメルカゾールの代用として

のみです。

筆者は懐疑的なヨウ化カリウム(KI)単独療法

抗甲状腺薬が2種類とも副作用で使用できなくなった場合、甲状腺機能亢進症/バセドウ病に対しヨウ化カリウム(KI)単独療法を行う甲状腺専門病院があります。同病院の報告ではTRAbが10.2 IU/Lで甲状腺が20~30g程度でもヨウ化カリウム(KI)単独療法が選択肢になり得るとの事だが(WEB日本医事新報 2014年09月13日発行 P.59) 、筆者は懐疑的です。

元の報告は、FT4 2.49 ± 0.70 ng/dl程度の極軽度甲状腺機能亢進症/バセドウ病にヨウ化カリウム(KI)を53.6 ± 11.7 mg/day、12カ月投与したものです(Endocrine 2014;47:506-11.)。約1割のみヨウ化カリウム(KI)単独で抑えきれず抗甲状腺薬投与になったそうですが、年単位での効果は不明です(結局、この手の論文は全て数か月~1年以内で効いたの、寛解しただのです)。

また、FT3  8.55 (3.7–19.8)(pg/mL) 、FT4  2.88 (1.32–4.9) (ng/dL) 程度の軽症バセドウ病に、ヨウ化カリウム(KI)単独療法(50mg/日で開始、FT4値が減少しなかったら100mg/日に増量)を行い効果を調べた報告があります。FT4 2.76 ng/dLがヨウ化カリウム(KI)単独療法可能か否かのカットオフ値になります[Endocrine. 2014 Nov;47(2):506-11. ]。FT4の正常上限は一般的なECLIA法で1.70 ng/dLなのでFT4 2.76 ng/dL以下は、本当に軽い甲状腺機能亢進症/バセドウ病のみになってしまいます。

他の報告では、3例のみですが、軽症バセドウ病に少量ヨウ化カリウム(KI)単独長期投与法(KI 25-50mg/日を徐々に減量し、2mg/日まで減量)を2年以上行い、3例ともバセドウ病が増悪。エスケープ現象で甲状腺機能亢進症/バセドウ病が悪化するのでは、実際に使うのは難しいと思います。(第60回 日本甲状腺学会 P2-2-1 バセドウ病に対する少量KI長期投与法:利点と欠点)

年単位での効果を調べた研究が一つあります。小さな甲状腺腫かつFT4 < 2.5ng/dL、低いTRAb値の極軽度甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、約67%の患者がヨウ化カリウム(KI)が効かなくなるエスケープ現象を発症せず、約60%が平均7.4年の治療後に寛解を達成したとされます。‎逆に言うと、約33%はエスケープ現象を起こし治療不能になります。[J Clin Endocrinol Metab. 2014 Nov;99(11):3995-4002.]

軽症とは言え甲状腺機能亢進症/バセドウ病が寛解するには年単位を要する患者が大多数です。ヨウ化カリウム(KI)がエスケープ現象で効かなくなり、その時点で中等度-重度の甲状腺機能亢進症/バセドウ病に増悪していれば、結局は抗甲状腺薬を使う羽目になり、抗甲状腺薬が使用できない場合、ヨウ化カリウム(KI)使用前より不安定な状態で手術・アイソトープ(放射性ヨウ素; 131-I)治療を行わねばなりません。術前コントロールに虎の子のヨウ化カリウム(KI)が使用できず、副腎皮質ステロイド薬(プレドニゾロン20-30mg)大量投与せざる得ません(プレドニゾロン10mgなんて屁のようなもので全く効きません。20-30mgは入院投与した方が安全です)。

更に問題なのは寛解後再発です。、ヨウ化カリウム(KI)単独で一時的に甲状腺機能亢進症/バセドウ病が寛解し、一端、ヨウ化カリウム(KI)を中止できても結局再発し、再度ヨウ化カリウム(KI)単独投与を行うか、あきらめて別の方法を取るかになる可能性大と考えられます。意外な事に、ヨウ化カリウム(KI)単独投与寛解後再発の統計的な報告がありません。

また、以前から予測されていた事ですが、ヨウ化カリウム(KI)投与中はヨウ素(ヨード)過剰摂取と同じ状態になり無痛性甲状腺破壊性甲状腺炎アミオダロン誘発性甲状腺中毒症2型(破壊性甲状腺炎型)と同じ原理)を起こす可能性があります(Intern Med. 2021 Jun 1;60(11):1675-1680.)。エスケープ現象(Escape現象)との鑑別が必要です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、以上の様な状況を踏まえ、ヨウ化カリウム(KI)の単独療法は、行いません

ヨウ化カリウム(KI)の副作用

ヨウ化カリウム(KI)の副作用として、

  1. 慢性腎不全などに投与すると高カリウム血症を起こし致命的になる危険性
  2. 薬剤熱
  3. 薬物性肝障害(Endocrinology, diabetology & metabolism 43(4), 362-368, 2016-10)(第64回 日本甲状腺学会 11-2 ヨウ化カリウム丸による薬物性肝障害が疑われたバセドウ病の一例)
  4. 投与中はヨード(ヨウ素)過剰摂取と同じ状態になり無痛性甲状腺破壊性甲状腺炎アミオダロン誘発性甲状腺中毒症2型(破壊性甲状腺炎型)と同じ原理)を起こす可能性(Intern Med. 2021 Jun 1;60(11):1675-1680.)。エスケープ現象(Escape現象)との鑑別が必要。

があります。

ヨウ化カリウム(KI)による無痛性甲状腺炎

ヨウ化カリウム(KI)による無痛性甲状腺炎(Intern Med. 2021 Jun 1;60(11):1675-1680.)

β(ベータ)ブロッカー

β(ベータ)ブロッカーは本来、高血圧・頻脈性不整脈・心不全・狭心症の薬です。甲状腺ホルモンが正常化していないバセドウ病/甲状腺機能亢進症の状態では、高血圧・頻脈性不整脈・心不全・狭心症が起こりやすく、致死性不整脈、急性心不全、狭心症/心筋梗塞、たこつぼ型心筋症による突然死や命にかかわる甲状腺クリーゼを防ぐ目的で使用されます。

β1非選択性βブロッカーは、心臓以外にもブロック作用があり、気管支喘息悪化、高血糖(逆に低血糖)、高カリウム(K)血症助長などの危険があるため、心臓に選択的に作用するβ1選択性βブロッカーの方が良いです。

長崎甲状腺クリニック(大阪)ではβ1選択性βブロッカー

  1. ビソプロロールフマル酸塩(商品名:メインテート);ほどよい効果。ただ降圧薬でもあるため、低血圧のひとでは少量投与になります。血圧下がり過ぎると、ふらつきが起こります。腎臓悪い方には使用できません。
     
  2. メトプロロール酒石酸塩(商品名:セロケン):腎臓悪い方にも使用できます。徐放剤(商品名:セロケンL)は、甲状腺ホルモン値の低下に伴う心拍数の変化に対応して減量するのが難しいため、通常剤を使用します。

長崎甲状腺クリニック(大阪)で使用しないβブロッカーは、

  1. プロプラノール塩酸塩(商品名:インデラル);β1非選択性βブロッカーであり、しかも添付文書には無顆粒球症の副作用が記載されています。ただでさへ抗甲状腺薬[MMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)]を飲んでいる限り、常に無顆粒球症の副作用の危険があるのに・・・。半減期も短く、1日3回服薬しなければ、24時間カバーできません。
  2. アテノロール(商品名:テノーミン):β1選択性βブロッカーであるのは良いが、あまりにも強力過ぎて使い難いです。筆者の経験では、甲状腺ホルモン値が少し低下するだけで、心拍数が下がり過ぎ、正直怖いです。
     
  3. カルベジロール(商品名:アーチスト);αβ遮断薬(αβブロッカー)で効力比は α:β=1:8、血管を広げるα遮断作用を持ちます。肝代謝型なので、腎臓悪い方にも使用できますが、β1非選択性なので使用しにくいです。

β(ベータ)ブロッカーが使用できない時、ヘルベッサー®(ジルチアゼム)を使用

気管支喘息・COPD(慢性気管支炎、肺気腫など)を持っているバセドウ病/甲状腺機能亢進症の人でβ(ベータ)ブロッカーが使用できない時(甲状腺機能亢進症と気管支喘息)、ヘルベッサー®(ジルチアゼム)が有効な事多いです。ヘルベッサー®(ジルチアゼム)は、心抑制型カルシウム(Ca)拮抗薬で、心拍数を抑え、頻脈性不整脈を予防するとともに、気管支平滑筋の拡張を阻害しません。降圧作用は、通常のカルシウム(Ca)拮抗薬よりも弱いため、通常血圧のバセドウ病/甲状腺機能亢進症の人でも(血圧に注意しながら)使用可能です。

ワソラン®(ベラパミル)も心抑制型カルシウム(Ca)拮抗薬ですが、心臓抑制が強力過ぎて、心不全の増悪が危惧されるため使い難いです。

抗アレルギー剤

アレルギー性鼻咽頭炎、アレルギー性結膜炎(花粉症)の時期は甲状腺機能亢進症/バセドウ病の再発が多くなります。アレルギー反応と甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、Th2細胞[抗体を介する免疫を担う2型ヘルパーT細胞]による共通の免疫反応によるためと考えられます。長崎甲状腺クリニック(大阪)では、何らかのアレルギー素因(アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・アレルギー性結膜炎・気管支喘息など)のある方には、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の活動性を低下させるため、抗アレルギー剤を処方します。

アレルギー素因が不明な方には、必要に応じて血中好酸球・非特異的IgE定量を測定し、アレルギー素因を確認します。

副腎皮質ステロイド剤

副腎皮質ステロイド剤は、早急な手術(甲状腺の手術、甲状腺と無関係の手術)が必要で、甲状腺機能の迅速な正常化が求められる場合、使用します。

ステロイドは

  1. バセドウ病の自己免疫そのものを抑え、甲状腺ホルモンの合成阻害作用
  2. T4 から T3 への変換阻害作用

があります。

プレドニゾロン(PSL)

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)が使用できる場合、ヨウ化カリウム(KI)に加え、プレドニゾロンを投与。抗甲状腺薬の重篤な副作用で使用できない場合、ヨウ化カリウム(KI)とプレドニゾロン(PSL)のみで。

筆者の経験的では20-30mgが適量、外来で投与できるのは20mgが限界なので、それ以上の量は、入院で行うのが妥当と思われます。

もちろん、ステロイド糖尿病、ステロイド潰瘍、ステロイド肝障害、ステロイド緑内障、日和見感染などの副作用に注意が必要です。

抗甲状腺薬の効果が出始めるのが1-2週間後なので、何とか2週間くらいで甲状腺機能正常近くにして、時期を逃さず手術するのが良いでしょう。時期を遅らせ過ぎると、高容量ステロイドの副作用が問題となり、効き過ぎて甲状腺機能低下状態になれば、全身麻酔が出来なくなります(TSH≧10なら麻酔科が嫌がります)(甲状腺機能低下症で麻酔効き過ぎ)。

日本医科大学千葉北総病院の報告も同じ様な感じで、約2週間で潜在性甲状腺機能亢進症まで改善させ、全身麻酔手術を行ったそうです。(第60回 日本甲状腺学会 O6-1 P1-1-1 全身麻酔による手術のために早急な甲状腺機能の正常化を必要と したBasedow病妊婦の一例 )

デキサメタゾン

デキサメタゾン5mg/日ならプレドニゾロン33.3mg/日、デキサメタゾン 4mg/日ならプレドニゾロン26.67mg/日に相当します。

コレスチラミン(クエストラン®)、コレスチミド(コレバイン®)は、

コレスチラミン(クエストラン®)、コレスチミド(コレバイン®)は、陰イオン交換樹脂で、コレステロールを吸着し、腸肝循環を抑制する高コレステロール血症の治療薬です。脂溶性ビタミンの吸収障害も起こすため、最近では、ほとんど使用されません。

コレスチラミン(クエストラン®)、コレスチミド(コレバイン®)は、コレステロール同様に甲状腺ホルモン(T3、T4)に結合し、腸肝循環を抑制するため、血中の甲状腺ホルモンを低下させる効果があります(保険適応はありません)。(Clin Endocrinol (Oxf) 1993; 38: 39-43.)

ただし、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺中毒症では、ビタミンDをはじめ脂溶性ビタミンが欠乏状態にあるため(甲状腺とビタミンD )、コレスチラミン(クエストラン®)、コレスチミド(コレバイン®)の長期使用はお勧めできません。 抗甲状腺薬が2種類とも副作用で使用できなくなった場合、アイソトープ(放射性ヨウ素; 131-I)治療手術療法(甲状腺全摘出)・まで間を持たせるための短期使用なら有効かもしれません。

炭酸リチウム(リーマス®)

炭酸リチウム(リーマス®)は双極性障害の治療薬です。ヨウ素(ヨード)と同じくNIS(ナトリウム-ヨード シンポーターから甲状腺濾胞細胞に取り込まれ、甲状腺ホルモン合成と分泌を抑制します[炭酸リチウム(リーマス®)と甲状腺]。

  1. 効果が弱く副作用が多い
  2. ヨウ素(ヨード)と同じくエスケープ現象で効かなくなる
  3. 保険適応はない

ため、長期使用はお勧めできません。 抗甲状腺薬が2種類とも副作用で使用できなくなった場合、アイソトープ(放射性ヨウ素; 131-I)治療手術療法(甲状腺全摘出)まで間を持たせるための短期使用なら有効かもしれません。(第61回 日本甲状腺学会 O26-1 131I内用療法施行前のバセドウ病に対するコレスチミド服用の有用性)

炭酸リチウム(リーマス®)使用時の注意

リチウムの体外への排泄が悪い状態では、血中濃度が上昇し過ぎてリチウム中毒の危険があります。

  1. 慢性腎不全
  2. 脱水;特に甲状腺機能亢進状態で、発熱、発汗、下痢がある場合、心房細動(Af)・心不全で利尿剤(チアジド系利 尿剤、ループ 利尿剤)使用中。
  3. 高齢者
  4. 非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACEI)/
    アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤(ARB)[アルドステロン分泌抑制でナトリウム排泄増加、リチウム再吸収促進]

リチウム投与は慎重に。添付文書には、「投与初期又は 用量を増量したときには維持量が決まるまでは1週間に1回をめどに、維持量の投与中には2~3ヵ月に3回をめどに、 血清リチウム濃度の測定結果に基づきトラフ値を評価しな がら使用すること。」と明記されています。

また、甲状腺機能亢進症/バセドウ病性精神障害で選択的セロトニン再取り込み阻害剤(フルボキサミン等)、セロトニン・ノ ルアドレナリン再取り込み阻害剤(ミルナシプラン等)、ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ剤(ミルタザピン)を服薬中であれば、脳内セロトニン濃度を上昇させ、セロトニン症候群 をおこす危険があります。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,生野区,東大阪市,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ(地下鉄)谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

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