検索

バセドウ病/甲状腺機能亢進症の手術療法(甲状腺全摘出)[甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

バセドウ病/甲状腺機能亢進症の手術療法

甲状腺の基礎知識を、初心者でもわかるように、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が解説します。

高度で専門的な知見は甲状腺編 甲状腺編 part2 甲状腺編 part3 を御覧ください。

Summary

バセドウ病/甲状腺機能亢進症の手術療法(甲状腺全摘出)の利点・欠点を解説。適応は①再発繰り返す不安定型②T3優位型③抗甲状腺薬が副作用で使えない④アイソトープ難。速やかに永続的甲状腺機能低下症になり2度と再発しません。

Keywords

バセドウ病,甲状腺機能亢進症,手術療法,甲状腺全摘出,適応,利点,欠点,甲状腺機能低下症,甲状腺ホルモン,アイソトープ

バセドウ病/甲状腺機能亢進症の治療

バセドウ病治療

甲状腺ホルモンを正常に維持する治療を行います。 内服薬治療(抗甲状腺薬、一時的にヨウ素剤)、放射性ヨウ素治療(アイソトープ)、手術の3つの方法があります。どの治療を選ぶかは、その人の病状、年齢、性別、社会的状況により異なります。

術療法(甲状腺全摘出)

小宇宙3

過剰に甲状腺ホルモンを分泌している甲状腺を外科的切除する方法で、基本的に全身麻酔で(二度と再発しないよう)甲状腺を全摘出します。 長崎甲状腺クリニック(大阪)と提携する甲状腺外科はこちら。

手術療法(甲状腺全摘出)の適応

日本で手術療法(甲状腺全摘出)は、

  1. 抗甲状腺薬で再発繰り返す人(特に①抗甲状腺薬を減量していないのに再発する、あるいは僅かに減量しただけで再発する不安定型バセドウ病、②FT4正常もしくは正常付近なのにFT3のみ極めて高いT3優位型バセドウ病
     
  2. 抗甲状腺薬が副作用のため使えない人
     
  3. 1,2に加え、腫瘍がある場合
     
  4. 1,2に加え、アイソトープ後に甲状腺クリーゼバセドウ病眼症の悪化がおこる危険性ある場合
     
  5. 妊娠希望でTSH受容体抗体(TRAb)を早期に低下させたい場合(隈病院の統計ではTRAbの半減期122日)
     
  6. バセドウ病治療ガイドライン2011」では「抗甲状腺薬を1.5-2年続けても中止できる見込みのない場合、治療方法の変更を患者に情報提供する」とあります。これは、甲状腺全摘出を勧めると言う意味ではありません。1.5-2年はあまりに速すぎると思います。筆者の経験上、たかが1.5-2年で抗甲状腺薬を中止できる人など10%未満です。その一方で、禁煙したり、定年退職してストレスから解放されたりし、10年以上して抗甲状腺薬を中止し、再発もしない方が数多くおられます。

が主な適応です。

手術療法(甲状腺全摘出)の利点

手術療法(甲状腺全摘出)の利点は

  1. 10%の死亡率のある甲状腺クリーゼ、命にかかわるの抗甲状腺薬の副作用(無顆粒球症劇症肝炎)から解放されます。
     
  2. 甲状腺を全摘出するため、2度と再発しません。
     
  3. アイソトープ(放射性ヨウ素)治療のように治療後、甲状腺クリーゼバセドウ病眼症の悪化がおこる可能性は低いです。
     
  4. すみやかに甲状腺ホルモンが低下し(甲状腺全摘出後甲状腺機能低下症)、アイソトープ(放射性ヨウ素)治療のように治療後1年間、甲状腺ホルモンが乱高下しません。

手術療法(甲状腺全摘出術)欠点

手術療法(甲状腺全摘出術)欠点は

  1. 甲状腺を全摘出するため、甲状腺ホルモンが低下し(甲状腺全摘出後甲状腺機能低下症)、一生、甲状腺ホルモン薬が必要になります。(錠剤を1日1回飲むだけなので簡単ですが)
     
  2. 4腺ある副甲状腺は、すべて温存しますが、実際、副甲状腺を栄養する血管を傷つけることが多く、甲状腺摘出後副甲状腺機能低下症がおこります。
     
  3. 手術合併症(甲状腺摘出後出血・声を出す反回神経・上喉頭神経損傷)のリスクある
    どんなベテランの甲状腺外科専門医が手術しても、0.4%の確率で反回神経麻痺が起こると言われます。

安全なバセドウ病手術を行うため

甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、甲状腺ホルモンが不安定な状態では、甲状腺内の血流が異常増加している事が多く、手術での出血の危険が高くなります。甲状腺ホルモンが正常化してから、手術に踏み切るのがベストなのですが、少なくともFT3 <5 pg/mlが目標とされます。抗甲状腺薬のMMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)による副作用で手術になる場合も多く、以下の薬剤を術前に使用します。

  1. ヨウ化カリウム(KI):甲状腺内の血流を低下させる作用強いですが、エスケープ現象おこし効かなくなるため、2-3週間が限度です。
    また、抗甲状腺薬の副作用で、すでに2カ月以上投与されエスケープ現象おこしている場合、1週間休薬すればエスケープ現象を離脱したとの報告があります。(第59回 日本甲状腺学会 P1-5-3 術前甲状腺機能コントロールの難しかったバセドウ病の一例)
  2. 炭酸リチウム剤:使用量が多いと、時にリチウム中毒起こす事あります。
  3. ステロイド剤:入院した状態でしか使用できませんが、
    デキサメサゾンを平均4.85mg=ベタメサゾンを平均4.85mg(リンデロン®)≒プレドニゾロン30mg
    使用します。(第58回 日本甲状腺学会 O-3-2 当科で経験した、術前ステロイド投与を必要としたバセドウ病手術症例の検討)
    筆者の経験上は、プレドニゾロン20mgが一般的と思います。

甲状腺全摘出後の甲状腺ホルモン補充療法

甲状腺全摘出後のホルモン補充療法は、何を目安に甲状腺ホルモン剤[チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)]の用量調節すれば良いのでしょうか?

甲状腺全摘出後は、TSH、FT4よりもFT3が身体症状を強く反映するとされます。(第55回 日本甲状腺学会 O-03-02 甲状腺全摘出術後LT4服用患者の甲状腺機能と身体症状の関連についての検討)(第57回 日本甲状腺学会 O7-4 甲状腺全摘術後レボチロキシン服用患者の甲状腺機能と身体症状の関連についての検討)

これまでは、TSHと、血中濃度の安定性からFT4(甲状腺ホルモン:サイロキシン)が測定されることが多かったです。

甲状腺がなくなったため、

  1. 甲状腺から分泌されるFT3もゼロになり
  2. チラーヂンS錠(LT4)が脱ヨード化されて生じるFT3のみになります。

よって、LT4≒FT4が正常でも、FT3が低くなる可能性が高いのです。しかも、甲状腺ホルモン作用はT3の方がはるかに強く、T4はT3の前段階なので、FT3が身体症状を強く反映するのは当然と言えます。

巨大甲状腺腫のため手術に難渋する場合

バセドウ病の甲状腺が大き過ぎて、高度の気道狭窄のため麻酔下挿管ができない事があります。浜松医科大学の報告では、造影CT/3D 再構成で気管全長のうち40mmが甲状腺(470g)に圧迫されて扁平化し、最狭部位は幅6mm。更に咽頭が張り出し喉頭鏡では声門を観察できなかったそうです。覚醒・坐位にて経鼻内視鏡ガイド下挿管を行い手術可能になったとの事です。

この症例の病理所見は、バセドウ病橋本病(慢性甲状腺炎)の組織が、それぞれ独立して島状に分布する特異な形態だったそうです。(第57回 日本甲状腺学会 P2-028 巨大甲状腺腫のため手術に難渋し、特異な術後組織所見を呈したバセドウ病の1 例)

今では行わない中途半端な甲状腺亜全摘出術/準全摘術(超亜全摘術)

甲状腺亜全摘出術

中途半端に甲状腺を切除する甲状腺亜全摘出術は、現在、ほとんど行わなれません。残した甲状腺に、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が再発した場合、甲状腺癌が発生した場合(バセドウ病と腫瘍・癌)の甲状腺手術は、術後癒着のため困難を極めます。癒着を丁寧に剥がしながら、甲状腺に辿り着くのに時間を要し、下手に剥がすと出血や神経損傷を起こします。

昔は甲状腺亜全摘出術、特に、甲状腺片葉は全摘し、対側片葉は亜全摘するDunhill法が主流でした。

甲状腺準全摘術(超亜全摘術)

甲状腺準全摘術(超亜全摘術)は、甲状腺亜全摘出術の反省を踏まえ、ホンのわずかな甲状腺を残すのみです。しかし、ホンのわずかな甲状腺は、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が再発しないものの、何の役にも立たず、甲状腺癌発生のリスクだけが残ります。

いっそ、副甲状腺以外、何も残さず、甲状腺全摘術した方が良いのです。

高次医療機関連携[手術療法]

甲状腺外科

甲状腺の手術は、外科医の技術・経験に歴然とした差があります。術後の傷口にしても、手術した事さえ判らない位見事なものもあれば、明らかに未熟な術者によるものもあります。長崎甲状腺クリニック(大阪)は、

  1. 大阪市立大学医学部附属病院 内分泌外科の小野田 尚佳先生に依頼しています。小野田先生は、内分泌外科一筋、緻密な手術は正に"神の手"と呼ぶにふさわしいものです。
  2. 大阪急性期総合医療センターの宇野 敦彦先生、山本 佳史先生に依頼しています。お二人とも小野田先生と同じく、素晴らしい技術の持ち主です。
大阪市立大学f附属病院

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ 谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

診療時間電話番号や地図はこちら