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甲状腺眼症:バセドウ病眼症・橋本病眼症 ・インターロイキン6        [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)の長崎クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見①甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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Summary

甲状腺眼症(バセドウ病眼症橋本病眼症)・インターロイキン6を解説。甲状腺機能亢進症,TS-Ab,TR-Ab,眼窩MRI,131-Iアイソトープ治療,キャッスルマン病との関連、眼症先行型バセドウ病眼症についても説明。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)とは

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)は、バセドウ病の25-60%(橋本病の2%)に合併する眼と眼の周囲組織におこる自己免疫異常です。バセドウ病の前後3か月-1年で発症する事が多く、バセドウ病と同様に女性に多いものの、重症例の男女比はほぼ1対1です。 発症年齢は女性では出産前後と閉経前後の2峰性。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の病態は、後眼窩の外眼筋、眼窩脂肪織、涙腺に

  1. リンパ球浸潤
  2. TSH受容体やIGF-1受容体、PPARγ遺伝子が強発現した後眼窩部結合織線維芽細胞が活性化され、グルコサミノグルカン産生が亢進、IL-6 [インターロイキン(Interleukin)-6]産生も亢進
    (第55回 日本甲状腺学会 O-05-02 バセドウ病眼症におけるIGF-1受容体系の役割:眼症病変部織線維芽細胞における検討)

結果、

  1. 上眼瞼(まぶた)の炎症:眼瞼腫脹
  2. 眼を動かす筋肉の炎症:複視、眼球突出(眼筋の伸展障害)
  3. 眼窩内球後(眼球の後の)脂肪組織の炎症と増生:眼球突出
  4. 角膜・結膜・光彩・毛様体炎:眼を動かすと痛みなど
  5. 涙腺炎:涙液分泌低下 橋本病(慢性甲状腺炎)合併シェーグレン症候群(ドライアイ,口内乾燥)と同じ症状)
  6. 眼内圧上昇で視力低下

がおこります。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の分類

  1. 良性眼症:甲状腺機能亢進症による交感神経の緊張でまぶたを吊り上げるミュラー筋が異常収縮、上眼瞼後退をおこします。
  2. 悪性眼球突出症(いわゆるバセドウ病眼症):TSH受容体や外眼筋抗原に対する自己免疫により、眼筋や球後組織に炎症をおこします。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の甲状腺機能は亢進しているとは限らず

  1. 甲状腺機能亢進症(80%)
  2. 残りは甲状腺機能正常(euthyroid Graves’disease)
  3. または甲状腺機能低下症(hypothyroid Graves’disease):バセドウ抗体(TRAb,TSAb)が存在するので眼症は起こりますが、併存する慢性甲状腺炎(橋本病)による破壊が優位なため甲状腺機能低下症になります。TSH高値が増悪因子のため、甲状腺ホルモン補充して甲状腺機能を正常化する必要があります。

です。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の発症・増悪の誘因

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の発症・増悪の誘因として良く知られるものは、

  1. タバコ
  2. アイソトープ(放射性ヨウ素; 131-I)治療後の甲状腺刺激抗体(TSAb)増加;伊藤病院の報告では4%にバセドウ病眼症の発症・増悪がおこり、1 年以内が半数・5 年以内が9 割だったとの事です。(第56回 日本甲状腺学会 O1-2 バセドウ病に対する131-I 内用療法後のバセドウ病眼症の発症および増悪についての長期観察研究)
  3. 甲状腺手術後:
    ①特に甲状腺ホルモンが不安定な状態でおこなう甲状腺全摘術(第55回 日本甲状腺学会 P1-04-04 甲状腺全摘後に増悪したバセドウ病眼症の1例)
    ②甲状腺ホルモンが安定した状態でも、腫瘍などの甲状腺半切除(第55回 日本甲状腺学会 P1-04-03 甲状腺左葉切除術を契機に顕在化した甲状腺関連眼症の一例)

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の診断

ヘルテル眼球突出計
  1. ヘルテル眼球突出計: バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の眼球突出が何ミリか測定(18mm以上は中等~重症)
  2. TS-Ab(TSHレセプター抗体[刺激型]):一般的なTR-Ab(TSHレセプター抗体)よりもTS-Abの方がバセドウ病眼症の活動性を強く反映します。
  3. 眼窩MRI: バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の診断・鑑別に必要です。眼窩MRIで、腫れた外眼筋の炎症の活動性を評価します[T2緩和時間やSTIR画像での信号強度や信号パターン(均一性)]。提携病院の放射線科等に依頼します。
 
小宇宙 3

しかしながら、最近問題になっているのがTS-Ab・TR-Abともに陰性で、眼窩MRIでもほとんど変化のないバセドウ病眼症(甲状腺眼症)です。このような場合、決め手になるのはバセドウ病眼症に精通した熟練眼科医の判断です(実際ほとんどいないのが現状です)。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の治療

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)の治療

  1. 第一に禁煙:タバコはバセドウ病眼症の活動性に大きくかかわっており、タバコを吸うとバセドウ病眼症の活動性が上がり治療抵抗性になります。
  2. 通常のバセドウ病治療で、甲状腺機能の正常化をはかり、2次的にバセドウ病眼症の病態に深い関係のあるTS-Ab(TSHレセプター抗体[刺激型])を減らします。
    ただし、131-Iアイソトープ治療後は15%でバセドウ病眼症が増悪するので避けます。(抗甲状腺剤メルカゾール治療では3%)
    止もえなず131-Iアイソトープ治療おこなう場合、3ヵ月間のステロイド剤の予防投与(プレドニゾロン 20~30mg/日、漸減投与)が必要。
    甲状腺全摘出術は、最もTS-Ab(TSHレセプター抗体[刺激型])を減らし、理論上はバセドウ病眼症を改善しますが、逆に悪化させたという報告もあります。よって、バセドウ病眼症を改善させる目的で甲状腺全摘出術を勧めるガイドラインはなく、抗甲状腺薬のMMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)が使用できない時、甲状腺機能亢進症/バセドウ病をコントロールできない時に甲状腺全摘出すれば、バセドウ病眼症の改善も期待できると言う事です。

  3. 眼球突出の強い、複視をきたす中等症~重症例には、
    活動期には
    ①ステロイド・パルス療法→その後ステロイド内服、あるいは眼にステロイド注射
    EUGOGO(European Group On Graves' Orbitopathy)では、重篤な肝機能障害や死亡例があるのでメチルプレドニゾロンの総投与量を8g 未満とするように勧告しています。日本でも、ステロイド大量投与した眼症患者の4%にAST(GOT)またはALT(GPT)>100U/l の肝機能障害がみられたとの報告があります。
    しかし、現実には8g 未満で治まるバセドウ病眼症は軽度のものに限られます。
    ②球後放射線照射(15-20Gy, 糖尿病性網膜症には禁忌)
    ③(視神経障害には失明の危険があるため)緊急眼窩減圧術が適応

    非活動期には手術療法(眼窩減圧術、眼筋手術、眼瞼手術)が適応です。

難治性バセドウ病眼症

ステロイド治療を2年以上必要とする、難治性バセドウ病眼症が存在します。野口病院の報告によると、難治性バセドウ病眼症

  1. 治療前のTS-Abが高値で、治療後もあまり低下しない
    型通りにステロイド減量し1年以上再発ない予後良好群(26例) vs 難治性バセドウ病眼症群(9例)
    治療前TS-Ab値 (中央値) 1078% vs 3929%,  治療3カ月後TS-Ab値 174% vs 2027%
  2. MRIで複数の外眼筋に炎症がある 2眼筋 vs 6眼筋

のが特徴です。(第58回 日本甲状腺学会 O-6-5 長期間ステロイド治療を必要とした甲状腺眼症の検討

バセドウ病眼症で眼にステロイド注射

  1. バセドウ病眼症の上眼瞼眼炎(まぶたの炎症)・眼瞼後退に、ステロイドのトリアムシノロン注射(トリアムシノロンアセトニド)をまぶたにすることあります。上眼瞼眼炎・眼瞼後退は視力に関係なく、軽度のものも含めるとバセドウ病眼症の初期から出やすいため、緑内障等の副作用リスクを犯してまでする必要ないと考えます。
    久留米大学の報告では、
    眼瞼腫脹に対して施行した症例(17 例、23 眼)では9 眼(39.1%)
    眼瞼後退に対して施行した症例(14 例15 眼)では11 眼(73.3%)
    で改善した。
    眼球運動障害に対して施行した症例(6 例8 眼)では改善した症例はなかったとの事です。
    (第55回 日本甲状腺学会 P2-07-03 甲状腺眼症に対するトリアムシノロンアセトニド局所投与の治療効果)
  2. バセドウ病眼症の内眼圧上昇で失明の危険がある場合、眼窩組織に直接ステロイド剤を注射する球後注射があります。ステロイド球後注射で内眼圧が下がらなければ、緊急手術になります。

ステロイド上眼瞼注射・球後注射は、長崎甲状腺クリニック(大阪)と医療連携している大阪市立大学医学部附属病院 眼科を受診していただきます。

ステロイド放射線外部照射併用治療中にウイルス感染症

ステロイド放射線外部照射併用治療中にウイルス感染症おこす事あります。ステロイドや放射線治療によるによる免疫抑制が主たる原因と考えられます。

ステロイドパルスと放射線外部照射併用治療中に単純ヘルペス脳炎を発症した症例が報告されており、免疫抑制下に体内の単純ヘルペスウイルス(HSV)が再活性化されます。バセドウ病眼症以外にも、原発性・転移性脳腫瘍・下垂体腺腫にステロイド投与や放射線治療した際の単純ヘルペス脳炎も報告されています。

単純ヘルペス脳炎の約70~80%は、体内の単純ヘルペスウイルス(HSV)が再活性化され、側頭葉、前頭葉眼窩回などに急性壊死性脳炎をおこすことが多いです。治療しないと死亡率は60~70%になり、疑われたらウイルスの検出、ウイルス抗体の結果を待たず、即。抗ウイルス薬のアシクロビル投与します。(ヘルペス脳炎 国立感染症研究所)

ステロイド放射線外部照射併用治療は結核再燃に注意

陳旧性肺結核のある方の、ステロイド放射線外部照射併用治療は結核再燃に注意が必要。まず、肺結核の活動性を否定した後、再燃予防目的で治療時にイソニアジド300 mg/ 日を併用。

バセドウ病眼症と甲状腺機能亢進症自体の治療との関係

  1. バセドウ病眼症(甲状腺眼症)による眼球突出を伴う甲状腺機能亢進症は、眼球突出が17mm以上では抗甲状腺薬で寛解した後の再発率が高いと言われます。
  2. 甲状腺を全摘出して、TS-Ab(TSHレセプター抗体[刺激型])が下がれば、その後のバセドウ病眼症(甲状腺眼症)は起こりにくいです。
  3. 131-Iアイソトープ治療後は15%でバセドウ病眼症が増悪します。(抗甲状腺剤メルカゾール治療では3%)
    止もえなず131-Iアイソトープ治療おこなう場合、3ヵ月間のステロイド剤の予防投与(プレドニゾロン 20~30mg/日、漸減投与)が必要。

甲状腺機能正常バセドウ病眼症

甲状腺ホルモンが正常なのに進行するバセドウ病眼症があります(甲状腺機能正常バセドウ病眼症)。甲状腺機能正常バセドウ病眼症は、

  1. 片眼性が多いとされるも、両眼性のことも
  2. 活動性は低いとされるも、高活動性のことも
  3. TS-Ab弱陽性とされるも、強陽性のことも
  4. 甲状腺腫は認めない事が多いも、甲状腺機能正常バセドウ病眼症の40%は、甲状腺に99mTc(テクネチウム)シンチグラフィーの取り込みがあり、甲状腺ホルモンが正常なのにバセドウ病は活動しています。(99mTc(テクネチウム)シンチグラフィーの取り込みがある場合、バセドウ病眼症は軽度ではありません。

甲状腺機能正常バセドウ病眼症は、眼症先行型バセドウ病眼症とは、異なります。

眼症先行型バセドウ病眼症

バセドウ病の20%は、甲状腺ホルモンが高くなる前に眼症が先行します(眼症先行型バセドウ病眼症)。眼症先行型バセドウ病眼症は、甲状腺機能正常バセドウ病眼症より活動性が高いとされます。

遅延型バセドウ病眼症

遅延型バセドウ病眼症は、バセドウ病発症後に、遅れて現れるものです。伊藤病院の統計では、初発バセドウ病で非活動性バセドウ病眼症またはバセドウ病眼症がない患者の9%に、1年以内に遅延型バセドウ病眼症が現れたとされます(眼科治療になったのは全体の4%)。(第58回 日本甲状腺学会 P1-2-1 初発バセドウ病(GD)におけるバセドウ病眼症(GO)悪化の予測)

まれな内眼筋障害

バセドウ病眼症ではまれに内眼筋障害(毛様体筋・瞳孔括約筋)おこし、レンズ調節障害(ピントが合わない)・瞳孔散大することあります。

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)とは限らない眼の病気

バセドウ病眼症(甲状腺眼症)と思っていても、中にはベーチェット病、サルコイドーシス、原田病のことがあります。糖尿病性単神経(動眼神経など)障害、眼窩内炎症性偽腫瘍だった症例も報告されています。ひどい場合、眼科でアレルギー性結膜炎として治療されていたひどいのもありました。

  1. ベーチェット病、サルコイドーシス、原田病、HTLV-1関連ぶどう膜炎
  2. 最近話題のIgG4関連疾患でも、バセドウ病眼症と同じ症状をおこします。
  3. 眼窩内炎症性偽腫瘍:急性~亜急性の眼窩内の非特異的炎症で、眼筋でおこるとバセドウ病眼症(甲状腺眼症)と鑑別難。よほどバセドウ病眼症(甲状腺眼症)に精通した眼科医でなければ難しいでしょう。(第55回 日本甲状腺学会 P2-07-06 甲状腺眼症との鑑別を要した眼窩炎症性偽腫瘍の1 例
  4. 多発性硬化症(MS):50%で視神経障害、視力低下は最も多い症状。視神経炎なのでMRIで鑑別可能。急性期は、ステロイドパルス療法でバセドウ病眼症も同じ治療、パルス療法INFベータ使用で自己免疫性甲状腺疾患(バセドウ病橋本病)誘発の可能性。(第55回 日本甲状腺学会 P1-02-12 多発性硬化症を合併により視力障害を来したバセドウ病の2 例)
  5. 視神経脊髄炎関連病(NMO-SD):水チャンネルに対する自己免疫病で、抗アクアポリン-4抗体(抗AQP-4抗体が陽性になります。バセドウ病橋本病シェーグレン病、SLE(全身性エリテマトーデス)が合併。
  6. フィッシャー症候群:ギラン・バレー症候群の亜型。呼吸器・消化器系の感染に引き続いて発症。末梢神経、眼を動かす脳神経が障害されます。神経線維のガングリオシドGQ1bに対する血中IgG抗体(抗GQ1b抗体)が出現。

6. 眼神経の物理的圧排

  1. 内頚動脈による圧排(寛解・増悪を繰り返すことあり)
  2. 癌性髄膜炎:眼の筋肉を動かす神経・顔面神経(顔の筋肉を動かす・味覚をつかさどる神経)が最初に障害されます。
  3. 脳動脈瘤による動眼神経麻痺:片側のみの眼瞼下垂・瞳孔散大をおこします。

7. ランゲルハンス細胞組織球症の一つHand Schuller‐Christian病は、ランゲルハンス細胞の非腫瘍性増殖で、頭蓋骨の欠損(骨の黄色腫様変化)・眼球突出・尿崩症をおこします。多くは小児期発症で、小児バセドウ病眼症と鑑別必要。

8. ビッカースタッフ型脳幹脳炎はバセドウ病眼症のように外眼筋麻痺・顔面神経麻痺・運動失調・甲状腺機能亢進症/バセドウ病に伴う低カリウム性周期性四肢麻痺のような四肢麻痺などをおこし、ギラン・バレー症候群と同様に血中自己抗体(抗ガングリオシド抗体)が陽性になる自己免疫性脳幹脳炎。

10. 進行性核上性麻痺

進行性核上性麻痺は、急速・重症型のパーキンソン症候群で、甲状腺眼症・橋本病眼症のような垂直性核上性注視障害(眼球が上下方向に動きにくく、下方が見にくくなる)、甲状腺機能低下症/橋本病のような構音障害・嚥下障害、認知障害をおこします。

橋本病眼症

甲状腺機能低下症/橋本病甲状腺機能正常の橋本病でも自己抗体[自分の甲状腺を破壊する抗体;抗サイログロブリン抗体(Tg-Ab)抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO-Ab)]が高い人はバセドウ病眼症になる事があります。

バセドウ病眼症をおこす自己抗体は、甲状腺を刺激するバセドウ抗体(TRAb, TSAb)とは別物と考えられています。

IL-6 [インターロイキン(Interleukin)-6] (保険適応外)

IL-6[インターロイキン(Interleukin)-6]はBリンパ球に作用し抗体産生を誘導するTリンパ球由来のサイトカインで、バセドウ病眼症や、アミオダロン誘発性甲状腺中毒症2型(破壊性甲状腺炎)で上昇すると言われています。

キャッスルマン病

  1. キャッスルマン病は腫れたリンパ節からIL-6が産生され、高熱、CRP 上昇、多クローン性高ガンマグロブリン血症をおこします。 
  2. キャッスルマン病の亜型TAFRO症候群(血小板減少、胸水/腹水、発熱、骨髄線維症/腎機能障害、肝脾腫大)もIL-6が産生されます。 
  3. 甲状腺の病気を伴うPOEMS症候群(クロウ フカセ症候群)も併発します。
  4. HHV-8関連キャッスルマン病大細胞型B細胞リンパ腫:ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)はカポジ肉腫の原因として知られます。(甲状腺と悪性リンパ腫)

治療はステロイド投与ですが、抗IL-6薬トシリズマブ(アクテムラ)は適応があり、バセドウ病眼症アミオダロン誘発性甲状腺中毒症にも効く可能性あると思います。

保険適応外ですので****円(税抜き)掛かってしまいます。

また、IL-6は多発性骨髄腫の増殖に関与(多発性骨髄腫と甲状腺)

甲状腺眼症とキャッスルマン病の合併

甲状腺眼症キャッスルマン病が合併する症例も報告されており、IL-6 が深く関与すると考えられます。(第55回 日本甲状腺学会 P2-07-07 甲状腺眼症の合併が疑われた多中心性キャッスルマン病の一例)

まぶたの腫れ:バセドウ病眼症との鑑別

バセドウ病眼症との鑑別必要なまぶたの腫れ

  1. 血管神経性浮腫:血管運動神経の興奮、キニン系亢進により毛細血管の透過性亢進で、眼周囲のむくみ・口舌浮腫(気道閉塞おこすことも)。ARB/ACE阻害薬・Ca拮抗薬・アルテプラーゼなどでおこります
  2. 遺伝性血管性浮腫:C1 esterase inhibitor (C1-INH)活性の先天的(C4低下)後天的(C1q低下)欠損。甲状腺機能低下症同じく圧痕を伴わない浮腫。甲状腺機能低下症、RS3PE症候群と鑑別
  3. 重症筋無力症の夕方増強する眼瞼下垂(甲状腺と密接な胸腺腫/重症筋無力症)
  4. 皮膚筋炎のヘリオトロープ疹(甲状腺と筋肉痛・筋けいれん)
  5. 成人T細胞白血病リンパ腫の浸潤による眼瞼炎・眼窩内炎、HTL-V1関連ブドウ膜炎
  6. IgG4眼症(IgG4関連甲状腺炎)
  7. 好酸球性肉芽腫(木村病):上眼瞼涙腺の好酸球性肉芽腫。好酸球増多とIgE増加を認める。(臨床眼科67巻 3号pp. 331-335)
  8. ホルネル(ホルナー)症候群 

眼瞼下垂:ホルネル(ホルナー)症候群 

視床下部から頚部交感神経節~内頚動脈へと至る交感神経路障害で生じる中等度縮瞳,眼瞼下垂(眼裂狭小),眼球陥凹(眼球後退)です。視床前核梗塞、Wallenberg症候群,頚部外傷,巨大甲状腺腫・甲状腺腫瘍・甲状腺癌手術合併症甲状腺癌転移リンパ節/悪性リンパ腫の圧迫,急性化膿性甲状腺炎による頚部膿瘍, 内頚動脈瘤・閉塞、パンコースト腫瘍(肺尖部浸潤肺がんなどにより生じます。 

小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症)

小児バセドウ病眼症(小児甲状腺眼症) はこちらをご覧ください

 

長崎甲状腺クリニック(大阪)

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