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甲状腺と皮膚の異常・脱毛      [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見①甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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Summary

甲状腺機能低下症/橋本病甲状腺機能亢進症/バセドウ病における皮膚の異常・脱毛を解説。医療機関専用せっけん、円形脱毛症、前脛骨粘液水腫、クレスト症候群、ニボルマブ(オプジーボ)の甲状腺機能異常、主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症、掌蹠膿疱症等も説明します。

甲状腺ホルモン異常と皮膚・脱毛

匙状爪
  1. 甲状腺機能低下症では皮膚の新陳代謝が悪く、乾燥肌になります。また、髪の毛も硬く抜けやすくなる他、爪の発育も悪く匙(さじ)状爪(スプーンの様な爪;写真)になります。
  2. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、新陳代謝が活発過ぎて皮脂が増え、ニキビができたり、汗のため汗疹(あせも)ができやすくなります。
    甲状腺ホルモンは皮膚色素メラニンと構造が似ているため、肌黒になることもあります。
    毛髪の新陳代謝も活発過ぎて脱毛がおこり、短く軟らかい毛が抜けます。
  3. 亜鉛欠乏自体で、皮膚の乾燥・脱毛がおこりますが、亜鉛欠乏性甲状腺機能低下症もおこると、さらに皮膚の乾燥・脱毛が悪化します。

以上のホルモン異常を正常化すれば脱毛は改善するはずですが、自己免疫的な脱毛は知れだけでは改善しません。以下のフロジン液を使用します。

円形脱毛症と甲状腺疾患

小宇宙3

円形脱毛症と甲状腺疾患は関連することがあり、円形脱毛症の8%に甲状腺機能異常が見られます。円形脱毛症は、最も頻度の高い自己免疫疾患で、同じ自己免疫疾患であるバセドウ病橋本病の合併は当然と言えます。よって、甲状腺ホルモンが正常であっても、円形脱毛症の合併はあります。

長崎クリニック(大阪)で、甲状腺機能低下症/橋本病甲状腺機能が安定しているバセドウ病の方で、円形脱毛症のある方には、保険治療薬フロジン液を処方しています。

※甲状腺機能が正常化せず、高値の甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、フロジン液の副作用(顔面~全身の発汗・顔面紅潮・心悸亢進・嘔気/嘔吐)が出やすくなる危険性あります。長崎クリニック(大阪)では、甲状腺ホルモンが正常化した後にフロジン液を処方しています。

保険治療薬フロジン液

フロジン外用液

フロジン外用液(一般名:カルプロニウム)は、副交感神経から出る神経伝達物質「アセチルコリン」に似た作用で、血管を拡げ毛根の血流を改善し育毛を助けます。

1日2~3回適量を患部に塗布、あるいは被髪部全体にふりかけ、軽くマッサージします。

副作用は約4%で

  1. 塗った場所の掻痒感(かゆみ)
  2. あまりに多量に使った場合、顔面~全身の発汗・顔面紅潮・心悸亢進・嘔気/嘔吐

入浴後、既に血管が拡がった時に使用するとい副作用が出やすく、入浴直後の使用は避けてください。

こんぶ・ひじき・もずくを過剰摂取すれば、脱毛が増悪!?

甲状腺機能低下症/橋本病の場合

甲状腺機能低下症/橋本病の方が、髪の毛をはやすためと、こんぶ・ひじき・もずくを過剰摂取を続ければ、脱毛が増悪するlことが多々あります。これは、ヨードにより

  1. 甲状腺内の酸化・抗酸化のバランスが狂い、有毒な活性酸素(フリーラジカル)が発生。甲状腺組織の障害
  2. 甲状腺ホルモンの合成が抑制され続けます(持続性ウォルフチャイコフ効果)

その結果、甲状腺機能低下症が増悪し、脱毛が増えます。

甲状腺機能正常の橋本病の場合

甲状腺機能正常の橋本病の場合、甲状腺ホルモンは正常なので、甲状腺機能低下症による脱毛はありません。しかし、長崎クリニック(大阪)では、ヨード過剰摂取を制限した甲状腺機能正常の橋本病の方で、甲状腺の慢性炎症の改善と同時に、脱毛も改善した方がおられます。

理由は不明ですが、私見として、甲状腺の慢性炎症の改善に伴い、甲状腺組織の破壊により血中へ放出される抗原(サイログロブリン、甲状腺ペルオキシダーゼなど)が減り、それらに対する自己抗体[抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)]も減少すると考えられます。これは、橋本病の自己免疫を担うヘルパーT細胞の活性化が低下することを意味し、サイトカインの作用により連鎖的に毛根などに自己免疫を担うT細胞の活性化も抑制されるのではないか?との仮説(自説)に辿り着きました

バセドウ病、橋本病に合併するシェーグレン症候群・全身性エリテマトーデス(SLE)でも脱毛

バセドウ病橋本病に合併するシェーグレン症候群・全身性エリテマトーデス(SLE)でも脱毛がおこります。しかも、これらの膠原病は、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺機能低下症/橋本病と症状が似ている所が多く、甲状腺の病気に重複して隠れている可能性があります。(橋本病(慢性甲状腺炎)合併シェーグレン症候群(ドライアイ,口内乾燥) )

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、脱毛があれば、甲状腺の病気と同時に抗核抗体(ANA)、抗SS-A抗体も調べます。

前脛骨粘液水腫

前脛骨粘液水腫

前脛骨粘液水腫

バセドウ病では、すねの前部(前脛骨部)や足背の皮膚が「瘤(こぶ)」の様に発赤して厚くなります(前脛骨粘液水腫)。バセドウ病に特異的な皮膚病変です。溜まるのはヒアルロン酸(酸性ムコ多糖類)で、オレンジの皮のようになります(境界明瞭な淡紅色~茶褐色の扁平隆起)。弾力性があるため、指で押しても跳ね返ってきて跡が残らない非圧痕性浮腫(nonpitting edema)です。

バセドウ病眼症バセドウ病バチ指/バセドウ病関節症と同じ機序でおこり、全てそろうとEMO症候群と呼ばれます。しかし、バセドウ病眼症ほど、甲状腺機能亢進症同時に症状がでません。

喫煙者、男性の比率が多く、症状の重症度は甲状腺ホルモンのレベルとは関連せず、TR-Ab(TSHレセプター抗体)<TS-Ab(TSHレセプター刺激抗体)抗体価に相関します。

通常痛みはありません。なぜ前脛骨粘液水腫が下肢だけなのか不明です。

確定診断には、皮膚生検です。真皮は浮腫状で膠原繊維の離開がみられ、アルシアンブルー(alcian blue)染色で酸性ムコ多糖類の沈着が認められます。

治療はステロイド軟こう局所塗布が一般的で、改善に一年以上かかります。

ステロイド内服による全身投与も教科書に書いてあります。写真のように軽いものであれば、命に影響ない前脛骨粘液水腫のために、全身に副作用の出るステロイドを長期間飲むのもどうかと思います。

EMO症候群・バセドウ病眼症の同時発症

オレンジ皮様 前脛骨粘液水腫

EMO症候群やバセドウ病眼症を同時に発症し、しかも難治性バセドウ病眼症あるいは甲状腺機能亢進症/バセドウ病自体も再発を繰り返すコントロール不良の場合、甲状腺全摘術行えば、バセドウ病抗体(TR-Ab、TS-Ab)も低下し、前脛骨粘液水腫も改善しやすくある可能性あります。(前脛骨粘液水腫だけで甲状腺全摘術は、なかなか難しいですが・・)(第55回 日本甲状腺学会 P1-04-08 EMO症候群を合併したバセドウの一例)

バセドウ病眼症と同様に、(131-I)アイソトープ治療後に発症・増悪する事あります。(第56回 日本甲状腺学会 P2-118 バセドウ病治療後に悪化した脛骨前粘液水腫の一例)

リポイド類壊死

リポイド類壊死

バセドウ病では、まれに前脛骨粘液水腫でなく、リポイド類壊死の学会報告もあります。リポイド類壊死は、糖尿病で良く見られる下腿部に生じる橙色の萎縮斑。潰瘍化することもあります。

甲状腺機能低下症と爪の変形

匙状爪(さじじょうつめ)

甲状腺機能低下症で爪の変形を認める事あります。匙状爪(さじじょうつめ)とよばれ、縦に亀裂が入る事もあります。

甲状腺機能低下症は、過剰カロチン沈着で黄色く

甲Joう君 過剰カロチン沈着

カロチンニンジンなど緑黄色野菜に豊富に含まれる赤橙色色素。健康食品として有名で、体内の活性酸素の発生を抑え、発がん予防作用があります。甲状腺ホルモンはカロチンをビタミンAへ変換します。甲状腺機能低下症では、カロチンをビタミンAに変換出来なくなります。過剰になったカロチンは手掌や足底に沈着し黄色くなります。そのため黄疸と勘違いして、肝臓を調べても異常なく、原因不明・ミカンの食べ過ぎと誤診されていることもあります(実は甲状腺機能低下症)。

Jo黄色くない?

カロチンは海藻類にも多く含まれています。海藻を過剰に摂取すると、ヨードにより甲状腺ホルモン産生が抑制され、甲状腺機能低下が進むと、さらにカロチンが沈着し黄色くなります。

甲状腺と白斑

尋常性白斑

後天性に生じる境界明瞭な脱色素性の白斑(皮膚のメラニン色素がなくなり、色が抜けた病変)を尋常性白斑と言います。自己免疫疾患、特に自己免疫性甲状腺疾患(バセドウ病橋本病)の合併率が高い事が知られています。また、1型糖尿病アジソン病、悪性貧血、自己免疫性萎縮性胃炎などの合併も報告されています。

尋常性白斑の原因は不明な点が多いですが、抗メラノサイト抗体やメラノサイト傷害性T細胞がなどから自己免疫説が有力です。

CREST(クレスト)症候群(限局性皮膚硬化症)の合併

CREST(クレスト)症候群(限局性皮膚硬化症)は、自己免疫抗体の一つ抗セントロメア抗体陽性の膠原病で、橋本病(慢性甲状腺炎)に併発することあります。

  1. 指先が硬くなり(皮下石灰沈着)、毛細血管の拡張が見られます。レイノー現象もあり、強指症(細く、蒼白い、硬化した指)になります。
  2. 内蔵障害は食道・胃腸管に限定されます。食道運動障害による食物が詰まるような感じは、びまんせい甲状腺腫・甲状腺腫瘍のようです。

手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) 

進行性指掌角皮症

小宇宙3

手荒れで、指先や手のひら/甲が赤くなり乾燥、角質が皮膚からはがれ落ちる鱗屑(りんせつ)・落屑(らくせつ)がみられます。進行すると、ひび割れて痛み、皮膚がうすくなりますが、かゆみはありません。

主婦の手湿疹

赤い丘疹(きゅうしん)が手指にできると、かゆみを伴います。 

頻回の手洗いや洗剤の使用などにより皮脂が失われ、皮膚バリアが破綻するのが原因です。

  • アトピー・アレルギー素因の人は皮膚がさらに乾燥しやすいです。
  • 甲状腺機能低下症では皮膚の新陳代謝が悪く、乾燥が増強
  • 甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、治療にともない甲状腺ホルモンが正常化すると、異常な発汗で潤っていた肌が元の状態になり、隠れていた手湿疹(主婦の手湿疹・進行性指掌角皮症) が現れます。

掌蹠膿疱症

小宇宙3

掌蹠膿疱症は手のひらや足底に、無菌性の膿疱(黄色の液体の水袋)を繰り返します。掌蹠膿疱症は甲状腺疾患糖尿病、高脂血症、クローン病、IgA腎症に合併することあります。

掌蹠膿疱症は原因不明のことが多いですが、30%は慢性扁桃腺炎、歯槽膿漏(歯周病)、蓄膿(慢性副鼻腔炎)、金属アレルギーの存在が原因だろうといわれます。

甲状腺と皮膚病:Sweet病

Sweet病は、上気道感染後に発熱、好中球増加、好中球皮膚浸潤による有痛性浮腫性紅斑で、皮膚生検にて血管炎(ヘノッホシェーライン紫斑病)ではないことを確認する必要あり。

慢性甲状腺炎シェーグレン症候群を合併したSweet病の1例」などの報告あり

悪性黒色腫治療ニボルマブ(商品名:オプジーボ)で、無痛性甲状腺炎・甲状腺機能低下症

ニボルマブ(商品名:オプジーボ)

ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、根治切除不能な悪性黒色腫治療の分子標的治療薬で、無痛性甲状腺炎甲状腺機能低下症を高頻度におこします。国内のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の臨床試験では、甲状腺機能障害は14.3%、(5/35例)、海外では5.9%(18/306例)でした。

悪性黒色腫細胞は細胞表面にPD-L1(プログラムド セル デス1)を発現し、活性化したTリンパ球細胞と結合、不活化して、Tリンパ球細胞の攻撃を免れます。ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、PD-1をブロックし、活性化したTリンパ球細胞が悪性黒色腫細胞を攻撃できるようにします。

無痛性甲状腺炎橋本病(慢性甲状腺炎)は、ヘルパーT細胞(Th1細胞)の活性化が原因であるため、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)により活性化され、無痛性甲状腺炎橋本病(慢性甲状腺炎)がおこると考えられます。(橋本病とバセドウ病は入れ替わる---元は同じ自己免疫性甲状腺疾患

結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎・甲状腺機能低下症

結節性紅斑の治療で無痛性甲状腺炎・甲状腺機能低下症

結節性紅斑

ベーチェット病などが原因で起こる結節性紅斑の治療に、1日400~900 mgのヨウ化カリウム投与される事があります。甲状腺機能亢進症/バセドウ病に対する投与でも1日最大600 mgですので、かなりの大量投与になります。

ヨウ化カリウムの結節性紅斑に対する作用機序は不明ですが、

  1. 肥満細胞のヘパリン放出を惹起、遅延型過敏反応が抑制される。 
  2. 好中球走を阻害

などが考えられます。

大量のヨウ化カリウムは、

  1. 甲状腺ホルモン合成・分泌を阻害し甲状腺機能低下症
  2. 元々があると起こりやすい無痛性甲状腺炎(痛みのない破壊性甲状腺炎)

の甲状腺異常を(特に投与期間が長ければ)高率におこします。

結節性紅斑とは

結節性紅斑は、

  1. 若年~更年期の女性の下腿前面に好発
  2. 痛みを伴う直径1〜5mmの硬いしこりのある紅斑
  3. 発熱、全身倦怠感、関節痛などの全身症状を伴うことあり

が特徴です。原因は不明ですが、

  1. 細菌(甲状腺機能亢進症/バセドウ病発症を誘発する溶血性連鎖球菌)、ウイルス、真菌などの感染アレルギー
  2. 悪性腫瘍
  3. ベーチェット病
などが考えられます。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療     長崎クリニック(大阪)


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