検索

バセドウ病 /甲状腺機能亢進症     [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

バセドウ病の発見者 バセドウ博士

甲状腺の基礎知識を、初心者でもわかるように、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が解説します。

高度で専門的な知見は甲状腺編 甲状腺編 part2 を御覧ください。

(左)バセドウ病の発表者、ドイツの医師のカール・フォン・バセドウ博士

アイルランドのグレーブス博士も同時期に発表しており、英国やアメリカではグレーブス病と呼ばれます。

※「バセドウ病」「バセドー病」どちらが正しいでしょうか?Basedow病なので"-ow"を発音して「バセドウ病」が正しいのです。

Summary

バセドウ病/甲状腺機能亢進症を長崎甲状腺クリニック(大阪)院長が解説。バセドウ病は女性に多く、男女比1:4。発病年齢は20-30歳代が全体の過半数、次いで40、50歳代、若年~中年に多い。原因の79%は遺伝性。ストレス・タバコ・アレルギー・出産・ヨード過剰摂取・ステロイド剤中止後・出産後・溶連菌感染が誘因。TSH受容体抗体(TRAb)が無制限に甲状腺を刺激、甲状腺ホルモン産生が亢進。症状は甲状腺腫(甲状腺の腫れ)、動悸、眼球突出、発熱・発汗、体重減少(若年者は体重増加も)、下痢・肝障害、手のふるえ、精神的に不安定等。抗甲状腺薬の中止基準では3年以内に92%が再発。

Keywords

バセドウ病,甲状腺,原因,甲状腺機能亢進症,症状,遺伝,再発,女性,甲状腺ホルモン,運動制限

バセドウ病とは

バセドウ病は、甲状腺ホルモンが過剰に作られる「甲状腺機能亢進症」の代表です。

バセドウ病患者の性別・年齢層・遺伝性

バセドウ病とは

女性に多く、男性1人に対して女性4人です(逆に言えばバセドウ病の5人に1人は男性)。日本の一般健常人のバセドウ病の有病率は、男性0.17%、女性0.33%です(男性は600人に1人、女性は300人に1人)。(日本医事新報 1995, 3740:22-26)

発病年齢は、20-30歳代が全体の過半数で、次いで40歳代、50歳代となり、若年から中年に多い病気です。小児バセドウ病・乳幼児バセドウ病も、 成人発症と同様の男女比です。

バセドウ病の遺伝性

バセドウ病の15%は、親・兄弟もバセドウ病で、遺伝的な素質も関係します。(甲状腺にもHLA遺伝子診断)

バセドウ病発病の79%は遺伝的な素質、残りの21%は環境要因(ストレス・タバコ・アレルギー・溶連菌感染など)が原因(次項)とされます(J Clin Endocrinol Metab 86:930-934,2001)。

一卵性双生児におけるバセドウ病の発端者一致率(片方がバセドウ病なら、もう片方もバセドウ病である確率)は、35%とされます。二卵性双生児の場合は4%。

バセドウ病の原因

バセドウ病は、甲状腺を刺激する異常な抗体(TSH受容体抗体:TRAb)が作られ、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の代わりに甲状腺を刺激し、無制限に甲状腺ホルモンが作られます。

バセドウ病が発症するきっかけは、

  1. ストレス(転勤・人事異動・引っ越し・手術など)
  2. たばこ (タバコは甲状腺の病気に悪影響・受動喫煙;甲状腺に忍び寄る副流煙 )
  3. アレルギー (甲状腺とアレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎 )
  4. ステロイド剤中止後
  5. 出産後
  6. 溶連菌感染
  7. ヨードの過剰摂取(第54回 日本甲状腺学会 P196 昆布ダイエットを契機にバセドウ病及びバセドウ病眼症を発症した一例)

などが有名です。

バセドウ病の原因

バセドウ病の症状

甲状腺機能亢進症/バセドウ病の症状

甲状腺機能亢進症/バセドウ病の症状

バセドウ病眼症

バセドウ病眼症

バセドウ病の症状

古典的なバセドウ病の症状は、

  1. 甲状腺腫(甲状腺の腫れ):甲状腺全体がそのままの形ではれる「びまん性甲状腺腫」、心臓の拍動に合わせて甲状腺が震動することあります。
     
  2. 眼球突出(眼が飛び出る):明らかに眼が出るのは5人に1人です。 むしろ、上のまぶたがはれる(上眼瞼腫張)、まぶたが上に引っ張られ眼が大きく見える(眼瞼後退)の方が多いです。バセドウ病による眼の異常をバセドウ眼症といいます。
     
  3. 動悸:健康な人の脈拍は1分間に 60~90ですが、バセドウ病では90以上の事もあります。
    ただし、高齢では脈拍が増えない事あります。
    また、バセドウ病では心臓血管障害がおこりやすく、動悸の原因であることも多いです(サイロイドハート)。

ですが、実際3つの症状がそろわない場合が圧倒的に多いです。

それ以外のバセドウ病の症状は、

  1. 新陳代謝の亢進:甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にするホルモンなので、一見ハイで、皮膚ツヤもよく、元気そうに見えます。
    しかし、新陳代謝の異常な亢進は、発熱・発汗(暑がり・皮膚のかゆみ)・顔や体のやつれ/体重減少・筋肉の衰え/筋力低下、貧血などをおこします。

    また、安静でも不必要にエネルギーをどんどん消費するため、疲れやすくなります。

    ※新陳代謝の異常な亢進は、食欲中枢を刺激し、体内の糖・脂肪が燃焼される以上に食べれば、逆に体重増加します。特に、胃腸が丈夫な若いバセドウ病のひとは、体重増加する可能性があります(内分泌肥満 )。
     
  2. 下痢・排便回数の増加(甲状腺ホルモンと便秘・下痢 )、肝障害(無症状)(甲状腺ホルモン異常と肝障害 )
     
  3. 手のふるえ(手指振戦;お茶を入れる時に、こぼすなど)
     
  4. 精神的に不安定[そううつ・抑うつ・不眠症(バセドウ病はグットモーニングがない病気)]、イライラ、集中力低下/落ち着きがない(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の精神異常 )
     
  5. 生理不順(過少月経、無月経)、性欲減退

バセドウ病の検査

バセドウ病の再発

長崎甲状腺クリニック(大阪)の抗甲状腺薬の中止基準・アイソトープ(放射性ヨウ素)治療・手術療法での再発はありません(ただし、中途半端な甲状腺亜全摘術を除く)。

一般的な抗甲状腺薬の中止基準で、バセドウ病治療中止後、再度甲状腺ホルモン上昇して来たら(20~70%のひとが再発)、78%はバセドウ病の再発ですが、22%は一時的な甲状腺の破壊による無痛性甲状腺炎です(上條甲状腺クリニックのデータ)。

上條甲状腺クリニックの統計では、

  1. 1年以内バセドウ病/甲状腺機能亢進症再発62%
  2. 2年以内再発85%
  3. 3年以内再発92%

で、結局ほとんど再発し、よくこんな中止基準を作ったものだと思います。

3年以上して再発しない人は、

  1. 平均11年そのまま寛解を維持
  2. 平均7年で3.3%再発
  3. 平均8年で3.7%甲状腺機能低下症になります

バセドウ病の再発後、抗甲状腺薬再投与の副作用

抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)初回投与時に無くとも、再投与時に副作用を認める例があります。しかし、そのような症例の特徴は全く不明です。伊藤病院の報告では、バセドウ病の再発後、抗甲状腺薬再投与[MMI(メルカゾール)141例、PTU(プロパジール、チウラジール)31例]で

  1. 発疹1 例(中止期間38ヶ月)は薬剤変更が必要
  2. PTU(プロパジール、チウラジール)軽度関節痛とP-ANCA上昇1 例(0.6%) (同13ヶ月)。RI (アイソトープ)へ治療変更。
  3. MMI(メルカゾール)で発熱と白血球減少(WBC800)1 例(0.6%)(同19ヶ月)。RI (アイソトープ)へ治療変更。
(第55回 日本甲状腺学会 P2-06-10 ATD 休薬後の再投与症例における副作用出現の検討

バセドウ病の生活上の注意

甲状腺ホルモンが不安定な時期

甲状腺機能亢進症/バセドウ病
  1. 甲状腺ホルモン過剰が続いている間は、甲状腺ホルモンが常に心臓を刺激しているため、心臓障害をおこす危険があります(甲状腺と心臓病(サイロイドハート) 、甲状腺と頻脈性不整脈  , 甲状腺で狭心症・心筋梗塞・急性大動脈解離 )。そのため、運動量・運動強度、日常生活(ストレスなど)はある程度制限が必要です。(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の運動制限
     
  2. 甲状腺ホルモンが不安定な状態で妊娠すると、流早産・胎児/新生児バセドウ病おこすため、甲状腺ホルモンが安定化するまで避妊しなければなりません。

バセドウ病安定期

  1. 運動量・運動強度の制限は、甲状腺ホルモンが正常化すれば少しずつ解除します。最終的には、バセドウ病が発症する前の運動量・運動強度に戻します。(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の運動制限 )
     
  2. 妊娠も可能になります。しかし、甲状腺ホルモンが正常化しても、TSH受容体抗体(TRAb)が高値だと胎児/新生児バセドウ病おこす危険があります。
     
  3. バセドウ病は、再発する可能性があることを忘れてはいけません。
    ストレス
    タバコ
    アレルギー
    は3大再発原因ですが、
    最も多い再発原因は抗甲状腺薬の不規則な服薬/自己中断です。抗甲状腺薬を自己中断するひとの10%は、体重増加が原因といわれます。これは、抗甲状腺薬の副作用ではなく、甲状腺ホルモンが正常に近くなれば、過剰な(異常な)糖・脂肪の分解がなくなるためです。そもそも、いくら食べても太らないこと自体、異常なのです。
     
  4. ヨードを連日過剰摂取する習慣は改めるべきです。某有名甲状腺病院のいくつかは(全部ではありませんが)「ヨウ素のとり方を心配する人もありますが、普通に食べてかまいません。」との見解です。しかし、新しい知見では、ヨードの弊害が報告されています。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,天王寺区,生野区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ 谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

診療時間電話番号や地図はこちら