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ヨウ素(ヨード)と甲状腺      [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

食品中のヨード含有量

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甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。

甲状腺専門医療施設でも、一般内科でも「普通に常識量食べる分にはヨウ素(ヨード)制限は必要ない、過剰に食べなければ良い。」と言われる事がほとんどです。しかし、どこまでが常識量で、どこからが過剰量か本当に知って言ってる医者はほぼ皆無です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、診察時に個々の甲状腺患者さんの食生活・生活習慣をヒアリングしてヨウ素(ヨード)過剰摂取制限を指導いたします。(電話での対応はお断り致します。)

※ここで述べているヨウ素(ヨード)過剰摂取制限は、甲状腺の病気に対する日常の注意です。ネットでも、よく混同されていますが、アイソトープ(放射性ヨウ素; 131-I)治療1-2週間前から始める、一時的で厳格なヨウ素(ヨード)摂取制限とは異なります(これは、甲状腺または甲状腺腫瘍に131-Iを多く取り込ませ、放射線治療効果を上げるためのヨウ素(ヨード)摂取制限)。

Summary

日本は国際的にも稀なヨウ素(ヨード)過剰摂取国。ヨードはコンブ、昆布だし、根昆布、ヒジキ、モズクに多く、ワカメ、海苔(のり)、寒天、魚は無視できる程。橋本病ヨード過剰摂取は①甲状腺組織の破壊促進②甲状腺ホルモン合成を抑制(持続性ウォルフチャイコフ効果)③無痛性甲状腺炎誘発④甲状腺癌発生の可能性⑤バセドウ病誘発。バセドウ病も甲状腺乳頭癌の発生、抗甲状腺薬メルカゾールが効き難くなる可能性からヨード過剰摂取制限すべき。のど粘膜からもヨードは100%吸収されイソジンうがい液 ・のどスプレー・ルゴールスプレーは要注意。アズレン系のうがい薬はヨードが入っていない。

Keywords

橋本病,ヨード,甲状腺,甲状腺ホルモン,ウォルフチャイコフ効果,無痛性甲状腺炎,甲状腺癌,バセドウ病,ヨウ素,甲状腺機能低下症

ヨードと甲状腺

以下はヨウ素(ヨード)過剰摂取を何年~何か月続けた場合、起こリ得る様々な害を説明したものです。毎日の事でなければ、時々、摂り過ぎるくらいは問題ありません。

例①:おせちで昆布巻を食べ過ぎた⇒それくらい大丈夫です。
例②:造影CT(またはMRI)でヨード造影剤を使った。⇒毎月1回のペースで何か月も延々と続けなければ大丈夫です。
例③:風邪をひいたので、1週間イソジンでうがいした。⇒それくらい大丈夫です。

ヨウ素(ヨード)摂取量

コンブはヨードの過剰摂取の原因

日本は国際的にも稀な海藻類を日常的に多く摂取する国で、日本人は海藻類(昆布・ヒジキ・モズクなど)の摂り過ぎです。日本の土壌には多量のヨウ素(ヨード)が含まれ(大昔、日本は海底だった)、米にすら微量のヨウ素(ヨード)が含まれています。食品の成分表示で分かるように、かなりの食品にヨウ素(ヨード)エキスが入っていて、日本人はどんなにヨウ素(ヨード)摂取を制限してもヨウ素(ヨード)欠乏になりません。日本でヨウ素(ヨード)欠乏により甲状腺機能低下症起こした報告は1例もありません。

ヨウ素(ヨード)の口からの吸収率は100%、皮膚からは0.1%です。

日本人の1日のヨウ素(ヨード)平均摂取量は0.5mg-3mgとされ、厚生労働省の推奨値0.13mg、上限値2.2mgを超えています(Thyroid 18: 667-668,2008)。

WHO(世界保健機構)の勧告では、1日のヨウ素(ヨード)推奨量は250μg(0.25mg)で、

  1. 妊娠時は500μg(0.5mg)以上を過剰摂取
  2. 非妊娠時は300μg(0.3mg)以上を過剰摂取

としています(これじゃ、日本人の大半はヨウ素(ヨード)過剰摂取じゃん)。[Geneva, World Health Organization(WHO),2007]

みそ汁200mlで一日分のヨード量

海草に多く含まれるヨウ素(ヨード)は甲状腺ホルモンの原料ですが、甲状腺正常の人でさえ、1日のヨウ素(ヨード)摂取量が1.5mgを超えると甲状腺機能低下症をおこします(Metabolism 37:121-124,1988)。

食品中のヨード含有量
食品中のヨード含有量
妊娠中のヨード過剰摂取制限

表より、特にコンブ、昆布だしにヨウ素(ヨード)が過剰に含まれているのが分かります(根昆布はケタ違いに多い)。次いで、ヒジキ、表にありませんがモズクです。ワカメ、海苔(のり)、寒天、魚は無視できるほどです。よって、長崎甲状腺クリニック(大阪)では、コンブ(昆布だし)、ヒジキ、モズクの3点セットを制限するよう指導しています。

表には書いてありませんが、メカブ100g当たりヨウ素(ヨード)390μg(0.39mg)で少ないです(ワカメの茎なので)。

厚生労働省の1日のヨウ素(ヨード)摂取量の推奨値0.13mgに対し、コンブわずか1gに含まれるヨウ素(ヨード)量でも10倍の1.3mgです。日本人のヨウ素(ヨード)過剰摂取は、コンブ、特にコンブ出汁(だし)が最大の原因です(J Epidemiol. 2016 Dec 5;26(12):613-621.)。

日本人の食生活には、避けても避けても避けきれないヨードが含まれているため、どんなにヨード制限しても、ヨード欠乏になる事は無いのです。

ヨード(ヨウ素)は甲状腺に集まる

体の中に入ったヨード(ヨウ素)は甲状腺に集まり、甲状腺ホルモンを作る原料になります。

海藻は体に良いので、どんどん食べろと言われますが、甲状腺ホルモン合成に必要な量を遥かに超えるヨウ素(ヨード)過剰摂取は、下記のようにトンデモナイ事になる危険性があります。「過ぎたるは及ばざるがごとし」。(ほんとは怖い家庭の医学のように・・・・)

元々甲状腺に問題のない人の事でも、ヨウ素(ヨード)過剰摂取の害が起きます。

まして、既に甲状腺が悪い方には、ヨウ素(ヨード)過剰摂取の害は更に深刻で、ほとんどの甲状腺の病気で共通する注意点は、ヨウ素(ヨード)の過剰摂取を制限することです(ただし常識量は可)。

ヨウ素(ヨード)の過剰摂取は、

1. 甲状腺組織の破壊を促進、橋本病(慢性甲状腺炎)を誘発

日本人女性の約20%は、程度の差はあれ、自己免疫により甲状腺組織が破壊される橋本病(慢性甲状腺炎)を持っているとされ、ヨウ素(ヨード)により加算されるダメージは深刻です。

同時に、ヨウ素(ヨード)により、甲状腺に対する自己免疫が誘導され、橋本病(慢性甲状腺炎)になる可能性があります。ヨウ素(ヨード)過剰摂取国の日本で橋本病(慢性甲状腺炎)が異常に多い理由の1つと考えられます。

ヨウ素(ヨード)による甲状腺障害・自己免疫誘導の具体的なメカニズムは、まだ不明ですが、

  1. 過剰なヨウ素(ヨード)により、サイトカイン・ケモカイン産生が誘導され、甲状腺組織を障害する免疫細胞が集まる。(J Autoimmun. 1999 May; 12(3):157-65.)(Exp Mol Pathol. 2003 Feb; 74(1):1-12.)
    特にIFN-γ、IL-4、IL-17が誘導されます(J Autoimmun. 1999 May; 12(3):157-65.)(Endocrinology. 2009 Nov; 150(11):5135-42.)
  2. 甲状腺ホルモンを産生する甲状腺濾胞上皮細胞で、処理するヨウ素(ヨード)が多過ぎると、イオン化したヨウ素(ヨード)により酸化ストレスのレベルが上昇し、有毒な活性酸素(フリーラジカル)・過酸化脂質が発生。甲状腺組織傷害が起こる。(Endocrinology. 1995 Nov; 136(11):5054-60.)(Endocrinology. 2008 Jan; 149(1):424-33.)
    サイログロブリンが酸化され抗原となる(Biochem J. 2001 Dec 15; 360(Pt 3):557-62.)→抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)が誘導される。
  3. 甲状腺ホルモンを合成する過程で、サイログロブリンヨウ素(ヨード)が結合すると、抗原となり、免疫細胞に攻撃される(Science. 1985 Oct 18; 230(4723):325-7.)→抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)が誘導される。

などの説があります(Int J Mol Sci. 2014 Jul; 15(7): 12895–12912.)。甲状腺組織が遺伝子レベルで損傷すると発がんが起こる可能性もあります。

2. 甲状腺ホルモンの合成を抑制(持続性ウォルフチャイコフ効果)

ヨウ素(ヨード)の過剰摂取は、甲状腺ホルモン合成過程でのヨード有機化を障害し、甲状腺ホルモン合成を抑制[急性ウォルフチャイコフ(Wolff-Chaikoff)効果]します(J Biol Chem. 1948;174:555–564.)。

健康な人はヨウ素(ヨード)の過剰摂取が続いても、甲状腺内へヨウ素(ヨード)の取り込みが減少(Na-Iシンポーターが減少)して、急性ウォルフチャイコフ(Wolff-Chaikoff)効果が解除されます(エスケープ現象)。(Endocrinology 140:3404-3410,1999)Clin Endocrinol Metab. 1975;40:435–441.)。

しかし、

  1. 橋本病(慢性甲状腺炎)
  2. アイソトープ(放射線、131-I)治療後バセドウ病
  3. 出産後甲状腺炎後
  4. 亜急性甲状腺炎後
  5. 甲状腺腫瘍で甲状腺半切除後
  6. 高齢者
  7. 胎児・新生児
  8. 透析患者
  9. 慢性肺疾患
  10. 神経性食欲不振症

では、エスケープ現象がおこらず、甲状腺ホルモンの合成が抑制され続けます[持続性ウォルフチャイコフ(Wolff-Chaikoff)効果](J Clin Endocrinol Metab. 1975;40:435–441.)。

持続性Wolff-Chaikoff効果

甲状腺の病気が無い健康成人のヨウ素(ヨード)と甲状腺機能の関係

日本甲状腺学会で行われている大規模な調査では、甲状腺の病気が無い(過去にした事も無い)健康成人2,087名のヨウ素(ヨード)かなり過剰摂取者(3000μg/日以上)と、それなりに過剰摂取者(3000μg/日未満)の甲状腺刺激ホルモン(TSH)値は、前者が有意に高いが、正常範囲だった様です(TSH 2.687 vs 1.919μIU/mL)。
(第62回 日本甲状腺学会O1-2健康成人におけるヨウ素摂取量と甲状腺機能との関連についての 全国調査)

※WHO(世界保健機構)の勧告では、1日のヨウ素(ヨード)推奨量は250μg(0.25mg)で、300μg(0.3mg)以上は過剰摂取[Geneva, World Health Organization(WHO),2007]

いくら正常範囲と言っても、ヨウ素(ヨード)が甲状腺ホルモン合成を抑制しているのは明らかす。しかもTSH 2.687 >2.5は妊娠可能女性なら潜在性甲状腺機能低下として不妊流産の原因になり得るため、例え甲状腺の病気が無い人でもヨウ素(ヨード)過剰摂取は良くないと思います(潜在性甲状腺機能低下症 )。

4. 甲状腺癌の発生率を増加させる可能性

さらに恐ろしいことに、甲状腺乳頭癌になった人は、バセドウ病橋本病だけの人と比べて、かなり多くのヨードを摂取していたとする研究が複数(最低でも17論文)あります。

結論は、

  1. 甲状腺乳頭癌のサイズとヨード摂取量は関連があり
  2. ヨード過剰摂取地域(要するに日本)では、ヨード摂取量と甲状腺乳頭癌の発生に有意な関連がある;東京の国立がんセンター Japan Public Health Center-based Prospective Study Groupの論文(Eur J Cancer Prev. 2012 May; 21(3):254-60.)

に集約されます。逆に、その因果関係を否定する論文は見当たりません。

ヨード甲状腺乳頭癌特有のBRAFという遺伝子の変異、MAPキナーゼ1[Mitogen activated protein kinase 1 (MAPK1)]活性化などをおこさせるためと考えられます。

(Tumour Biol. 2014 Nov;35(11):11375-9.)(Biol Trace Elem Res. 2018 Aug;184(2):317-324.)(Head Neck. 2017 Aug;39(8):1711-1718.)(Cell Physiol Biochem. 2017;43(4):1325-1336.)

5. 甲状腺腫瘍のサイズを増大させる可能性

「2. 甲状腺ホルモンの合成を抑制(持続性ウォルフチャイコフ効果)」により、血中甲状腺ホルモンが低下すると、脳下垂体からのTSH(甲状腺刺激ホルモン)分泌が増えます。

TSH(甲状腺刺激ホルモン)は、正常な甲状腺組織を刺激するだけでなく、TSH受容体を持つ甲状腺良性腫瘍( 腺腫様甲状腺腫  良性濾胞腺腫 )・甲状腺分化癌( 甲状腺濾胞癌 甲状腺乳頭癌 )も刺激します。刺激により、腫瘍細胞の増殖が促進され、腫瘍のサイズが増大するとされます。

6. バセドウ病を誘発する事ある

ヨードの過剰摂取で、甲状腺機能亢進症/バセドウ病を発症させる事があります(通常は、甲状腺機能低下症おこし、無痛性甲状腺炎を誘発)。(第54回 日本甲状腺学会 P196 昆布ダイエットを契機にバセドウ病及びバセドウ病眼症を発症した一例)

バセドウ病とヨード

バセドウ病ヨード制限には一定の見解はなく、某有名甲状腺専門病院のホームページでも「ヨードを制限する必要はないだろう」と述べています。しかし、新しい知見では、

  1. バセドウ病橋本病はコインの裏表であり、両方の抗体が併存し、どちらに行くかはTh1/Th2リンパ球の比率による」のです。よって、バセドウ病であっても、ヨードの過剰摂取で、①甲状腺組織の破壊が促進、②無痛性甲状腺炎(痛みを伴わない甲状腺の亜急性破壊)を誘発(特にバセドウ病寛解期に起こる事があります)する可能性があります。
     
  2. バセドウ病の1.3%に甲状腺乳頭癌が発生すると言われています。一方でヨード甲状腺乳頭癌特有のBRAFという遺伝子の変異を起こさせる事が最近明らかになりました。(バセドウ病と腫瘍・癌
     
  3. 甲状腺ホルモン正常化していない不安定な状態で造影CT(またはMRI)でヨード造影剤を使うと、死亡率10%の甲状腺クリーゼをおこす危険があります。
     
  4. ヨードの過剰摂取で、甲状腺機能亢進症/バセドウ病を発症させる事があります(通常は、甲状腺機能低下症おこし、無痛性甲状腺炎を誘発)。(第54回 日本甲状腺学会 P196 昆布ダイエットを契機にバセドウ病及びバセドウ病眼症を発症した一例)
     
  5. ヨードの日常的な過剰摂取で、抗甲状腺薬メルカゾールが効きにくくなる事があります。京都市立病院の報告では、料亭板前見習いの25歳男性バセドウ病患者で、職業上大量の昆布出汁を試飲し尿中ヨード排泄量1490μg/g・Cre と高値、メルカゾール60mg(12錠)まで増量したが甲状腺機能改善せず。ヨード制限行い6週目に尿中ヨード排泄量68μg/g・Creと低下すると共に、甲状腺ホルモンが下がり出したため、甲状腺全摘術施行したそうです。
    原因として、抗甲状腺薬メルカゾールは甲状腺ホルモン合成酵素甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)ヨード有機化作用(ヨードをチロシンに結合させる作用)を阻害しますが、多量のヨードが阻害効果を減弱させる可能性が推察されます。
    (第59回 日本甲状腺学会 P1-2-4 ヨード過剰摂取によりチアマゾールの薬効が阻害されたと考えられた一例)

これを知っていれば「気にせずにヨードを普通にとってかまいません。」などとは、とても言えないと思います。

うがい薬[イソジン(ポビドンヨード)]で甲状腺障害

のどの粘膜からも、ヨウ素(ヨード)は、ほぼ100%吸収されます。うがい薬に入っているポビドンヨードの正確な吸収率は不明ですが、口腔、咽頭粘膜から効率よく体内に入り込み、甲状腺障害を起こします[わずかな甲状腺刺激ホルモン(TSH)値の上昇が明暗を分ける不妊治療中の女性、妊婦は特に注意を要します(不妊症/習慣性流産と甲状腺)(妊娠橋本病/甲状腺機能低下症)]。

イソジンうがい薬 ・のど△ーるスプレー・フィ○ッシュXーワ・ルゴールスプレーにはヨード(ポビドンヨード)が入っています。イソジンうがい液は、褐色なのですぐにヨウ素(ヨード)と判りますが、のど△ーるスプレー・フィ○ッシュXーワは透明・クリアカラーなので一見ヨウ素(ヨード)と判りません。風邪などで、一時的に使うのは問題ありません。外から帰った時など、毎日するのはダメです。ポビドンヨードうがい薬の長期使用は甲状腺障害を誘発します(Dermatology. 2002;204 Suppl 1:99-102.)。

アズレン系の青いうがい薬ヨウ素(ヨード)が入っていません(薬局にて購入ください)

  1. イソジンガーグル液(イソジンうがい薬®)7%(1ml中有効ヨードとして7mg含有)
  2. のどぬーるスプレー® (1ml中ヨード5mg含有)
  3. ルゴールスプレー[1ml中ヨウ化カリウム10mg(ヨード7.64mg)、ヨード5mg含有]:最悪

他の類似製品も同じようなものです。

イソジンうがい薬®は、「1回2~4ml(ヨード14-28mg)を、水約60mlにうすめて、1日数回うがい」が適切な使用量(⊙_⊙;)!?とイソジン®製品公式サイトに明記されています😱。

喉に噴霧して飲み込むスプレータイプのうがい薬はヨード含有量は同じでも、体内への吸収量は遥かに多くなります。のどぬーるスプレーBでは、1噴霧で1.0mg以上のヨードを含むため2噴霧しただけで妊婦の1日耐用上限量(2.0mg)[厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」]を軽く超えます😱。

イソジンガーグル液(イソジンうがい薬)は、実は害だけで予防効果ない

御注意

筆者は、維新でも、反維新でもありません。政治的信条はありません(無党派層の一大阪市民)。あくまで医学的な観点から、この問題を解説しています。吉村知事も後日の記者会見で、「予防効果があるわけではない」と訂正されているため、知事を個人攻撃的に批判する必要は無いと思います。むしろ新型コロナウイルス対策でのリーダーシップは他府県に抜きん出ており、評価に値すると思います(大阪モデルと、それに連動した通天閣ライトアップは見事でした)。

そもそも、イソジン(ポビドンヨード)は、溶連菌・ブドウ球菌など組織の表面に付着した細菌、細胞外に出たウイルスには一時的に有効ですが、インフルエンザウイルス、ライノウイルス、アデノウイルスなど細胞の中に深く入り込んで増殖しているウイルスには届かないため無効です(動物実験では効く事になっていますが、人体では勝手が違う)。

もちろん、新型コロナウイルスも、唾液中をウロウロしているものは破壊できるかもしれませんが、のど・肺の粘膜細胞内に入り込んで増殖しているものには届きません。(図; 感染症.comより改変)

ウイルスの増殖

真の、うがいの効果は、喉の異物[細菌・ウイルス(新型コロナウイルス含む)]を洗い流し、粘膜を保湿し、正常な局所免疫を保つものです。[イソジン(ポビドンヨード)である必要は全くなく、水か(冷めた)茶、ヨウ素(ヨード)を含まないアズレン系うがい薬が良い]

※普通の風邪の予防効果は「イソジンうがい」と「何もしない」がほぼ同じ(要するに予防効果ほとんどない)で、「水うがい(1回15秒を1日3回)」の方が優れている[風邪の発病者が40%減少(ハザード比0.60)]のを証明した京都大学の有名な論文があります(Am J Prev Med. 2005 Nov;29(4):302-7.)。医学生・看護学生の公衆衛生や感染制御の授業で引用される事もあります。

(サライjpより改変)

イソジンうがいの予防効果ほとんどない

この論文の指導教授、川村 孝 先生[京都大学環境安全保健機構附属健康科学センター]によると、ヨード液は

  1. 強力な殺菌作用で口腔内常在菌のバランスを壊す
  2. タンパク質変性作用が強いので、正常な組織を傷める

ため、効果に乏しい可能性あるとの事です。

また、イソジン(ポビドンヨード)のアレルギー(ヨードアレルギー)が時々あります。ひどい場合、アナフィラキシーショックもあります。

イソジン(ポビドンヨード)道の大きな間違い

「新型コロナウイルス感染者がイソジン(ポピドンヨード)でうがいし、唾液中のウイルスが減る(はびきの医療センター)」≠「感染していない人が、イソジン(ポビドンヨード)でうがいして感染を予防できる」

、全く意味が違います。

イソジン(ポビドンヨード)は、あくまで治療薬で、予防薬ではありません。風邪をひいてないのに、風邪の予防にロキソニンを飲む人はいないでしょう。同じ事です。

吉村知事も後日の記者会見で、「予防効果があるわけではない」と訂正されています。

ただし、うがい自体が喉に付着したウイルスを洗い流す効果は、インフルエンザ予防で実証されています。新型コロナウイルスでも予防効果はあり得ますが、何も甲状腺に有害なイソジン(ポビドンヨード)でなく、(冷めた)茶・水で良い訳です。

※よく聞いてみると、はびきの医療センターのコメントは、「新型コロナウイルスに感染してしまった人の重症化を防げるかもしれない」であり、「感染を防ぐ効果」ではありません。また、ウイルスを洗い流す、うがい自体の効果の可能性があるので、対照群(コントロール群)として、水・非ヨード系うがい薬での効果を同時に調べるべきです。

イソジン(ポビドンヨード)

イソジン(ポビドンヨード)

アズレン系の青いうがい薬

アズレン系の青いうがい薬

赤色3号・赤色105号

ヨードを含む赤色105号

赤色3号・赤色105号はチェリー・福神漬・紅生姜・梅干・赤ソーセージ等に使われる赤色色素です。ヨードが含まれていますが、毎日多量に食べなければ大丈夫です。医療機関で処方される薬

  1. フルイトラン錠®(トリクロルメチアジド錠);高カルシウム血症、高尿酸血症(痛風)、光線過敏症も起こすので、可能なら変更した方が良いと思う
  2. メキシチールカプセル®(メキシレチン)
  3. ハルシオン0.125mg錠®(トリアゾラム);認知症の原因になるので、できるだけ変更した方が良い
  4. ビタメジンカプセル;ただのビタミン剤だが、赤色の付いていない他剤に変更お勧めします。

にも含まれています。毎日の事になるので、他の薬で代用が可能なら変更した方が良いでしょう。

スピルリナ・クロレラ

スピルリナ

健康食品のスピルリナもヨード(ヨウ素)が含まれていますが、2.5~4.5mg/100gで、わかめ、海苔よりも少なく、さほど問題にはなりません。ただし、ヨード(ヨウ素)過剰摂取の日本で、敢えて摂取しなくても良いと思います。

クロレラにもヨードが含まれます

健康食品として簡単に購入できるクロレラにもヨード(ヨウ素)が含まれている事があります。

サン・クロレラAなどは、ヨード(ヨウ素)が含まれていない様で、全てのクロレラがヨード(ヨウ素)を含む訳ではありません。

クロレラに対する日本医師会の注意勧告

クロレラが免疫系に作用するかは、定かでなく、「インフルエンザ等への免疫を高める」ことは証明されていません。甲状腺機能低下症/橋本病に合併する関節リウマチなど自己免疫疾患には念のためクロレラの使用を控えた方が良いでしょう。

胃薬ヨウ化オキサピウム、不整脈治療薬 アミオダロン(アンカロン®)も要注意

最近、あまり使われなくなりましたが、胃薬ヨウ化オキサピウム(エスペラン ,トイペラン ,オキサペラン ,アリプロイド ,エスパレキサン錠®)も要注意です。毎日の服薬であるため、自ずとヨード(ヨウ素)過剰摂取になります。正確なヨード(ヨウ素)含有量は添付文書にも公開されていませんが、化学式(C22H34INO2)より推察するとmg単位と考えられます。

不整脈治療薬 アミオダロン(アンカロン®)もヨード(ヨウ素)を大量に含んで甲状腺機能障害を起こします(不整脈治療薬 アミオダロン(アンカロン®)が引きおこす甲状腺機能異常 )。

皮膚からのヨード吸収

皮膚からのヨード吸収率はわずか0.1%ですが、熱傷などで皮膚の粘膜バリアが破たんした状態での吸収率は、さらに高いと考えられます。例えば、全身の重度熱傷で、ヨード含有軟膏を1日1500g使用すれば、数週で甲状腺機能低下症になります。

  1. 白糖・ポビドンヨード配合軟こう(ユーパスタ®・ソアナース®):100g中ヨード3g配合
  2. ヨウ素(カデックス®・ヨードコート®)軟こう・外用散0.9%:100g中ヨード0.9g配合

で、たとえ0.1%の吸収率でも過剰量になります。

閉塞性動脈硬化症・糖尿病壊疽で、足の潰瘍・壊死部にヨード含有軟膏剤(ユーパスタ®)長期使用して、急激な甲状腺機能低下症(急性ヨード中毒)を起こします。

閉塞性動脈硬化症・糖尿病壊疽ヨード含有軟膏剤(ユーパスタ)使用で、急激な甲状腺機能低下症(急性ヨード中毒) を御覧下さい。

外用消毒液 イソジン液10%は1mL中にポビドンヨード 100mg(有効ヨウ素として10mg)を含有します。小さな傷口にチョチョと塗るだけなら問題ありません。

傷口のない広範囲の正常皮膚に10mL塗ればヨード(ヨウ素)100mg x 0.001=0.1mgが吸収される計算になります。しかし、実際は損傷しバリアの崩壊した皮膚に塗布するため吸収量は遥かに多くなります。

手術の消毒でもポビドンヨードは使用されます。帝王切開手術でポビドンヨードを使用された母親の甲状腺ホルモン・尿中ヨウ素を調べた報告があります。ポビドンヨード使用群では、非使用群に比べてFT3の減少は約1.5倍、TSHレベルは有意に増加、尿中ヨウ素は有意に増加(25% vs 2%)。 (J Matern Fetal Neonatal Med. 2014 Jul;27(10):1020-2.)

イソジン液10%のその他副作用として、

  1. 皮膚から体内に吸収される事によりアナフィラキシーショック(0.1%未満)
  2. 皮膚接触皮膚炎、そう痒感、灼熱感、皮膚潰瘍、皮膚変色(0.1%未満)

があります。

ヨード造影剤と甲状腺

沿岸性甲状腺腫地方 /日本国内でもヨウ素(ヨード)摂取量に大きな違いがある

日本人のヨウ素(ヨード)必要量0.1mg/日、平均摂取量1-3mg/日であるのに対し、海沿いで甲状腺腫(甲状腺の腫れ)が多発する沿岸部甲状腺腫地方では30mg/日(300倍)の異常な量のヨウ素(ヨード)(日常の食事に10~20gの昆布が含まれる)を摂取し、甲状腺がんの発生が多いです。北海道沿岸地域が代表的で、沿岸性甲状腺腫が初めて報告されたのは日高、礼文、利尻の調査でした。(第59回 日本甲状腺学会 専門医教育セミナーⅡ)

日本国内でもヨウ素(ヨード)摂取量に大きな違いがあります。

公益財団法人成長科学協会の調査では、北海道と北陸地方が特にヨウ素(ヨード)摂取量が多い。

第60回 日本甲状腺学会での調査報告では、各地の企業検診で952名の尿中ヨウ素濃度を調べた結果、中央値は215 μg/gCre

  1. 関東地域:125.5-151.0μg/gCre
  2. 北海道厚岸郡:248μg/gCre
  3. 神戸市(兵庫県、港町):302.5μg/gCre
  4. 宇土市(熊本県、島原湾に近い):222μg/gCre
    (第60回 日本甲状腺学会 O2-1 食品からのヨウ素摂取量が甲状腺機能に及ぼす影響について)

関東地域が少ないですが、理由は不明。関東の人は、コンブ(汁含む)・ひじき・モズクを、あまり食べないのだろうか?(関西人の筆者には分かりません)。北海道厚岸郡が多いのは、何となく理解できます。神戸市も、そこそこ多いのは、なぜだろうか?大阪で診療してる筆者の経験では、大阪人は、とにかくコンブ(汁含む)・ひじき・モズクの摂取量が多い。神戸市も同じと考えるなら納得できます。

(おまけ)日本人の民族性はヨウ素(ヨード)過剰摂取によるのか?

日本甲状腺学会で非常に興味深い動物実験の結果がありました(あくまで動物実験です)。ヨウ素(ヨード)過剰摂取による脳機能発達への影響を調べるため、生後10週のマウスに20倍量ヨウ素(ヨード)を投与、行動実験を行います。結果、甲状腺濾胞の肥大傾向あるも甲状腺ホルモン値に異常なし、雌マウスで学習獲得能の上昇を認め、雄マウスでは社会的新奇探索性の低下を認めました。(第62回 日本甲状腺学会 P2-2 マウスモデルを用いた慢性ヨウ素摂取過剰による脳発達への影響 の解明)

雄雌を度外視すれば、日本人の民族性に当てはまるような気がします。例えば、戦国時代の鉄砲。日本人が発明した訳ではありません、種子島で南蛮人から譲り受けた鉄砲を独自に改良、量産化してしまいます。物理・化学・数学・・、科学の法則は皆西洋で探求されたもの。ヨウ素(ヨード)過剰摂取は日本人の民族性に影響しているのでしょうか?

日本以外はヨード欠乏国

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区,浪速区も近く。

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