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甲状腺と風邪薬/痛み止め[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌病態内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

甲状腺と風邪薬/痛み止め

甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。風邪、感染症の診療は行っておりません。

Summary

甲状腺機能亢進症/バセドウ病の甲状腺ホルモンが安定していない状態で使うとマズイ風邪薬。葛根湯などに含まれるマオウ(麻黄)、エフェドリン、メトキシフェナミン、無水カフェイン、ナファゾリン、抗コリン剤・抗ヒスタミン剤(マレイン酸クロルフェニラミン)等は甲状腺機能亢進症/バセドウ病症状を悪化。バファリンは遊離型甲状腺ホルモン(FT3とFT4)を増加。甲状腺機能が安定してれば風邪薬を短期間飲んでも問題ない。甲状腺ホルモンが高い状態では交感神経活性化で胃潰瘍・十二指腸潰瘍ができやすくバファリン・ボルタレンなど胃粘膜障害作用の強い非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は避ける。

Keywords

甲状腺,風邪薬,バファリン,甲状腺,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,葛根湯,マオウ,エフェドリン,甲状腺ホルモン

薬局・ネットで売られているかぜ薬などに「甲状腺の悪い方は医師の指示を受けてください」という注意書きがあります。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で甲状腺ホルモンが安定していない状態では、短期間の服薬でも使うとマズイ風邪薬は存在します。しかし、甲状腺の機能が安定している状態なら、風邪薬を短期間飲んでもそれ程問題ありません。ただし、何年~何か月使い続けた場合様々な害が起こります。

甲状腺と風邪薬/痛み止め

  1. 炎症を抑える成分、痛みを止める成分自体が血中の甲状腺ホルモン濃度を上昇させ、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が悪化(下記
  2. 炎症を抑える成分、痛みを止める成分自体が、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の胃粘膜障害作用を悪化(下記
  3. 交感神経を刺激する成分は、甲状腺機能亢進症/バセドウ病で問題になります。葛根湯、麻黄湯(マオウトウ、インフルエンザに保険適用あり)などに含まれるマオウ、エフェドリン、メトキシフェナミン、ジプロフィリン、無水カフェイン、塩酸フェニレフリン、塩酸ナファゾリン、塩酸(硝酸)テトラヒドロゾリンなどは、甲状腺ホルモンの作用を増強させ、甲状腺機能亢進症/バセドウ病症状を悪化させます。
     
  4. 抗コリン剤(ヨウ化イソプロパミド)も、副交感神経をブロックし、相対的に交感神経を優位にするため、甲状腺ホルモンの作用を増強させ、甲状腺機能亢進症/バセドウ病を悪化させます。抗ヒスタミン剤[マレイン酸クロルフェニラミン、マレイン酸カルビノキサミン(=シベロン)、フマル酸クレマスチン、ジフェンヒドラミン塩酸、ジフェニルピラリンメキタジン(スイッチOTC薬)、酒石酸アリメマジン]も抗コリン作用を有しますが、抗ヒスタミン剤は抗アレルギー剤でもあるため、アレルギーで悪化する甲状腺機能亢進症/バセドウ病の活動性を低下させる可能性もあります。
     
    長期間に及ぶ
    活動性甲状腺眼症(バセドウ眼症)のみ抗コリン剤/抗ヒスタミン剤で緑内障発作の危険があります。
     
  5. 大半の市販されている風邪薬はヨードを含んでいます。長期的に服用しなければ問題ありませんが、何か月も飲み続ければヨードの過剰摂取に一役買う事になります。
     
  6. イソジン・のどスプレー/フ×ニ○シ△コーワ(無色/クリア色透明なので、だまされてしまいますが)は、ヨードが主成分です。のどの粘膜から100%吸収されます。風邪の時だけ、うがいするのは問題ありませんが、毎日・必ず外から帰宅した際に行うのはいけません。イソジン手洗い液も皮膚から0.1%吸収されます。(うがい薬(イソジン/ポビドンヨード)で甲状腺障害)
     
  7. 附子(アコニチン:トリカブト)を含む漢方:麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)など。附子・烏頭は毒草として知られるトリカブトの根を減毒処理したもので、加熱時間不足などで毒素が抜け切らず中毒をおこす。
    サリン・有機リン中毒と同じでアセチルコリン分解酵素阻害作用により、腹痛・嘔吐・下痢、甲状腺機能低下症の徐脈を増悪、血圧低下、呼吸不全(呼吸中枢麻痺)。
    中毒には拮抗薬のアトロピン硫酸塩
  8. 漢方薬全般;漢方薬は生薬であり、植物の葉や根を調合したものです。当然、食物繊維なので、甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)と同時に服薬すると、チラーヂンSの吸収障害を起こします。時間を置いて飲むのが無難です。

炎症を抑える成分、痛みを止める成分で甲状腺ホルモンが上昇

甲状腺と医療機関で出す風邪薬/痛み止め

風邪薬・痛み止め[非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)]の中で、特にバファリンなどは、甲状腺ホルモン結合蛋白(TBP)に結合し不活性状態にある甲状腺ホルモンを遊離させ、遊離活性型の甲状腺ホルモン(FT3とFT4)を増加させます。そのため甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、まだ甲状腺ホルモンが高い状態では、さらに甲状腺ホルモンが上昇する危険性があります。バファリン以外の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用します。

これは、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がより強い力で甲状腺ホルモン結合蛋白(TBP)に結合し、甲状腺ホルモンを引きはがすためです。

どれくらいフリーT4(FT4)が増加するかを調べた報告があります。可能な限り生体内に近い環境、薬物濃度にしているとは言え、あくまで実験データですが、

  1. アスピリン:バファリンなど(62%増加)
  2. メフェナム酸(31%増加)
  3. ジクロフェナク、フルフェナミン酸、フェニルブタゾン(7-15%増加)
  4. インドメタシン(坐薬のみ)、ケトプロフェン(湿布の成分だが)は研究された濃度で影響ありませんでした。
    (Drug and fatty acid effects on serum thyroid hormone binding.  J Clin Endocrinol Metab. 1988 Oct;67(4):682-8.)

いずれも日本で普通に売られている、医療機関で処方される風邪薬、痛み止めです。2-3.については、商品名を書けませんので自身で確認ください。

ロキソニン、アセトアミノフェン(カロナール®)についてのデータはありません。長崎甲状腺クリニック(大阪)では第一選択にアセトアミノフェン(カロナール®)、それが使用できない時のみロキソニンを内科・耳鼻咽喉科で処方してもらうよう指示しています。現在まで、特に甲状腺機能亢進症/バセドウ病が悪化した経験はありません。

※長崎甲状腺クリニック(大阪)では風邪薬・痛み止めは処方しません。

アセトアミノフェン(カロナール®)

アセトアミノフェン(カロナール®)は、おそらく、甲状腺機能亢進症/バセドウ病に対して最も安全性の高い風邪薬・痛み止めですが、注意点もあります。

  1. 添付文書によると、1,500mgを超す高用量で長期投与する際には、定期的な肝機能検査が推奨されます。そもそも、いくらアセトアミノフェン(カロナール®)でも、高用量はいけません。肝障害が出ても不思議ではない。

    アルコール常飲者は肝臓の薬物代謝酵素CYP P450(CYP2E1)活性が高いため、アセトアミノフェンが肝毒性のあるN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンに代謝されやすくなります(Br J Clin Pharmacol. 1980 Oct;10 Suppl 2(Suppl 2):291S-298S.)。アルコール常飲者は特に高用量での使用は注意すべきです。
  2. 下記の胃潰瘍/十二指腸潰瘍を生じる可能性もゼロではないため、不必要に長期間飲むべきではないと考えます。

抗コリン剤/抗ヒスタミン剤による急性緑内障発作

長期間の活動性がある甲状腺眼症(バセドウ眼症)のみ、抗コリン剤/抗ヒスタミン剤で急性緑内障発作の危険があります。ただし、活動の停止した甲状腺眼症(バセドウ眼症)は、緑内障との因果関係はありません。(Ophthalmology. 1997 Jun;104(6):914-7.)
 
活動中の甲状腺眼症(バセドウ眼症)
で、ステロイド剤治療受けているなら、既に軽いステロイド緑内障をおこしており、抗コリン剤/抗ヒスタミン剤で急性緑内障発作が誘発される危険性があります。

抗コリン剤/抗ヒスタミン剤による急性緑内障発作が起きた場合、症状は

  1. 急激な眼の痛み;甲状腺眼症(バセドウ眼症/橋本病眼症と勘違い
  2. 急激な頭痛、むかつき(吐き気)・嘔吐、全身倦怠感(風邪の悪化と勘違いして、抗コリン剤/抗ヒスタミン剤入りの風邪薬(市販の総合感冒薬)を飲み、さらに悪化)
  3. 霧視(むし:かすみ目)
    急激なブラックアウト(目の前が暗く、しかし意識ははっきりしています)
    →視力低下→失明

くれぐれも、長期間、活動性のある甲状腺眼症(バセドウ眼症)活動中の甲状腺眼症(バセドウ眼症)で、ステロイド剤治療受けている方は、市販の風邪薬をうかつに飲まない様に!

胃潰瘍/十二指腸潰瘍

非ステロイド性抗炎症薬で胃潰瘍・十二指腸潰瘍

また、風邪薬・痛み止め[非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)]は、多少なりとも胃腸の粘膜を傷害します。

甲状腺ホルモンが正常であれば問題ありませんが、甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、まだ甲状腺ホルモンが高い状態では、交感神経の活性化のため、胃潰瘍・十二指腸潰瘍ができやすいのです(甲状腺機能亢進症/バセドウ病と消化管潰瘍(胃十二指腸潰瘍))。

このような状態では、バファリン・ボルタレンなど胃粘膜障害作用の強い非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を避け、アセトアミノフェン(カロナール®)などの胃粘膜障害が起こり難い薬を使用すべきです。(ただし、胃粘膜保護剤、胃潰瘍の危険高そうなら胃酸分泌抑制剤も併用すべきです。)

ロキソニン®については、単独でロキソニン潰瘍の危険があるため、胃粘膜保護剤、リスクが高そうなら胃酸分泌抑制剤の併用が無難でしょう。

どんなに安全性が高い風邪薬・痛み止めでも、全く胃粘膜に影響しないものはありません。最低でも、何か食べた後に飲み、胃粘膜保護剤を併用するべきです。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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  • 大阪メトロ(地下鉄)谷町線「駒川中野駅」
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  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

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