早発閉経・早発卵巣不全(POF・POI)と甲状腺[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック 大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
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早発閉経・早発卵巣不全(POF: premature ovarian failure、POI: premature ovarian insaficiency)と甲状腺 (本ページ)
Summary
早発閉経・早発卵巣不全(POF・POI)は40歳未満で月経(生理)が無くなる病気。40歳未満女性の1%。80-90%は原因不明、残りは①自己免疫性;橋本病(慢性甲状腺炎)[約24%で抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)陽性]・アジソン病合併②染色体異常;ターナー症候群など③医原性。女性ホルモン(エストロゲン)低値・LH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)高値・血清AMH(抗ミュラー管ホルモン、アンチミューラリアホルモン)低値。妊娠希望しない場合の治療;女性ホルモン剤補充。妊娠希望する場合、卵巣機能廃絶前に卵子凍結保存して不妊治療。
Keywords
早発閉経,早発卵巣不全,POF,POI,原因,自己免疫,橋本病,甲状腺,染色体異常,抗ミュラー管ホルモン
早発閉経・早発卵巣不全(POF・POI)の80-90%は原因不明です。残り10〜20%は、
- 自己免疫性;橋本病(慢性甲状腺炎)・アジソン病・全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患に合併
- 染色体異常;脆弱X症候群・ターナー症候群
- 医原性[卵巣手術、卵巣・他臓器の癌に対する化学療法(抗がん剤治療)、骨盤への放射線治療]など
など、原因がある程度分かっています。
早発閉経・早発卵巣不全(POF・POI)の診断・検査値は、40歳未満女性における
- 4〜6ヶ月以上続く無月経
- 卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)低値
- 脳下垂体から分泌されるLH(黄体ホルモン)とFSH(卵胞刺激ホルモン)高値
- 卵巣年齢(残存卵子数)を反映する血清AMH(抗ミュラー管ホルモン、アンチミューラリアホルモン)値が、実年齢の正常値より10歳以上低い
です。
早発閉経・早発卵巣不全(POF・POI)の治療は、
-
妊娠を希望しない場合;50歳位(一般的な閉経年齢)まで女性ホルモン剤補充。閉経後骨粗鬆症・高脂血症と続発する心筋梗塞の予防
-
妊娠を希望する場合;非常に難しいが、産婦人科で複雑な不妊治療自己免疫性と分かっている場合、副腎皮質ステロイド剤のプレドニゾロン投与
早期発見できれば、卵巣機能が廃絶する前に卵子を凍結保存しておく
早発閉経・早発卵巣不全(POF・POI)患者の約24%に橋本病(慢性甲状腺炎)の自己免疫抗体 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)が認められます(J Clin Endocrinol Metab. 2006 Nov;91(11):4256-9.)。
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長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
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