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放射線誘発性甲状腺癌[甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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福島県とウクライナの甲状腺癌発生

甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。

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Summary

放射線誘発甲状腺癌甲状腺乳頭癌で予後良好。放射線による遺伝子変異はRet/PTC再配列異常。ヨウ素131による内部被曝のチェルノブイリ小児甲状腺癌はリンパ節転移・遠隔転移多いが死亡率低い。

Keywords

放射線誘発甲状腺癌,甲状腺乳頭癌,遺伝子変異,Ret/PTC再配列,ヨウ素131,内部被曝,チェルノブイリ,小児甲状腺癌,転移,放射線

放射線誘発性甲状腺癌

放射線により誘発される甲状腺がんは、大半が甲状腺乳頭癌です。放射線と無関係の甲状腺乳頭癌と同様に、予後が良いのが特徴です。現在、放射線誘発の証拠となる特異的な遺伝子異常は発見されていませんが、放射線によりDNA二重鎖切断と修復異常(Ret/PTC再配列異常)が原因と考えられており、放射線と無関係の甲状腺乳頭癌の遺伝子変異の1つと同じです。

原爆(原子爆弾)による放射線誘発性甲状腺癌

原爆(原子爆弾)による放射線誘発性甲状腺癌の調査は、放射線影響研究所により現在も続いています。原爆(原子爆弾)による放射線誘発性甲状腺癌

  1. 被曝線量が多いほど
  2. 若年者であるほど
  3. 女性の方が男性より30%多く

おこるとされます。(Radiat Res 168:1-64, 2007)

ヨウ素131による内部被曝

体内に入ったヨウ素は甲状腺のみに取り込まれ濃縮されます。それは放射性ヨウ素であるヨウ素131も同じであるため、ヨウ素131による内部被曝は甲状腺とその周囲臓器(実際は甲状腺のみ)におこります。さらに、この濃縮効果が問題で、全身の被曝量は大した事なくても、濃縮されたヨウ素131の内部被曝量は大きくなります。

チェルノブイリを含めたこれまでの研究から、

  1. 40歳以上では放射線誘発性甲状腺癌の危険はありません。細胞分裂が激しい乳幼児期が最も放射線誘発性甲状腺癌のリスクが高く、年齢とともにリスクは下がります。
  2. 放射線誘発性甲状腺癌が発生するのは被曝後5年以降である事が分かりました。
  3. ヨウ素131の半減期は8日なので、原発事故後に生まれた子供には、放射線誘発性甲状腺癌は起こらない。

小児の放射線誘発性甲状腺癌は、放射線と無関係の小児甲状腺癌と基本的に同じと考えられていました。しかし、福島県の甲状腺検診で、原発事故後4年以内に見つかった小児甲状腺癌の組織型と遺伝子変異は成人とほぼ同じ(福島県「県民健康調査甲状腺検査(先行検査=1回目の検査)」の結果)で、下記のチェルノブイリ小児甲状腺癌・日本の医療機関で従来報告された組織型・遺伝子変異(小児甲状腺癌)と大きく異なりました。

チェルノブイリ小児甲状腺癌

1986年のチェルノブイリ原発事故では、不可避的に直接ヨウ素131を吸い込んだだけでなく、小児の屋内退避がなされず、ヨウ素131で汚染された牛乳、農作物、水道水が制限を受けず流通したため小児甲状腺癌患者が急増しました(人災と言っても良いでしょう)。福島原発事故の被災地には、早急に小児の屋内退避が指示され、放射能汚染されていない支援物質が運び込まれたので、このような人的被ばくは皆無でした。

チェルノブイリ小児甲状腺癌の特徴は、Tuttleらがまとめたもの(Clin Oncol 23:268-275,2011)では

  1. 危険因子として、放射線被曝以外に、甲状腺癌の家族歴・甲状腺結節(しこり)・ヨード欠乏(日本人ではあり得ない)・肥満があります
  2. チェルノブイリ事故後6-25年の20年間で5000人以上の小児甲状腺癌が発生
  3. リンパ節転移60-70%
  4. 遠隔転移10-15%
  5. 短期再発率17%
  6. 再発率30%(平均観察期間10年)
  7. 死亡率1%以下

甲状腺以外の癌の放射線治療によって発生する甲状腺癌

放射線治療による放射線誘発性甲状腺癌は、

  1. 甲状腺以外の癌(頭頚部癌、頭頚部の悪性リンパ腫、頭頚部が照射野に入る肺癌など)の放射線外照射(体の外から放射線を当てる事)
  2. 脳腫瘍などに行う放射線内照射[腫瘍や患部に放射性同位元素(アイソトープ)を取り込ませる]

によって発生する甲状腺癌です。

因果関係を証明する事はできませんが、

  1. 数十年前、60Co(コバルト)を頭頚部癌に照射[筆者が出くわした症例]
  2. 嚢胞性の鞍上部頭蓋咽頭腫を摘出後、再発予防のため198Au(金) コロイドによる腫瘍腔内照射(26mCi)を施行され30年後
    (β 線を発生する放射線コロイドは局所的な効果あるが、全身への影響が少ない治療として70 年代に普及しました。)(第56回日本甲状腺学会 P2-102 小児期の頭蓋咽頭腫に対する放射線コロイド内照射後に甲状腺乳頭癌を発症した1 例)

などがあります。被曝時の年齢が若いほど・累積(合計)線量が多いほど発症しやすくなります。40歳以上での被曝では発症せず、組織型は甲状腺乳頭癌のみになります。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)


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長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,天王寺区,東大阪市,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
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