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甲状腺癌骨転移    [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 専門医 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪) ゆるキャラ 甲Joう君 「世界骨粗鬆症デー」

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動脈硬化した血管に甲状腺が! バセドウ病甲状腺がモデル)

Summary

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)は骨転移する。甲状腺濾胞癌の転移は脊椎中心だが、甲状腺乳頭癌は脊椎以外に肋骨・大腿骨など長管骨にも転移。通常の骨シンチでは取り込み悪く、甲状腺全摘していれば、ヨードシンチグラフィーが有用(取り込み悪ければPET-FDG)。甲状腺濾胞癌は骨転移し易く、胸椎・腰椎・仙骨・骨盤に。131-Iを取り込み易いものの病勢コントロール困難が多く、10年生存率は40%。微少浸潤型甲状腺濾胞癌も骨転移する。治療は手術切除、甲状腺全摘術していればアイソトープ(131-I 内照射)、外照射。ビスフォスフォネート剤、デノスマブ(ランマーク®)は骨関連事象予防に有用。

Keywords

甲状腺分化癌,乳頭癌,濾胞癌,骨転移,ヨードシンチグラフィー,診断,ビスフォスフォネート剤,デノスマブ,ランマーク,骨関連事象

甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)は骨転移

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)は骨転移します。

特に、甲状腺濾胞癌は骨転移しやすく、東北大学病院の報告では、初診時に遠隔転移を認めた甲状腺濾胞癌10例(濾胞癌型低分化癌3例含む)の内、肺のみ2例、骨のみ7例、肺+骨1例です。骨転移単独は、肺転移単独の3倍以上と言う事になります。(甲状腺乳頭癌18 例(乳頭癌タイプ低分化癌3例含む)では、肺のみ13例、骨のみ3例、肺+骨2 例。)(第57回 日本甲状腺学会 P2-072 初診時に遠隔転移を認めた甲状腺分化癌症例の検討)

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)の転移部位は脊椎が最も多く(34.6%)、骨盤(25.5%)、胸骨・肋骨(18.3%)、下肢骨(10.2%)、肩甲骨(5.4%)、頭蓋骨・顎骨・顔面骨(5.4%)。(Head Neck. 2017 Apr;39(4):812-818.)

甲状腺濾胞癌の転移は脊椎中心ですが、甲状腺乳頭癌は脊椎以外に、肋骨・大腿骨など長管骨にも転移します。

脊椎(胸椎・腰椎・仙骨)転移は、

  1. ブロック注射しても良くならない難治性腰背部痛
  2. 下肢痛(しびれ)、下肢麻痺(不完全麻痺→完全麻痺)
  3. 仙骨転移では馬尾症候群(膀胱直腸障害;排尿障害、排便障害)

になります。

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)で、最初におこる骨関連事象(骨が問題でおこる障害)は、脊椎転移が最も高頻度で47% 、頭蓋骨は6% と報告されます。[J Clin Endocrinol Metab. 2012; 97(7):2433-9.]

甲状腺濾胞癌骨転移

甲状腺濾胞癌骨転移は、乳頭癌骨転移に比べ、131-Iを取り込みやすいものの病勢コントロール困難が多く、肺転移合併も多く、甲状腺濾胞癌の10年生存率は80%以上ですが、骨転移すると40%で、かなり悪いです。

多発骨転移をおこす微少浸潤型甲状腺濾胞癌

甲状腺微小浸潤型濾胞癌 超音波(エコー)画像

微少浸潤型甲状腺濾胞癌ですら、多発骨転移をおこす症例が報告されています。しかも、超音波(エコー)写真の様に、被膜が石灰化して穿刺細胞診し難いタイプもあるようです。(前頭骨を含めた多発骨転移を認めた微少浸潤型甲状腺濾胞癌の1例 内分泌甲状腺外会誌 30(3):221-225,2013)

骨転移をおこす甲状腺微少濾胞癌

1cmに満たない甲状腺微少濾胞癌でも骨転移を起こす浸潤型甲状腺微少濾胞癌が存在します。すでに骨転移を起こしていれば、血清サイログロブリン高値から診断できる可能性ありますが、骨転移前では穿刺細胞診でも診断できないため、見つける事は不可能です。(第56回 日本甲状腺学会 P2-083 P2-090 右下腿の疼痛を契機に診断された甲状腺濾胞癌骨転移の一例)

微少浸潤型甲状腺濾胞癌=癌の周囲に少しだけ広がる甲状腺濾胞癌
浸潤型甲状腺微少濾胞癌=1cmに満たない大きさなのに、遠隔転移を起こす甲状腺濾胞癌

甲状腺濾胞癌は手術後10年してから骨転移もあり

甲状腺濾胞癌は甲状腺全摘手術後10年してから骨盤骨転移で見つかる症例もあります。(第54回 日本甲状腺学会 P171 甲状腺腫摘出10年後に骨盤転移にて診断された甲状腺濾胞癌の一例)

甲状腺分化癌(乳頭癌・濾胞癌)骨転移の早期発見

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)の肺転移は、CT装置の普及により、かなり小さい段階で発見され、より早期に治療が行える様になりました。しかし、骨転移は依然として進行した状態で発見され、治療がされているのが現状です。野口病院の報告では、甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)手術後に発生した骨転移は、術後経過観察されていたにも関わらず、臨床症状が出現し診断に至ったものがほとんどだそうです。(第59回 日本甲状腺学会P3-2-3 分化型甲状腺甲状腺癌の術後経過観察に対する考察 - 骨転移の検索について転移治療を行う立場から-)

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、甲状腺癌(あるいは甲状腺癌疑い)の肺転移検索で、肺CTを提携病院(東住吉森本病院)に依頼する折、(全身の骨を調べる訳にはいかないので)肺の撮影範囲内に写る、胸骨、肋骨、頸椎、胸椎、上腕骨を骨モードで撮影していただいております。

また、甲状腺濾胞癌の骨転移は、血行性転移なので、甲状腺濾胞癌自体の大きさだけでは判断できません。

  1. 転移先の骨で甲状腺濾胞癌が増殖すれば、サイログロブリンを産生します。甲状腺内の腫瘍の大きさに比べ、明らかにサイログロブリンが高値なら遠隔転移(肺転移、骨転移)を疑わねばなりません。(ただし、抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)陽性の橋本病(慢性甲状腺炎)を合併していれば、血清サイログロブリン値は低く出てしまうので、信用できません。それでも高値なら、実際はもっと高値と言う事になりますが。)
     
  2. 濾胞性腫瘍で、かつ体のどこかに骨痛、関節痛あれば、甲状腺濾胞癌の骨転移を疑い、痛みのある周辺のCTを撮るべきです。

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)骨転移の診断

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)骨転移は、通常の骨シンチでは取り込み悪く、診断の役に立ちません。甲状腺全摘していれば、ヨードシンチグラフィーは有用(取り込み悪ければPET-FDGが有用)。全身のMRI/CT行い転移巣を探し、最終的にはCTガイド下骨生検で確定診断されます。

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)骨転移の治療

手術切除

甲状腺癌脊椎転移を手術する事がありますが、甲状腺癌は血管多いため出血量が多くなるようです。大量出血のリスクが高く外科的切除不可能と判断される事もあります。

腰椎転移では手術による下肢麻痺出現リスク高く外科的切除不可能と判断される事もあります。

その他、荷重のかかる骨(下肢の骨など)への転移は、骨折予防のため整形外科的手術も考慮されます。

腫瘍栄養血管塞栓術

腫瘍栄養血管塞栓術が有効だった症例も報告されています。(第56回 日本甲状腺学会 P2-083 甲状腺濾胞癌の腰椎巨大骨転移巣に血管塞栓術が有効であった1 例)

甲状腺全摘術できれば、アイソトープ(131-I)治療

甲状腺全摘術できれば、アイソトープ(131-I 内照射)可能ですが、出来ない場合、放射線外照射。

ビスフォスフォネート剤と抗RANKL抗体デノスマブ(ランマーク®)

最近、分子標的薬:抗RANKL抗体デノスマブ(ランマーク®)が多発性骨髄腫による骨病変および固形癌骨転移による骨病変の適応で承認されました。ビスフォスフォネート剤、デノスマブ(ランマーク®)は、甲状腺癌骨転移の骨関連事象(skeltal related events: SRE骨転移の進行による麻痺や骨折など)の予防・遅延効果に有用。

分子標的薬:抗RANKL抗体デノスマブ(ランマーク®)

分子標的薬:抗RANKL抗体デノスマブ(ランマーク®)は、固形がん骨転移の骨関連事象(skeltal related events: SRE=骨転移の進行による麻痺や骨折など)の予防・遅延効果においてビスフォスフォネート剤のゾレドロン酸(ゾメタ®)より優れるとされます。甲状腺がん骨転移に対しても保険適応があります。

PS(パフォーマンスステータス)0(無症状で社会生活に制限を受けない)、または1(軽い家事、事務など軽労働はできる)の、全身状態の良い甲状腺がん患者に予防効果が高いとされます。血清カルシウム値が高値でなければ、低カルシウム血症予防のため、カルシウム剤・ビタミンD製剤併用します。(第57回 日本甲状腺学会 O7-2 甲状腺がん骨転移症例に対する bone modifying agents の使用)

ビスフォスフォネート:破骨細胞を抑える薬

副作用は

  1. 経口ビスフォスフォネートは胃粘膜障害、逆流性食道炎
  2. ビスフォスフォネート注射は初回に発熱/インフルエンザ様症状(利点は胃粘膜障害、逆流性食道炎、寝たきり、誤嚥性肺炎患者にも投与可能な事)

重篤な副作用として

  1. 顎骨壊死:橋本病(慢性甲状腺炎)合併潜在性シェーグレン症候群の口内乾燥・糖尿病口内症など口腔内雑菌の繁殖があるとおきやすくなります。口腔内衛生の保持、抜歯前のビスフォスフォネート中止が必要
    抜歯・歯科インプラントなど顎骨に侵襲がおよぶ治療で、顎骨壊死の危険因子(糖尿病、喫煙、飲酒、癌化学療法、ステロイド内服)がある方は、少なくとも3か月前からビスフォスフォネート内服を中止
  2. 逆説的非定形大腿骨折

があります。

院長の論文

顎骨壊死

ビスフォスフォネート剤、分子標的薬:抗RANKL抗体デノスマブ(ランマーク®)を甲状腺癌骨転移に使用する際、顎骨壊死の副作用を注意せねばなりません。

  1. 可能な限り、抜歯はビスフォスフォネート剤、デノスマブ(ランマーク®)を投与する前に済ませておく必要があります。
  2. 顎骨壊死の危険因子(糖尿病、喫煙、飲酒、ステロイド内服)がある方は、事前に血糖コントロール改善、禁煙、断酒、ステロイドを可能なら他剤へ変更すべきです。
  3. 予防として、うがいによる口腔内雑菌の繁殖予防
    [甲状腺全摘出していればイソジン・のどスプレーなどヨード系で構いませんが、正常な甲状腺が残っている場合はアズレンなど非ヨード系。ヨードにより正常な甲状腺のホルモン産生が低下すれば、TSH(甲状腺刺激ホルモン)が上昇し、甲状腺癌を刺激し増殖を促進させる危険性あります。]

「放射線治療無効な分化型甲状腺癌」に分子標的治療薬の受容体型チロシンキナーゼ阻害薬(ネクサバール錠®(ソラフェニブ)・レンビマ®(レンバチニブ))

ネクサバール錠®(ソラフェニブ)は、放射線治療抵抗性の甲状腺分化癌(甲状腺乳頭癌甲状腺濾胞癌)の無増悪生存期間を延長、副作用は100%に手足症候群。レンビマカプセル®(レンバチニブ)は、根治切除不能な甲状腺分化癌(甲状腺乳頭癌甲状腺濾胞癌)、甲状腺髄様癌甲状腺未分化癌に適応、無増悪生存期間を延長、副作用は血管新生阻害作用強く、高血圧などが多い。

ネクサバール錠®(ソラフェニブ)・レンビマ®(レンバチニブ)は、転移部位によって効果が異なるとされます。

一般的には、肺やリンパ節転移に効き易い反面、骨転移には効き難いとされます。(第59回 日本甲状腺学会 P4-6-7 分子標的治療が奏功した放射性ヨウ素不応性甲状腺乳頭癌多発転移例における薬剤および併用療法よる転移部位別の効果の比較)

甲状腺髄様癌も骨転移

甲状腺髄様癌も骨転移します。甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)と異なり、骨シンチグラフィーで取り込みよく、治療にはストロンチウム(89-Sr)内照射が有効。(第54回 日本甲状腺学会 P117 甲状腺髄様癌の骨転移の疼痛緩和にストロンチウム内照射療法が有効であった1例)

 

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長崎甲状腺クリニック(大阪)

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