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甲状腺と喉(のど)[咽頭・喉頭](癌、腫瘍)[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺機能低下症 長崎甲状腺クリニック 大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見③ 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌病態内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

甲状腺と咽頭・喉頭 看護roo

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甲状腺と咽頭・喉頭 (看護rooより)

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。甲状腺のみの診療です。口内疾患、耳鼻咽喉科・頭頚部外科疾患の診療を行っておりません。

Summary

若年性血管線維腫は放射線治療が行われ放射線誘発性甲状腺がんの問題があった。喉頭乳頭腫はヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因の良性腫瘍だが稀に癌化。甲状腺乳頭癌の副咽頭間隙転移、下咽頭転移はまれ。喉頭癌・下咽頭癌(扁平上皮癌)の甲状腺転移がある。上咽頭扁平上皮がんはヘルペスウイルスの一種、EBウイルス(エプスタイン・バールウイルス)が主な原因。未分化扁平上皮がんが多く、放射線感受性が高いため放射線根治治療になり、放射線甲状腺炎放射線唾液腺炎の合併症・後遺症が生じる。

Keywords

若年性血管線維腫,甲状腺がん,甲状腺乳頭癌,上咽頭がん,転移,喉頭癌,下咽頭癌,扁平上皮癌,甲状腺転移,甲状腺

甲状腺癌の副咽頭間隙転移

副咽頭間隙(後咽頭間隙、傍咽頭間隙)は、内側が咽頭収縮筋、外側が耳下腺・内外翼突筋などに囲まれたスペースです。血管・神経・リンパ節などが複雑に入り組んでいるため多彩な腫瘍が発生し、また手術するには困難な場所です。

(図;副咽頭間隙 医学事始)

副咽頭間隙

副咽頭間隙に発生する腫瘍は、80%が良性で多形腺腫など唾液腺腫瘍、神経原性腫瘍が占め、頭頚部外科が扱うものが大部分です。甲状腺乳頭癌の副咽頭間隙転移がまれにあります。副咽頭間隙腫瘍の術前診断にはMRIが最も有用です。(World J Surg. 2016 Feb;40(2):350-5.)(Balkan Med J. 2014 Jun;31(2):177-9.)

甲状腺癌の副咽頭間隙転移

若年性血管線維腫

若年性血管線維腫は、10-18歳の男子の上咽頭に好発する極めて血管豊富な良性腫瘍で、成人すると増殖が止まります。良性腫瘍なのに、局所浸潤が強く、再発率が高いのが特徴です。

若年性血管線維腫の症状は、片側の鼻閉・鼻出血、増大すると耳閉塞感、難聴。

若年性血管線維腫の

  1. 内視鏡所見は、表面平滑で血管に富んだ腫瘍
  2. 副鼻腔造影CTは、造影される浸潤性腫瘤
  3. 確定診断は組織生検だが、大出血の危険があるため行わない事もあります。小血管と線維組織を認めます。

若年性血管線維腫は出血量が多いため、良性でありながら手術による摘出が難しく、動脈塞栓後手術、ホルモン療法・放射線治療などが行われ、放射線誘発性甲状腺がんの問題があった(Laryngoscope 94:1599-1605, 1984.)。

若年性血管線維腫 内視鏡
若年性血管線維腫 副鼻腔造影CT

若年性血管線維腫 副鼻腔造影CT

若年性血管線維腫 副鼻腔造影CT

若年性血管線維腫 副鼻腔造影CT

若年性血管線維腫 組織

若年性血管線維腫 組織

喉頭乳頭腫

喉頭乳頭腫

喉頭乳頭腫は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染が原因の良性腫瘍だが、まれに癌化することも。発症年齢は小児~成人。

喉頭乳頭腫の症状は甲状腺の病気と似ていて、

  1. 嗄声(声のカスレ)
  2. 喉(のど)の異物感
  3. 慢性的な咳
  4. 進行すると失声、呼吸困難

喉頭乳頭腫の診断は、喉頭内視鏡[白色光、狭帯域光(光の波長を変えて血管を強調する特殊光]

喉頭乳頭腫

喉頭内視鏡[白色光];乳頭状の腫瘤

喉頭乳頭腫

喉頭内視鏡[狭帯域光(光の波長を変えて血管を強調する特殊光];腫瘍血管がはっきりと

喉頭乳頭腫の治療は、レーザー手術ですが、再発しやすいので注意を要します。

喉頭乳頭腫が癌化した喉頭乳頭癌と甲状腺癌の重複癌を認めた非喫煙女性の報告があります[Auris Nasus Larynx. 2008 Dec;35(4):572-5.]。

喉頭癌の甲状腺転移

喉頭癌が甲状軟骨を越えて舌深層の筋肉/外舌筋や前方の組織、気管、甲状腺、食道に広がっている状態は、ステージT4aです(Laryngeal Cancer Treatment;National Cancer Institute)。

喉頭癌の甲状軟骨浸潤[Cancers (Basel). 2020 Mar 3;12(3):584.]

喉頭癌の甲状軟骨浸潤

上咽頭扁平上皮がん

EBウイルス(エプスタイン・バールウイルス )

上咽頭扁平上皮がんは、頭頚部がんの中では比較的稀で、特に中国・台湾など東アジアに多く、ヘルペスウイルスの一種EBウイルス(エプスタイン・バールウイルス;Epstein-Barr virus)が主な原因と考えられています。 

(J Cancer 2020; 11(7)1737-1750.)

上咽頭がんが耳管咽頭口(耳管咽頭開口部)を閉塞し、滲出性中耳炎による耳閉感と難聴をおこします。

また、上咽頭癌は早期から上頸部リンパ節転移をきたします。

上咽頭癌による滲出性中耳炎

上咽頭は解剖学的に、根治手術をするのが極めて難しい部位で、かつ、上咽頭扁平上皮がんは、未分化扁平上皮がんが多く、放射線感受性が高いため、放射線根治治療が行われます。

高線量の放射線を照射するため、放射線甲状腺炎や放射線唾液腺炎(口内乾燥による嚥下障害)などの合併症・後遺症が生じます。

上咽頭がん 造影CT画像

下咽頭癌の甲状腺転移

下咽頭癌は、

  1. 高齢男性に多い
  2. 扁平上皮癌
  3. 喉頭がん・食道がんと同じく飲酒と喫煙がリスクファクター
    特に下咽頭癌と食道癌は重複しやすいので、一方の癌が見つかったときはスクリーニング検査が必要。
  4. 頸部リンパ節転移を生じやすく、無痛性の徐々に増大する頸部腫瘤で発症する事がある

などの特徴があります。

アルコール→アルコール脱水素酵素によりアセトアルデヒド(発癌因子)→2 型アルデヒド脱水素酵素により無毒な酢酸(要するに酢)へ代謝されます。日本人の30~40%は2 型アルデヒド脱水素酵素の活性が低く(ヘテロ欠損型)、酒に弱いだけでなく、喫煙との相乗効果で口腔、咽頭、食道の発癌リスクが高くなります。

下咽頭癌

下咽頭癌の治療は、

  1. 抗がん剤の化学療法
  2. 放射線療法
  3. 手術摘出;喉頭を合併切除する事もある

の単独か併用。

下咽頭癌の甲状腺転移

下咽頭癌は進行すると、隣接する甲状腺、甲状軟骨,輪状軟骨,舌骨,食道,頸部正中軟部組織に浸潤します。

全喉頭切除術を受けた喉頭がん・下咽頭癌(ともに扁平上皮癌)で、17.3%が甲状腺全摘出術となり、5.3%が甲状腺への浸潤を認めたそうです。(Eur Arch Otorhinolaryngol. 2016 Feb;273(2):511-5.)

(Yonsei Med J. 2015 May;56(3):812-8.)

下咽頭癌 甲状腺浸潤

下咽頭癌の甲状腺・甲状軟骨浸潤 造影CT画像(Yonsei Med J. 2015 May;56(3):812-8.)

甲状腺乳頭癌の下咽頭転移

甲状腺乳頭癌は、下咽頭に転移することがあります。(Balkan Med J. 2014 Jun;31(2):177-9.)

甲状腺乳頭癌の下咽頭転移

甲状腺関連の上記以外の検査・治療  長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,天王寺区,東大阪市も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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