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抗リン脂質抗体症候群   [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:専門の検査治療/知見③甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)院長が海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

抗リン脂質抗体症候群

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編   内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等 をクリックください

甲状腺が原因の不妊治療目的で長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される女性の中には、同時に抗リン脂質抗体症候群の治療を他院で受けておられる方がいます。長崎甲状腺クリニック(大阪)で抗リン脂質抗体症候群の治療はできませんが、甲状腺を治療しても不妊が解決しない場合、抗リン脂質抗体症候群を疑い、抗カルジオリピン・β2GPI複合体抗体を測定すべきでしょう。

長崎甲状腺クリニック(大阪)では抗リン脂質抗体症候群の治療は行っておりません。

Summary

血栓症繰り返す抗脂質抗体症候群は脳梗塞、心筋梗塞、網状皮斑、肺梗塞、下肢深部静脈血栓症、腎梗塞、胎盤血栓;習慣性流産おこす。甲状腺、特に橋本病/甲状腺機能低下症が原因の不妊治療で長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される女性には抗リン脂質抗体症候群治療を他院で受けている方もある。バセドウ病/甲状腺機能亢進症は凝固活性亢進、線溶系低下にて血栓を作り易い。抗リン脂質抗体症候群合併多く、高率に血栓症。APTT延長、抗カルジオリピンβ2グリコプロテイン 複合体抗体、抗プロトロンビン抗体陽性。治療はワーファリン、妊娠中はアスピリンとヘパリン連日皮下注。

Keywords

血栓症,抗脂質抗体症候群,甲状腺,下肢深部静脈血栓症,習慣性流産,橋本病,甲状腺機能低下症,バセドウ病,甲状腺機能亢進症,抗カルジオリピンβ2グリコプロテイン 複合体抗体

血栓症を繰り返す抗リン脂質抗体症候群

抗リン脂質抗体症候群とは

抗リン脂質抗体症候群は、自己免疫抗体の一つ、抗リン脂質抗習慣性流産、全身の動静脈血栓症、血小板減少症などを起こすものです。他の自己免疫疾患を高率に合併します。

抗リン脂質抗体症候群

抗リン脂質抗体は、動・静脈血栓症

  1. 脳梗塞、心筋梗塞
  2. 血栓性微小血管障害(TMA)
  3. 皮膚の末梢循環障害による網状皮斑
  4. 肺梗塞、下肢深部静脈血栓症、腎梗塞
  5. 胎盤血栓;習慣性流産
  6. 出血・血栓症を繰り返す場合もあります

をおこします。若くて動脈硬化がないのに脳梗塞、心筋梗塞をおこせば抗リン脂質抗体症候群の可能性あります。

シェーグレン症候群・SLE(全身性エリテマトーデス)など膠原病、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)に合併します。職場の検診で甲状腺腫(甲状腺の腫れ)が良く見つかりますが、梅毒反応(RPR法)陽性・TPHA陰性の生物学的偽陽性で抗リン脂質抗体症候群も見つかります。梅毒反応(RPR法)・TPHAともに陽性なら本当に梅毒です。

  • リン脂質を介する凝固反応を阻害するため活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)延長、血小板数が正常か減少。クロスミキシング試験陽性。
  • 抗リン脂質抗体⇒抗カルジオリピンβ2グリコプロテイン 複合体抗体(3カ月間隔で2回陽性なら確定)、最近は抗プロトロンビン抗体が新たに発見されています。

無症状でも脳MRIで無症候性脳梗塞(ラクナ梗塞)あれば治療必要です。ワーファリン使用しますが、妊娠中はアスピリンとヘパリン連日皮下注が考慮されます。

バセドウ病/甲状腺機能亢進症の合併

バセドウ病/甲状腺機能亢進症では凝固活性が亢進し、血栓を分解するための線溶系が低下しているため、血栓を作り易いとされます。 (J Endocrinol Invest 25: 345–350, 2002)(J Clin Endocrinol Metab 92: 3006–3012, 2007)

同時に、抗リン脂質抗体症候群の合併が多く(Eur. J. Endocrinol., 136: 1-7, 1997.)、両者の合併は高率に血栓症を起こします。

橋本病と抗リン脂質抗体症候群の合併 

橋本病と抗リン脂質抗体症候群の合併は、高頻度に起こりそうなものであるが、意外にも報告例は少ない。 甲状腺、特に橋本病/甲状腺機能低下症が原因の不妊治療で長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される女性には、抗リン脂質抗体症候群治療を他院で受けている方もあるので、決して少ない訳ではありません。

抗リン脂質抗体関連血小板減少症

血小板減少は軽症が多いですが、重症の血小板減少では血栓症・出血両方おこし副腎皮質ステロイド投与になります。非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の病態です。

副腎梗塞 

副腎梗塞と梗塞性出血による急性副腎不全(副腎クリーゼ)の報告もある。約2割が全身性エ リテマ トー デス(SLE)を合 併、約5割が肺梗塞・脳梗塞・深部静脈血症などを合併(J. Rheumatol., 16: 378-380, 1989.)。

腎梗塞

血栓性腎梗塞の腎機能は改善すること多く、(大動脈解離では改善せず)背部痛で発症すること多い。

肺血栓塞栓症

肺血栓塞栓症 造影CT画像

エコノミークラス症候群として有名ですが抗リン脂質抗体症候群でもおこります。肺血栓塞栓症は甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺クリーゼの原因になります。甲状腺機能亢進症/バセドウ病は血管内皮障害により肺血栓塞栓症の原因になります。

突然の胸痛・呼吸困難(頻呼吸による呼吸性アルカローシス)で発症。

聴診で肺動脈弁が閉じるⅡ音増強、血中Dダイマー上昇、胸部X線で肺野透過性亢進、心電図(右側胸部誘導の陰性T波、肺性P) 、心エコー(肺高血圧・心室中隔奇異性運動)、胸部造影CTでほぼ確定。

抗凝固療法(ヘパリン持続点滴後ワーファリンに切り替え)おこないますが、血圧低下・右心不全・粗大血栓にはモンテプラーゼ(tPA)で血栓溶解療法、心停止などではカテーテル血栓摘除術・外科的血栓内膜摘除術行います。

下肢静脈に血栓が残り2回目、3回目をおこす可能性あると下大静脈フィルターを設置します。

大腸静脈血栓

大腸静脈血栓ができると、静脈がうっ血し、大腸潰瘍が多発。内視鏡では診断できず、潰瘍性大腸炎と間違えることあります。[潰瘍性大腸炎も自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)に合併します]

胎盤血栓、胎盤梗塞で習慣性流産・子宮内胎児死亡

抗リン脂質抗体症候群は、胎盤血栓を形成、胎盤梗塞を起こします。胎児に血液供給途絶え、反復性の流産・子宮内胎児死亡に至ります。抗リン脂質抗体が原因の習慣性流産・死産は約4.5%と言われます。

妊娠した場合の抗リン脂質抗体症候群の治療

抗リン脂質抗体症候群の治療

抗リン脂質抗体症候群の治療は抗凝固療法で、北海道大学大学院医学研究科 免疫・代謝内科学で採用されている方法を紹介させていただくと、

静脈血栓症で発症した場合

  1. ワーファリンが第一選択(PT-INR 2.0~2.5,D-dimer陰性が目標)
  2. 動脈血栓のリスクがあれば低用量アスピリン(バイアスピリン®100mg/日またはバファリン®81mg/日)の併用

動脈血栓症で発症した場合

  1. 血小板凝集抑制薬を単剤または併用:シロスタゾール(プレタール®)200 mg/日,クロピトグレル(プラ ビックス®)50~75 mg/日,低用量アスピリン(バイアスピリン®100mg/日またはバファリン®81mg/日)
    ラクナ梗塞の場合はシロスタゾール単剤が第一選択、それ以外はいずれか単剤もしくは2剤併

動静脈両者の血栓症の場合、血小板凝集抑制薬のみで動脈血栓症再発した場合、トロンビン生成マーカー高値の場合

動脈血栓症に血小板凝集抑制薬 + ワーファリンの併用(PT-INR 2.0~2.5,D-dimer陰性が目標)

(日本内科学会雑誌 104(3) 513-518)

妊娠中の抗リン脂質抗体症候群(抗リン脂質抗体症候群合併妊娠)の治療

妊娠中抗リン脂質抗体症候群抗リン脂質抗体症候群合併妊娠)の治療は、

  1. ワルファリンは分子量が小さく(346)、胎盤通過性が高く、催奇形性(胎児に奇形)が高いので使用しない
  2. ヘパリンは分子量が大きく(5,000〜30,000)、胎盤を通過しにくいので、ヘパリン自己注を行う
  3. 抗リン脂質抗体症候群の原因となる膠原病等の治療薬、ステロイド剤;プレドニゾロンは分子量が小さい(360)が、胎盤で代謝され、胎盤を通過しにくく胎児移行は約10%

具体的な方法は、

  1. 排卵後、高温期に入ったら低用量アスピリン(バイアスピリン®100mg/日またはバファリン®81mg/日)を開始し妊娠35週まで継続
  2. 超音波検査で胎嚢が確認されたらヘパリンカルシウム(ヘパリンカルシウムシリンジ、またはカプロシン®皮下注用5000単位×2回/日皮下注射)併用。一日2回、12時間ごとに自己注射

ヘパリンカルシウムの副作用

妊娠中のヘパリンの副作用には甲状腺専門医も肝を冷やします。甲状腺専門医が治療していると言う事は、

  1. 甲状腺機能亢進症/バセドウ病で抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)飲んでいる妊婦か
  2. 甲状腺機能低下症で、チラーヂンSを飲んでいる妊婦

のいずれかで、全ての薬が肝臓障害、抗甲状腺薬で血小板減少など起こす可能性があり、ヘパリンの副作用と区別しにくい事あります。

  1. ショック、アナフィラキシー
  2. 効き過ぎて出血
  3. ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
  4. 肝障害;肝酵素(AST、ALTなど)上昇、多くは一過性で投与開始後1カ月ほどで安定化。 

甲状腺関連の上記以外の検査・治療        長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)

甲状腺(橋本病,バセドウ病,甲状腺エコー等)専門医・動脈硬化・内分泌・糖尿病の長崎クリニック(大阪市東住吉区)(近く に平野区、住吉区、阿倍野区、松原市)
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]・動脈硬化・内分泌の大阪市東住吉区のクリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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