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子宮卵管造影検査と甲状腺    [日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 内分泌 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。子宮卵管造影検査は行っておりません。産婦人科を受診ください。

Summary

不妊症の最大の原因は卵管狭窄で子宮卵管造影検査(HSG)は必須。HSG後に妊娠率上昇し不妊治療的な効果もあるが、使用するヨード造影剤は2.4-4.8gの異常量のヨード(ヨウ素)を含む。水溶性ヨード造影剤のイソビスト®(イオトロラン)は体内に蓄積せず、最小限の影響で済み、甲状腺の病気(特に橋本病/甲状腺機能低下症)の女性にお勧め。油性ヨード造影剤のリピオドール®(ヨード化ケシ油脂肪酸エステル)は高ヨウ素血症が1カ月後にピーク、1年以上続き、甲状腺機能低下症が2-3カ月後におこり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)上昇が6カ月後まで、甲状腺腫が1年以上続く。

Keywords

不妊症,子宮卵管造影,甲状腺,橋本病,甲状腺機能低下症,甲状腺ホルモン,TSH,ヨード造影剤,HSG,水溶性,油性

子宮卵管造影検査と甲状腺 

不妊症の原因で最も多い(約20~30%)のは卵管因子(卵管の通りが悪い)です。STD(Sexually transmitted disease; 性行為感染症)による外性器からの上行性感染症や子宮内膜症などで卵管狭窄が起こります。

そのため子宮卵管造影検査(Hysterosalpingography:HSG)は避けて通れません。子宮卵管造影検査後に妊娠率が上昇するため、不妊治療的な効果もあります。一方で、子宮卵管造影検査はヨード造影剤を使用するので、甲状腺妊娠、胎児への影響があります。

子宮卵管造影検査(HSG)に用いるヨード造影剤は、1回の検査で2.4-4.8g(2400-4800mg)の異常な量のヨード(ヨウ素)を含んでいます[コンブ出汁200ml(みそ汁1杯)でヨード(ヨウ素)3mg]。

水溶性ヨード造影剤のイソビスト®(イオトロラン)は、ヨード含有量少なく、体内に蓄積せず、最小限の影響で済むため、甲状腺の病気を持つ(特に橋本病/甲状腺機能低下症)女性にお勧めです。(残念な事に水溶性ヨード造影剤を使う不妊治療クリニックは極少数です)

長崎甲状腺クリニック(大阪)では水溶性ヨード造影剤を使用された場合、1か月後の甲状腺機能を調べます。

一方、大多数の不妊治療クリニックで使用され、より妊娠率が高い油性ヨード造影剤のリピオドール®(ヨード化ケシ油脂肪酸エステル)は、甲状腺と無関係の不妊女性に投与した場合でも、

  1. 高ヨウ素血症が1カ月後にピークになり、1年以上続く
  2. 甲状腺機能低下症が2-3カ月後におこり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)上昇が6カ月後まで続く
  3. 1年以上の甲状腺腫(甲状腺の腫れ)を認める

ため、せっかく妊娠しても流産率が高くなり、無事出産しても子供の脳のIQ(知能指数)が低くなる危険性があります。(ただし、この事を知っている産婦人科医が甲状腺専門医を紹介し、出産まで適切なコントロールをした場合は問題ありません)

油性ヨード造影剤で胎児甲状腺腫

油性ヨード造影剤使用後すぐ妊娠すると、例え母体の甲状腺機能正常でも、胎児甲状腺腫がおこる事があります(胎児の甲状腺が働き出す妊娠20週以降におこります)。前述の通り、2-3カ月後に母体の甲状腺機能低下症がおこり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)上昇が6カ月後まで続くためです。

胎児甲状腺腫は、

  1. 胎児の嚥下障害(羊水を飲み込めない)による羊水過多で早産
  2. 分娩時の回旋異常・気道閉塞(窒息)

をおこします。羊水過多を認めた場合、母体の甲状腺機能正常でも、

  1. 超音波(エコー)検査で胎児の甲状腺サイズを測定し、胎児甲状腺腫を確認
  2. 胎児甲状腺腫を認めた場合、可能なら羊水中の甲状腺ホルモン濃度を測定
  3. 可能なら母体の尿中総ヨウ素(ヨード)濃度を測定

必要に応じて甲状腺ホルモン剤(チラーヂン)補充の可否を検討

恐ろしや、子宮内膜症手術後、油性卵管造影剤使用で甲状腺機能低下症妊娠に

子宮内膜症手術後、術後癒着により一方、もしくは両方の卵管が不完全閉塞した状態で、油性卵管造影剤を使用すると、卵管内に造影剤が残ります。

油性造影剤は簡単に溶けないため、造影剤成分のヨウ素(ヨード)が大量に放出され続けます。この状態で、人工授精、体外受精を行い妊娠した場合、ヨウ素(ヨード)による甲状腺ホルモン合成障害がおこり甲状腺機能低下症妊娠となります。そして、出産後まで続きます。

報告では、5年前に子宮内膜症手術を受けていてる女性。不妊検査で子宮卵管造影(HSG)を行い、11日後に人工受精して妊娠妊娠27週に胎児甲状腺腫、TSH 5.55μU/ml、ヨウ素(ヨード)過剰摂取もないのに尿中ヨウ素(ヨード)(UI)は分娩まで7280-18400μg/ gCrと高値。ヨウ素(ヨード)制限食を指導、甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)を200μgまで漸増し、母体の甲状腺機能は改善した。しかし、妊娠32週に臍帯血のTSH 100.0 μIU/mlでチラーヂンS羊水内注入開始(荒技やな)。胎児甲状腺腫は縮小傾向も、経腟分娩困難にて妊娠37週に帝王切開。分娩後の単純レントゲン撮影で卵管に造影剤が残っているのが確認されたそうです。 

臍帯血採血

油性ヨード造影剤による有痛性甲状腺炎(橋本病急性増悪)

油性ヨード造影剤で有痛性甲状腺炎橋本病急性増悪)をおこす可能性があります。報告例は、油性ヨード造影剤使用後3ヶ月で発症し、ステロイドで劇的に改善(Nihon Naibunpi Gakkai Zasshi. 1992 Oct 20;68(10):1089-95.)。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療    長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区,浪速区,生野区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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