甲状腺機能低下症と腹部大動脈瘤(AAA:トリプルA),胸部大動脈瘤,甲状腺動脈瘤破裂,仮性動脈瘤,感染性仮性動脈瘤[長崎甲状腺クリニック 大阪]
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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門・動脈硬化の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。
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甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝に御用の方は 甲状腺編 動脈硬化編 甲状腺以外のホルモンの病気(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊など) 糖尿病編 をクリックください。
甲状腺機能低下症/潜在性甲状腺機能低下症/橋本病では動脈硬化が進行し、狭心症/心筋梗塞の発症率が上がります。甲状腺ホルモン剤[レボチロキシン(チラーヂンS)]で治療すれば、血管年齢など動脈硬化が改善することを、私、長崎俊樹が医学界で初めて証明しました(甲状腺と動脈硬化 )。
動脈硬化が原因でおこる腹部大動脈瘤、甲状腺動脈瘤を以下に解説します。
Summary
甲状腺機能低下症などにより動脈硬化が進行して腹部大動脈瘤(AAA:トリプルA)が発生。甲状腺機能低下症では、大動脈壁のプロテオグリカン代謝に異常が起こり、大動脈壁の脆弱化と胸部大動脈径の拡大を来たす。甲状腺動脈瘤では血栓塞栓症をおこさず、高率に破裂(下甲状腺動脈瘤 58.3%、上甲状腺動脈瘤 25%)。大きさと破裂の有無は関連しない。破裂瘤の20%は死亡するため、無症候性でもコイル塞栓術、外科的切除の適応。穿刺吸引細胞診時・甲状腺癌術後の仮性動脈瘤・急性化膿性甲状腺炎に伴う感染性仮性動脈瘤もある。
Keywords
甲状腺機能低下症,腹部大動脈瘤,トリプルA,胸部大動脈瘤,甲状腺動脈瘤,破裂,下甲状腺動脈瘤,上甲状腺動脈瘤,仮性動脈瘤,感染性仮性動脈瘤
甲状腺機能低下症、高血圧、高脂血症、喫煙、糖尿病などにより動脈硬化が進行してできる腹部大動脈瘤(AAA:トリプルA、abdominal aortic aneurysm)は、大部分が無症状であり、検診や他の疾患の検査中に発見されることが多い。
甲状腺機能低下症では、大動脈壁のプロテオグリカン代謝に異常が起こり、大動脈壁の脆弱化を来します[JVS-Vascular Insights Volume 3, 2025, 100246]。
腹部大動脈瘤(AAA)は破裂した時、破裂が差し迫った切迫破裂の場合に、腹痛や腰痛を訴えることがあります。
腹部大動脈瘤(AAA)が破裂すると突然死に至ります(致死率は80-90%)。腹部大動脈瘤(AAA)は4cmを超えると破裂、出血のリスクが高くなり、5cm以上になるとかなり危険な状態です。
腹部大動脈瘤(AAA)からの動脈性出血では出血性ショックに至ります。鑑別を要する病気のほとんどが痛みのために血圧上昇しますが、腹部大動脈瘤破裂は、逆に血圧が低下し、急激な貧血の進行を伴うショックバイタルとなります(ここで気付けば上等)。
腹部大動脈瘤破裂が始まれば致死率は80-90%になります。
腹部大動脈瘤(AAA)があれば、周囲の動脈、特に腸骨動脈にも同じような動脈瘤が存在する可能性があります。これらはステントを留置するカテーテル手術の適応となります。
胸部大動脈瘤が反回神経を圧迫すると、甲状腺癌、肺癌、食道癌と同じように反回神経麻痺を引き起こします。
喉(のど)の違和感、唾液や食物が喉(のど)に引っかかる感じにて、甲状腺疾患を疑い、甲状腺専門医を受診する場合があります[喉(のど)の違和感、喉(のど)に引っかかる感じ、甲状腺それとも?]。
胸部下行大動脈の手術で、最も注意すべき合併症は脊髄梗塞です。脊髄を栄養する前・後脊髄動脈が大動脈から出ているためです。
甲状腺機能低下症では、大動脈壁のプロテオグリカン代謝に異常が起こり、大動脈壁の脆弱化と胸部大動脈径の拡大を来します[JVS-Vascular Insights Volume 3, 2025, 100246]。
- 甲状腺機能低下症の合併率が高いとされる巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)
- 大動脈炎症候群(高安動脈炎、脈なし病)
でも、大動脈瘤破裂、大動脈解離を生じます。
大動脈留だけではありません。動脈硬化による動脈瘤は、甲状腺を栄養する動脈にも起こります(日血外会誌 15:517-519,2006)。上甲状腺動脈瘤・下甲状腺動脈瘤は、これまでに40例未満の報告しかありません。大きさは0.8~6.2cmと様々で、大きさと破裂の有無とは関連しません。
甲状腺動脈瘤以外の末梢動脈瘤は、血栓塞栓症が多く、破裂は稀とされます。しかし、甲状腺動脈瘤で血栓塞栓症をおこした報告はありません。甲状腺動脈瘤の報告における破裂の割合は、下甲状腺動脈瘤 58.3%、上甲状腺動脈瘤 25%で破裂瘤の20%は死亡しています。
甲状腺動脈瘤で破裂が多いメカニズムは不明です。 破裂前に見つけて無症候性(症状が無い)でもコイル塞栓術、あるいは外科的切除(甲状腺の同時部分切除も)を早急に行う必要があります(内分泌甲状腺外会誌 31(3):243-246,2014)。元々、甲状腺手術予定があるなら、同時切除もあり得ます。
甲状腺動脈瘤が破裂した場合、
- 痛みを伴う急速な頚部腫大(頸部血腫)
- 気管圧迫による著明な呼吸困難
- アッと言う間に失血性ショック
破裂時の治療は、
- 気管内挿管、挿管できない程の気管圧排なら輪状甲状間膜切開
- ドレナージ
- コイル塞栓術、あるいは外科的切除(甲状腺の同時部分切除もあり)を早急に行う必要があります
甲状腺結節・甲状腺腫瘍を穿刺吸引細胞診する際、甲状腺動脈の外膜を傷付けて仮性動脈瘤を生じる事があります。動脈硬化した硬くて脆い所が動脈瘤に成り易いとされます。
破裂すると命にかかわるため、コイル塞栓術あるいは外科的切除(甲状腺の同時部分切除もあり)を早急に行う必要があります。[J Ultrasound Med. 2004 Dec;23(12):1675-8.]
外傷性頸部動脈瘤(頚部仮性動脈瘤)・甲状腺癌術後の頸横動脈仮性動脈瘤・急性化膿性甲状腺炎に伴う感染性仮性動脈瘤もあります。
IgG4関連疾患の一つとして、炎症性大動脈瘤があります。
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
- 甲状腺編
- 甲状腺編 part2
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長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。







