甲状腺と体臭症、発汗,エクリン汗腺,アポクリン汗腺[橋本病 バセドウ病 甲状腺機能亢進症 甲状腺機能低下症 長崎甲状腺クリニック 大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外(Pub Med)・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科(内分泌骨リ科)で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。
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長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門医ですので、体臭症自体の治療を行っておりません。
Summary
甲状腺機能亢進症/バセドウ病では過剰な甲状腺ホルモン作用により新陳代謝が活発になって、発汗や皮脂分泌が亢進。これらが皮膚常在菌により酸化・分解され揮発性の不快な体臭を発す。温熱性発汗・精神性発汗は主にエクリン汗腺、アポクリン発汗も精神性発汗でアポクリン汗腺による。毎日、風呂に入って石鹸で体を洗い、シャンプーで洗髪。治療により甲状腺機能正常化すれば、発汗の程度は正常人と同じに。甲状腺機能低下症/橋本病では便秘による便の腐敗臭がする事も。甲状腺ホルモンが正常化し便秘が解消すれば解決。糖尿病では臭甘酸っぱい独特な体臭(ケトン臭)。
Keywords
甲状腺機能亢進症,バセドウ病,発汗,皮脂,体臭,エクリン汗腺,アポクリン汗腺,甲状腺機能低下症,橋本病,便秘
甲状腺機能亢進症/バセドウ病では過剰な甲状腺ホルモンによって新陳代謝が活発になり、発汗や皮脂分泌が亢進。分泌された皮脂や汗は皮膚常在菌により酸化、分解されて揮発性の不快臭を発し、体臭の原因になります。。
甲状腺機能亢進症/バセドウ病の発汗は、
- 温熱性発汗(主にエクリン汗腺);異常な新陳代謝による体温上昇に対して視床下部の発汗中枢が作動
- 精神性発汗(主にエクリン汗腺);過剰な甲状腺ホルモン作用で精神状態不安定になり、大脳前頭葉の精神性発汗中枢が作動。手掌、足底、前額、腋窩より発汗。
- アポクリン発汗(アポクリン汗腺);アポクリン汗腺は、毛、脂腺と同じく毛芽より発生。哺乳類の芳香腺の退化したもの。腋窩(ひどい場合、腋臭・わきが)、乳輪、臍囲、肛囲、外陰、会陰に存在。出生後一時退化し、思春期に性ホルモンの影響で再び発達。情緒刺激で発汗し、精神性発汗。
甲状腺機能亢進症/バセドウ病の人は、毎日、お風呂に入って石鹸で体を洗い、シャンプーで洗髪しましょう。
治療により、甲状腺機能が正常化すると、発汗の程度は正常人と同じになります。それでも発汗が多いなら、甲状腺以外の病気が隠れている可能性があります。
寝汗は甲状腺機能亢進症/バセドウ病の兆候
部屋が暑い訳でも、布団が厚すぎる訳でもないのに、朝起きたら汗だくになっている(寝汗、盗汗)事があれば、甲状腺機能亢進症/バセドウ病を疑いましょう。
寝汗、盗汗の原因は甲状腺機能亢進症/バセドウ病だけではなく、
- 肥満[閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)、肥満低換気症候群(ピックウイック症候群)]
- 感染症(結核など)
- 更年期症候群
- 悪夢をみる精神神経疾患
- 自律神経失調症
などがあります。
甲状腺機能低下症/橋本病では、便秘によリ便の腐敗臭がする事があります。甲状腺ホルモンが正常化し、便秘が解消すれば解決します。
糖尿病では、糖が有効に燃焼できないため、代わりに脂肪・蛋白が分解されケトン体が生成されます。これが、果実の様な臭甘酸っぱい独特な体臭(ケトン臭、アセトン臭)の原因になります。
糖尿病がとことん悪くなり、ケトン体が生成され過ぎると、血液が酸性に傾き、
- ケトン臭、アセトン臭が非常に強く
- 吐き気
- 過呼吸(CO2を吐き出し、血液の酸性度を下げようとする)
になります(命の危険:糖尿病性ケトアシドーシス(DKA) )。
トリメチルアミン尿症(魚臭症候群);魚のような臭いのトリメチルアミンを分解する酵素が生まれつき弱い場合に起きます。予防は海の魚、タコ・イカ、甲殻類を避ける。川魚には元になるトリメチルアミンオキシドは少ないため、アユなど川魚を増やす。そんなこと言っても、アユ、ワカサギなんて季節ものなので、年中、売っとらんわ。
加齢臭、アルデヒド臭は、ノネナールと言う不飽和アルデヒドによるもので、皮脂の酸化で発生します。
酸化を抑えるビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、コエンザイムQ10はノネナールの発生を減少させますが、消すわけではありません。毎日、お風呂に入って石鹸で体を洗い、シャンプーで洗髪するのが、最も有効な治療。
橋本病(慢性甲状腺炎)と鑑別を要する淋菌性咽頭炎・クラミジア咽頭炎
橋本病(慢性甲状腺炎)と鑑別を要する淋菌性咽頭炎・クラミジア咽頭炎 も口臭がひどくなります。
口内の雑菌繁殖は口臭の原因になります。口の中は唾液の殺菌作用で雑菌の増殖が抑えられ、口臭が発生しにくくなっています。しかし、唾液の分泌量が減少する、唾液の糖分が多くなると、雑菌繁殖し口臭が発生しやすくなります。特に睡眠中は唾液の分泌量が減少するため、朝起きたときも口臭が強くなります。
- 橋本病(慢性甲状腺炎)合併シェーグレン症候群(ドライアイ,口内乾燥)
- 抗コリン作用を有する精神科の薬を常用
- 糖尿病
が代表的な病気です。
大量の香辛料、唐辛子、ニンニクなどを含むエスニック系の食事が日常の人は、独特の臭いがする場合があります。かならずしも臭い訳ではありませんが、国や民族の違いなので仕方ないでしょう。
自臭症(自己臭恐怖)は、他者が気づかない程の自己臭が気になる精神神経科の病気です。「自分は臭い」「自分の臭さに他人が気にして避けている」という強迫感を抱く強迫性障害です。
自臭症(自己臭恐怖)は精神的に不安定な思春期、青年期に多い思春期妄想症の一つです。
心療内科や精神神経科などで適切に治療されないと、人との接触を避け、引きこもりや不登校になったり、自殺企図を起こす場合もあります。
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
- 甲状腺編
- 甲状腺編 part2
- 内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等
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長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,天王寺区,東大阪市,生野区,浪速区も近く。