甲状腺と体質性黄疸,ジルベール症候群(Gilbert症候群:ギルバート症候群),ビリルビン,肝内胆管減少症[橋本病 バセドウ病 長崎甲状腺クリニック 大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学(現、大阪公立大学) 代謝内分泌内科(内分泌骨リ科)で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会 年次学術集会で入手した知見です。
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[ジルベール症候群(Gilbert症候群:ギルバート症候群) Medzzyより改変]
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Summary
体質性黄疸 ジルベール症候群(Gilbert症候群:ギルバート症候群)では関接ビリルビンが増加。甲状腺機能亢進症/バセドウ病、橋本病 、甲状腺乳頭癌の発症に酸化ストレスが関与するため、抗酸化作用を有するビリルビンが影響を及ぼす可能性あり。糖尿病患者では糖尿病3大合併症の罹患率が低くなる。抗甲状腺薬メチマゾール(メルカゾール)投薬後に顕在化する可能性(メチマゾール誘発性胆汁うっ滞)。二次性肝内胆管減少症の原因は甲状腺機能低下症、下垂体前葉機能低下症(中枢性甲状腺機能低下症含む)、妊婦感染、染色体異常[ダウン症候群、ターナー症候群]。
Keywords
体質性黄疸,ジルベール症候群,Gilbert症候群,甲状腺機能亢進症,バセドウ病,橋本病,甲状腺,ギルバート症候群,ビリルビン,肝内胆管減少症
甲状腺と体質性黄疸,ジルベール症候群(Gilbert症候群:ギルバート症候群),ビリルビン
長崎甲状腺クリニック(大阪)では甲状腺機能亢進症/バセドウ病、甲状腺機能低下症を問わず、薬剤性肝障害を警戒して、甲状腺ホルモンと肝臓の数値を同時に調べます。その際、総ビリルビン値だけ高い方が、かなりの頻度でおられます。これは体質性黄疸と呼ばれるもので、病気であって病気でなく、もちろん甲状腺治療薬の副作用でもありません。
ジルベール症候群(Gilbert症候群:ギルバート症候群):日本人の約5%に認められ、10歳代で発症する体質性黄疸(病気であって病気ではありません)。UGT1A1[肝臓におけるUDP(ウリジン二リン酸)グルクロン酸転移酵素の1つ]活性の低下が原因です。
UGT1A1は、肝臓における甲状腺ホルモンのグルクロン酸抱合に関与し、rT3(リバースT3)が優先基質です[J Clin Endocrinol Metab. 2000 Aug;85(8):2879-83.]。
ジルベール症候群(Gilbert症候群:ギルバート症候群)は、感染、ストレス、絶食で増悪し、関接ビリルビンが増加。低カロリー食試験、ニコチン酸負荷試験で血清ビリルビン値が上昇します。
動脈硬化・糖尿病合併症には酸化ストレスが大きく関与します。血清ビリルビンは抗酸化作用を有し、体質性黄疸を示すジルベール症候群合併糖尿病患者では糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、糖尿病性心血管疾患の罹患率が低いとされます。[Front Pharmacol. 2021 Mar 12;12:646953.][Diabetes Metab. 2016 Dec;42(6):389-397.][Biomed Environ Sci. 2021 Aug 20;34(8):632-636.]
もともと甲状腺内には、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)・DUOX2(Thyroid oxidase 2)など酸化酵素が豊富で、酸化・抗酸化のバランスが崩れると細胞障害を起こしやすい環境です。甲状腺機能亢進症/バセドウ病、橋本病、甲状腺乳頭癌の発症に酸化ストレスが関与するため、抗酸化作用を有するビリルビンが甲状腺の病気に影響を及ぼす可能性はあると思います。[甲状腺と活性酸素とSOD(スーパーオキサイド・ディスムターゼ)]
クリグラー・ナジャー症候群(Crigler-Najjar症候群)も、間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症を呈する体質性黄疸です。発症年齢は1歳以内で、重度の黄疸を引き起こす(血清ビリルビン値は6 mg/dL 以上に達することが多い)。他の体質性黄疸と異なり、脳に障害を来す(核黄疸、ビリルビン脳症)。
成人の肝内胆管減少症 単純CT画像 [J. Clin. Med. 2022, 11(12), 3253]
乳児期に黄疸、皮膚掻痒感、肝腫大、白色便、体重増加不良が起きる原因として肝内胆管減少症(vanishing bile duct syndrome)があります。その名の通り、肝臓内胆管が減る病気です。血液検査では、総ビリルビン、直接ビリルビン、AST/ALT、総胆汁酸などが上昇。
原因不明の肝内胆管減少症は、非症候性肝内胆管減少症と呼ばれます。原因のはっきりした二次性肝内胆管減少症は
- 甲状腺機能低下症
- 下垂体前葉機能低下症(中枢性甲状腺機能低下症 含む)
- 妊婦感染・先天性感染症(サイトメガロウイルス、風疹、B型肝炎ウイルス、梅毒)
- 染色体異常[ダウン症候群(Down症候群:21トリソミー)、ターナー症候群]
などがあり、成人にも発症します。中枢性甲状腺機能低下症などを除く(甲状腺自体が原因の)原発性甲状腺機能低下症は、新生児マススクリーニングで見つかります。
甲状腺機能低下症、下垂体前葉機能低下症(中枢性甲状腺機能低下症含む)でホルモン補充療法を行うのは当然として、肝内胆管減少症の治療は、
- 胆汁排泄を促すウルソデオキシコール酸、フェノバルビタール
- 痒みにコレスチラミン
- 脂肪吸収不全に対しては脂溶性ビタミン(ビタミンA, D, E, K)補充、MCTミルク
- 重症例では肝移植
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区、住吉区、阿倍野区、住之江区、松原市、生野区、天王寺区も近く、堺市、羽曳野市、八尾市、東大阪市、生野区、浪速区も圏内。



