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甲状腺と気胸  [日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波(エコー)検査 内分泌 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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内分泌代謝(副甲状腺・副腎・下垂体)専門の検査/治療/知見 長崎甲状腺クリニック(大阪)

リンパ脈管筋腫症(LAM)

甲状腺専門内分泌代謝長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学講座で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。

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長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。気胸の診療は行っておりません。

Summary

リンパ脈管筋腫症(LAM)はTSC1,2遺伝子異常でLAM細胞が出現。妊娠出産や女性ホルモン(経口避妊薬等のエストロゲン製剤)で悪化。肺のう胞で閉塞性換気障害・気胸・乳び胸水、腎臓血管筋脂肪腫、結節性硬化症合併。Birt-Hogg-Dube (BHD) 症候群(バート・ホッグ・デュベ症候群)は遺伝性に肺嚢胞・気胸、多発性両側性腎癌、甲状腺、副甲状腺腺腫と関連。肺ランゲルハンス細胞組織球症(肺好酸球性肉芽腫症)は喫煙と関係し肺嚢胞・気胸、視床下部・下垂体浸潤尿崩症、眼球突出、甲状腺浸潤し甲状腺腫大、甲状腺機能低下症(甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症)。

Keywords

リンパ脈管筋腫症,LAM,女性ホルモン,肺のう胞,気胸,Birt-Hogg-Dube 症候群,バート・ホッグ・デュベ症候群,甲状腺,肺ランゲルハンス細胞組織球症,肺好酸球性肉芽腫症

妊娠、出産や女性ホルモン(経口避妊薬等のエストロゲン製剤)が関与?リンパ脈管筋腫症(LAM)

リンパ脈管筋腫症(LAM)はTSC1,2遺伝子異常で、過剰な増殖能力をもつLAM細胞が出現すると考えられます。妊娠出産女性ホルモン(経口避妊薬等のエストロゲン製剤)服用で悪化します。LAM細胞が両側の肺に増殖、のう胞が多数生じ、肺拡散能の低下/閉塞性換気障害・気胸・乳び胸水(乳び漏)起こします。腎臓に血管筋脂肪腫を生じる事、結節性硬化症を合併する事があります。女性ホルモンに対する治療が試みられています。

女性の気胸・閉塞性換気障害はリンパ脈管筋腫症を疑う必要があります。肺嚢胞は小さく、比較的均一なサイズで無数に生じるのが典型的です。似たような病気でBirt-Hogg-Dube 症候群 、ランゲルハンス細胞組織球症があります。

リンパ脈管筋腫症(LAM)

Birt-Hogg-Dube (BHD) 症候群(バート・ホッグ・デュベ症候群)

Birt-Hogg-Dube (BHD) 症候群(バート・ホッグ・デュベ症候群)は、常染色体優性遺伝による17番染色体短腕のfolliculin(FLCN)遺伝子変異です。

バート・ホッグ・デュベ症候群の症状は、

  1. 20代から多発性肺嚢胞・反復性気胸(喫煙と無関係)、肺嚢胞は通常のブラと異なり肺尖部より縦隔側・肺下部の胸膜下に散在。嚢胞壁薄く、いびつな形状、大きさ様々。
  2. 中高年で多発性両側性腎癌
  3. 顔面頭頸部皮疹;線維毛包腫、血管線維腫など
    の3つを特徴とする常染色体優性遺伝病です。

(CT画像 Radiopaediaより)

Birt-Hogg-Dube (BHD) 症候群(バート・ホッグ・デュベ症候群)

大腸、甲状腺、唾液腺腫瘍、副甲状腺腺腫(Int J Dermatol 35(5) : 365-367, 1996)との関連が散発性に報告されますが、関連性はまだ証明されていません。

  1. 甲状腺癌を合併(J Med Genet. 2008 Jun;45(6):321-31.)
  2. 腺腫様甲状腺腫を合併(Australas J Dermatol. 2002 Nov;43(4):301-4.)(Int J Dermatol. 2005 Aug;44(8):668-73.)
  3. 65%に甲状腺のう胞、甲状腺結節を認める(Br J Dermatol. 2010 Mar;162(3):527-37.)

喫煙で尿崩症:肺ランゲルハンス細胞組織球症(肺好酸球性肉芽腫症)

肺ランゲルハンス細胞組織球症(肺好酸球性肉芽腫症)

肺ランゲルハンス細胞組織球症(肺好酸球性肉芽腫症)は、20-40歳位の男女喫煙者に起こる稀な病気です。

細気管支の周囲にランゲルハンス細胞と好酸球が浸潤、粒状の結節を形成、のう胞化し、気胸をおこします。(甲状腺癌肺転移リンパ脈管筋腫症(LAM)Birt-Hogg-Dube 症候群と鑑別)
胸部CTでは両肺に嚢胞性病変が多発。リンパ脈管筋腫症(LAM)より嚢胞壁が厚く、不整形。Birt-Hogg-Dube 症候群と異なり上肺優位に分布。早期は小葉中心性小結節を伴い、経時的に嚢胞に変化。免疫組織染色でCD1a陽性細胞を認めれば確定。

肺ランゲルハンス細胞組織球症(肺好酸球性肉芽腫症)

鞍上部ランゲルハンス細胞組織球症

鞍上部ランゲルハンス細胞組織球症は、視床下部・下垂体病変により尿崩症下垂体前葉機能低下症、眼球突出を合併することがあります。

鞍上部ランゲルハンス細胞組織球症の検査所見は、

  1. 脳MRI;視床下部から下垂体柄にT1、T2で脳実質と同程度、辺縁高信号の腫瘤(Arq Neuropsiquiatr. 2014 Jul;72(7):548-58.)
  2. 脳生検
ランゲルハンス細胞組織球症 脳MRI画像

鞍上部ランゲルハンス細胞組織球症 脳MRI画像

ランゲルハンス細胞組織球症 組織像

鞍上部ランゲルハンス細胞組織球症 組織像(Wikipediaより)

鞍上部ランゲルハンス細胞組織球症の治療は、

  1. 禁煙で軽快
  2. プレドニゾロン;(例)60mg/日から開始、1ケ月頃から腫瘍は縮 小し、1年後に中止((第61回 日本甲状腺学会 O20-5 中枢性尿崩症の経過中に診断された視床下部・下垂体ランゲルハンス組織球症に、無痛性甲状腺炎を発症した1例)

甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症

甲状腺にも浸潤し、甲状腺腫大、甲状腺機能低下症おこす症例も報告されています(甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症)。穿刺細胞診で、甲状腺濾胞上皮は少数、くびれ・しわを有する類~楕円形の核と淡い細胞質を持つ異型細胞が認められます。(第58回 日本甲状腺学会 O-7-4 ランゲルハンス組織球症の浸潤によるびまん性甲状腺腫の1例)

甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症は極めて稀です。甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症肺ランゲルハンス細胞組織球症を同時に認めた3歳女児の報告があります。免疫組織化学染色でCD1a and S-100陽性。(Int J Surg Case Rep. 2019;60:239-243.)

甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症の超音波(エコー)画像は、甲状腺原発悪性リンパ腫、癌性リンパ管炎と同じ見え方です。[上写真 Indian J Nucl Med. 2015 Oct-Dec;30(4):328-30.][下写真 Head Neck Pathol. 2015 Dec;9(4):496-502.]

甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症 超音波(エコー)画像
甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症 超音波(エコー)画像
甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症 細胞診

甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症 細胞診;

  1. 散在性、結合疎
  2. 細胞質が豊富
  3. 核溝のある不整な核

で、あたかも甲状腺髄様癌の様にも見える、形質細胞様の大型腫瘍細胞(Indian J Nucl Med. 2015 Oct-Dec;30(4):328-30.)

甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症 細胞診

(Head Neck Pathol. 2015 Dec;9(4):496-502.)

両方ともBRAF遺伝子変異を伴う甲状腺乳頭癌甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症の合併例の報告があります(BMC Cancer. 2019 Feb 22;19(1):170.)。

甲状腺乳頭癌と甲状腺ランゲルハンス細胞組織球症の合併例

甲状腺手術後の合併症、縦隔気腫→気胸

甲状腺手術後の重篤な合併症で、稀に縦隔気腫→気胸が起こる。手術後、突然の胸痛・背部痛、呼吸困難で発症。

甲状腺手術後の合併症、縦隔気腫 気胸

甲状腺手術後の縦隔気腫・気胸の原因は、

  1. 術中気管・胸膜損傷
  2. 挿管時に喉頭鏡のブレードやスタイレットで気道損傷
  3. 開放式ドレーンからの吸込み(日臨外会誌 73(11),2774-2777,2012)
  4. 全くの原因不明(Case Rep Anesthesiol. 2017;2017:8206970.)

などで、皮下気腫が形成、陰圧の縦隔に吸い込まれ縦隔気腫→縦隔気腫が増大し縦隔内圧が高まると胸膜が破れ気胸(Aneth Analg 1960;39 :420-429)。

血気胸

血気胸は、ブレブ(胸膜内にできた小さな気腔)の破裂による胸膜損傷と胸膜面の血管損傷が原因。

  1. 咳による衝撃
  2. 胸部打撲(外傷性血気胸)

により起こります。症状は胸痛と呼吸困難。

ブレブ
血気胸 胸部エックス線写真

血気胸の診断は胸部エックス線写真で、虚脱した肺と出血による水面形成

血気胸では、治療を兼ねた胸腔ドレナージで血性排液と空気漏を認めます。

まず、止血剤投与。血圧低下、貧血進行で赤血球輸血、出血が止まらなければ緊急手術。

(ブレブ 看護rooより)

自然血気胸

自然血気胸(特発性血気胸)は外傷もないのに、自然気胸と血胸が同時おこる病態で、自然気胸の1-12%に合併します。自然気胸と同様に30歳位の若年男性に多い。

自然血気胸(特発性血気胸)の発生機序は、自然気胸による肺の虚脱で、壁側胸膜と臓側胸膜の癒着部分の索状組織が断裂する事によります。

肺尖部の出血が多く、大量出血で出血性ショックを起こす場合も多い。気胸の診断で入院後、胸腔ドレナージで血性胸水を認め血気胸と診断されます。出血量が多いなら、いきなり外科手術に。

緊張性気胸

緊張性気胸

緊張性気胸は気胸の一種で、へしゃげた肺の外側の圧(胸腔内圧)が異常に上昇した結果、余計に肺がへしゃげ、横隔膜が押し下げられます。肺がへしゃげているため、血液が肺へ行けず(静脈還流障害)、

  1. 静脈うっ滞による頸静脈怒張
  2. 左心室から全身へ回る血液(心拍出量)も低下し、低血圧、低酸素症

が生じます。

外傷性緊張性気胸は、胸壁・肺の損傷部位部位が弁になり、空気が胸腔内に流入するが出ていかない時に起こります。緊張性気胸は速やかに胸腔ドレナージを施行する必要があります。

緊張性気胸の診断において

  1. 片側性の呼吸音の消失、打診での鼓音(過共鳴音)
  2. 意識レベルが正常なら、致死的緊張性気胸はほぼ除外できます。
  3. 緊張性気胸の陽圧換気中は呼吸音の左右差は33%のみ。血圧低下とSpO2低下はほぼ全例に(Emerg Med J. 2005 Jan;22(1):8-16. )

緊張性気胸の治療は、鎖骨中線上の第2肋間に太い針(14か16ゲージ)を3本程挿入して脱気。穿刺により新たな気胸になるため、続けて胸腔ドレナージ。

外傷性緊張性気胸では、弁になっている胸壁開放創をビニール片の三辺固定で被い、胸腔内への空気流入を防がねばなりません。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療      長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

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大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

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