ニボルマブ(オプジーボ)・ペムブロリズマブ(キイトルーダ)、イピリムマブ(ヤーボイ)と甲状腺[橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪]
甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪
甲状腺専門の長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学大学院医学研究科 代謝内分泌病態内科学で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。
長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。
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ニボルマブ(オプジーボ®)破壊性甲状腺炎の経過[J Endocr Soc. 2018 Feb 6;2(3):241-251.]
長崎甲状腺クリニック(大阪)は甲状腺専門クリニックです。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は扱っておりません。
Summary
癌細胞は細胞表面にPD-L1(プログラムド デス リガンド1)を発現し癌細胞破壊のため活性化したTリンパ球細胞と結合、不活化し攻撃を免れる。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)、ニボルマブ(オプジーボ®)・ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)はPD-1阻害、イピリムマブ(ヤーボイ®)はCTLA-4阻害の分子標的治療薬で、自己免疫誘発し橋本病(慢性甲状腺炎)発症・増悪による無痛性(破壊性)甲状腺炎・甲状腺機能低下症、バセドウ病、甲状腺眼症、甲状腺クリーゼ、リンパ球性下垂体炎、副腎皮質機能低下症、劇症1型を含む1型糖尿病の免疫関連有害事象(irAE)をおこす。
Keywords
ニボルマブ,オプジーボ,PD-1,イピリムマブ,ヤーボイ,甲状腺,破壊性甲状腺炎,ペムブロリズマブ,キイトルーダ,バセドウ病
悪性黒色腫細胞、肺癌、胃癌等のPD-1(プログラムド セル デス1)阻害するニボルマブ(商品名:オプジーボ)
悪性黒色腫(メラノーマ)、肺癌、胃癌等の癌細胞は細胞表面にPD-L1(プログラムド デス リガンド1)を発現し、癌細胞を破壊するため活性化したTリンパ球細胞のPD-1(プログラムド セル デス1)と結合、不活化して、Tリンパ球細胞の攻撃を免れます。
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、免疫チェックポイント阻害薬(immune checkpoint inhibitor, ICI)と言われる分子標的治療薬(バイオ製剤)で、PD-1に先に結合しPD-L1をブロックする抗体を薬にしたものです(モノクローナル抗体製剤)。PD-1にPD-L1が結合できないため、活性化したTリンパ球細胞は悪性黒色腫(メラノーマ)、肺癌、胃癌等の癌細胞を攻撃できます。
(表; AnswersNewsより)
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)で無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)・甲状腺機能低下症
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、Tリンパ球細胞を活性化し癌に対する免疫力を高めますが、自分自身に対する余計な免疫(自己免疫)まで誘導します[免疫関連副作用(immune-related adverse event, irAE)]。甲状腺に関しては、無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)・甲状腺機能低下症を高頻度におこします。[J Clin Endocrinol Metab. 2015 May;100(5):1738-41.]
無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)・橋本病(慢性甲状腺炎)は、ヘルパーT細胞(Th1細胞)の活性化が原因で起こるため、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)により活性化されたTh1細胞により、無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)・橋本病(慢性甲状腺炎)の増悪による甲状腺機能低下症がおこります。(橋本病とバセドウ病の免疫系と相互移行)
国内のニボルマブ(商品名:オプジーボ)の臨床試験において、甲状腺機能障害(甲状腺irAE)は、
- 14.3%、(5/35例)、海外では5.9%(18/306例)でした。複数の報告を比較しても、やはり日本では2桁、海外では1桁で、文字通り桁が違います[Jpn J Clin Oncol. 2016 Jun;46(6):575-9.][J Clin Oncol. 2017 Mar;35(7):785-792.]。福岡大学の報告では29%とされます[BMC Endocr Disord. 2018 Jun 8;18(1):36.]。ヨード(ヨウ素)摂取量の多い日本人では甲状腺irAEの無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)・甲状腺機能低下症が起こり易いようです。
- 約60%が投与3ヶ月以内に発症し、
また、ニボルマブ投与前から甲状腺自己抗体[抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)・抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)]が陽性の場合、甲状腺機能異常(甲状腺irAE)がおこりやすく、抗体価が高い程、重くなるとされます。無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)をおこした患者の67%がTPO抗体陽性。[J Clin Endocrinol Metab. 2015 May;100(5):1738-41.][Jpn J Clin Oncol. 2016 Jun;46(6):575-9.]
神奈川県立がんセンターの報告では、ニボルマブで甲状腺機能障害(甲状腺irAE)を発生する群は投与回数が有意に多かった(8回 vs.4回, p=0.03)とされます。(第60回 日本甲状腺学会 O6-5 ニボルマブによる甲状腺機能障害のリスク因子)
ニボルマブによる無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)の特徴
ニボルマブによる無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)は、通常の無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)と異なり、沈静化した後に永続的な甲状腺機能低下症になり易いです。[J Endocr Soc. 2018 Feb 6;2(3):241-251.](第59回 日本甲状腺学会 O4-1 ニボルマブによる無痛性甲状腺炎は特徴的な臨床像を呈する)
京都大学の報告では、甲状腺中毒症(無痛性甲状腺炎)11例中8例(約73%)は永続的な甲状腺機能低下症を続発、残り3例(約27.3%)は甲状腺機能低下症をおこす事無く軽快したそうです。(第60回 日本甲状腺学会 YIA-2 ニボルマブによる甲状腺機能異常の臨床像の確立と発症機序の探索)
ニボルマブによる無痛性甲状腺炎の予後
ニボルマブによる甲状腺機能障害(甲状腺irAE)がおきた方が、元の癌に対する免疫も高まり、治療効果が望めるとされますが、無関係との意見もあります[Jpn J Clin Oncol. 2016 Jun;46(6):575-9.][BMC Endocr Disord. 2018 Jun 8;18(1):36.]。
ニボルマブで無痛性甲状腺炎をおこした場合(前者)、最初から甲状腺機能低下症をおこした場合(後者)よりも悪性黒色腫の予後が良いとの報告があります。症例数が少ないため、統計上、有意と言えませんが、大阪医療センターの報告では、後者8例の内、5 例がニボルマブ投与開始9 ヶ月以内に死亡したが、前者3例の内、2 例が1年以上生存し、1例が報告時5ヶ月存命との事です。(第59回 日本甲状腺学会 O4-3 悪性黒色腫へのニボルマブ投与前後の甲状腺機能と予後に関する検討)
誘発された自己免疫抗体の変化に対する報告では、元の癌に対する効果不十分、甲状腺中毒症でニボルマブ中止後、甲状腺自己抗体[抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)・抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)、TRAb]陰性化するも、不可逆性の甲状腺組織の破壊のため永続的な甲状腺機能低下症になり、レボチロキシン(チラーヂン)投与を継続したそうです。具体的には甲状腺中毒症発症・ニボルマブ中止2ヶ月後、抗サイログロブリン抗体(Tg抗体)、TRAb陰性化、さらに1年後に抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPO抗体)も陰性化したそうです。
(第61回 日本甲状腺学会 O36-4 抗PD-1抗体投与後に甲状腺機能異常をきたし経過中に甲状腺自己抗体が陰性化した肺癌の一例)
最も、ニボルマブ投薬で、生存期間が数か月伸びたとしても、元の癌で癌死するため、甲状腺の抗体が陰性化するかは、臨床上、問題になりません。
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)でバセドウ病が再発
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)によるバセドウ病の発症は稀だが、海外では報告がありました。日本でも、野口病院が原発性肺腺癌(非小細胞癌性肺癌)にニボルマブ(オプジーボ®)投与し、寛解していたバセドウ病が再燃した例を報告しました。元々、インターフェロン治療で誘発された甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、1年以上、無投薬で再発認められなかったが、ニボルマブ(オプジーボ®)投与後に再発、中止後も甲状腺機能亢進症/バセドウ病の状態が続いているそうです。(第60回 日本甲状腺学会 P2-6-3 インターフェロン投与で発症しニボルマブ投与で再燃したバセドウ病タイプの薬剤性甲状腺中毒症の一例)
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)でバセドウ病が発症
イタリアのピサ大学の報告では、TSH受容体自己抗体(TRAb)は陰性ながら、甲状腺中毒症の持続性、甲状腺超音波(エコー)検査での血流増加、甲状腺シンチグラフィーでの取り込み増加で、甲状腺機能亢進症/バセドウ病に合致する所見でした。メチマゾール(日本ではメルカゾール®)投与で速やかに甲状腺機能正常化したそうです。(Eur Thyroid J. 2019 Jul;8(4):192-195.)
他の報告でもTRAbは陰性です(Case Rep Endocrinol. 2019 Oct 17;2019:2314032.)が、そもそもTRAbは発症直後は陰性で、甲状腺ホルモンの上昇に遅れて上昇するものです(TRAb陰性甲状腺機能亢進症/バセドウ病)。
しかし、日本(群馬大学)ではTRAbは陰性でも、TS-Abの上昇を確認し、甲状腺機能亢進症/バセドウ病と診断しています。やはり、発症直後はTRAbよりTS-Abの方が陽性率が高いです(TR-AbとTS-Abの違い)。(第62回 日本甲状腺学会 P14-2 ニボルマブ投与によりTSAB陽性の甲状腺中毒症をきたした1例)
さらに、ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ) と同様に、最初からTRAb・TS-Ab陽性になるケースも報告されています。しかも、日本医科大学千葉北総病院の報告では、ニボルマブ投与前の保存検体ではTRAb・TS-Ab陰性だったそうです。(第62回 日本甲状腺学会 P13-5 二ボルマブ投与後にバセドウ病を発症した1例)
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)で発症した甲状腺機能亢進症/バセドウ病の転帰
ニボルマブを中止し、抗甲状腺薬(メルカゾール、プロパジール、チウラジール)投与を開始。甲状腺機能改善に伴い減量し、ニボルマブを再開したが、TS-Abは陰性化、甲状腺ホルモンも正常化、興味ある事に、再度の甲状腺機能異常は認めなかったそうです。 (第62回 日本甲状腺学会 P14-2 ニボルマブ投与によりTSAB陽性の甲状腺中毒症をきたした1例)
ペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)も同じ抗PD-1 抗体で、
- 悪性黒色腫
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
- がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌
- がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)
- 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
- 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌
甲状腺機能亢進症/バセドウ病治療中に無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)が起きる
甲状腺機能亢進症/バセドウ病で抗甲状腺薬投与中にペムブロリズマブ(キイトルーダ®)使用すると無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)が起きる事があります。
メルカゾール2錠投与中に甲状腺中毒症になれば、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が再発したと考えるのは自然ですが、報告例では明らかに無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)です(メルカゾールを増やさないのに自然軽快)。
しかも、無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)を起した後は、
- 甲状腺機能亢進症/バセドウ病の活動性が低下したのか
- 甲状腺組織が破壊されたためホルモン産生量が減ったのか
分かりませんが、逆にメルカゾール1錠隔日投与でコントロール良好になったそうです。(第61回 日本甲状腺学会 O36-7 ペムブロリズマブ投与後に破壊性甲状腺炎をきたしたバセドウ の一例)
同様の報告は、アメリカでもあり。甲状腺機能亢進症/バセドウ病で抗甲状腺薬(メルカゾール)等投与中にペムブロリズマブ(キイトルーダ®)使用し、無痛性甲状腺炎(破壊性甲状腺炎)発症。薬物治療で抑えきれず、甲状腺全摘手術になったそうです。(Endocr Pathol. 2019 Jun;30(2):163-167.)
ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)で甲状腺機能亢進症/バセドウ病が新規発症
ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)で甲状腺機能亢進症/バセドウ病が新規発症した報告は、日本で多く、最初からTRAb陽性になるケースが多いです。(第62回 日本甲状腺学会 P13-4 抗PD-1抗体ペムブロリズマブ投与後にTRAb陽性の甲状腺中毒症を呈した1例)
マイクロサテライト不安定性(Microsatellite Instability:MSI)
マイクロサテライトは、1~数塩基の塩基配列が繰り返すDNAの一部で、DNA複製時に繰り返し回数のエラーが生じやすい。癌細胞ではミスマッチ修復(MMR)機能の低下によりマイクロサテライトの繰り返し回数が異常になります(マイクロサテライト不安定性:MSI)。(J Clin Oncol. 2010 Jul 10; 28(20):3380-7.)
マイクロサテライト不安定性が高いMSI-High固形癌は、子宮内膜癌、卵巣癌、乳がん、胃癌、小腸癌、結腸・直腸癌、膵臓がん、子宮頸癌、神経内分泌腫瘍、甲状腺癌(末期のみ)前立腺がん、膀胱がんなど(Science 2017; 357:409-413)。ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)はMSI-High固形癌に有効とされます。
マイクロサテライト不安定性(MSI)検査(FFPE)は商品化され一部の検査センターで受注している様です。※長崎甲状腺クリニック(大阪)では契約しておりません。
末期甲状腺癌の新たな治療選択肢にならない
放射線治療無効な、根治切除不能な甲状腺癌 に レンビマ ネクサバール バンデタニブ(カプレルサ錠®) が使用されますが、ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)は新たな選択肢となる可能性は低いです。
海外の報告では、
- マイクロサテライト不安定性(MSI)を持つ甲状腺癌は80%以上です(BMC Cancer 13:1–7)
- しかし、マイクロサテライト不安定性が高い(MSI-high)のは、甲状腺癌の中で甲状腺濾泡癌だけで、それでも、わずか2.5%(40人に一人)と確率は極めて低く、実際ほとんど役に立たない。 (Thyroid. 2019 Apr;29(4):523-529.)
癌細胞を攻撃するヒト細胞傷害性T細胞は、CTLA-4(Cytotoxic T Lymphocyte Antigen-4; ヒト細胞傷害性T細胞抗原 4)を発現し、癌の抗原を提示する樹状細胞に結合、自己の過剰な活性化を抑制します。
イピリムマブ(商品名ヤーボイ)はCTLA-4を標的とした免疫チェックポイント阻害薬で、CTLA-4に結合し、ヒト細胞傷害性T細胞が不活化されるのを防ぎます。切除不能な悪性黒色腫などに保険適応があります。
自己免疫性下垂体炎(下垂体irAE)
自己免疫性下垂体炎は、イピリムマブ(ヤーボイ®)の3.8%に起こります(JAMA Oncol. 2018 Feb 1;4(2):173-182.)。
一方、ニボルマブ(オプジーボ®)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)の1%前後。
MRI所見は特徴的で、造影T1強調像では腫大した下垂体が不整に増強されます。
(写真AJNR Am J Neuroradiol. 2009 Oct;30(9)1751-3.)
続発性(下垂体性)副腎皮質機能低下症=ACTH分泌不全には、生理量ヒドロコルチゾン 10-20mg/日を投与。
- 薬理量(自己免疫を抑える大量)のグルココルチコイド(副腎皮質ステロイド薬)は予後改善のエビデンスがないため推奨されません。
- 副腎皮質ステロイド薬、プレドニゾロンの大量投与は、免疫チェックポイント阻害薬で高められた癌免疫も低下するため、原疾患(元の癌)の全生存期間を短くする可能性あり(Cancer 124(18):3706-3714, 2018)。
ただし、下垂体腫大による視神経圧迫・視力視野の障害、頭蓋内圧亢進による頭痛がある場合、プレドニゾロンの大量投与を検討。
ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とペムグロリズマブ(商品名キイトルーダ)は、非小細胞肺がんに対しても保険適応が認められています。特に、喫煙者、EGFR変異が無い、中枢神経転移がない患者に有効との事です。組織の免疫染色で、PD-L1陽性なら当然効きます。
また、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、
- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
- 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
- 再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫
- 再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌
- がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の胃癌
- がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
などにも適応が拡大されています。更に適応される癌の種類が増える勢いです。
さらに同じような免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が続々と販売、治験入りしています。結局、同じ様な作用機序であるため、頻度こそ多少違えど、同じ免疫関連副作用[免疫関連有害事象, irAE]が起きて、甲状腺・下垂体・副腎の内分泌障害が生じます。
例えば、イミフィンジ®(デュルバルマブ)、テセントリク®(アテゾリズマブ)[23.5%で甲状腺機能障害、非ウイルス感染性亜急性甲状腺炎の報告があるのが特徴(第64回 日本甲状腺学会 28-3 PD-L1抗体(アテゾリムマブ)による亜急性甲状腺炎(irAE)の一例)] などです。
ついには、標的が異なる免疫チェックポイント阻害薬を同時期に使用する方法が考案されています。ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名ヤーボイ)の併用療法は、免疫関連有害事象(irAE)の発生率を高める傾向があります。(Front Oncol. 2020 Feb 11;10:91.)
甲状腺関連の上記以外の検査・治療 長崎甲状腺クリニック(大阪)
- 甲状腺編
- 甲状腺編 part2
- 内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等
も御覧ください
長崎甲状腺クリニック(大阪)とは
長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,生野区,東大阪市,天王寺区,浪速区も近く。