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胃腸食道と甲状腺      [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

甲状腺:最新・専門の検査/治療/知見②甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 長崎クリニック(大阪)

甲状腺の、長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしかできない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報が満載です。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で行った研究、甲状腺学会で入手した知見です。

食道憩室 甲状腺超音波(エコー)画像

甲状腺編 では収録しきれない最新・専門の検査/治療です。

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝・糖尿病に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編   内分泌代謝(副甲状腺/副腎)・痛風/肥満/禁煙等  (下垂体・妊娠/不妊等)  糖尿病編 をクリックください

Summary

胃腸食道と甲状腺機能亢進症/バセドウ病,甲状腺機能低下症/橋本病,甲状腺癌について解説します。ヘリコバクター・ピロリ,消化管潰瘍,逆流性食道炎,食道がん,食道憩室,食道アカラシア,潰瘍性大腸炎,クローン病,消化管間質腫瘍,膠原線維性大腸炎についても説明します。

ヘリコバクター・ピロリ他 胃腸食道と甲状腺

甲状腺ホルモンと便秘・下痢

甲状腺機能亢進症/バセドウ病と下痢

甲状腺機能亢進症/バセドウ病では、腸管運動が活発になり過ぎて、吐き気・下痢をおこします。嘔吐までする場合、生命に危険が及ぶ甲状腺クリーゼの可能性あります。

下痢がひどくて、甲状腺機能亢進症/バセドウ病に薬が効かない

下痢がひどくて、抗甲状腺薬のMMI(メルカゾール)が吸収されず、メルカゾール12錠/日+プレドニン(ステロイド)10mg/日飲んでも、甲状腺機能亢進症/バセドウ病が全く改善しない症例も報告されています。メルカゾール注射薬(投与量は6錠分に相当する30mg/日)で、驚くほど改善し、無事に手術で甲状腺全摘できたそうです。(第58回 日本甲状腺学会 P1-10-1 甲状腺機能正常化が困難なバセドウ病の術前管理におけるチアマゾール(MMI)の有用性)

甲状腺機能低下症と便秘

甲状腺機能低下症では、腸管運動が低下して、便秘気味になります。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病と消化管潰瘍

甲状腺機能亢進症/バセドウ病では交感神経刺激作用により、胃酸分泌亢進し、消化管潰瘍おこしやすいとされます。和歌山医大の赤水先生の報告では、甲状腺クリーゼの死因の5%は消化管穿孔です。

APS(多腺性自己免疫症候群)3B型=橋本病バセドウ病に自己免疫性胃炎を合併

APS(多腺性自己免疫症候群)3B型は、自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病)に自己免疫性胃炎を合併する複合性自己免疫病です。

胃酸を分泌する胃壁細胞に対する抗内因子抗体(60%)/抗壁細胞抗体(90%)により、

  1. 胃酸分泌障害から萎縮性胃炎(甲状腺ホルモン剤;チラーヂンS錠の吸収障害)、高ガストリン血症
  2. ビタミンB12の腸管吸収に必要な内因子の分泌障害がおこります。(巨赤芽球性貧血、血小板減少) 甲状腺と貧血を御覧ください

ヘリコバクター・ピロリと甲状腺

長崎甲状腺クリニック(大阪)では、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌を行っていません。提携する消化器内科にお願いしております。

  • ヘリコバクター・ピロリ菌のウレアーゼ酵素が、胃内の尿素を分解しアンモニアが作られます。アンモニアが胃酸を中和すると、胃液の酸性度が低下、甲状腺機能低下症で甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)の吸収障害おこります。同時に鉄吸収障害から鉄欠乏性貧血をおこします。胃酸が中和されるので逆流性食道炎がおこりにくくなります。


  • 逆にヘリコバクター・ピロリ菌を除菌すると、甲状腺ホルモン剤(チラーヂンS)の吸収が急によくなり、甲状腺ホルモンの血中濃度が急上昇し甲状腺中毒症になる危険があります。(チラーヂンSを減量しなければなりません)
胃過形成ポリ-プ
  • ヘリコバクター・ピロリは胃粘膜に潜り込み、機能性胃腸症、慢性胃炎・鳥肌胃炎(未分化型胃がんの危険因子)・胃潰瘍/十二指腸潰瘍(ピロリ菌除菌療法の普及で減少中)・胃がん・胃過形成ポリ-プ(除菌で縮小・消失)・巨大すう壁症(除菌で改善)に関与します。

    また、早期胃がん切除術後にピロリ除菌を行うと、新しい胃がん(異時性胃がん)の発症リスクが下げるとされます「H.pylori感染の診断と治療のガイドライン2009改訂版」。
  • 最近では、胃粘膜悪性リンパ腫(MALT)自己免疫性甲状腺疾患(橋本病バセドウ病に合併する特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、狭心症や心筋梗塞、慢性蕁麻疹をおこす可能性が報告されます。

胃粘膜悪性リンパ腫(MALT):90%にヘリコバクター・ピロリ感染があり、除菌するとMALTの80%が消失・縮小すると言われています。

  1. ピロリ菌による慢性胃炎(ただし内視鏡で確認されたもののみ)も除菌治療が保険適用になります。
  2. 除菌2~4 週間前から乳酸菌「LG21」を含むヨーグルトを継続して食べると除菌成功率が上がるとされます。
  3. 一次除菌治療として胃酸分泌抑制薬と抗生物質(アモキシシリン、クラリスロマイシン)。
    クラリスロマイシン耐性菌は35%にまで増加,軟便下痢30%、口内炎/舌炎10%おこります。
  4. 効果ない場合、クラリスロマイシンを、原虫治療薬メトロニダゾールに変更し二次除菌。
    効果判定は4W後以降に(8Wでも可)
  5. 迅速ウレアーゼ試験で。
    除菌成功率は70~80%です。
  6. 除菌成功後、ピロリ菌感染者の唾液などから再感染が1-2%あります。

ヘリコバクター・ピロリ菌が100%陽性の鳥肌胃炎

ヘリコバクター・ピロリ菌が100%陽性の鳥肌胃炎は、未分化型胃癌が高率に発生します。

鳥肌胃炎
鳥肌胃炎

逆流性食道炎

逆流性食道炎は

  1. 食道裂孔ヘルニア
  2. 食道下部括約筋の弛緩
  3. 背骨が曲がり胃が圧迫されて

おこりやすくなります。逆流した胃酸で慢性咽頭炎になり、喉の違和感、声のかすれなど甲状腺機能低下症/橋本病(慢性甲状腺炎)甲状腺癌甲状腺の病気と同じような症状になります。

胃切除後の術後食道炎は膵液・十二指腸液の逆流なので膵炎治療薬カモスタット メシル酸塩を使用します。

非びらん性胃食道逆流(NERD)

非びらん性胃食道逆流(NERD)

内視鏡で異常ないのに逆流性食道炎症状がある非びらん性胃食道逆流(NERD)があり、内視鏡はあてになりません。非びらん性胃食道逆流(NERD)は、食道粘膜が酸に過敏であるため、症状を強く感じるのが原因と言う説があります(Aliment Pharmacol Ther 20 (Suppl 1) ; 112―117 : 2004)。

びらん性の逆流性食道炎に比べると、酸分泌抑制薬の効果は弱いですが、症状は軽減します。

喉の違和感、声のかすれなどから、甲状腺の病気を疑い長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される方に、非びらん性胃食道逆流(NERD)の方が混じっています。甲状腺超音波(エコー)検査をしても、

  1. 症状を説明できる病変が見当たらない。
  2. 甲状腺機能低下症/橋本病(慢性甲状腺炎)が存在し、治療し甲状腺機能正常化しても症状が改善しない。
  3. 食道の上に、甲状腺腫瘍があり、どちらが原因なのか判らない

時は、耳鼻咽喉科での喉頭ファイバーをお勧めし、異常なければ、非びらん性胃食道逆流(NERD)を疑い、酸分泌抑制薬を投与します(治療的診断)。効果あれば、非びらん性胃食道逆流(NERD)と診断できます。

非びらん性胃食道逆流(NERD)超音波(エコー)画像

非びらん性胃食道逆流(NERD)超音波(エコー)画像:甲状腺症状を説明できる病変が見当たらず、直下の食道が疑われます。

非びらん性胃食道逆流(NERD)超音波(エコー)画像

非びらん性胃食道逆流(NERD)超音波(エコー)画像:写真右半分は甲状腺よりも足側(下方)の水平断です。痛みは、この場所ですが、有るのは食道のみです。

バレット食道

逆流性食道炎が持続的に繰り返されるとバレット食道(胃粘膜に変わり腺癌発生)になります。

食道がん

  1. 食道がんで食道が狭くなると、狭窄部より上の「喉がつかえるような感じ」があり、甲状腺腫瘍・甲状腺癌など甲状腺疾患と同じ症状です。甲状腺の検査で異常がないときは、食道の検査をお勧めします。
  2. 上部にできた食道がんが気管と甲状腺を後方から圧迫し、外から見ると甲状腺腫大のように見え、呼吸困難おこします。
  3. 食道の横に声を調節する反回神経があり、食道がんが浸潤すると声がかすれ、甲状腺機能低下症/橋本病(慢性甲状腺炎)甲状腺癌など甲状腺の病気と同じような症状です。甲状腺の検査で異常がないときは、食道の検査をお勧めします。
  4. がんによる体重減少、加えて食べ物がつかえると食事量が減り、さらに体重減少します。甲状腺機能亢進症/バセドウ病と思い長崎甲状腺クリニック(大阪)を受診される方おられます。甲状腺機能亢進症/バセドウ病でないときは、食道の検査をお勧めします。

食道がんが気管と甲状腺を後方から圧迫。

エコー(左)よりCT(右)の方が全体像を把握しやすいです。

食道憩室

食道憩室は全消化管憩室の約1%、咽頭食道境界部に生じる<Zenker憩室(頚部食道憩室)>はその約10%と言われます。

<Zenker憩室(頚部食道憩室)>は、圧出型の仮性憩室。憩室が増大したり、炎症をおこす(憩室炎)と嚥下痛、嚥下困難、食物の停滞感など亜急性甲状腺炎,急性化膿性甲状腺炎甲状腺癌など甲状腺疾患と同じ症状になります。

また、甲状腺超音波(エコー)検査で甲状腺腫瘍(特に甲状腺乳頭癌)と見分け難いことがありますが、嚥下運動にて腫瘤内高輝点の移動を認めます。。

食道憩室 細胞診1

甲状腺腫瘍(特に甲状腺乳頭癌)と見分け難く、(痛みや感染などの合併症の危険のため行ってはなりませんが)穿刺細胞診した場合、扁平上皮、細菌、食物残渣を認めます。

食道憩室 細胞診2

食道憩室を疑ったら、

  1. CT: ガス像を内部に持つ、甲状腺より低density の腫瘤
  2. 内視鏡: 咽頭食道移行部に憩室入口部(ただし、憩室炎繰り返すと憩室開口部の狭入化で見つけられない事も)
  3. 食道透視: 咽頭食道から突出する憩室

を認めます。

食道憩室炎

食道憩室炎 甲状腺超音波(エコー)検査

食道憩室炎を繰り返すと、食道壁が肥厚し、甲状腺腫瘍との見分けが付きにくくなります。食道残渣が、食道憩室に溜まり、菌が繁殖するのが原因です。しかし、予防策はありません。

食道アカラシア

小宇宙2

抗Tg抗体陽性抗TPO抗体陽性の自己免疫性甲状腺疾患,1型糖尿病,尋常性白斑の合併した多腺性自己免疫症候群3C型に合併した食道アカラシアが報告されています。食道アカラシアに抗GAD抗体陽性率が高いと報告され,食道アカラシア発症のアウエルバッハ神経叢変性に自己免疫が関与する可能性があります。

下部食道括約筋弛緩不全・一次蠕動波消失・同期性収縮波出現が特徴

胃薬で甲状腺ホルモン剤:チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)の吸収障害

甲状腺機能低下症の治療薬甲状腺ホルモン剤:チラーヂンS錠(一般名:レボチロキシン ナトリウム)の吸収障害をおこす胃薬

  1. 胃酸を抑える薬は、胃内の酸性度を変えるため
    ネキシウム(エソメプラゾール)は特に強い胃酸分泌抑制に加え、吸収障害をおこすマグネシウムを含みます
  2. 酸化マグネシウム
    亜鉛[ポラプレジンク(プロマック)]
    アルミニウム剤(アルサルミン)
  3. 市販薬:新キャベジンコーワS(マグネシウム・カルシウムを含みます)、スクラルファート(アルミニウムを含みます)

甲状腺以外の内分泌に影響する胃薬

抗ドーパミン薬

  1. スルピリド(ドグマチール):抗うつ薬ですが胃粘膜血流増加作用あり。プロラクチン産生下垂体腫瘍、副腎の褐色細胞腫には禁忌
  2. ドンペリドン・.メトクロプラミド

胃前庭部毛細血管拡張症

胃前庭部毛細血管拡張症(西瓜様胃)は,直線状に走る大きな拡張した静脈から成り,西瓜のように見えます。高齢女性におこり,病因は不明です。肝硬変,慢性腎不全,心不全、甲状腺機能亢進症/甲状腺機能低下症、自己免疫甲状腺疾患(バセドウ病橋本病)に合併する強皮症などが基礎疾患のことがあります。

じわじわ消化管出血します。広範囲のため、止血が困難でアルゴンプラスマ凝固などが使われます。

十二指腸癌の腸閉塞でメルカゾール内服不能→メルカゾール静脈投与

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で、メルカゾール内服中の方が腸閉塞でメルカゾール内服できなくなった場合、メルカゾール静脈投与という奥の手があります。[第58回 日本甲状腺学会 P1-11-5 チアマゾール(MMI)の注射製剤で加療を行ったバセドウ病の2症例]

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で上腸間膜動脈症候群

上腸間膜動脈症候群

甲状腺機能亢進症/バセドウ病で上腸間膜動脈症候群おこした症例が報告されています(The journal of the Japan Surgical Association 65, 2055-58, 2004)。上腸間膜動脈症候群は、大動脈と上腸間膜動脈に十二指腸水平部が挟まれ、通過障害をきたし,嘔吐や腹部膨満感などの腸閉塞症状をひきおこす病気です。甲状腺機能亢進症/バセドウ病は、代謝が亢進して内臓脂肪が分解され、大動脈と上腸間膜動脈の隙間が狭くなるのが原因と考えられています。

甲状腺未分化癌小腸転移

「甲状腺未分化癌小腸転移により腸重積症を来した1 例」が報告されています。小腸腫瘍の70%は悪性で腺癌、悪性リンパ腫、平滑筋肉腫(GIST)、カルチノイドなどです。

小腸癌は予後は不良で,5年生存率は空腸癌・回腸癌ともに40%と報告されます。

KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍(GIST)

KIT陽性消化管間質腫瘍(GIST)にはKIT受容体チロシンキナーゼを阻害するスーテントカプセル(成分:スニチニブ), グリベック(成分:イマチニブ)が使用されます。スニチニブは50%で高率に甲状腺機能低下症破壊性甲状腺炎おこします。イマチニブも甲状腺機能障害おこす可能性が報告されています。

過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群(IBS)は腸に器質的異常(腫瘍、潰瘍、炎症性腸疾患など)がないのに、腸が正常に機能しない状態です。過敏性腸症候群(IBS)は、3ヶ月間、月に3日以上、腹部不快感あるいは腹痛が繰り返して起こります。

過敏性腸症候群(IBS)は、

  1. ストレスが主な原因で
  2. ストレス以外にも偏食(アルコール,高脂肪食,冷菓,香辛料などの過剰摂取)、一日の食事量のアンバランス、夜食の摂り過ぎ
  3. 感染性胃腸炎

が増悪因子の事もあります。

  1. 便秘型
  2. 下痢型
  3. 混合型

があり、甲状腺機能低下症は過敏性腸症候群(IBS)の便秘型、甲状腺機能亢進症は過敏性腸症候群(IBS)の下痢型と同様の症状です。

胃の機能性障害である機能性ディスペプシアを合併することが多く、食物繊維の少ない食事は、便秘と胃腸運動促進を増悪させます。

自己免疫性甲状腺疾患に合併するクローン病

いまだ原因も甲状腺との関係も不明のクローン病。非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する全層性炎症で、小腸や大腸の縦走潰瘍、敷石像やアフタが分節性に生じ、狭窄します。肛門病変も高頻度。

エレンタールは成分栄養剤の中で最も脂肪が少なく、アミノ酸まで分解されているため、クローン病の栄養補給に最適。初期治療は、小腸病変が経口副腎皮質ホルモン剤なのを除けば潰瘍性大腸炎と同じ。最近は抗TNFα受容体拮抗薬(レミケード・ヒュミラ)が使用されます。自己免疫性甲状腺疾患(特にバセドウ病)を合併していると、抗TNFα受容体拮抗薬で同時に良くなります。

クローン病での小腸カプセル内視鏡はほぼ禁忌です。小腸病変は狭窄を来しているため、小腸カプセル内視鏡が詰まって腸閉塞になります。

腸管腸管ベーチェット病

腸管腸管ベーチェット病でも抗TNFα受容体拮抗薬が使用されます。腸管ベーチェット病では131ヨードの甲状腺集積増加,尿中排泄率減少からヨード欠乏の可能性が報告されています。

膠原線維性大腸炎

慢性の水様性下痢の原因として膠原線維性大腸炎が増えています。原因で圧倒的に多いのは、胃酸を抑える薬ランソプラゾール(商品名タケプロンなど)、アスピリンやロキソニンなど消炎鎮痛剤、血をサラサラにする薬チクロピジン(商品名パナルジン)です。甲状腺疾患(バセドウ病/橋本病)関節リウマチにおこりやすいとされます。顆粒状粘膜、縦走潰瘍などの内視鏡的異常が75%に認められます。

腹膜炎を合併することあり。最大の合併症は慢性的水様性下痢による生活障害です。

胃酸を抑える胃薬/消炎鎮痛剤の組み合わせは薬剤性間質性腎炎もおこします。

自己免疫性甲状腺疾患に合併する潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎は自己免疫性疾患らしからぬ自己免疫性疾患で、患者数は11万人、男女比は1:1、比較的喫煙者が少ない。エレンタールは有効でないとされます。潰瘍性大腸炎の長期的な予後は良好で健常人と変わりませんが、10年以上で大腸癌の発生率高くなります。

メサラジン[ペンタサ・アサコール:5-アミノサリチル酸(5-ASA)]は内服で副作用なくても、注腸でアレルギーおこすことあります。また、甲状腺機能亢進症/バセドウ病の治療約、抗甲状腺薬MMI(メルカゾール)、PTU(プロパジール、チウラジール)と同じく無顆粒球、再生不良性貧血、白血球減少症起こす事あります。

甲状腺癌手術後に発症した偽膜性大腸炎の例

甲状腺癌手術後、抗生物質による菌交代症で偽膜性大腸炎おこります。毒素を出すグラム陽性桿菌Clostridium difficileは健常人の3%が保菌し、入院患者の15%が保菌者になり、抗生剤投与中、投与中止後2カ月以内発症。原因抗生剤はLincomycinやClindamycinでしたが最近は使用頻度の高いセファロスポリン系抗生物質が多いです。すべてが偽膜性大腸炎にならず、非特異的結腸炎のこともあります。重症例では腸穿孔・中毒性巨大結腸おこし、甲状腺外科から消化器外科に転院になります。

抗生物質中止し、バンコマイシン散剤内服(静脈用世ではない)やメトロニダゾール(アメーバなど寄生虫,ピロリ菌の薬)に切り替えます。

Clostridium difficileは芽胞を形成しアルコールで消毒できずアルデヒド(グルタラール,フタラール),過酢酸,次亜塩素酸)を使用せねばなりません。医療従事者は芽胞を拡散しない様、流水と石鹸で手洗い必要。

大腸憩室

小宇宙2

憩室は、アジアでは右側結腸に多く、若年にみられます。腸間膜の反対側(大網ひも、自由ひも側)に好発(空腸憩室は腸間膜付着側、結腸憩室は結腸ひもに接して)。甲状腺機能低下症の便秘で憩室炎・憩室穿孔おこします。

クロンカイト・カナダ症候群(Cronkhite Canada症候群)で甲状腺機能低下症

クロンカイト・カナダ症候群(Cronkhite Canada症候群)で甲状腺機能低下症を来した症例が報告されています。

クロンカイト・カナダ症候群は、非遺伝性の胃・大腸ポリポーシスです。胃・大腸から蛋白漏出・下痢・消化吸収不良が続き、栄養障害・味覚異常・脱毛・爪甲萎縮・皮膚色素沈着がにみられます。また、高率に胃癌・大腸癌を合併します。

甲状腺機能低下症を合併した症例では、Alb 2.0g/dlの低アルブミン血症、FT3 1.6pg/ml、FT4 0.3ng/dl、TSH>100 μIU/mlと重度の甲状腺機能低下症だったが、TRAb<0.3IU/l、抗TPO抗体抗Tg抗体は正常、超音波検査も甲状腺サイズに異常なかったとの事です。

最終的には、低アルブミン血症の軽快と共に甲状腺機能も正常化したため、甲状腺ホルモンの原料であるヨードの吸収障害が原因だった可能性が考えられました。(第55回 日本甲状腺学会 P2-02-09 甲状腺機能低下症を認めたCronkhite-canada 症候群の一例)

N Engl J Med 2012; 366:463-468にも同様の報告があり、甲状腺機能亢進症甲状腺切除後低下症の増悪です。

胃腸科のある病院との連携

胃カメラ

胃カメラを大阪市立大学病院、大阪鉄道病院、大阪府立急性期総合医療センター、東住吉森本病院の消化器科に紹介受診していただきます。

  1. 甲状腺機能低下症でヘリコバクター・ピロリ胃炎を伴うと、甲状腺ホルモン剤[レボチロキシン(チラーヂンS)]の吸収が悪くなります。
  2. 糖尿病では動脈硬化が進み、胃粘膜の血流が悪くなり、胃炎や胃潰瘍を起こしやすくなります(糖尿病性胃粘膜障害)。
  3. 胃原発内分泌腺癌は、胃がんの0.1%以下ですが、悪性度が極めて高いものです。高分化腺癌がp53変異などを起こし内分泌腺癌に変異すると言われます。

大腸カメラ

大腸カメラ; 炎症性腸疾患(クローン病まど)では甲状腺ホルモン剤[レボチロキシン(チラーヂンS)]の腸からの吸収が悪くなります。また、遺伝性大腸ポリープ/大腸がんと甲状腺癌の関連が良く知られます。大腸カメラを大阪市立大学病院、大阪鉄道病院、大阪府立急性期総合医療センター、東住吉森本病院の消化器科に紹介受診していただきます。

腹水と甲状腺機能低下症

腹水は甲状腺機能低下症の4%でみられ、特徴は蛋白濃度が高いことです。腹水自体が腹膜を刺激し、卵巣癌の腫瘍マーカーCA125 の産生を増加させると考えられています。大量の腹水があり、CA125異常高値なら卵巣癌の腹膜へのびまん性転移(癌性腹膜炎)が疑れますが、実は卵巣癌はなく甲状腺機能低下症が原因なのです。甲状腺ホルモン補充療法により腹水は消失し、CA125は正常値になります。

NK1(ニューロキニン)受容体拮抗薬アプレピタンで甲状腺腫瘍

NK1(ニューロキニン)受容体拮抗薬アプレピタントは抗癌剤投与、特に高度催吐性抗癌剤シスプラチンに伴う悪心嘔吐に有効です。ラットで甲状腺濾胞細胞腺腫が発生しています。

抗癌剤の制吐療法には、NK1(ニューロキニン)受容体拮抗薬、5-HT3受容体拮抗剤(パロノセトロンなど)、デキサメサゾンの3者併用療法が推奨されます。パロノセトロン、デキサメサゾンは糖尿病悪化の可能性あり。

甲状腺未分化癌の抗癌剤治療に有用。

甲状腺癌の食道浸潤・腹腔内出血

甲状腺分化癌の標準術式は甲状腺亜全摘/甲状腺全摘術やリンパ節郭清です。上縦隔リンパ節郭清術は特殊な場合のみです。しかし,いかに緩徐な経過の分化癌であっても悪性腫瘍であることに変わりなく,根治手術されなければ再発が多く,再発時は周囲組織に直接浸潤していることが多いです。甲状腺癌の食道浸潤は,筋層までが大部分です。食道浸潤が粘膜粘膜へ達している場合,食道切除になります。

「腹腔内出血を来した,甲状腺癌腹膜播種の1例」が報告されています。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療  長崎クリニック(大阪)

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住所

〒546-0014
大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 地下鉄 谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

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