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甲状腺クリーゼの特殊な病態[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 甲状腺超音波エコー検査 甲状腺機能低下症 長崎甲状腺クリニック大阪]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見① 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学附属病院 代謝内分泌内科(内分泌骨リ科)で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見です。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

長崎甲状腺クリニック(大阪) ゆるキャラ 甲Joう君 甲状腺クリーゼ

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既に甲状腺クリーゼを起こした方は、すぐに救急外来と入院設備のある病院を受診ください。1日遅れると手遅れになります。

甲状腺クリーゼの特殊な病態(一般的ではありません)

特殊な状況の甲状腺クリーゼをいくつか紹介します。あまり一般的な話ではありません。

Summary

甲状腺クリーゼの特殊な病態として、①血球貪食症候群(HPS)を合併。②急性呼吸窮迫(こきゅうひっぱく)症候群(ARDS)、③甲状腺クリーゼ改善しても再度熱発、感染性心内膜炎が隠れていた。甲状腺クリーゼでは、一般的な画像診断で肺炎等が無くても、敗血症・感染性心内膜炎が隠れている可能性あり。④甲状腺クリーゼの大腸穿孔;急激な甲状腺ホルモン上昇による激しい消化管運動亢進が、大腸内圧を上昇させる可能性。⑤重症疾患多発ニューロパチーを合併;ショック状態となり人工呼吸器管理、人工透析までも必要な重症甲状腺クリーゼに合併。人工呼吸器離脱困難、四肢の弛緩性麻痺が持続。⑥脊髄神経根炎を合併

Keywords

甲状腺クリーゼ,急性呼吸窮迫症候群,ARDS,感染性心内膜炎,敗血症,大腸穿孔,重症疾患多発ニューロパチー,人工呼吸器,人工透析,脊髄神経根炎

亜急性甲状腺炎による甲状腺クリーゼ

亜急性甲状腺炎であっても甲状腺クリーゼを起こす可能性はあります。報告例では、Free T4が5.0ng/dL 以上の重度甲状腺中毒症でした。(Thyroid. 2007 Jan;17(1):73-6.)(Cureus. 2020 Jul 29;12(7):e9461.)

甲状腺クリーゼ診療ガイドライン2017では「亜急性甲状腺炎薬剤誘発性の破壊性甲状腺炎による甲状腺クリーゼでは、抗甲状腺薬の投与は既に甲状腺内に貯蔵されている甲状腺ホルモンの放出に対しては無効であり、抗甲状腺薬による副作用のリスクがあるため適応とならない。」と記載されています。

もっともな事ですが、実際の現場では、甲状腺クリーゼでICUに入院中の患者は救命優先で待ったなし。バセドウ病亜急性甲状腺炎破壊性甲状腺炎の鑑別を悠長にやっている時間はありません。バセドウ抗体(TRAb、TSAb)の検査結果は時間・日にちが掛かり、抗体陰性バセドウ病もあり得ます。写真のごとく、甲状腺専門医が甲状腺超音波(エコー)検査で見れば 、一瞬で鑑別できますが、ICUに甲状腺専門医はいません。当然、99mTc(テクネチウム)シンチグラフィーのため、核医学(アイソトープ)検査室に患者を運べる状態ではありません。また、亜急性甲状腺炎バセドウ病橋本病(慢性甲状腺炎)の合併/移行もあり得るため、バセドウ病を100%否定できないなら、抗甲状腺薬の使用は止む無しと思います。

亜急性甲状腺炎による甲状腺クリーゼ 超音波(エコー)画像
亜急性甲状腺炎による甲状腺クリーゼ 組織像

報告例では、組織生検まで行い亜急性甲状腺炎を確定していますが、治療は迅速にプロピオチオウ(PTU:プロパジール、チウラジール)を使用しています(Cureus. 2020 Jul 29;12(7):e9461.)。

血球貪食症候群(HPS)を合併

急性呼吸窮迫(こきゅうひっぱく)症候群(ARDS)

甲状腺クリーゼ改善しても再度熱発、感染性心内膜炎が隠れていた

報告されているのは、人工妊娠中絶した後、甲状腺クリーゼおこした女性。甲状腺クリーゼ自体改善し、1週間後より再度40度の熱発、甲状腺クリーゼ症状は無し。感染症の可能性が考えられ、静脈血培養で黄色ブドウ球菌、感染性心内膜炎が見つかったそうです。

子宮内膜掻破時に黄色ブドウ球菌が血液中に入り、感染性心内膜炎と甲状腺クリーゼ起したと考えられます。

状腺クリーゼでは、一般的な画像診断で肺炎等が無くても、敗血症・感染性心内膜炎が隠れている可能性を念頭に置き、静脈血培養を必ず行うべきと考えさせる症例です。(第53回 日本甲状腺学会 P-91 甲状腺クリーゼの改善の後に新たに高熱を来たし、感染性心内膜炎と診断された一例)

甲状腺クリーゼの胃潰瘍穿孔、十二指腸潰瘍穿孔、大腸穿孔

甲状腺クリーゼの胃潰瘍穿孔、十二指腸潰瘍穿孔

意外と知られていませんが甲状腺クリーゼの死因の5%は消化管穿孔(胃腸が破けること)です(Thyroid. 2012 Jul;22(7):661-79.日本甲状腺学会の統計です)。

甲状腺クリーゼの‎胃潰瘍穿孔、十二指腸潰瘍穿孔は致命的な転帰になります。過剰な甲状腺ホルモンによる激しい消化管運動亢進、交感神経活動性亢進で胃粘膜血流と胃粘膜防御因子の低下が起きるのが原因と筆者は考えられます[甲状腺機能亢進症/バセドウ病と消化管潰瘍(胃十二指腸潰瘍)]。

甲状腺クリーゼで十二指腸潰瘍穿孔

甲状腺クリーゼから

  1. 胃潰瘍穿孔[Am J Emerg Med. 2008 Nov;26(9):1065.e3-4.]
  2. 十二指腸潰瘍穿孔(CT 画像、遊離ガス像(free  air)部位から十二指腸球部あるいは胃の穿孔が示唆されます。)[Case Rep Endocrinol. 2015;2015:750390.]

を起こしたが迅速な手術で救命できたそうです。

甲状腺クリーゼの大腸穿孔

甲状腺クリーゼの大腸穿孔は稀です。大腸なので、交感神経活動性亢進による胃腸粘膜保護因子の低下が原因とは考え難いです。急激な甲状腺ホルモン上昇による激しい消化管運動亢進が、大腸内圧を上昇させるなら説明可能です。元々、便秘があり大腸内圧上昇しやすい状態なら、大腸粘膜が破けるくらい内圧上昇してもおかしくありません。

木沢記念病院の報告では、パーキンソン病による便秘症が元にあり、甲状腺クリーゼ発症後、大腸穿孔を起こしたそうです。(第59回 日本甲状腺学会 P1-4-7 アイソトープ治療後甲状腺クリーゼに発症した大腸穿孔の1例)

重症疾患多発ニューロパチーを合併

ショック状態となり、人工呼吸器管理、人工透析までも必要な重症甲状腺クリーゼに、重症疾患多発ニューロパチーを合併した報告があります。

FT3・FT4 基準値内、TSH 感度未満まで改善しても、人工呼吸器離脱後意識障害、四肢弛緩性麻痺持続したそうです。(第59回 日本甲状腺学会 P4-7-4 甲状腺クリーゼに重症疾患多発ニューロパチーを合併した一例)

敗血症・SIRSなど多臓器障害で、重度の軸索性ニューロパチーを発症することがあります[重症疾患多発ニューロパチー (critical illness polyneuropathy ; CIP) ]。重症疾患が回復しても、人工呼吸器離脱困難、四肢の弛緩性麻痺があると疑いが濃厚です。遠位優位の弛緩性麻痺で、腱反射消失します。

脊髄神経根炎を合併

甲状腺クリーゼに、下肢脱力、排尿障害(自己導尿までしなければならない状態)起こり、病初期は甲状腺中毒性筋症(甲状腺中毒性ミオパシー)と考えられたが、後日、脊髄神経根炎と判明した報告例があります。甲状腺クリーゼ沈静化後に、ステロイドパルス療法行い、脊髄神経根炎は治癒したそうです。(第53回 日本甲状腺学会 P-110 脊髄神経根炎を合併した甲状腺クリーゼの一例)

多発神経根炎では、四肢躯幹に対称性の運動麻痺を来たし、起座不能となります。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,天王寺区,生野区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

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大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

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