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甲状腺と本当の認知症との比較[日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査 長崎甲状腺クリニック(大阪)]

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甲状腺:専門の検査/治療/知見② 橋本病 バセドウ病 甲状腺エコー 長崎甲状腺クリニック大阪

甲状腺専門長崎甲状腺クリニック(大阪府大阪市東住吉区)院長が海外(Pub Med)・国内論文に眼を通して得た知見、院長自身が大阪市立大学 代謝内分泌内科で得た知識・経験・行った研究、日本甲状腺学会で入手した知見などです。

長崎甲状腺クリニック(大阪)以外の写真・図表はPubMed等で学術目的にて使用可能なもの、public health目的で官公庁・非営利団体等が公表したものを一部改変しています。引用元に感謝いたします。

甲状腺・動脈硬化・内分泌代謝・糖尿病に御用の方は 甲状腺編    動脈硬化編  内分泌代謝(副甲状腺/副腎/下垂体/妊娠・不妊等  糖尿病編 をクリックください

長崎甲状腺クリニック(大阪)は、甲状腺専門クリニックです。本当の認知症の治療は行っておりません。

アルツハイマー型認知症

平成29年度高齢者白書によると、2012年は認知症患者数が約460万人、高齢者人口の15%とされます。

甲状腺編 では収録しきれない専門の検査/治療です。

認知機能の1つが記憶で、記憶力の低下が物忘れです。記憶の種類は大まかに3つに分類されます。

  1. エピソード記憶;昨日、何を食べたなど個人の経験に関わる記憶。側頭葉の内側が司る。
  2. 意味記憶;九九、歴史上の人物など学習によって得た知識。側頭葉の外側が司る。
  3. 手続き記憶;車の運転、自転車の乗り方、楽器の演奏など、体で覚えたもの。小脳が司る。
  4. 作動記憶;聞いた情報を脳裏に留めたまま、考えを巡らしたり、計算したりなど、同時に複数の作業を行う脳機能。

アルツハイマー病では、最初にエピソード記憶が障害されます。

記憶の種類

甲状腺と本当の認知症との比較

Summary

アルツハイマー型認知症はアルツハイマー型神経原線維変化によりアミロイド前駆体蛋白(アミロイドベータ)が脳に蓄積。短期記憶障害・徘徊・昼夜逆転・常同行動、被害妄想・物盗られ妄想・夜間せん妄おこす。レビー小体型認知症(褐色細胞腫で使う131I-MIBGシンチで診断)、前頭側頭型認知症(ピック病)(反社会的行動)、正常圧水頭症、大脳皮質基底核変性症、一過性全健忘、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍の髄膜腫(甲状腺濾胞癌、乳がんの脳転移・頭蓋骨転移と鑑別)も認知症おこり、甲状腺機能亢進症/バセドウ病・甲状腺クリーゼ・橋本脳症の精神症状と鑑別。抗アルツハイマー薬で甲状腺機能低下症の徐脈が増悪。

Keywords

アルツハイマー型認知症,妄想,夜間せん妄,レビー小体型認知症,ピック病,正常圧水頭症,一過性全健忘,慢性硬膜下血腫,髄膜腫,甲状腺,精神症状

本物のアルツハイマー型認知症との比較

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は最も多い認知症(40-60%)。老化により生じたアミロイド前駆体蛋白(アミロイドベータ)が脳に蓄積し、神経細胞を死滅させます(アルツハイマー型神経原線維変化)。

アルツハイマー型認知症の特徴は

  1. 緩徐に進行する短期記憶障害
  2. 感情は比較的保たれる
  3. パーキンソニズムなど神経学的異常所見を認めない
アルツハイマー型認知症 MRI画像

アルツハイマー型認知症の罹患リスク

アルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」と言われ、罹患リスクは

  1. 年齢
  2. 家族歴
  3. ApoEe4の遺伝子型(アルツハイマー病のリスクは2倍)
  4. 高血圧
  5. 糖尿病(アルツハイマー病のリスクは3倍)
  6. 喫煙
  7. 高脂血症
  8. クラミジア肺炎球菌感染(動脈硬化の起炎菌?)

など動脈硬化の危険因子と重なります。甲状腺機能低下症/橋本病では動脈硬化が進行するため、アルツハイマー病発症に関与する可能性があります。

アルツハイマー型認知症の症状

アルツハイマー型認知症の症状は、

  1. 短期記憶障害(「さっき何をしたかな?」というエピソード障害)、同じ話や質問を繰り返す(甲状腺機能低下症でも起こり得ます)
  2. 喚語障害(言いたい言葉が出てこない)・反響言語(相手の言葉をおうむ返し)・語間代(言葉の終わりを反復;行くぞくぞくぞ);状腺機能低下症では説明つきませんが、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺クリーゼの精神症状・橋本脳症なら説明可能
  3. 高次脳機能障害;着衣失行(服を着れない)、観念失行(何をするか分かっているのに実行できない)・視空間失認(目の前の空間を理解できない)・相貌失認(誰の顔か分からない)・左右失認;状腺機能低下症では説明つきませんが、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺クリーゼの精神症状・橋本脳症なら説明可能
  4. 徘徊・昼夜逆転・常同行動、被害妄想・物盗られ妄想・夜間せん妄など甲状腺機能低下症では説明つきませんが、甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺クリーゼの精神症状・橋本脳症の症状として報告されています(認知症と間違えられる高齢者の甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺クリーゼ)。

また、アルツハイマー型認知症は、高齢者の初発てんかんでの原因の第一位です。同年齢者の2-6倍の頻度です。

アルツハイマー型認知症の診断

アルツハイマー病は脳血流シンチ(SPECT)で大脳脚・尖頭部の血流低下し、進行すると側頭頭頂連合野の血流低下も認めます。

MRIは初期には側脳室下角の拡大・海馬の萎縮が目立ち、進行すると前頭葉、頭頂葉の萎縮や脳溝の拡大が目立ちます。

PETのアミロイドイメージング(アミロイドPET)陽性だが、加齢に伴うアミロイドβ沈着も陽性になるので特異的ではない。

アルツハイマー型認知症 脳血流シンチ(SPECT)

アルツハイマー型認知症の治療

アルツハイマー型認知症の治療は、

  1. 抗アルツハイマー薬(アセチルコリンを増加させる塩酸ドネペジルなど)は副交感神経優位になるため、甲状腺機能低下症に投与してしまうと徐脈(心拍数低下)が増悪する事があります。
    また、脳を元気にする薬なので、不穏状態や易怒性を悪化させる危険性があります。
  2. 抗アルツハイマー薬(メマンチン:メマリー®)は脳を落ち着かせる薬なので、不穏状態や易怒性に有効。
     
  3. 漢方薬の抑肝散(ヨクカンサン);効いた患者を見た事がありません。元々、子供の夜泣き、ひきつけ、疳の虫に使用していた漢方薬。成分として甘草(カンゾウ)を含むため、長期服用で低カリウム血症偽性アルドステロン症おこす危険。
    甲状腺機能亢進症/バセドウ病でも低カリウム血症がおこります(甲状腺の低カリウム血症)。

アルツハイマー型認知症の予防

アルツハイマー型認知症は「脳の糖尿病」と言われ、予防は糖尿病とほぼ同じです。

  1. 有酸素運動
  2. 良質の睡眠
  3. 糖尿病治療薬
  4. 赤ワインなど適量の飲酒

レビー小体型認知症(Lewy 小体型認知症)

レビー小体型認知症
レビー小体型認知症 脳血流シンチ(SPECT)

レビー小体型認知症(Lewy 小体型認知症)は、アルツハイマー型認知症の一種で、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。レビー小体型認知症は、人口の0.05-0.5%、男性が女性の2倍多く、40-50歳代の働き盛りで発症する若年性認知症の事があります。

レビー小体型認知症(Lewy 小体型認知症)は、大脳皮質の神経細胞内にレビー小体という物質が多数出現します。

レビー小体型認知症(Lewy 小体型認知症)の症状は

  1. 後頭葉異常による図形描写障害、非常にリアルな幻視(人、小動物、虫が多い。死んだ人が見える事も、ただし事故物件に住んでいる人や、遊び半分で心霊スポットに行った人の場合、必ずしも幻視とは言えません)と、それに基づく妄想。家族が他人と入れ替わった幻視・妄想(カプグラ症候群:妄想性人物誤認症候群)もあるが、事故物件に住んでいると妄想とは限らない。
     
  2. 甲状腺機能低下症同様、
    パーキンソン病症状(ドパミン神経細胞変性);初期には明らかでなく、安静時振戦・症状の左右差は目立たない。ドパミントランスポーターシンチグラフィ(123I-ioflupaneシンチグラフィー:ダットスキャン®))で集積低下
    抑うつ症状
    ③自律神経障害;交感神経系が早期から障害されて起立性低血圧→失神、便秘
     
  3. 意識レベル(認知)の変動(ボーとしている時と、はっきりしている時がある。ボーとしている時は甲状腺機能低下症様)が特徴。認知機能障害は軽度が多い。
     
  4. 日中・夜間で異なる認知症状:
    ①昼間は幻視
    ②夜は夜間せん妄など
    ③REM睡眠行動異常症;筋緊張低下を伴わないREM睡眠のため、攻撃的・暴力的な夢内容が実行される(怒鳴る、壁を叩く、隣で寝ている人を蹴る)が、呼び掛けで容易に沈静化。睡眠ポリグラフ検査で診断。レビー小体型認知症の50-80%、幻視やパーキンソン病症状に先行して見られる。低用量クロナゼパム0.25-1.0mgが有効だが効き過ぎに注意。(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の覚醒障害(睡眠時遊行症)(いわゆる夢遊病)の様
     
  5. 向精神薬で幻視悪化
心筋123I-MIBGシンチグラフィー

レビー小体型認知症(Lewy 小体型認知症)の検査所見・診断;

  1. 脳MRIはほとんど異常なく、脳血流シンチ(SPECT)で後頭葉の血流低下を認めます。
     
  2. 褐色細胞腫の診断でも使う心筋123I-MIBGシンチグラフィーの心臓上縦隔比の低下(交感神経節後線維の変性による取り込み低下)がアルツハイマー型認知症との鑑別に有効。早期相、後期相ともに2.2未満。

レビー小体型認知症(Lewy 小体型認知症)の治療は、抗アルツハイマー薬(アセチルコリンを増加させる塩酸ドネペジルなど)・パーキンソン薬・抑肝散(元々、子供の夜泣き、ひきつけ、疳の虫に使用していた漢方薬)は本症でも有効。

前頭側頭型認知症(ピック病)

前頭葉は、大脳の最も進化した部分で、人間特有の機能、主に抑制、自発性を司どり、障害されると、抑制効かなくなり易怒性、多幸症、自発性低下を認める。前頭側頭型認知症(ピック病)は、前頭葉や側頭葉前方の萎縮が目立つ認知症で、

  1. 性格が変わる(落ち着きなく甲状腺機能亢進症/バセドウ病の精神症状の様)
  2. 社交性・自発性がなくなる(甲状腺機能低下症様)
  3. 反社会的行動(万引き、無銭飲食)
    常同行動
    不潔で平気になる (甲状腺機能亢進症/バセドウ病甲状腺クリーゼの精神症状の
    様)
前頭側頭型認知症(ピック病)

脳血管性認知症

脳血管性認知症 radiopaedia

脳血管性認知症は、脳血管障害(脳梗塞・脳出血)による認知症で、認知症全体の約20%を占めます。男性が多い。

多発梗塞性認知症(20-30%)、脳出血性認知症、低灌流性認知症、小血管病変性認知症(半数以上)などに分けられます。

脳血管病変の部位に応じた麻痺、感覚障害他の脳神経症状に加えて、脳血管性認知症の症状が重なります。特徴は、

  1. 亜急性・緩やかに発症し、動揺しながら階段状に進行(海馬・視床の単一領域の梗塞は急性発症)
  2. 記憶障害・見当識障害・夜間せん妄などは少ない
  3. 突然認知症状が出たり、落ち着いたり変動する「まだら認知」
  4. 特定の事はしっかりできるのに、別の事は何もできない(遂行機能障害)
  5. 意欲・自発性の低下が目立つ例が多い(甲状腺機能低下症の様)。易怒性、焦燥の事も(甲状腺機能亢進症/バセドウ病の様)
  6. アルツハイマー型認知症と合併した混合型認知症も

脳血管性認知症の頭部CT・MRIは、認知機能に重要な前頭葉、側頭葉、後頭葉、視床、海馬などに大小多数の梗塞巣が認められます。(写真上 radiopaediaより)

(下;脳血管性認知症 小血管型 MRI T2画像)

脳血管性認知症 小血管型

成年後見制度

成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害、発達障害により判断能力が低下した人に法的な後見人(補助人、補佐人、後見人)を付ける制度です。

一人暮らしの認知症老人が悪質な訪問販売員に騙され高額な商品を買わされたり、オレオレ詐欺などの特殊詐欺を防ぐのに有効です。

法定後見申し立てを本人、配偶者、4親等内の親族、市町村長、検察官、有料で弁護士・司法書士が家庭裁判所にします。その際、医師の診断書の提出が必要になります。その後、家庭裁判所が審査、委託医が本人の判断能力を鑑定します。(認知症を知るwww.e-65.net)

成年後見制度

正常圧水頭症(iNPH)

正常圧水頭症(iNPH)の原因は不明ですが、高血圧、糖尿病、脳卒中(脳出血、脳梗塞)の人に多く、脳動脈硬化による微小脳梗塞のため脳室周囲組織の弾力性が低下し、わずかな髄液循環障害により脳室拡大すると考えられています。

頭部外傷後、数週間かけて徐々に脳室への出血が起こると、脳室圧の上昇がほとんどない正常圧水頭症になります[外傷性正常圧水頭症]。

正常圧水頭症(iNPH)

正常圧水頭症(iNPH)症状は

  1. 歩行障害;最初に起こる。パーキンソン様の歩行・すくみ足だが、腕振りは良く、ハの字のような小股歩行、すり足、歩隔は広い。安静時振戦、姿勢時振戦、不随意運動はない。
  2. 認知症;その次に起こる。甲状腺機能低下症,パーキンソンの仮性認知症様
  3. 尿失禁;進行すると起きる。パーキンソンの自律神経障害の様で、過活動膀胱切迫性尿失禁
特発性正常圧水頭症 MRI画像

MRIでは脳室・シルビウス(Sylvius)裂が拡大、高位円蓋部、正中部皮質のくも膜下腔・脳溝は拡大しない。脳血流SPECTではシルビウス裂周囲での血流低下、高位円蓋部、正中部の相対的な血流増加(J Neurosurg. 2018 Mar 16;130(2):398-405.)。

正常圧水頭症(iNPH)SPECT

髄液を30ml抜いて歩行障害が改善するか確認するドレナージテスト(脳脊髄液排除試験)が有用。シャント手術(脳室腹腔短絡術)が唯一の治療。治療後、

  1. 早期に歩行障害が改
  2. 続いて排尿障害が改善
  3. 認知症は最も改善しにくい

しかし、症状が治るため、甲状腺機能低下症と同じく「治る認知症」と言われます。

シャント手術(脳室腹腔短絡術)後のフォローアップ検査で、頭頸部への外部放射線被ばくが長期間に及ぶと、甲状腺結節の発生率が高まるとされます(Pediatr Surg Int. 2016 Jun;32(6):565-9.)。

大脳皮質基底核変性症

大脳皮質基底核変性症(corticobasal degeneration、CBD)は、進行性核上性麻痺と同じく3 リピートタウが蓄積する疾患です。

大脳皮質基底核変性症は、多彩な病変で

  1. 左右差が強い錐体外路症状;パーキンソン症状(動作緩慢、筋肉強直、歩行障害など)、他人の手徴候(エイリアンハンド症候群)
  2. 大脳皮質症状;認知症、失行、失語

が同時にみられ甲状腺機能低下症/橋本病のようです。‎

下垂体機能低下症甲状腺機能低下症/橋本病を合併した大脳皮質基底核変性症の報告があります。ホルモン補充療法後も認知障害および錐体外路症状が残ったため、大脳皮質基底核変性症の診断に至ったそうです。‎[Brain Nerve. 2015 Jun;67(6):759-64.]

MRIで左右差のある大脳萎縮、脳室拡大を認めます。(MRI T1 強調画像)

大脳皮質基底核変性症 MRI T1 強調画像

海馬梗塞

海馬梗塞 MRI画像

海馬梗塞により「突然、パソコン操作ができなくなった。」「突然、ビデオのリモコンの使い方がわからなくなった。」などの高度認知機能障害が起きます

一過性全健忘(1日だけ全て忘れてしまいます)

一過性全健忘は、口論など激しい興奮状態や痛み・過労などのストレスがきっかけになり、

  1. 感情中枢の扁桃体からグルタミン酸が大量に放出され、記憶中枢の海馬が一時的に抑制される
  2. 脳動脈硬化など海馬の虚血
一過性全健忘

が原因とされます。

一過性全健忘の症状は、新しい記憶ができない前向性健忘で、同じ質問を何度も繰り返します

一過性全健忘は治療しなくても徐々に自然回復しますが、正常に戻っても発作中の出来事は全く覚えていません。発作直後の脳MRIで異常なく、6-72時間で海馬に異常信号を認めれば確定(10日以内に消失)。再発はほとんどありません。甲状腺と直接関係ありませんが、甲状腺機能低下症/橋本病動脈硬化が進行した場合、海馬の虚血がおきるかもしれません。

解離性健忘(dissociative amnesia、選択的健忘)

解離性健忘(dissociative amnesia、選択的健忘)は、ストレスとなった出来事に対する選択的な記憶障害(と言うより心因性の追想障害、心因性健忘)です。解離性健忘の予後は良く、1 か月以内に記憶も回復する可能性が高いです。

漫画エリア88の最終回、医師「よほど辛い思いをしたのか、否定する意識が強かったのでしょう」。

甲状腺機能亢進症/バセドウ病による精神障害が原因で、解離性健忘を発症した20歳の日本人女性の報告があります。(Gen Hosp Psychiatry. 2014 Jul-Aug;36(4):450.e1-2.)

漫画エリア88の最終回 解離性健忘

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫 CT画像

慢性硬膜下血腫は、硬膜-くも膜の間隙に流動性血腫が貯留する病気です。90%が頭部打撲後(記憶にない軽度のことも多い)、少しずつ出血が増えて血腫が大きくなり、3週間から2カ月(6か月以内)掛け症状が出ます。

  1. 男性、高齢者;脳が萎縮し、頭蓋骨と脳との隙間が大きくなるので
  2. アルコール多飲者/肝障害
  3. 糖尿病
  4. 脳梗塞・心筋梗塞・狭心症など動脈硬化疾患・甲状腺機能亢進症/バセドウ病による心房細動などで血をサラサラにする薬を飲んでいる人
  5. 頭部外傷の既往がある人が、再び頭部外傷を受けた時(特に開頭手術の既往があると、ベッドの上で転倒する程度でも)

におこりやすい。

慢性硬膜下血腫

打撲後しばらくは異常ないが、徐々に片側の手足のしびれ、片麻痺、手のふるえ、構音障害(ろれつが回らない)、意識障害が進行。認知症症状のことも多く、認知症と間違われて治療されていることがあります。

慢性硬膜下血腫治療の基本は穿頭血腫洗浄術(頭蓋骨に1cm位の穴を開け、血腫を洗い流します)。治療後は、症状が治るため、甲状腺機能低下症と同じく「治る認知症」と言われます。

甲状腺分化癌(乳頭癌濾胞癌)全摘出後のI-131 シンチグラフィーの際に、慢性硬膜下血腫にヨウ素-131が流れ込み、あたかも頭蓋骨転移、脳転移の様に見えます(偽陽性)(Clin Nucl Med. 2004 Mar;29(3):164-6.)。

脳腫瘍の髄膜腫

髄膜腫

脳腫瘍の髄膜腫は、(転移性脳腫瘍を除く)原発性脳腫瘍の中で、最も高頻度で約25%を占めます。くも膜細胞(髄膜皮細胞)から発生し、90%以上は良性、50-60歳代の中年以降の女性に多いとされます。

進行が非常に緩徐なため、

  1. 無症状な事が多いですが
  2. 起床時の頭痛
  3. 発生場所によって認知症状、てんかんや、四肢麻痺で発症する事も多いです。

甲状腺濾胞癌乳がんの脳転移・頭蓋骨転移と鑑別を要する事があります(NeurolMed Chir (Tokyo) 27: 995~999, 1987.)(耳展 38:2; 216~221, 1995)。

CTでは、高輝度・境界明瞭・石灰化もあり・頭蓋骨へ浸潤し骨破壊を認めます。造影CTでは均一に造影されます。MRIはT1で低輝度、T2で高輝度、境界明瞭な腫瘤(脳実質との境界には低信号帯があり、脳実質外の腫瘤なのが分かります)

歯科X線と甲状腺癌・髄膜腫

頻回に歯科X線を行うと甲状腺癌、髄膜腫、および頭頸部領域の他の癌のリスクが増大します(Thyroid. 2019 Nov;29(11):1572-1593.)

降圧薬による血圧低下と認知症・認知機能障害の関連

降圧薬による血圧低下で認知症・認知機能障害のリスクは低下します。やはり、動脈硬化の抑制によるのでしょうか。(JAMA. 2020;323(19):1934-1944.)(Lancet Neurol. 2020 Jan;19(1):61-70.)

認知症と転倒・骨折

認知症の人は、認知症でない人に比べ、2倍の頻度で転倒・骨折おこし易いです。

  1. 筋力の衰え(サルコペニア/サルコペニア肥満症・フレイル
  2. 白内障などによる視力低下

が原因として考えられます。

抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬(睡眠薬)で認知症様に

抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬(睡眠薬)などで認知症に似た状態が引き起こされる場合があります。脳の活動性が低下するのだから当然かもしれません。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)

長崎甲状腺クリニック(大阪)とは

長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査など]による甲状腺専門クリニック。大阪府大阪市東住吉区にあります。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市,生野区,天王寺区,浪速区も近く。

長崎甲状腺クリニック(大阪)


長崎甲状腺クリニック(大阪)は日本甲状腺学会認定 甲状腺専門医[橋本病,バセドウ病,甲状腺超音波(エコー)検査等]施設で、大阪府大阪市東住吉区にある甲状腺専門クリニック。平野区,住吉区,阿倍野区,住之江区,松原市,堺市,羽曳野市,八尾市,東大阪市近く

住所

〒546-0014
大阪府大阪市東住吉区鷹合2-1-16

アクセス

  • 近鉄「針中野駅」 徒歩2分
  • 大阪メトロ(地下鉄)谷町線「駒川中野駅」
    徒歩10分
  • 阪神高速14号松原線 「駒川IC」から720m

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