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髄膜炎菌/肺炎球菌で副腎クリーゼ(急性副腎不全)、副腎出血,  先天性副腎過形成,  副腎白質ジストロフィー[甲状腺 専門医 橋本病 長崎クリニック(大阪)]

内分泌代謝(副甲状腺・副腎)/痛風/肥満/:最新・専門の検査/治療/知見 長崎クリニック(大阪)

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ムコイド型肺炎球菌

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Summary

髄膜炎菌/肺炎球菌でおこるウォーターハウス・フリードリヒセン症候群(副腎出血)、先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)、極長鎖脂肪酸測定が増加する先天性副腎不全(副腎白質ジストロフィー)を解説します。肺炎球菌による脾臓摘出後重症感染症も説明。

髄膜炎菌/肺炎球菌でウォーターハウス・フリードリヒセン症候群、副腎出血

髄膜炎菌

髄膜炎菌

髄膜炎菌は髄膜炎おこすグラム陰性双球菌で、

  1. ウォーターハウス・フリードリヒセン症候群
    突然の腹痛(片側/両側の副腎大出血
    遷延する低血糖・意識障害(急性副腎皮質不全)
    多臓器不全、播種性血管内凝固症候群(DIC)で死亡
  2. 髄膜炎菌性尿道炎

もおこします。淋菌もグラム陰性双球菌で、どちらにも中枢神経に移行する抗生剤:セフトリアキソンが有効。

肺炎球菌

肺炎球菌はグラム陽性双球菌で脾臓摘出後・糖尿病の免疫不全でウォーターハウス・フリードリヒセン症候群おこし、近年増加傾向。

肺炎球菌による脾臓摘出後重症感染症

自己免疫性甲状腺疾患 橋本病/バセドウ病では自己免疫性溶血性貧血(AIHA)・特発性血小板減少性紫斑症(ITP)を併発し、脾臓摘出手術をおこなうことがあります。肺炎球菌による脾臓摘出後重症感染症(OPSI)にかかると、死亡率は50~75%とされています。肺炎球菌ワクチンの事前投与が必要。

甲状腺クリーゼの症状と似ている急性副腎皮質不全

副腎クリーゼ(急性副腎不全)と甲状腺クリーゼの関係

副腎クリーゼ急性副腎不全は、急性胃腸炎・甲状腺クリーゼの症状と似ています。そもそも、甲状腺クリーゼの病態の主要な一部が、副腎クリーゼ急性副腎不全なのです。

副腎クリーゼ(急性副腎不全)とは

副腎クリーゼ(急性副腎不全)とは、急激な副腎皮質ホルモンの相対的・絶対的欠乏によりおこる致死的な状態です。

副腎クリーゼ急性副腎不全)の原因

  1. 副腎の細菌感染(髄膜炎菌・肺炎球菌)・出血(ワーファリン服用中)・副腎梗塞(抗リン脂質抗体症候群)による副腎皮質ホルモンの急激な減少
  2. 下垂体障害による副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の分泌低下[脳外傷・脳外科手術・出産時の出血多量(シーハン症候群)・下垂体卒中 ]
  3. 慢性副腎皮質機能低下症で、感染症・外傷・手術など強いストレスがかかった場合(副腎クリーゼ急性副腎不全予防の目的で通常の2-3倍量(全身麻酔手術では10倍量)のステロイドを追加内服します)
  4. 慢性副腎皮質機能低下症で、副腎皮質ステロイド薬を突然中止した場合(自己中断など)
  5. 甲状腺クリーゼ甲状腺クリーゼでは、過剰な甲状腺ホルモンにより、副腎皮質ホルモンが分解され、副腎クリーゼ急性副腎不全)を合併しています。

副腎クリーゼ(急性副腎不全)の誘因

副腎クリーゼ(急性副腎不全)の誘因としては、

  1. 感染症(インフルエンザなど)63%
  2. 手術6%
  3. 外傷6%

とされます。(Med J Aust 188:409-413, 2008)

副腎クリーゼ急性副腎不全)の症状

副腎クリーゼ急性副腎不全の、

  1. 初期症状は、発熱(微熱から38度以上の高熱)、消化器症状(腹痛、嘔吐、便秘、下痢)、精神症状(低血糖低ナトリウム血症によるなどです。
    (急性腹症と誤診されやすく、要注意)
  2. 続いてショック症状(急激な血圧低下、脱水、低ナトリウム血症低血糖、呼吸困難、意識障害)になり、治療が遅れると死亡します。

副腎クリーゼ急性副腎不全)の診断・治療

血中コルチゾール、尿中17-OHCSが低値、ACTH高値なら原発性副腎皮質機能低下症、低値なら続発性副腎皮質機能低下症と診断しますが、最も早く結果の出る血中コルチゾールでも翌日になります。

待ってはいられないので、低ナトリウム血症高カリウム血症低血糖、好酸球増加が確認されれば、血中コルチゾール/ACTH/尿中17-OHCSの測定をオーダーし、迅速に副腎皮質ステロイド補充を開始します。

  1. 静注用ヒドロコルチゾン(ソル・コーテフ、サクシゾン、水溶性ハイドロコートン)を、100~200mg、急速静注(静注が困難な場合は筋注)。続けて初期投与量と同量を5%ブドウ糖液に混ぜ、24時間で均等に持続点滴静注。
  2. Kを含まない初期第1輸液溶液(ソリタT1・ソルデム1)10~20ml/kg/hrを1~2時間急速大量輸液。その後、必要な水分量・電解質・アルカリ量を計算して輸液を調節し、24~48時間かけて補正。Kは正常化したら維持量を開始。

 翌日確認になりますが、血中コルチゾールが5μg/dl未満なら、副腎クリーゼ(急性副腎不全)が強く疑われます。

先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)

小児の原発性副腎皮質機能低下症のほとんどが先天性副腎過形成症(約95%)、先天性副腎低形成症(約5%)です。(副腎ホルモン産生異常に関する調査研究 平成22年度総括・分担研究報告2011)

生まれつきの副腎酵素欠損症でコルチゾールが作れないと、下垂体からACTH(副腎皮質刺激ホルモン)が過剰に分泌され、副腎が過形成をおこします(先天性副腎過形成症)。

小児の原発性副腎皮質機能低下症の診断

ACTH 100 pg/ml異常が多い
コルチゾール10μg/dl未満
ACTH刺激試験:ACTH投与後60分の血清コルチゾール血10μg/dl未満

21水酸化酵素欠損症

先天性副腎過形成症の約90%以上を占め、常染色体性劣性遺伝で21ヒドロキシラーゼ(P450 c21)が欠損します。重症度順に塩喪失型,単純男性型,遅発型に分類されます。日本では1989年より新生児マススクリーニングが行われていますが、それ以前に生まれた方は可能性があります。

単純男性型は

  1. 副腎アンドロゲンの産生過剰により,男性では性早熟,女性では男性化がおこります。

塩喪失型は、

  1. 副腎アンドロゲンの産生過剰により,男性では性早熟,女性では男性化がおこります。
  2. アルドステロン合成不全により低Na血症高K血症,循環不全を示す重症型です。

遅発型は、

  1. 出生時には無症状で、その後男性では性早熟,女性では男性化がおこります。

11β一水酸化酵素欠損症

以下は特に高血圧がおこる先天性副腎過形成症です。

先天性副腎過形成(副腎酵素欠損症)

先天性副腎過形成の中で11β一水酸化酵素欠損症は

  1. デオキシコルチコステロン(DOC)が過剰になり高血圧
  2. 副腎アンドロゲンの産生過剰により,男性では性早熟,女性では男性化がおこります。

17α-水酸化酵素欠損症

先天性副腎過形成の中で17α-水酸化酵素欠損症は

  1. デオキシコルチコステロン(DOC),コルチコステロンが過剰になり高血圧
  2. テストステロン・エストロゲン低下による性腺機能低下をおこします。

副腎白質ジストロフィー:極長鎖脂肪酸測定

中枢神経(脳・脊髄)神経細胞の脱髄(神経線維を覆う鞘の崩壊)と副腎不全を併発する遺伝病です。極長鎖脂肪酸と呼ばれる脂肪酸の増加を認めます。

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