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高カルシウム血症は副甲状腺 ・サルコイドーシス      [甲状腺 専門医 橋本病 バセドウ病 動脈硬化 甲状腺超音波(エコー)検査の長崎甲状腺クリニック(大阪)]

内分泌代謝(副甲状腺・副腎)/痛風/肥満等:最新・専門の検査/治療/知見 長崎クリニック(大阪)

甲状腺内分泌代謝等の長崎甲状腺クリニック(大阪市東住吉区)でしか行えない検査/治療・当院ホームページでしか得られない情報を満載しています。これらは、院長が最新の海外論文に眼を通して得たもの、甲状腺学会で入手した知見を元にしています。

甲Joう君(高カルシウム血症は副甲状腺)

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Summary

高カルシウム血症を解説します。原発性副甲状腺機能亢進症家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症後天性低カルシウム尿性高カルシウム血症サルコイドーシス・ビタミンD中毒・マッキューン オルブライト症候群も説明します。

高カルシウム血症は副甲状腺

高カルシウム血症と副甲状腺

高カルシウム血症低カルシウム血症副甲状腺ホルモン(PTH)異常の可能性があります。

副甲状腺

副甲状腺は、甲状腺の左右両葉の裏面の上下、計4個あります。

※ただし健康なひとでも10-15%は5個目の過剰副甲状腺があるとされます(Surgery of thyroid and parathyroid glands. 2nd edition.625.2013)。

甲Joう君 para

長崎甲状腺クリニック(大阪) ゆるキャラ Jo

副甲状腺の役割

副甲状腺ホルモンは、骨・腎に作用して、血液中のカルシウム濃度を調節する働きをします。(図は第16回隈病院甲状腺研究会より提供)

副甲状腺の位置異常

副甲状腺の発生

副甲状腺の上2つは、第4咽頭嚢、下2つは、第3咽頭嚢から発生します。いずれも定位置に移動してくる過程で、止まってしまい、定位置を外れた場所に存在する場合があります。

副甲状腺の位置

定位置に無い場合、頚動脈近傍なら、超音波(エコー)検査で判りますが、胸腺内/縦隔内では後述のMIBI-SPECTでしか見つけられません。(図は第10回神戸甲状腺診断セミナーより提供)

高カルシウム血症:副甲状腺機能亢進症

副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰になると、カルシウムが骨から溶け出したり、腎臓から尿に捨てられず戻ってきたり、腸から吸収されたりして、血液中のカルシウム濃度が上昇します(原発性副甲状腺機能亢進症)。

原発性副甲状腺機能亢進症の頻度・男女比・好発年齢

原発性副甲状腺機能亢進症は、2万人に1人、男女比1:2、40-60代女性に多い病気です。

日本甲状腺学会で報告されている最年少の原発性副甲状腺機能亢進症は、16 歳、女性で、高Ca 血症(16.3mg/dl)、低P 血症(2.23mg/dl)、intact PTH上昇(1280pg/ml)、約20mm の副甲状腺腫だったとの事です。(第55回 日本甲状腺学会 P2-10-12 若年性副甲状腺機能亢進症の一例)

原発性副甲状腺機能亢進症の症状

  1. 副甲状腺ホルモン(PTH)が骨を溶かすため、骨そしょう症になり、骨吸収部は線維組織に置き換わり(汎発性線維性骨炎)病的骨折しやすくなります。
  2. 高カルシウム血症による全身倦怠感・脱水(尿へのカルシウム排泄増加)
  3. 過剰な血清カルシウムが腎結石になり、腎不全
  4. 高血圧、不整脈
  5. 消化性潰瘍、膵炎/膵石、便秘
  6. いらいらなど精神症状、集中力がない、頭痛、中枢神経にダメージを与え、記憶障害や傾眠
  7. 筋力低下

をきたします。

高カルシウム血症と消化器症状

便秘

高カルシウム血症では神経細胞のナトリウムチャンネルが阻害され、信号を伝える脱分極が起こりにくくなります。胃腸を動かす神経の活動が低下するため、胃腸の収縮が低下し便秘します

消化性潰瘍

高カルシウム血症では、幽門線のG細胞のカルシウム受容体が刺激され、ガストリン(胃酸分泌作用のある消化管ホルモン)の分泌が促進されます。結果、胃酸分泌が高まり、胃潰瘍が好発します。

膵炎, 膵石症

原発性副甲状腺機能亢進症の1.1〜1.5%に膵炎合併します(JAMA 1980;243:246-7)。高カルシウム血症が急性膵炎を引き起こす機序は不明ですが

  1. トリプシノーゲンがトリプシンに活性化され膵の自己消化を引き起こす(Am J Med 1960;29:424-33)
  2. 膵実質や膵管に石灰沈着おこし膵管が閉塞(Ann Surg 1957;145:857-63)
  3. 原発性副甲状腺機能亢進症でのSPINK1 trypsin inhibitor (N34S)遺伝因子の関与(Am J Gastroenterol 2008;103:368-74)

が考えられています。

膵石は膵管内に形成された石(結石)で、慢性膵炎の約40%にみられます。膵石の主成分は炭酸カルシウムです。膵石は膵液の流れを妨げ、慢性膵炎を増悪させます。

副甲状腺機能亢進症診断

副甲状腺ホルモン(PTH)測定

副甲状腺ホルモン(PTH)測定
インタクトPTH:通常これを測ります。腎機能が悪い方は実際より低い値になります。
ホールPTH:腎機能に影響されない点、単なる副甲状腺ホルモン(PTH)の量でなく、活性度を反映する点がインタクトPTHと異なります。

副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP):悪性腫瘍(甲状腺未分化癌、肺癌,食道癌,口腔・頭頸部癌,子宮内膜癌/卵巣明細胞癌(PTHrP産生明細胞癌),乳癌,膵癌,肝細胞癌,腎癌,膀胱癌,成人T細胞性白血病,悪性リンパ腫など)から分泌される副甲状腺ホルモン(PTH)の類似体で、骨吸収サイトカインIL-1, IL-6, TNF-alphaとともに高カルシウム(Ca)血症をおこします。

ホールPTHとインタクトPTH

ホールPTHは生理活性型PTHで、PTHの作用そのものを反映します。

副甲状腺超音波(エコー)検査

(➸)原因となる副甲状腺腺腫、副甲状腺癌、副甲状腺過形成デジタルハイビジョン超音波診断装置で診断。エコーでは、甲状腺とのインピーダンスの違いにより、甲状腺-副甲状腺境界部に線状高エコーが生じます(右図の↓)。

副甲状腺腺腫 超音波(エコー)画像
エコー0
超音波(エコー)検査で見つからない副甲状腺

超音波(エコー)検査で見つからない副甲状腺は、

  1. 縦隔内
  2. 食道背側
  3. 喉頭背側

に存在する場合です。

副甲状腺造影CT, 99m-Tc MIBIシンチグラフィー, 99m-Tc MIBI-SPECT

副甲状腺腫瘍 造影CT画像

造影CTで副甲状腺腫瘍の位置を再確認します。

99m-Tc MIBIシンチグラフィー, 99m-Tc MIBI-SPECTで99m-Tc MIBIを取り込めば副甲状腺腫瘍と診断できます。

原発性副甲状腺機能亢進症手術症例の2.6-6.8%は、定位置にない異所性副甲状腺腫です。縦隔などエコーが届かない場所にある異所性副甲状腺腫に、造影CT, 99m-Tc MIBI-SPECTは有用です。

[長崎クリニック(大阪)では大阪市立大学医学部附属病院 代謝内分泌内科に依頼します]

FNA-PTH

穿刺細胞診:甲状腺の中にあり、どうしても甲状腺腫瘍と区別できない時、穿刺細胞診と針先洗浄液でPTHを測定(FNA-PTH)。カットオフ値はintactPTH>103pg/mlで、感度・特異度ともに100%です。(Eur J Endocrinol. 2012 Dec 10;168(1):49-58.)

ただし、副甲状腺は被膜が破れやすく針に沿った副甲状腺細胞のばらまき・出血があるので最後の手段です。特に副甲状腺癌は播種しやすく、針に沿って癌細胞をばらまく危険あるため禁忌。(ただし米国のメイヨークリニックはじめ、イタリア、ポルトガルなどFNA-PTHの統計を報告していますが、実際に播種した例は1例もないようです。出血の危険は、甲状腺腫瘍と同じです[Endocrine Practice 07/2012; 18(4):441-9.])

隈病院では、FNA-PTHを多数おこなっているものの、甲状腺の中にある/甲状腺に接している副甲状腺腫は、甲状腺組織がバリケードになり、播種しないとの事でした(隈病院の第15回隈病院甲状腺研究会)。図は、セミナー時、隈病院の工藤 工 (くどう たくみ)先生が提示されたものです。

測定する副甲状腺ホルモン(PTH)インタクトPTHホールPTHがありますが、隈病院の工藤先生によるとどちらでも良いようです(副甲状腺のう胞はホールPTHの方がよいとの事です)。

甲状腺内副甲状腺腫

甲状腺内副甲状腺腫は、超音波(エコー)検査で甲状腺腫瘍と形態的に区別できません。99m-Tc MIBIシンチグラフィーで99m-Tc MIBIを取り込めば甲状腺内副甲状腺腫と診断できます。I-123 MIBIを取り込まない甲状腺内副甲状腺腫もあり、穿刺細胞診と針先洗浄液でインタクトPTHを測定(FNA-PTH)。甲状腺内副甲状腺腫は、甲状腺が周囲にあるため、針に沿った副甲状腺細胞のばらまき・出血の危険が少なくなります。(写真:隈病院 第9回神戸甲状腺診断セミナーより提供)

甲状腺内副甲状腺腫に穿刺細胞診おこなった場合、索状配列で、甲状腺髄様癌のようなsalt and pepper状クロマチンの核を持つ神経内分泌細胞を認めます。免疫染色すると甲状腺由来のTTF-1陰性、副甲状腺由来のクロモグラニンA陽性です。

副甲状腺腺腫は、神経内分泌細胞なので紡錘形細胞を認めます。

副甲状腺腺腫は、salt and pepper状クロマチンの核を持つ神経内分泌細胞です。

副甲状腺腺腫は、クロモグラニンAで染色されます。

腺腫様甲状腺腫に合併する甲状腺内副甲状腺腫

腺腫様甲状腺腫に合併する甲状腺内副甲状腺腫は、腺腫様結節と区別が難しいだけでなく、多腺性(5-6腺)の事あります。

(第55回 日本甲状腺学会 P2-09-10 バセドウ病と甲状腺内副甲状腺腫を合併した1 例)

高カルシウム血症の治療

  1. 生理食塩水大量輸液+ループ利尿薬(尿量2L/日, 最初の2日は3-4L/日)
  2. カルシトニン皮下注射
    即効性があり数時間でカルシウム低下
    1日2回、静注または筋注
    1-2週間でエスケープ現象おこし効かなくなる
  3. ビスフォスフェート点滴(ゾメタ®、アレディア®)
    24-72時間でカルシウム低下、1週間効果持続
    急速静注で急性尿細管壊死おこすため緩徐に点滴する
    発熱・頭痛・全身倦怠感おこす事ある
    治療により低リン血症が増悪する事多く、血中リン濃度が2mg/dl以下になると致命的な臓器障害がおこります。静脈用リン製剤を投与すると肺などに石灰化がおこり致命的になるので要注意
    繰り返しの治療で顎骨壊死症候群(骨髄炎の治癒が遷延したような病理組織像。糖尿病/肥満、喫煙/飲酒、口腔内の不衛生さ、悪性腫瘍の治療が危険因子。)

    経口ビスフォスフェートは、ほとんどカルシウム下がらない
  4. 血液透析
    血中カルシウム濃度が16mg/dl以上で
    腎不全がある場合
    治療しても血中カルシウム濃度が下がらない場合

副甲状腺腺腫、副甲状腺癌、副甲状腺過形成自体の治療

副甲状腺腺腫、副甲状腺癌、副甲状腺過形成手術

現行のアメリカのガイドライン(2013年)では、

  1. 血中カルシウム濃度が、正常の上限より1.0mg/dlを超える、
  2. 骨量が、一定レベル以上低下
    椎体骨折
  3. 腎機能の数値であるeGFRが60ml/min未満
    尿Ca ≧400mg/日
  4. 腎臓結石/石灰沈着
  5. 年齢が50歳未満

に一つでも該当すれば無症候性(自覚症状がない)であっても副甲状腺摘出術(PTX)が推奨されます(Endocrine 39 : 199-204, 2011)。

原発性副甲状腺機能亢進症 手術基準

シナカルセト塩酸塩(レグパラ®)

シナカルセト塩酸塩(レグパラ®)は、副甲状腺細胞上のカルシウム感知受容体(CASR)を活性化、カルシウム感受性 を増強します。結果、副甲状腺ホルモン分泌と血清カルシウム値を低下させます(理論上はそうですが、実際は異なります)。

カルシウム受容体作動薬シナカルセト塩酸塩(レグパラ®)が、

  1. 副甲状腺癌
  2. 副甲状腺摘出術不能
  3. 術後再発の発性副甲状腺機能亢進症

高カルシウム血症に保険適応が認められました。しかし、治療効果は副甲状腺摘出術(PTX)に比べれば劣ります(Ann Surg 255 : 981-985, 2012)。シナカルセト塩酸塩(レグパラ®)は、Caは下がり、脊椎骨密度改善しても、副甲状腺ホルモン(PTH)は正常化せず、大腿骨密度も改善しない事が半数以上のようです。

血清Ca値
正常化率

副甲状腺ホルモン
(PTH)
正常化率
大腿骨密度改善率
(Femur BMD)
脊椎骨密度改善率
(Spine BMD)
シナカルセト 70.6% 35% 18.8% 70.6%
副甲状腺摘出術(PTX) 100%  76% 58.8% 82.4%

副甲状腺癌

副甲状腺癌では、高度の高カルシウム血症と腎不全をおこす可能性高く、腎不全も高度なら高カルシウム血症に(低リン血症ではなく)高リン血症伴います。あたかもビタミンD中毒のようです。多量の輸液(3l/日)、血液透析、シナカルセト塩酸塩(レグパラ®)、カルシトニン皮下注射、ビスフォスフェート点滴おこないます。

副甲状腺癌は、エコーでは、副甲状腺腺腫異なり球形に近いいびつな形です。

副甲状腺癌
副甲状腺癌  超音波(エコー)画像

副甲状腺癌  超音波(エコー)画像

副甲状腺癌 超音波(エコー)ドプラー

副甲状腺癌 超音波(エコー)ドプラー

副甲状腺腺腫のように見えるも、実はただのリンパ節

リンパ節

副甲状腺腺腫と同じ位置(写真では右甲状腺の下極)にあり、副甲状腺腺腫のように見えるも、実はただのリンパ節です。

副甲状腺腺腫との違いは、リンパ節では

  1. 内部血流が無く
  2. リンパ門が存在します(ここだけ血流があります)

原発性副甲状腺機能亢進症甲状腺機能亢進症が合併、クッシング症候群先端巨大症までも!?マッキューン・オルブライト(McCune-Albright)症候群

小宇宙3

マッキューン・オルブライト(McCune-Albright)症候群は、常染色体優性遺伝なのに、まれな病気です。マッキューン・オルブライト(McCune-Albright)症候群は、刺激性Gタンパク遺伝子変異による、副甲状腺,甲状腺,副腎,下垂体など複数の内分泌腺自律性機能亢進(要するに無制御にホルモンを産生する)病気です。

詳しくは、 非自己免疫性家族性甲状腺機能亢進症甲状腺機能性結節が混在---マッキューン・オルブライト(McCune-Albright)症候群 を御覧ください。

副甲状腺ホルモンが逆説的に骨形成を促進?

副甲状腺ホルモンアナログ製剤により骨形成マーカー血清I型プロコラーゲン‐N‐プロペプチド(PINP)が著明に上昇。骨形成過程で、PINPが切除され成熟型のI型コラーゲンが形成されます。

甲状腺関連の上記以外の検査・治療   長崎甲状腺クリニック(大阪)


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